羊蹄山/比羅夫コース往復
- GPS
- 25:00
- 距離
- 21.3km
- 登り
- 1,901m
- 下り
- 1,956m
コースタイム
登山口 11:35→風穴 12:16→2合目 12:38(18分休止)12:56→3合目 13:14→4合目 13:34→5合目 14:14→6合目 14:50→7合目 15:22→8合目 15:58→9合目 16:15→羊蹄小屋 16:42
8/20
羊蹄小屋 3:40→旧小屋分岐 4:05→火口中央道分岐 4:08→京極コース下山口 4:25(40分待機)5:05→三角点 5:08→山頂 5:15(20分休止)5:35→喜茂別コース下山口 5:38→真狩コース下山口 6:20→旧小屋跡 6:30→旧小屋分岐 6:40→羊蹄小屋 7:02(80分休止)8:22→9合目 8:38→8合目 8:50→7合目 9:14→6合目 9:36→5合目 10:00→4合目 →3合目 10:40→2合目 10:52→風穴 11:16→登山口 11:38→半月湖駐車場 11:52(12分休止)12:04→半月湖 12:16→半月湖駐車場 12:35
※10分未満の小休止は記載を省略しています。
天候 | 8/19 曇のち雨一時止む 8/20 晴のち曇 |
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過去天気図(気象庁) | 2013年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
登山口の駐車場はそのまま直進し、突き当たりに車止めが見えたら右へ入ってすぐのところにあります。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
登山口から9合目までは危険箇所はありませんが、8月上旬に2合目下の風穴付近で登山者がハチに刺される事故があったそうです。 9合目の分岐付近が開けた場所になっていますので、悪天候の際は登山道を外れないよう足元の目印をよく確認してください。 山頂の前後、京極コース下山口の手前から真狩コース下山口のあたりまで(時計に例えると、2時頃から7時頃まで)岩場が連続します。 岩場としては特に難しくはありませんが、日の出前・日没後の通過は控えたほうがいいかと思います。 このため、御来迎を見るために暗いうちに登頂する場合は、比羅夫コース下山口(旧小屋跡分岐)および北山を経由して、時計回りで山頂を目指すのがお勧めだそうです(小屋管理人さん談)。 なお、山中には水場がありませんので、登山口で充分に補給していく必要があります。 |
写真
感想
実は知人夫婦が倶知安町内で手打ちそばの店をやっているのです。
地元ではちょっと知られた店で、町外にもファンが多いなかなかの人気店だそうで、お盆の時期などは並大抵ではない混雑ぶりらしく、その間は従業員だけでは手が足りなくなるから手伝ってくれる人がほしいという話を聞いていました。
そんな中、今年(2013年)の関東の夏は並大抵ではない猛暑ぶりで、こりゃたまらんなあと思っていたところ、この話を思い出して、ひとつ北海道へ脱出してみるか、という気になったという次第です。
早速知人に「手伝いに行きたいんだけど」と連絡したところ、「それは助かる!」と即決。
私が山登りをやることは知人も承知しているので「ついでに羊蹄山にも登りたいんだけど」と言いだしても「いいよいいよ」と二つ返事であっさり承諾。
かくして、人生初の北海道登山が決まりました。
当初、日帰りのつもりで準備をしてきたのですが(なのでストーブもクッカーも持たず)、数日ほど店を手伝い、いよいよ登るまであと数日という時になって、知人が「墓参りに行くので1泊してくるわ」ということになり、それじゃ自分も上の避難小屋に泊まって1泊2日にしようと、計画を変更。
知人も羊蹄にはすでに数回登っているので「小屋に泊まって朝早く出て、山頂で御来迎を見るのがいいよ」と言っていたのもありました。
もっとも、当初は日帰りの予定だったので、食料も1日分+αしか準備していません。
買い出しに行こうとすると、知人が「小屋にジンギスカン(の肉)持ってってやってくれ」と言います。
聞くと、知人は小屋の管理人Kさんと知り合いだというのです。
ただし、管理人は1週間ごとに交代で、私が登る日はKさんは小屋におらず、もうひとりの管理人Mさんが担当しているとのこと。
Mさんと知人は直接の面識はないそうですが、それでも差し入れをしてやろうという知人、なかなか太っ腹です。
というわけで当日、肉と刻みキャベツともやしと焼きそばと、ビール500ml缶×6本と、さらにおつまみの乾き物まで持たされて、予定外にパンパンになったザックを担ぎ、比羅夫コースの登山口へ。
ちなみに登山口までは知人の車を貸してもらっての移動でした。やっぱり太っ腹だ!(一応書いておくと、知人はメタボ体型ではありません)
登山口で登山者名簿に記入して出発。
最初のうちは緩やかな登りですが、さほど行かないうちに急な登りになってきました。
まあこれは事前に地図を見て分かってはいたことですが、ジンギスカンやらビールやらで荷物が重くなっている身にはやっぱり急登はこたえます。
おまけに、2合目で少々補給などした後で、よし行くかという時になって突然雨が降り出してきて、背負いかけたザックをまた下ろして雨具を着込んだりするなど、なかなか前途は多難。
じっと我慢して一歩一歩進み、3合目、4合目、5合目と、じりじり標高を上げていきます。
途中、小学生くらいの子たちの集団(遠足か何か?)とすれ違った時に「頑張ってください!」と励まされちゃったりして。
雨が降ったり止んだり、ちょっと晴れたと思えばまたガスったりの繰り返しでよく分からない天気の中、ようやく9合目の分岐に到着、まっすぐ小屋に向かいます。
分岐からはほぼ平らな道になり、だいぶ気分も楽に。
荷物が重くてチンタラ歩いてきたのと、9合目からの道の傍に高山植物が多く花を咲かせていて写真を撮りまくっていたのとで、出発してから5時間ばかりかかってようやく小屋に到着しました。
さっそく管理人のMさんに挨拶。
Mさんも「蕎麦屋さんの知り合いが登ってくる」とKさんから聞いていたようで、にこやかに迎えてくれました。
ジンギスカンとビールを持ってきたことを伝えると「おお!」と目を丸くしたMさん、「さっそく食べましょう!」ということで、肉と野菜を焼きつつビールで乾杯。
「いやー、うれしいなあ」を連発しながらせっせと食べるMさん。
喜んでもらえたようで、重い思い(あっ!ダジャレになっちゃった!)をして持ってきた甲斐がありました。
ちなみに先述の通り、小屋の管理人は1週間交代なので、入山の際に1週間分の食料を自分で運び上げてくるのですが、傷みやすい生野菜は普通持ってくることはないそうで、肉もそうですが、キャベツがとりわけ有難かったということです。
二人してジンギスカンを貪っていると、隣にいた3人組の人たちが「ホルモン鍋はどうですか」と勧めてきました。
3人なのに、明らかに10人分くらいは作っているようです。聞けば、もやしだけで1キロ担いできたとか。何なんだおい、凄いな!(笑)
そんなこんなでやたらと充実した夕食を終え、外に出てみると、さっきまでの天気が嘘のようにガスが取れ、綺麗な夕焼けが広がっています。
下界もクリアに見えていて、明日の御来迎に期待が持てそうです。
ちなみにMさんが宿泊者に説明してくれたところによると、
・今の時期は日の出が4時半なので、御来迎を見るには1時間前の3時半に小屋を出発するのがよい
・御来迎を見るのにベストな地点は京極下山口から山頂の間の区間(※Yasuharu注:時期によって変わる可能性あり)
・小屋(火口西側)と山頂(同東側)は火口を挟んでちょうど反対に位置している。火口南側は岩場が続くので、暗いうちは北側経由(時計回り)で山頂を目指すのがよい
日の出が4時半と聞いて「早いなー」と口にした人に、「これでも遅くなった方ですよ」とMさん。
一番日の長い時などは3時半くらいだったため、その時期はみんな2時半に起きだして小屋を出ていったのだそうです。えらいこっちゃ。
というわけで翌朝3時、「そろそろかな…」と起床してみると、宿泊者のほぼ全員(というか確実に全員)が続いて起きだし、30分後にはみんなヘッデン点けて小屋を出発。
やっぱり小屋に泊まる目的ってみんな同じなんですね。
Mさんのアドバイス通りに時計回りで火口を進み、日の出の20分ほど前に京極下山口付近のピークに到着し、他の宿泊者の皆さんとともにスタンバイ。
晴れてはいるものの若干雲が多かったですが、その雲のすき間から真っ赤な御来迎を見ることができました。
みんな満足して山頂まで移動すると、その太陽が今度は薄明光線に変化し、雲の切れ目から光の筋がいくつも地表に降り注いでいます。
それを目にした皆さん、口々に「太陽やばい」とつぶやいていました。
珍しいものも見ることができてまたも満足し、引き続き火口の周りを一周。
山頂の付近はそこそこの岩場になっていて通過に若干手間取ります。なるほど、こりゃ確かにMさんもお勧めしないわけだ。
他の皆さんが真狩下山口から小屋へ下りる中、私はひとりだけ旧小屋跡を経由して遠回りで戻りました。
再び出迎えてくれたMさんとあれこれ話をしながら下山の準備。
今シーズン小屋が一番混雑した日は7月の海の日で、80名ほどが宿泊したこと、今工事をしている新しい小屋は来年から稼働予定だが、規模は今の小屋の3分の1ほどになること、従って収容人数は20〜30名程度に減少すること、今の小屋は来シーズンに取り壊して、再来年からは跡地をテン場にするという話があるが、まだどうなるか分からないことなどを聞きました。
国立公園内なのでいろいろ制約が多いでしょうが、環境に負荷をかけない範囲で便利になってほしいものです。
さて、昼頃に知人が登山口まで迎えにきてくれることになっているので、それに合わせて下山開始。
天気も、時折曇ったり雨がパラついたりしたものの、前日ほどには崩れもせず、順調に標高を下げていきます。
途中、登ってくる人とすれ違うたびに「上はどうでしたか?」と、天気を心配する質問をされ、「朝イチで山頂に登ってきたので今のことはよく分かりません…」だけしか言えないのも申し訳ないので「昨日から風が強いので、ガスっててももしかすると一瞬切れる時があるかもしれないです」と、多少なりとも期待をしてもらえるようなことを付け足しておきました。
その通りになってくれていればいいんですが…。
お昼前に無事登山口に到着したものの、知人と打ち合わせていた時間まではまだ余裕があったので、おまけということで登山口下にある半月湖に立ち寄ることにしてみました。
登山口の駐車場から歩いて10分足らずで、トイレのある広い駐車場に到着。
もしも登山口の駐車場が満車の場合は、ここに車を置くこともできそうです。
駐車場から半月湖を周回する道(一周30分ほど)に入り、そこからさらに湖畔へ下りていく道へ。
道は登山道ではなくハイキングコースなので、よく整備されています。
そしてたどり着いた湖畔は、とても静かで虫の羽音だけが響いている、実に長閑な場所でした。
湖面の周りを木々がぐるりと取り囲み、その上から羊蹄山が頭のてっぺんをぴょこんと覗かせています。
時折吹いてくる風に水面がさっと波打ち、岸に寄せてきてはまた静かになるという、その繰り返しを無心になって眺めている私。
いい夏休みだったなあ。
本当に、今回の山行では知人にもMさんにも、小屋で一緒になった皆さんにも、いろんな人にお世話になって、登る時はいつも通り単独でも、通常の単独山行とはまた違った思い出ができました。
この場を借りて皆さんに感謝します。
またいつか、新しくなった小屋を見に来たいですね。その時は違うコースで登るのもいいかな。
ちなみに、知人の店というのはこちらです。
手打蕎麦 いちむら
倶知安町字山田68-4
0136-23-0603
http://tabelog.com/hokkaido/A0106/A010603/1005397/
最初に書いた通り、お盆の間の2週間ほどは非常に混雑しますが、それ以外の期間は比較的ゆったりできます。
ここまで読んでくださったあなた、下山後は美味しい蕎麦で一息ついてみるのはいかがですか?
営業時間は11時から15時ですが、売り切れ次第終了となります。食べログの情報とは異なり、現在は夜の営業はやっていないのでご注意ください。
なお、元サイズの写真は
http://photozou.jp/photo/list/74507/7926744
で公開していますので、「写真小せーよ!」という方はそちらへどうぞ。
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