南岳 撮影山行 〜南岳新道はキツかった
- GPS
- 76:30
- 距離
- 29.1km
- 登り
- 2,414m
- 下り
- 2,403m
コースタイム
6日:槍平小屋6:50 - 12:55南岳小屋
7日:停滞
8日:南岳小屋5:50 - 7:30中岳 - 8:35大喰岳 - 8:55飛騨乗越 - 11:55槍平小屋12:45 - 15:45穂高平 - 16:50新穂高
天候 | 5日:雨 6日:雨のち曇り 7日:晴れ 8日:晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 自家用車
(駐車場からロープウェイ方面の近道はクマ出没ということで通行禁止だった) |
コース状況/ 危険箇所等 |
■登山ポスト:新穂高登山指導センター ■道の状況: (新穂高〜白出沢)ダンプも通る林道 (白出沢〜槍平)沢沿いの林の中を石を積んだ道を登る (南岳新道)南沢下部に雪渓が残り注意。森林限界を越えるまでは非常に狭い道を登る急登で梯子、鎖も多い。雨天時は滑るので注意。丈夫で尾根から一旦谷へ下りる部分に雪切りをした箇所があるが問題ない。 (南岳〜飛騨乗越)特に問題なし (飛騨乗越〜槍平)特に問題なし ■入浴:新穂高近辺に多数の入浴場所 今回はロープウェイ近くの中崎温泉「奥飛騨の湯」 800円(小屋などに割引券有) |
予約できる山小屋 |
槍平小屋
|
写真
感想
山岳写真ASAのSさんと南岳へ撮影山行に出かける。
南岳小屋は昨年槍穂縦走の際に泊まっており、ぜひもう一度撮影のために滞在してみたいと思っていた。
( http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-220572.html )
今回は新穂高側から南岳新道を登り、南岳に2泊してから登った道を戻る計画。
【1日目】
松本でSさんと待ち合せ、車で新穂高へ。運良く無料駐車場に止められたが歩き出すのが12時を過ぎ、しかも雨が降ってきた。
白出沢までは工事用車両の走る林道を緩々と2時間ほど登る。沢を渡ると本格的な山道になってどんどん高度を上げて行く。
雨が続いているので滝谷の出合では流れが激しく、数日前に流されて再架橋されたという木の橋を恐る恐る渡る。
滝谷を過ぎるともうすれ違う人もいなくなり、槍平の小屋に着いたのは5時半になってしまった。
小屋に着いてからも雨は止まず、翌日の好天を願って眠りにつく。
【2日目】
5時前に目を覚ますと雨は止んでいて稜線の影も見えているので安心する。
ところが朝食を終えて準備をしている間にまた雨が、しかも結構強く降り出して憂鬱な気分。暫く止むのを待ってみるが、仕方なく7時前に出発する。
小屋から暫く登って行くと南沢に出るが、沢にはまだ雪渓が残っていて20mほど雪の上を歩いて沢の向う側にある夏道に取り付かないといけない。
雪渓はかなり急な上に今にも崩れそうで神経を使った。ここを下りに通るのは嫌だなあ、と一瞬思う。
夏道は急な尾根にジグザグに付けられていて、道幅は細く、雨で濡れて滑りやすい木の根や梯子も多くて気を使う。
登っているうちに雨は次第に止んできて、いつしか笠ヶ岳や双六方面の稜線も雲の隙間から覗くようになってきた。
2時間あまりで森林限界を抜けて穂高の岩峰や南岳の稜線が見えるようになってくるが、これからがまだまだ長くて岩稜の道を休み休み這い上がってコースタイム4時間のところ、6時間かけて南岳小屋に到着。
この日の午後はずっとガスが取れず、夕方の撮影チャンスも諦めて早めに寝る。
【3日目】
3時前にSさんに起こされて星がきれいだと教えられる。ただこの時間に星を撮る計画はしていなかったのでさらに少し横になってから3時半頃になって外へ出る。
前日に下見をして朝の穂高を撮るならここ、と考えていた常念平へ二人で行ってみる。
薄明ながらまだ星の残る風景を少しずつ撮りながら日の出を待つ。太陽の出る東の空には少し雲が見えるが、周囲の山々の稜線にはまったく雲のない快晴。
天気が良すぎて写真にならないという不安は的中して、日が出るとそれなりに山肌は焼けてきれいだったがガスがないので劇的な絵にはならないまま。
撮影の間に、Sさんが大キレットの下方にヘッドライトらしい光を見る。後で分かったのは、前日の夕方に滑落した人がビバークしていたらしく、この日の朝7時頃にヘリコプターで救助された。
終日天気の良かったこの日はお昼過ぎからどんどん登山者が到着し、小屋はあっという間にいっぱいになった。
夕方近くになるとだんだんガスが上がって来てキレットも穂高も見えなくなったが、基本的には晴れているので日が落ちる頃にはガスが沈んで良い条件になると確信していた。
夕食後にキレット入り口付近に三脚を構えていると、案の定ガスが次第に下がっていって景色が見え始める。
思った通りだと撮影をしていると、すっかりガスが消えてしまい、朝と同じようにあまり絵にならない状態になってしまった。
日が沈んだ後も同じ場所で暗くなるのを待ち、穂高の真上に天の川が見え始めたところを撮影してから小屋へ戻る。
【4日目】
この日の朝も快晴。
当初は南岳新道を下りる計画だったが、登った際の様子から下山に使うのは我々にはリスキーと感じたので、稜線を飛騨乗越まで歩いて飛騨沢を下りることにする。
Sさんは先に出て南岳山頂で撮影をし、自分は昨日と同じく常念平で撮影をしてからSさんを追いかける。
中岳の麓付近でSさんに追い付き、二人で中岳の岩ゴロの道を登って行く。
頂上付近で振り返ると、穂高全体や焼岳、乗鞍まで一望で素晴らしい景色。ここはなかなかの展望台だ。
沢山の登山者とすれ違ったり追い越されたりしながらさらに大喰岳を越えて飛騨乗越まで下る。
飛騨乗越からは急勾配の下りでだいぶ膝に負担がかかる。登って行く人はみな苦しそうだ。
やがて勾配も緩むと色とりどりの花畠が斜面に広がり楽しい。天気の良い日にこの場所を通過できて良かった。
千条沢への分岐を過ぎて暫く行くと樹林帯に入る。
この辺から槍平までは1時間そこそこのはずなのだが、気温も上がり暑くて苦しく、ずいぶん長い時間に感じた。
やっとの思いで槍平小屋に辿り着き、お昼にラーメンを頼み、さらにかき氷を食べて一息つく。
小屋を発ち、長い長い山道を歩いて白出沢に着いた時はもう足が棒。そこからの林道では疲れて二人ともほとんど口をきかない。
槍平を出て三時間で着いた穂高平小屋で休憩してもう一度かき氷を貰う。
これで少し疲れがとれ、最後の力を振り絞って新穂高へ。
この日10時間強、約20kmを歩いて夕方5時に車に戻った。
思いがけない遠回りになってしまったが、無事に下山でき、また2日間撮影を楽しめて記憶に残る山行だった。
★★ TadとSさんが所属する「山岳写真ASA」のHPは→ http://www.ifnet.or.jp/~asa.p/ ★★
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する