二上山−和泉葛城山往復
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- GPS
- 22:51
- 距離
- 118km
- 登り
- 9,067m
- 下り
- 9,059m
コースタイム
- 山行
- 13:56
- 休憩
- 0:59
- 合計
- 14:55
- 山行
- 7:23
- 休憩
- 0:31
- 合計
- 7:54
天候 | 晴れ、無風 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
その他周辺情報 | 太子温泉が営業時間変更で10時からだったので入らず帰宅 |
写真
感想
某有名トレランブログの企画
「二上山<->和泉葛城山往復」
にチャレンジ→無事達成しました^^v
最近、リタイヤ続きだったので久々に達成感を味わえましたが、もう2度とやりません(できません?)笑
■準備
彩の国100mileレースの準備として、24時間動き続ける良い練習はないかと探していたところ、この企画を見つけました。
24時間動き続けるには、胃の調子を整えておかないと補給が出来ず動けなくなるので、リモート飲み会も炭酸水で乗り切り、1週間の禁酒生活で挑みました。
■補給食
補給はホントに難しいですね。
今回も上手くいったとは思えないので、次回に向けて書き留めておきます。
・大きなおにぎり×2
・冷凍大学いも×1
・ミニチョコクロワッサン×4(6個入り中4個消費)
・柿の種小袋×1
・果汁グミ(みかん)×1
・ジェル×3(カフェイン入り2+ノンカフェイン1)
・エブリサポート(経口補水パウダー)×4
・MAGMA×1
・MAG-ON×1
・塩分チャージタブレット×8
・お茶 500×2
・コーラ 500+350
・缶コーヒー 200
・ホットココア 200
・天然水 大量(実質、500×4くらい)
計 4.5リットルくらい
補給食の部 優勝は果汁グミ!
小腹が空いたら咀嚼もできるし、飴のように舐めるだけの使い方もできます。
また、今回のように道中にコンビニや売店が無く、水場のみの補給だと水に飽きてくるので、グミを口に含んで水を飲めばジュースになる(ような気がする)
深夜帯は固形物が食べられなくなるので、果物系のゼリーがあると嬉しい。ゼリー系は重くなるので、荷物の軽量化とご相談。今回はアミノ酸系のサプリが全然なくて困ったので、少しは入れておこう。
■往路
今回も、本当に行くかどうかの覚悟が決まらず、不安の中スタート。ソロでのロング走イベントはいつもこの調子なので、何も考えずスタートしたほうが良い。
二上山の登りに差し掛かる、今回は往復なので、往路の登りは復路で下りに、下りは登りになる。登りはキツイが、復路で下りになると考えれば気分的に楽だし、下りは楽しいが、復路で登りになると考えると、気分的にツライ。二上山頂で既に汗ダク。本当に行けるのだろうか。早くも折り返して温泉に入ってゆっくりしたらエエやん。折角の休みやのに。という真っ当な自分が押し寄せて、頭の中で葛藤を始める。岩橋山の下りで、「これを登り返すのは絶対無理」と頭の中の葛藤が、徐々に真っ当な自分に支配されていく。今回は本当に無理、和泉葛城山じゃなくて、大和葛城山の往復でも十分。完全にリタイヤモードに支配された。不思議と体の動きも重くなる。僅かに残る“諦めない自分”はいつ登場するのだろう。期待するが、登場する気配がない。リタイヤモードを阻むためには、帰れない理由が必要だ。今回は途中補給できる箇所が全くないと考えていたので、所持金が3,000円くらいしか無い。途中で止めても電車でギリギリ帰られるかどうか。という金銭的理由がリタイヤを阻んでいたように思う。金剛の水で気分を変えようと、大きな天むすを取り出してモグモグタイム。すると、見るからに速そうなランナーと遭遇した。
「どちらから、どちらまでですか?」
「二上山から和泉葛城山まで行こうと思っています」
「おぉ!65kmくらいですね。僕も先週行きました。今日は竹ノ内峠に車を停めて金剛山までピストンです。で、和泉葛城山からどうやって帰るんですか?」
「実は、往復しようと思ってます」
「ええっ!じゃあ、夜を越えますね。頑張ってください」
ついに宣言してしまった。紀見峠くらいで止めようと思っていたが、これで行くしかなくなった。と、覚悟を決めたつもりが、金剛山の登りで先ほどのランナーとすれ違った後は、「紀見峠で止めても気づかれへんから大丈夫やって」と再びリタイヤモードの自分に支配されていく。
紀見峠に到着。ここまで約5時間半。時刻は14:30、紀伊見荘も開いてないし、めっちゃ中途半端な時間帯。行くという選択肢しかなくなっていた。滝畑の自販機が開いてなかったら、槇尾山までいって折り返そう。そうしよう。そう考えると少し気分が軽くなり、岩湧山までのキツイ登りも、帰りは下りになルンルン。とばかり、淡々と消化していく。岩湧山をクリアして、滝畑に到着。自販機が開いている。自販機で補給したら和泉葛城山まで行くんやったっけ。まあいいか。とりあえず補給補給。何を買うか吟味していると、モトクロスバイクに乗った方が話しかけてきた。
「僕もトレラン始めようと思うんですが、どれくらいのペースで走るんですか。キロ10分くらいですよね。ちなみに今日はどちらまで?」
「和泉葛城山まで行こうと思ってます」
「すぐそこですね。たまに100kmとか変態みたいに長い距離走る人とかいるじゃないですか。あんな人たちはどうやって補給してるんですかね」
「ザックに食料を入れて持ち運んだりしているんだと思います」
「どれくらい持っていけばいいんだろう。スミマセン邪魔しちゃって。頑張ってください」
一方的にそう言い残し、さっそうとバイクで去っていったあの方から、最大の誉め言葉である“変態”の称号をいただいた。もう、行くしかない。和泉葛城山まで行く覚悟がようやく決まった。
桧原越の分岐を過ぎると、そこからは4年ぶり?の未知なる世界。トレランを始めたころに一度来たことがある程度で、ほとんど記憶にない。まずは気持ちを落ち着かせるため、卵焼き明太子がサンドされたおにぎりと、滝畑で調達したフレッシュなコーラをいただく。美味い!が、食べるのがキツくなってきているのを感じた。徐々に胃にダメージが蓄積されているようだ。和泉葛城山まで到着すれば何とかなる。そう自分に言い聞かせながら、淡々と登りを消化する。三国山で久々のロードに出た。この区間以外はほとんど山の中なので、少しだけホッとしていた。鍋谷峠を越え、最後の登りに差し掛かる。よし、ゴール(まだ半分)が見えた。その矢先、前からヘッデンの明かりが。後に気づいたのだが、この方はTwitterで相互フォローしている方だった。もっと色々話せばよかったと少し後悔。
「まさか、誰かとすれ違うとは。どちらまでですか」
「二上山から和泉葛城山の往復にチャレンジしています。どちらから来られたんですか」
「岬公園から屯鶴峯までの予定です」
「ウルトラダイトレですね。しかも逆ルート。凄いです」
「いや、二上山-和泉葛城山の往復の方が凄い。この先水場が無いですが水は大丈夫ですか?」
「少し不安ですが、滝畑の自販機で補給できたので何とか行けると思います。ありがとうございます」
「この先、道も荒れているので気を付けてくださいね。多分追いつかれると思うのでその時また会いましょう」
リタイヤモードから、やる気モードにスイッチが切り替わる音がした。和泉葛城山まで行って、この方を追いかける!単なる往復という漠然とした目標が、先行者を追いかけるという明確な目標に変わった。深夜のトレイルに同じ二上山方面へ向かっている方がいると思うだけでテンションが上がる。もう、独りじゃない。(いや、独りです)
和泉葛城山頂を踏み。すぐに折り返す。さぁ、追いかけるぞ!
■復路
結局、追いつけなかった。
後にSNSのコメントを拝見すると、紀見峠のローソンに立ち寄られていたようだ。今思えば、岩湧山から紀見峠に向かう3合目付近の分岐(直進はダイトレ、右に行くと駅)の先から、急に蜘蛛の巣が増えたので、そこで追い越してしまったのだろう。
それでも、どこかで追いつけるはず。というモチベーションを切らさず、最後まで夜を走りきれたのは今回の収穫だった。
■往復達成
往路さえ行ってしまえば、復路は早く帰りたい精神で何とかなると思っていた。結果的に予定通りの結果にはなったが、往路がこれほどキツイとは。進めば進むほどゴール(スタート地点)が遠くなるのは当たり前なのに、こんなに遠くまで来て本当に帰れるんだろうか。というリタイヤモードの自分が結構強く主張してきた。でも、達成したら、またやりたくなる。深夜のトレイルは本当に神秘的だ。今回は風もなく、気温も最適。星が見えないほど月が輝き、岩湧山の登りならライトなしでも登れるんじゃないかと思うほどだった。テント泊の方も多く、昼も夜も絶好の山日和だったのだろう。
一定のリズムで刻み続ける次の一歩
足ではなく体幹で走る、飛ぶような感覚
登りなのに心拍が上がらず全身が押し出される
急な登りでも一定のリズムで次の一歩が出る自然な重心移動
言葉にするのは難しいが、体中の細胞と山の中の空間が共鳴し、全身を前へと押し出してくれる。いつまでも走り続けられるのではないかという不思議な感覚が全身を覆う。夜のトレイルは神秘だ。
山と純粋に向き合う贅沢な時間を過ごせたことに感謝!
コメント
この記録に関連する登山ルート
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レコを見落としコメントが遅れました。
毎度驚かされますが、今回も凄い距離ですね。
感想に書かれている「一定の〜」以降の最後の言葉には感動しました。
そんな境地に到達してみたいと思う私も、ひょっとして変態なのかも知れません。
残念ながら彩の国100mileレースは中止になったようですが、今後益々のご活躍を楽しみにしています。
Kumainkobe ฅʕ´ᴥ`ʔฅ
コメントありがとうございます!
夜は睡魔で全く進まない時もありますが、
今回はトランス状態で勝手に体が動く不思議な感覚でした。
Kumainkobeさんの六甲全縦のエイジシュートレコを拝見しました。
おめでとうございます!
同じコースでもまた行きたくなる。
山って不思議ですね。
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