長者原〜坊がつる〜大船山


- GPS
- 31:17
- 距離
- 15.9km
- 登り
- 1,079m
- 下り
- 1,074m
コースタイム
09:30 長者原
11:30 坊がつるキャンプ場
8/18
08:30 坊がつるキャンプ場
10:00 段原
10:30 大船山
11:30 北大船山
12:30 坊がつる
15:30 坊がつる出発
17:00 長者原
天候 | 晴れ時々曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
盛夏の坊がつるへ行ってきました。今回は1泊2日の坊がつるの予定。テントを新調したので、ウキウキです。
【8/17】
ミニで走って1時間半、登山口の一つ「長者原(ちょうじゃばる)」に到着です。夏休みだからでしょう、駐車場も車でいっぱいです。キャンピングカーや車中泊の車も目立ちます。
それにしても、ミニは高速道路の走行は向いてませんよね。80km/h以上を出すと、車内の騒音と振動がひどくなります。助手席とお話しようとすれば、お互いに大声を出さねばなりません(あ、今日も独りですけどね)。
さあ、準備完了です。午前9時半、長者原を出発します。最初にタデ原湿原を抜けます。ここはくじゅう連山の北側(標高約1000m付近)に位置し、火山地形の扇状地にできた湿原です。山岳地域に形成された中間湿原では、国内最大級の面積を持つことなどから、国際的にも重要な湿地であると認められ、2005年11月に坊ガツル湿原とともに「くじゅう坊ガツル・タデ原湿原」として、ラムサール条約に登録されました。
整備された木道から見える三俣山や連山に胸が躍ります。なんか、ムズムズするような、こそばゆい(くすぐったい)気持ち。僕はこのスタート時の浮き立つような気持ちが大好きです。
登山道はよく整備されているので迷うことはありません。長者原からのコースは急登はないのですが、木の根っこが引っかかりやすいので気をつけます。樹林の中は日陰なので涼しくて気持ちいいです。今回は食料を入れてザックの重量は約17kgなので、日帰りの時よりゆっくりめのペースで歩きます。
さて、登坂が終わると雨が池があらわれます。ここは雨が降ると池になるという湿原で、木道を歩きます。ここまで来たら、坊がつるはあと少し!正面に平治岳を眺めつつ、気持ちよく歩きます。
雨が池を過ぎ稜線に出ると、平治岳や大船山の山並みと坊がつるの湿原が見えてきます。おお!今日のテントはあそこに張るんだなぁ、と気分が高揚します。ここから緩い下りをのんびり降りてゆきます(途中には欧州の石畳みたいな道もあらわれます)。
坊がつるキャンプ場に到着(午前11時半)です。ここまで長者原からのんびり歩いて2時間でした。テン場にはすでに沢山のテントが設営されています。いつもより多いようですね。ざっと数えて20張りはあります。なんとここは無料のテン場なのです。設営場所を探してちょっと奥めに行きました。お、いい感じの場所、発見!ここに今日のお家を建てましょう。
さんざん悩んで購入した新しいテントを初設営。ケルティのサリダ2です(キャンプスターで購入しました)。以前のテントはコールマンのツーリングドームでしたが、バックパックには重過ぎました(約4kg)。サリダは2kgです。ネットで比較しまくって、なんと17,800円のコイツを発見、コストパフォーマンスいいですよね。あ、ちなみにこのテント2人用仕様です。1人用だともっと軽いモデルがあるのですが、僕は居住性を重視する派なのです。
本当はニーモのタニ2Pとかに惹かれるのですが、ちょいと値段が高い。あと、ビッグアグネスのフライクリークとか、MSRのハバハバなんかも検討しました。最終的にサリダに決定したのは、コスパとバックパッカー誌「2011年エディターズ・チョイス」受賞という評価ですね。
いわゆる吊り下げ式なので設営は簡単です。スリーブ式だとポールを通すのにコツがいったり、立ち上げるのに力が必要な場合があるので避けました。
とりあえず設営を終えて、時間も早いので法華院温泉山荘へ昼食を摂りに行きます。重いブーツを脱いで、Tシャツを着替え、貴重品をスタッフバックに入れて、てくてく歩きます。
山荘で、とりあえず生ビール!それから昼食にカレーライス。その後に温泉に入って汗を流しました。そうそう、この法華院温泉山荘はお酒が格安で売られています。通常の山小屋では、搬入コストがかかるので350ml缶ビールが600円以上するところもザラなのですが、ここでは300円!良心的ですね。
さて、落ち着いたところでテン場に戻ると・・・あれ?テント増えてる?奥めに設置したつもりなのに近接にテントがいくつも建っています。30張り以上、ありますね・・・。まあ、いいです。山の住民達は深夜まで騒いだりする人はいません。陽が落ちれば、静かになるのです。
長者原の出発があと2時間早ければテント設営後に山登りするところですが、今日は中途半端な到着でした。時間はまだたっぷりあります。山荘で買い込んできた酒を飲みつつ、至福の時間を過ごしましょう。
ジェットボイルで沸かしたお湯で珈琲を淹れ、酒と珈琲を交互に飲みつつ本を読む。うう・・・幸せです。ちなみに今日持ってきた文庫本は、池澤夏樹さんの「クジラが見る夢」でした。山で海の本って?いやいや、なかなかオツなものです(笑)。
ふと気づくと周囲は三俣山の山陰に入っています。少し肌寒くなってきました。そろそろ夕食の準備をしましょう。献立は、アルファ化米とレトルト牛丼です。酒を飲みつつ、レーションで持ってきてた柿ピーやナッツをつまんでいたので、そんなに腹は減ってないのですが、でも山メシはやっぱりウマ〜イ♪
背後に沈んだ太陽が三俣山に後光を映し出しています。刻々と移りゆく山の景色を眺めながら、明日の山行に思いを馳せます。
ランタンに灯をともし、地図を広げ明日のルート確認。満たされた今日と、明日への期待を胸に、おやすみなさい。
【8/18】
坊がつるでの2日目。爽やかな朝の目覚め!と言いたいところですが、やっちゃいました。ハイドレ−ションのウォーターバッグをザックに入れたままにして、シュラフの足元に置いていたところ、チューブの口から水がダダ漏れしてたらしく、テント内が水浸し・・・(-_-;)
さて、気を取り直してまずは朝食にしましょう。昨晩戻したアルファ米の残りをコッヘルに入れて、水とアサリを加えて永谷園のお吸い物パックを溶きます。アサリ雑炊の出来上がり〜!うま〜い!
のんびりした朝を過ごしたところで必要最小限のものだけをザックに放り込み、大船山(たいせんざん)に向けて出発です。坊がつるの脇から大船山と平治岳(ひじだけ)への登山口が出ています。ミヤママキリシマが咲き乱れる春には、登山者が列をなす人気の山です。
登山道は5合目まで展望が開けませんが、今の季節は木陰が続くので暑さもあまり感じません。画像は5合目の展望所から見下ろす坊がつるですね。中岳あたりに雲が出てきました。こっちは大丈夫かな?段原で尾根に出て大船山を見上げると、うーん雲が来そうな感じ。これは急がねば。
山頂まであとわずかのところでガスに包まれ始めました。振り返ると米窪にも雲が迫っています。ということで、たどり着いた山頂(1786.2M)は雲の中・・・。ちょっと残念顔になってます(笑)。
しばらくぼんやりと過ごしましたが、一向にガスは晴れてくれません。写真を何枚か撮りますが、たいした見栄えもしませんね。セルフポートレイトも角度が悪くて、顔が切れてたりピントがずれてたり(笑)。しばらく山頂で過ごしましたが、下のほうもガスが濃そうですね。展望はあきらめて、そろそろ降りましょう。
・・・と、20分ほどかけて段原の尾根まで下りてきたところで山頂を見上げると・・・ガスが抜けてるやん。タイミング悪いなぁ。しかし段原の北側、北大船山もガスが抜けています。こりゃ北に登れば展望あるかも!そう思ってイソイソと登ってきた北大船山(1706M)でしたが・・・またしてもガス。
雲の切れ間はありますが、こんなもんです。写真を撮っていたら、いきなり携帯の着信音が!な、なんだ? ・・・会社から仕事の電話でした。急に現実に引き戻され、テンションがさらに落ちます・・・。ちなみに僕の携帯は au です。山ではやはり docomo が一番通じるようなので個人機は機種変更しようかな。万が一を考えると、やはり携帯は通じた方が良いです。
下山して坊がつるのテン場に戻ってきたのが、ちょうどお昼時。カレーうどんを作って食べました。朝露に濡れていたテントもすっかり乾いています。テントをたたみ、珈琲を一杯発てて、ゆっくり飲みます。時間があればスガモリ越えで長者原まで戻ろうとも思いましたが、それはまたの機会にしましょう。
雨が池を越えてタデ原まで帰ってきました。うーん、良く晴れてる(笑)。
今日登った二つのピークはガスでしたが、それでも楽しいヤマでした。
山行ではガスやら雨やら風に遭遇するのは当たり前。場所によっては晴れている事の方が稀な山も沢山ありますよね。体調も含めて、山頂を目前に引き返すこともありえます。それでもヤマは楽しい、と思います。
そう僕が思えるのは、師匠が教えてくれた言葉があるからです。
「たとえ頂上を踏めなかったとしても、目的は果たせたと言える山登りをしなさい。頂上は目標であって、目的ではない。目標は達せられなくとも、目的を果たした山行は楽しいものですよ」
煙草に火をつけ一服。この1泊2日を振り返りながら余韻を楽しむこの時間こそが、僕の山歩きの目的のひとつでもあります。楽しかったなぁ。また来月も九重に来よう。そして10月は北アルプス。燕岳と八方尾根を楽しんできます。
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