仙丈ケ岳・一泊でのんびり展望満喫
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- GPS
- 32:00
- 距離
- 9.5km
- 登り
- 1,222m
- 下り
- 1,208m
コースタイム
8:55 北沢峠
10:05 大滝頭
11:05-11:20 小仙丈ケ岳
12:20-13:45 仙丈ケ岳山頂(昼食・休憩)
14:00 仙丈小屋
9/14(土)
4:30 仙丈小屋
4:50-5:45 仙丈ケ岳山頂
6:00-7:00 仙丈小屋(朝食)
7:30 馬の背ヒュッテ
8:10 大滝頭
9:20 北沢峠
天候 | 13日:晴れのちガス 14日:行動中は概ね晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2013年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
・往路、仙流荘からのバスは、平日なので8時始発だが、2〜30人程度並んでいたためか、若干早くから運行開始。 ・復路、北沢峠からのバスは定刻の10時発に乗ったが、前に臨時便が出たためか4〜5人程度の乗車。 ・土曜日の仙流荘駐車場は、11時時点で第一は満車。第二に誘導されているようでした。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
・道中、危険個所はない。極めて歩きやすい。 ・登山ポストは、下山後に仙流荘バス切符売り場付近にあるのを発見。 ・下山後、おみやげは長谷の道の駅にて購入。 ・下山後の風呂は、この方面ではメジャーな高遠さくらの湯へ。600円。 |
予約できる山小屋 |
|
写真
感想
8月に歩いた仙塩尾根を、気温が下がって空気が澄んできた時期に遠くから眺めてみたく、山の位置やコース難易度等を比較検討した結果、十数年前以来2度目となる、仙丈ケ岳に登ることにした。
仙丈なら日帰りでも十分往復可能であるが、「山頂から仙塩尾根を、澄んだ空気の下で眺める。」のを最大の目的とする以上、頂上直下の仙丈小屋に泊まり、日の出に合わせて眺めてみたいと考えた。且つ、南アルプスの女王と称される超メジャーコースだけに週末の混雑は不可避と想定されたので、金曜出発・小屋で一泊と、のんびり展望満喫のプランとなった。
関東から北沢峠に入るためには、山梨県側・芦安からと長野県側・長谷からの二通りがあるが、時間的に大差はなく、芦安からだと広河原でのバス乗り換えがあることから、今回は長野県側の長谷・仙流荘から入ることにした。
木曜夜の中央道を走って、仙流荘に着いたのが、金曜日の7時過ぎ。2〜30人程度、バス停に並んでいるが、どことなくのどかなムードで、すぐ近くの第一駐車場もまだ十分空きがある。早速準備をして、往復の切符を買い求める。しばらくして運転士さんが頭数を数えて、8時の便は3台で運行する由。全員確実に座れるよう、柔軟に台数を変えてくれるのは、うれしい心配りである。
私は3台中の2台目に乗ることになったが、偶然にも運転士さんのすぐ脇の、最前列席。道中、ビュースポットの度に運転士さんが小気味よい案内を入れてくれるのが、またいいサービスである。本日は当初、往路は藪沢新道経由を考えていたが、予報より天気がいいようで、頭上には青空が広がっているので、展望を重視して小仙丈尾根経由で登ることとし、バスは終点の北沢峠まで乗ることにした。
バスを降り、早速歩き始める。人気コースだけによく踏まれた道で、ガイド上は「急な登り」とあっても、北岳や飯豊のような激しい急登では全くないので、坦々と高度を稼いでいく。「○合目」の標識は、高度計の数字からして概ね高度100m毎に配置されているようで、これもペースをつかむのにはちょうどいい。
木々の間から甲斐駒が見え隠れする中、五合目の大滝頭にはコースタイムよりだいぶ早く着き、引き続き歩き続ける。しばらくして森林限界を越え、小仙丈ケ岳が遠望できるようになるが、この頃になるとガスがわいてきて、甲斐駒は見えたり消えたりを繰り返すようになる。
小仙丈ヶ岳山頂で、間食がてら一息入れ、更に先に進む。ここまで来ると、本日の主題・仙塩尾根も見えるようになるが、やはりガスに隠れがちである。とはいえまだ青空の面積も多く、快適な稜線歩きを満喫する。品種はわからないが草紅葉も始まっていて、色彩も豊かである。目の前の小仙丈カールがだんだん迫って来る中、仙丈小屋への分岐を右に分けて高度を稼いでいくと、何人かの登山者が休む山頂が右手にひょいと姿を現わした。ほどなくして、無事山頂に立つ。
本日はこの後、眼下すぐに見える仙丈小屋に泊まるだけなので、のんびりである。持参の手製おにぎりで昼食として、昼寝をしながらガスが晴れないか、待ってみる。到着直後は、甲斐駒や北岳・間ノ岳,仙塩尾根の北半分くらいは見えていたのだが、鳳凰三山ははじめから見えず、そのうちだんだんガスが増えてきて、眼下の仙丈小屋さえ、見えなくなったりする。眺望は明朝に期待することにして、14時を期して小屋に入る。
明日は三連休で予約は満員だそうだが、今日は20人程度の宿泊で余裕たっぷり。荷物を置いてから、小屋前のベンチの一角を陣取り、缶ビールで労を癒す。基本は真っ白々の光景だが、たまにガスが晴れると甲斐駒が見えたりする。平日に休んで山に来ることの重要性を改めて噛みしめる、贅沢なひと時である。
少し昼寝をしてから、夕食もその小屋前のベンチで自炊。初の試み・カップヌードルごはんは少々手間がかかるものの、味は極めて良く、これは色々応用ができそうだ。隣のベンチの方々とお話をしながら、月が出る頃までゆっくり食事を楽しんだ。
翌朝は4時に起き、ヘッデン装備で山頂を目指す。満点の星空の下、甲斐駒方面はうっすらと赤らんでいて、期待に胸をふくらませながら足を進める。山頂はそれほど寒くはなく、徐々に赤が広がっていく空を眺めつつ、写真も撮りながら日の出を待つ。水平線近くに雲があり、その分、ピーカンに比べて赤が美しい。
日の出時刻に若干遅れて、太陽が顔を出した。それまで赤く焼けた空の下に影のみ見えていた、本日の主題・仙塩尾根にも陽が差し、全貌が明らかになってくる。手前から大仙丈,伊那荒倉,野呂川越,三峰岳と続き、奥には塩見岳が鎮座している。実に重厚・雄大だ。これはまた是非歩いてみたい。朝日に映える他の山々も十分きれいなのだが、思い入れもあってどうしてもこちらに目が行ってしまう。
十分展望を満喫してから小屋に戻り、簡単に朝食をとってから下山にかかる。帰路は馬の背ヒュッテ・藪沢小屋を経由して、大滝頭から往路に合流するコースをとる。藪沢小屋を通るトラバースコースは人が少なく、大変いい雰囲気であったが、大滝頭から先は、週末の日帰り登山の方がひっきりなしに登ってきて、道を譲るのに忙しい。とはいえ時間には十分余裕があり、北沢峠にはバスの発時刻40分前に下りることができた。少し前に臨時便が出たのか、ガラガラのバスで仙流荘駐車場に戻る。
温泉は、このあたりではメジャーな高遠さくらの湯に入り、昼食は同じく高遠の「兜庵」というそば店に行ってみた。ただ一つのメニューであるざるそばは、つゆが2種類ついており、大変おいしくいただいた。住宅街の家そのものが店になっているところからしても、相当こだわりの店ではないかと推察する。
ということで、目的とした仙塩尾根の展望は十分満喫することのできた山行となった。
今夏は南アルプスづいているが、もう一度、紅葉の時期にも出かけてみたいものだ。そして、仙塩尾根もまた来年以降、是非歩いてみたい。
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