富士山
- GPS
- 32:00
- 距離
- 13.5km
- 登り
- 1,588m
- 下り
- 1,582m
コースタイム
6:00 西新宿
11:00 富士山吉田口五合目 登山開始
16:00 八合目山小屋着 食事・仮眠
7月15日
0:00 登山再開
4:00 登頂
6:00 下山開始
9:30 富士吉田口五合目
天候 | 登山開始時曇り 2日目九合目付近暴雨風雨 下山時曇りのち晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
日程は余裕を持たせ、万全の装備でアタックした今回の挑戦。 登山開始時は天候もよく順調な滑り出し、1時間ほどで森林限界を超える、それと同時にザレ場となり足の踏ん張りが利かなくなり始める。急勾配ではないものの足場が悪いため余計な体力を奪われる。 山小屋の度に小休止し息を整える、この時点では高山病の兆候なし。 八合目通過くらいから軽い頭痛を感じる。3000Mを超え視界を遮る南アルプス山系も眼下に望む。 予定時刻で目的の山小屋に到着、小屋支給の弁当とそこで購入したカップラーメンを食べ早々に就寝に就く。 寝袋を支給されるがいかんせん狭く快適とはほど遠い環境だった、しかも密集しているため暑い。睡眠は殆ど取れなかったが体を休めるには十分だった。 登山客増加で山頂付近は渋滞すると聞いていたので予定時刻より1時間早い0:00過ぎに出発。小屋を出るなり既に長い行列ができていた。前の人にぴったりくっつく状態で歩き始める、この時は周囲は当然真っ暗で自分のヘッドランプが前のリュックを照らす程度だった、そのため気づかなかったが辺りの天候は急激に悪化していた。 登り始めて2時間弱くらいで雨が降り始め風も次第に強さを増していった。状況は好転する事なくやがて暴風雨となり前進が困難なほど天候は悪化した。団体ツアーは立ち往生し団体の多くは九合半のところで登頂断念を余儀なくされた、登山者たちは無念の表情を浮かべ中にはへたり込む人も伺えた。そんな登山者たちを後目に自分たちはとにかく登頂だけを考え歩きを続けた。 3:00近くになると、暴風雨で視界が悪く定かではないがあれだけ渋滞していた登山者もいなくなり自分のパーティー3人だけが暗闇の中歩いていた、終盤に差し掛かると壁を思わせる岩場が現れ体力も限界の体に鞭を打ち挑むも自由が利かず思うように登れない。このとき3人は声を掛け合い激を飛ばし合っていたのをよく覚えている。 間もなく視界が開け暗闇からぼんやり人工的な建造物が見え始めた、鳥居だった。両脇には二頭の狐が鎮座し我々を静かに迎えた。 山頂には山小屋が軒を連ねる状態で建っており、その東側前方が御来光を仰ぐための広場になっていた。 御来光まではまだ1時間近くあったが周囲は登頂者で埋め尽くされていた。この時の気温がおよそ3℃くらいだろうか、歩みを止めた登山者たちは急激に体温を奪われていく。わずかな暖をとるため知らぬ者同士身を寄せ合い雨風から身を守っていた。わずかな体力を保つため誰一人として声を発する者はなく強い風の音だけが耳に叩き付けるのだった。 4:00少し前に山小屋に電気が灯り扉が開放された。登山者たちは傾れ込むように避難する、小屋のスタッフは慣れた様子で誘導し座らせ落ち着いたところで一斉にオーダーを取り始めた。自分は「御来光そば」を注文した、出されたのは至って普通の月見そばだった。そんなことはどうでもよく只暖かいものを体に入れれる事が何よりの幸せだった。 御来光の時間になったが外は相変わらずの悪天候で誰もが諦めていただろう。案の定東の空は重い雲に阻まれ日の出は確認できなかった。その後空が薄らと白み始め気温の上昇と共に雲も消えていった。しだいに下界が見渡せるようになり足下には富士の樹海といわれる青木ヶ原、左手には雄大な姿の八ヶ岳、右手には大きく開けた駿河湾、正面に一筋の光が差し込んだ山中湖が現れた。これを自分の肉眼で見れた事だけでも価値のある挑戦だったように思える。 |
予約できる山小屋 |
里見平★星観荘
|
写真
感想
日程は余裕を持たせ、万全の装備でアタックした今回の挑戦。
登山開始時は天候もよく順調な滑り出し、1時間ほどで森林限界を超える、それと同時にザレ場となり足の踏ん張りが利かなくなり始める。急勾配ではないものの足場が悪いため余計な体力を奪われる。
山小屋の度に小休止し息を整える、この時点では高山病の兆候なし。
八合目通過くらいから軽い頭痛を感じる。3000Mを超え視界を遮る南アルプス山系も眼下に望む。
予定時刻で目的の山小屋に到着、小屋支給の弁当とそこで購入したカップラーメンを食べ早々に就寝に就く。
寝袋を支給されるがいかんせん狭く快適とはほど遠い環境だった、しかも密集しているため暑い。睡眠は殆ど取れなかったが体を休めるには十分だった。
登山客増加で山頂付近は渋滞すると聞いていたので予定時刻より1時間早い0:00過ぎに出発。小屋を出るなり既に長い行列ができていた。前の人にぴったりくっつく状態で歩き始める、この時は周囲は当然真っ暗で自分のヘッドランプが前のリュックを照らす程度だった、そのため気づかなかったが辺りの天候は急激に悪化していた。
登り始めて2時間弱くらいで雨が降り始め風も次第に強さを増していった。状況は好転する事なくやがて暴風雨となり前進が困難なほど天候は悪化した。団体ツアーは立ち往生し団体の多くは九合半のところで登頂断念を余儀なくされた、登山者たちは無念の表情を浮かべ中にはへたり込む人も伺えた。そんな登山者たちを後目に自分たちはとにかく登頂だけを考え歩きを続けた。
3:00近くになると、暴風雨で視界が悪く定かではないがあれだけ渋滞していた登山者もいなくなり自分のパーティー3人だけが暗闇の中歩いていた、終盤に差し掛かると壁を思わせる岩場が現れ体力も限界の体に鞭を打ち挑むも自由が利かず思うように登れない。このとき3人は声を掛け合い激を飛ばし合っていたのをよく覚えている。
間もなく視界が開け暗闇からぼんやり人工的な建造物が見え始めた、鳥居だった。両脇には二頭の狐が鎮座し我々を静かに迎えた。
山頂には山小屋が軒を連ねる状態で建っており、その東側前方が御来光を仰ぐための広場になっていた。
御来光まではまだ1時間近くあったが周囲は登頂者で埋め尽くされていた。この時の気温がおよそ3℃くらいだろうか、歩みを止めた登山者たちは急激に体温を奪われていく。わずかな暖をとるため知らぬ者同士身を寄せ合い雨風から身を守っていた。わずかな体力を保つため誰一人として声を発する者はなく強い風の音だけが耳に叩き付けるのだった。
4:00少し前に山小屋に電気が灯り扉が開放された。登山者たちは傾れ込むように避難する、小屋のスタッフは慣れた様子で誘導し座らせ落ち着いたところで一斉にオーダーを取り始めた。自分は「御来光そば」を注文した、出されたのは至って普通の月見そばだった。そんなことはどうでもよく只暖かいものを体に入れれる事が何よりの幸せだった。
御来光の時間になったが外は相変わらずの悪天候で誰もが諦めていただろう。案の定東の空は重い雲に阻まれ日の出は確認できなかった。その後空が薄らと白み始め気温の上昇と共に雲も消えていった。しだいに下界が見渡せるようになり足下には富士の樹海といわれる青木ヶ原、左手には雄大な姿の八ヶ岳、右手には大きく開けた駿河湾、正面に一筋の光が差し込んだ山中湖が現れた。これを自分の肉眼で見れた事だけでも価値のある挑戦だったように思える。
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