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記録ID: 3491996
全員に公開
沢登り
京都・北摂

【若丹国境】頭巾山をめぐる沢歩き その3(上谷の上小屋ヶ谷・野鹿谷右俣 ほか)

2021年09月05日(日) [日帰り]
情報量の目安: S
都道府県 福井県 京都府
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GPS
--:--
距離
12.5km
登り
1,095m
下り
1,082m

コースタイム

日帰り
山行
7:40
休憩
0:00
合計
7:40
6:30
30
駐車地
7:00
70
上小屋ヶ谷に入る
8:10
50
稜線
9:00
50
9:50
80
P765から野鹿谷右俣へ下降
11:10
10
野鹿谷左俣と合流
11:20
20
野鹿の滝
11:40
70
野鹿谷の枝谷に入る
12:50
20
稜線
13:10
60
14:10
駐車地
天候 晴れ
過去天気図(気象庁) 2021年09月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
上谷沿いの林道のゲート手前に3台ほどのスペースがありそこに駐車したが,実際は見館谷と上谷の出合付近に駐車地があり,そこに車を停めたほうが良いようです。
コース状況/
危険箇所等
【上小屋ヶ谷(上谷の標高400m付近から派生する枝谷)】
・頭巾山の南東に突き上げている谷が上谷で,ちょうど山森川の源流に当たる。今回歩いたのはこの谷の標高400m付近から北に派生している小さな枝谷(上小屋ヶ谷)。小滝がいくつか出てくるうえ,中間部にはミニゴルジュが隠れており,このミニゴルジュの出口に掛かる18m滝は美しいスダレ状の滝でなかなか見栄えがする。この谷は植林が多いが,詰めは清潔感のある自然林の下にナメが続き気持ちがいい。
・出てくる滝はほとんど直登可能で,特に大きな悪場はなく概ね気楽に歩けるが,唯一,ミニゴルジュ出口の18mスダレ滝の高巻きが急斜面なので注意(この滝は直登もできそうだが,高さがあるので確保があったほうがいい)。
・なお,今回は歩いていないが,上谷の本流沿いには薄いながらも登山道(過去に国体のコースになったらしい)がある。新しいマーキングも見受けられたので,十分歩けそう。

【野鹿谷の右俣】
・野鹿谷は,頭巾山の北側に突き上げている,野鹿の滝(30m)で有名な谷。一般登山道がついているのは左俣だが,地形図上で穏やかに蛇行する右俣の風情に惹かれて右俣を下降してみた。しかし,地図にない林道が入り込んでおり,稜線近くまでまだら状に植林があって,あまり雰囲気が良いとは言えず残念。滝はナメ滝が少し出てくるのみ。

※ その他,野鹿谷の380m付近枝谷,上谷の350m付近枝谷(下小屋ヶ谷)も歩きましたが,どちらも源頭付近は美しい自然林に包まれているものの,下部は植林が多くそれほど滝も多くないため,特筆事項はなし。
駐車地から上谷沿いの林道を歩きだすと,すぐに横尾峠への看板。しかし今回はこの看板は無視してそのまま上谷沿いを進む。
駐車地から上谷沿いの林道を歩きだすと,すぐに横尾峠への看板。しかし今回はこの看板は無視してそのまま上谷沿いを進む。
とはいうものの,お地蔵さんには挨拶していく。
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とはいうものの,お地蔵さんには挨拶していく。
上谷沿いは植林が多いが,明るい感じでそれほど悪い気はしない。
上谷沿いは植林が多いが,明るい感じでそれほど悪い気はしない。
林道が尽きたところで上谷の渓水に沢足袋を浸す。小さいながら美しい流れだ。
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林道が尽きたところで上谷の渓水に沢足袋を浸す。小さいながら美しい流れだ。
すぐに本日お目当ての標高400m付近から北に分岐する枝谷(上小屋ヶ谷)に入る。地形図上では等高線がかなりうねっており,これは滝があるだろうな,と思っていたのだが,さっそく小さなナメ滝が連続し始める。
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すぐに本日お目当ての標高400m付近から北に分岐する枝谷(上小屋ヶ谷)に入る。地形図上では等高線がかなりうねっており,これは滝があるだろうな,と思っていたのだが,さっそく小さなナメ滝が連続し始める。
3mほど。直登していく。
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3mほど。直登していく。
5mほどの斜滝。この界隈特有の黒く磨かれた岩で滑りやすいが,慎重に流水沿いを登っていく。
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5mほどの斜滝。この界隈特有の黒く磨かれた岩で滑りやすいが,慎重に流水沿いを登っていく。
と,両岸に岩が張り出し,ちょっとしたゴルジュに。ここまで植林だったのだが,両岸が険しくなるとともに自然林に包まれ始めた。
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と,両岸に岩が張り出し,ちょっとしたゴルジュに。ここまで植林だったのだが,両岸が険しくなるとともに自然林に包まれ始めた。
その中に斜滝が掛かる。これはミニゴルジュ入り口の10mほどの滝。取りつきが少しハングしており厳しいかなと思ったが,右隅にホールドがあってうまいこと取り付けた。
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その中に斜滝が掛かる。これはミニゴルジュ入り口の10mほどの滝。取りつきが少しハングしており厳しいかなと思ったが,右隅にホールドがあってうまいこと取り付けた。
斜滝沿いに登りながらゴルジュに入り込んでいくと,その奥にもナメ滝が立て続けに続いている。
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斜滝沿いに登りながらゴルジュに入り込んでいくと,その奥にもナメ滝が立て続けに続いている。
黒い岩盤の上をくねり落ちる斜滝。
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黒い岩盤の上をくねり落ちる斜滝。
この小滝も越えて。
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この小滝も越えて。
右側の厚く苔むした岩壁から,豊富な湧水が流れ落ちてきていた。
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右側の厚く苔むした岩壁から,豊富な湧水が流れ落ちてきていた。
この岩溝の中に落ちる小滝を手足を突っ張るようにして越えると…
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この岩溝の中に落ちる小滝を手足を突っ張るようにして越えると…
その先に急に大きな空間が開け,予想もしなかった大きめの滝が。18mくらいか。しかし,大きさもさることながら,印象的なのは姿の良さ。黒々とした岩壁に白いレースを投げかけたような,美しいスダレ滝だ。
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その先に急に大きな空間が開け,予想もしなかった大きめの滝が。18mくらいか。しかし,大きさもさることながら,印象的なのは姿の良さ。黒々とした岩壁に白いレースを投げかけたような,美しいスダレ滝だ。
等高線が混んでいるので滝はあるだろうとは思っていたが,まさかこんなに風格のある滝が隠れていたとは。
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等高線が混んでいるので滝はあるだろうとは思っていたが,まさかこんなに風格のある滝が隠れていたとは。
黒い岩肌を美しく分岐して流れる瀑水。
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黒い岩肌を美しく分岐して流れる瀑水。
18mスダレ滝は左岸を巻き上り(岩が張り出しており急斜面なので注意),落ち口に降り立つ。落ち口の上にもナメ滝が続いていた。
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18mスダレ滝は左岸を巻き上り(岩が張り出しており急斜面なので注意),落ち口に降り立つ。落ち口の上にもナメ滝が続いていた。
ミニゴルジュは終わり谷は開け,植林が復活して少し寂しくなるが,谷底には断続的にナメが続く。
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ミニゴルジュは終わり谷は開け,植林が復活して少し寂しくなるが,谷底には断続的にナメが続く。
くの字に折れ曲がったナメ。
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くの字に折れ曲がったナメ。
だいぶ水量が少なくなり,稜線が近づくと,やっと暗い植林が途切れ,気持ちの良い自然林が広がった。
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だいぶ水量が少なくなり,稜線が近づくと,やっと暗い植林が途切れ,気持ちの良い自然林が広がった。
その眩しいばかりの緑の下に穏やかなナメが続く。
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その眩しいばかりの緑の下に穏やかなナメが続く。
深い森に包まれたナメの散歩道。理想的な源頭風景だ。。
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深い森に包まれたナメの散歩道。理想的な源頭風景だ。。
美しい緑の下を,稜線に向けてぶらぶら歩いて行く。
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美しい緑の下を,稜線に向けてぶらぶら歩いて行く。
稜線に出た。今日は,何となく透明感のある木漏れ日の間を涼しい風が吹き抜けて,一抹の秋を感じさせる。この辺りはブナが少なく,シデやコナラ,カエデが多い。
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稜線に出た。今日は,何となく透明感のある木漏れ日の間を涼しい風が吹き抜けて,一抹の秋を感じさせる。この辺りはブナが少なく,シデやコナラ,カエデが多い。
頭巾山に向けて稜線を歩く。
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頭巾山に向けて稜線を歩く。
頭巾山着。
3回目にしてやっと晴れの頭巾山…。頭巾山ってこんなに眺めがいい山だったんだなぁ(今さらながら)。日本海も見える。
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3回目にしてやっと晴れの頭巾山…。頭巾山ってこんなに眺めがいい山だったんだなぁ(今さらながら)。日本海も見える。
さて,頭巾山をあとにして稜線を西進し,P820からは北上してP765へ。このあたり,やはり太いブナの木があって良い雰囲気だ。
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さて,頭巾山をあとにして稜線を西進し,P820からは北上してP765へ。このあたり,やはり太いブナの木があって良い雰囲気だ。
そしてP765から西斜面を下りて野鹿谷右俣へ下降。最初は大きなブナの木の姿も見られ,なかなかいい感じ,と足取りも軽かったが…
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そしてP765から西斜面を下りて野鹿谷右俣へ下降。最初は大きなブナの木の姿も見られ,なかなかいい感じ,と足取りも軽かったが…
おやー,植林出てきちゃった。残念ながら,野鹿谷の右俣は植林が入ってしまっているようだ。地形図上では林道の表記もないので,いい森が広がっているのでは,と思っていたので残念。
おやー,植林出てきちゃった。残念ながら,野鹿谷の右俣は植林が入ってしまっているようだ。地形図上では林道の表記もないので,いい森が広がっているのでは,と思っていたので残念。
ところどころナメが走って沢自体の雰囲気は悪くないのだが,いかんせん植林が目につく…。
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ところどころナメが走って沢自体の雰囲気は悪くないのだが,いかんせん植林が目につく…。
でも,ところどころ伐採を免れている森もあり,そういう箇所はなかなか捨てたもんじゃない風情。
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でも,ところどころ伐採を免れている森もあり,そういう箇所はなかなか捨てたもんじゃない風情。
ほどなく地図にない林道に出会い,野鹿谷の左俣との出合いまで下っていく。
ほどなく地図にない林道に出会い,野鹿谷の左俣との出合いまで下っていく。
左俣の車道に出会ってから,今度は左俣の遊歩道に沿って滝見学。鱒止めの滝。
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左俣の車道に出会ってから,今度は左俣の遊歩道に沿って滝見学。鱒止めの滝。
野鹿の滝(30m)。3週間ほど前に見た時より水量が少し少ないが,やはり美しい滝だ。
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野鹿の滝(30m)。3週間ほど前に見た時より水量が少し少ないが,やはり美しい滝だ。
しばらく車道を歩いたあと,野鹿の滝の少し上流から東に分岐する小さな枝谷に入る。3mほどの小滝がいくつか出迎えてくれて,冷たい水を楽しみながら直登していく。
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しばらく車道を歩いたあと,野鹿の滝の少し上流から東に分岐する小さな枝谷に入る。3mほどの小滝がいくつか出迎えてくれて,冷たい水を楽しみながら直登していく。
この枝谷も下部は植林だが,一本だけ立派なトチノキの大木が何かのモニュメントのように切り残してあった。
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この枝谷も下部は植林だが,一本だけ立派なトチノキの大木が何かのモニュメントのように切り残してあった。
おとなしくなった枝谷をしばらく登っていくと,植林が途切れ,美しい自然林に再び包まれた。
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おとなしくなった枝谷をしばらく登っていくと,植林が途切れ,美しい自然林に再び包まれた。
庭園のような趣のある,苔深い中の細い流れ。
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庭園のような趣のある,苔深い中の細い流れ。
深い緑を両岸に眺めながら,穏やかな源頭を稜線へ。
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深い緑を両岸に眺めながら,穏やかな源頭を稜線へ。
稜線に出てからしばらく歩くと,横尾峠。
稜線に出てからしばらく歩くと,横尾峠。
小さな石組の中には,2体のお地蔵さんが黙然と端座している。「子安地蔵」とある。
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小さな石組の中には,2体のお地蔵さんが黙然と端座している。「子安地蔵」とある。
「左 頭巾山」「冠巾山十二社大権現参道」とある。「北山の峠」によればこの峠は「横尾越」とあり,丹波福居の山森と名田庄納田終の中野を結ぶ峠だが,頭巾山への参詣道としての役割も大きかったようだ。なお,この地蔵がある地点はあくまでピークで,実際の峠はもう少し東に歩いた鞍部にあるらしい。
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「左 頭巾山」「冠巾山十二社大権現参道」とある。「北山の峠」によればこの峠は「横尾越」とあり,丹波福居の山森と名田庄納田終の中野を結ぶ峠だが,頭巾山への参詣道としての役割も大きかったようだ。なお,この地蔵がある地点はあくまでピークで,実際の峠はもう少し東に歩いた鞍部にあるらしい。
さて,お地蔵さんにお参りした後は,峠道が通っている尾根ではなく,その西側の谷(下小屋ヶ谷)下りる。
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さて,お地蔵さんにお参りした後は,峠道が通っている尾根ではなく,その西側の谷(下小屋ヶ谷)下りる。
この谷も例に漏れずいくつかナメ滝が出てきて,滑りやすい岩肌を慎重にクライムダウン。
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この谷も例に漏れずいくつかナメ滝が出てきて,滑りやすい岩肌を慎重にクライムダウン。
下り初めは両岸とも自然林で気持ちが良かったが…
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下り初めは両岸とも自然林で気持ちが良かったが…
そのうち植林に覆われてしまった。植林の中を黙々と下って林道に合流し,駐車地に戻った。
そのうち植林に覆われてしまった。植林の中を黙々と下って林道に合流し,駐車地に戻った。

装備

備考 ・フェルトソール沢足袋使用
・ロープなど沢登りの基本装備は念のため携行したが,使う機会はなかった。

感想

 緊急事態宣言中に付き遠出を避けてご近所の沢めぐりを継続中。どんだけ頭巾山が好きやねん,と言われてしまいそうだが,京都府内という縛りで2万5千図を眺めて面白そうな谷(しかもなるべく記録がない谷)を探していたら自然にこうなってしまっただけで仕方がない。
 今回歩いた谷はどれも小さな谷で,殊更とやかく言うようなものでもないのだが,それでも上谷の上小屋ヶ谷で思いがけず出会った18mスダレ滝には驚いた。この界隈の谷は,どんなに小さな谷々でも,1日歩いていれば,必ずどこかで発見がある。そして多くの場合,源頭では,優しいナメと美しい森のひろがりが稜線へと導いてくれる。たとえ小ぶりな枝谷でも,何となく見捨てがたいような思いにさせられる。
 
 今年の夏は何だか夏らしい気分もなしに終わっていきそうである。長い梅雨が終わって急に暑くなったと思ったら,台風と前線と大雨の日々が続き,それが明けたら既に秋の気配が近づいている。今日,谷を詰め上がって稜線に立ったとき,木漏れ日の色が何となく透けるようで,吹き抜ける風も少しひんやりしていることに気が付いた。雲も夏雲というよりは,既に夏をなつかしむような形の雲になって浮かんでいる。何だか寂しさを感じつつも,もう9月だしなぁ,と思いながら山を下りてきた。

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コメント

hillwandererさんの感想を読んでいると自分の気持ちに近く、私も夏らしさを感じる事無く秋の始まりを淋しく感じています。
いつも読み応えのある記録を有難うございます。楽しませて頂いております。
2021/9/6 14:02
山に登っていると,特に夏から秋の変わり目は,妙に秋をはっきり感じる一日があるというか,たぶん遠くの山の見え方とか空気感のせいなんだと思いますが,余計に淋しいですね。今年の夏は天候不順やら何やらで遠方の山に行きにくく残念ですが,イワゴノ谷の記録でshiba-wankoさんもおっしゃっているとおり,近場の小さな谷の大事さを私もしみじみと感じています。
私もshiba-wankoさんの記録は楽しみに拝読させていただいており,勉強させていただいています。千手岳の記録は本当に感動しました。またよろしくお願いいたします。
2021/9/6 20:15
プロフィール画像
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