【登頂】 世界最高峰 エベレスト 8848m セブンサミット 七大陸最高峰


- GPS
- 1424:00
- 距離
- 111km
- 登り
- 6,577m
- 下り
- 6,577m
天候 | 快晴、晴れ、曇り、吹雪、ガス、雪崩 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2008年04月の天気図 |
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
南東稜 1953年5月エドモンドヒラリー&テンジン・ノルゲイが初登頂したルートと同じ。 今回は有り難い事に「初めてのスポンサー」が付いた。 また韓国隊とのジョイント登攀で望む事で遠征費用は、当初の計画よりも抑える事が出来た。 山頂に北京オリンピック聖火を上げる為に規制が掛かった以外は特に問題なし。 途中あの、三浦さんと会えた。 登り方としては昔ながらの極地式。 クレパス帯と氷壁には全てFIX&梯子有り。 自分のペースでは登れず多少苦戦するも、最後まで諦めない精神で何とか登頂した。 2008年度のサミッターは290人。 同時に七大陸最高峰もコンプリート。 |
写真
古いFIXロープが無数にある。
どれを取るかでその人の運命が決まる。
また、誰も手助け等はしない。
此処で正しく言うと皆、自分の事で精一杯だから、体力的、精神的にも限界に近い、頂上になんとしても行く為、余計な労力、神経を使いたく無い為である。
極限の状態では、その人の本性を垣間見る事が出来る。
シェルパでさえ自分の事で精一杯だ。
全くのど素人が、山を始めて3年3ヶ月で世界最高峰の頂を極めた。
やれば出来る事を身をもって証明した瞬間でも有る。
皆、ありがとう!本当にありがとう!
今回はマカルー8463m無酸素登頂後直ぐにローツェ8516m無酸素アルパイン、ワンプッシュ登頂。
■山歴■
グレートトランゴタワー登頂
2005年ナンガパルバット・ルーパル〜ディアミール壁登頂世界第2登
2006年ガッシャーブルム&驚蚤殻技請播伉
2007年K2(8611m)、ブロードピーク(8051m)断続無酸素登頂
2009年マナスル、ダウラギリ断続無酸素登頂
他バツーラ曲世界初登、パキスタン6000m峰4座初登頂等々。
アジア初の8000m峰、14座オール無酸素登頂なるか!?
オーラが出ていた。
*エベレストBCからC2まで20kgを背負い何と4時間で到着!超人です。(一般の方は1泊2日)
イタリアのセルジオ・マルディーニ
8000m峰14座オールフィニッシュ世界で7番目
「あなたは、まだ若い頑張れば出来る」との、お言葉を頂戴した。
マルディーニさんの登り方は、とても印象に残っている。
ひたすら、前を見て決して弱気を出さない超ポジティブな登り方をしている。
すれ違い時、遠回りをしても何ら顔に表情を出さずに、かっこよく通り過ぎていった。
普通、退いてくれのオーラを出すか、または、通り過ぎるのを待つかのパターンが一般的だが・・・。
暫く見とれてしまった。
山でカッコイイと思ったのは初めてだ。
山でもイタリア度を出しまくっていた、本物のクライマーです。
今回はローツェ8516mを登頂後、夏にK2を登頂した。
是非頑張って下さい。
* 09年7月11日パキスタン、ナンガパルバット8126m登頂後、6200m付近を下山中滑落死。
ご冥福をお祈りします。
感想
■まったくのど素人が山を始めて3年3ヶ月で七大陸最高峰を達成した■
七大陸最高峰の最後はアジア大陸最高峰エベレスト,中国名チョモランマ8848m世界最高峰であるのは言うまでも無い。
六大陸最高峰までは、無サポート、無スポンサー、無事故と解決してきたがやはり世界最高峰は勝手が違った。
装備、手配、登山タクティスはともかく資金面等課題は多く今の自分独りの力ではどうにもならない。
エベレストと言う山を知れば知るほど遠ざかっていくような気がした。
現実は甘くない厳しい事を痛感する。
あぁ〜はるかなる山エベレスト・・・。
しかし07年師走のとある日、一本の電話で急転する。
ある登山協会会長がエベレスト登山に向け韓国隊とのジョイントで実現しそうとの話を頂く。
また率先して最後の最後まで面倒を見てくれた。会長無しではこの遠征は実現しなかった。感謝感謝である。
課題はあるがとりあえず韓国に行って色々とディスカッションをしてみた。
通常この規模のエクスペディションは遅くても一年くらい前から計画している。
また一緒に山に登った事の無い「よそ者」は入る余地が無いのが山の世界。
しかし大韓山岳連盟役員の推薦状もあってか話し合いは、スムーズに進み結果は直ぐに出た。
思いのほか返答が直ぐに出たので拍子抜けした。
つい先日まで一人もがいていたのは何だったのか・・・現実味が湧いてはこなかったが、本番に向け良い状態で望む事に専念する。
お酒は半年間、一滴も飲まなかった。
現在韓国は人口4800万人。
その内山を(トレッキング、国内登山、エクスペディション)好む人は1000万人と人気あるスポーツとなっている。
また山の理解、関心が世界一熱いと言っても過言ではない。
何と言っても8000m14座登頂者3人を最初に出した国でもある。
2008年上半期現在8000m14座達成者は世界で14人しかいない。
そんな熱い国、理解のある隊に入ってのエベレスト山行になった。
08年のエベレストの特徴はなんと言っても北京オリンピック聖火セレモニーが有った事。
それにより規制が掛かって5月1〜10日までベースキャンプからは動く事が出来ずまた衛星電話、ビデオカメラなどの制限がひかれる。
山の醍醐味である「自由が」奪われる。前代未聞の出来事だ。
5月15日前後のサミットデイと言われるもっとも適している時期を逃した約45隊のクライマーは21日後から一斉にアタックを掛ける事に。
yakouseiは5月22日PM8時半過ぎ一睡もせずにアタック開始。
この時点でコンディションは半分以下、天候もテラスまでは良くなく登頂出来るかはフィフティーフィフティー。
通常10時間で頂上のはずが14時間半掛かる始末。
しかも紆余曲折有って途中からは山頂にはたった一人で登る羽目に・・・。
この日一番遅く到着し山頂にはだれも居らず貸切になった。山頂には約45分いた。
■2008年エベレストサミッターは290人
■累計3885人
下山はまったくの一人旅、無傷でサウスコルに還った。(これも考えられない)
途中で酸素の調整を自分でし1時間リッター1,5リットルと厳しい下山となった。(正しく言うとヒラリーステップは上下とも1,5リッターと考えられない登攀となった)
酸素以外に心配だったのは軍手一枚で山頂に行ってしまった事。
8600mの上りから帰りのサウスコルまで7時間は軍手一枚で過ごした事に。(奇跡的に凍傷にならず)
行動中は意外と周りが見えていた様な気がする。
何故か突然日本を出発する際の決意を思い出す。
その決意とは、どんな事があっても必ず還ると言う事だ。
山は山頂がゴールでは無く無事に自宅に還ってこそ「成功」だと常日頃思っている。
それは国内外問わず、言える事だ。
休み休み進み途中横に死体を見ながらも賢明に下る。
決してあわてず手を抜かず下る。(自分自身でも驚くほど落ち着いていたのが分かった)
しかし下りがこんなに苦しいとは夢にも思わなかった。
何度も休み息を整えながら慎重に下る。
サウスコルが見えても実際にたどり着くまではかなりの時間が掛かってしまった。
結果本日の行動は19時間掛かった。
テントに着いても疲れは取れず寝れず3日で5時間の睡眠となる。
大勢での登山は自分には合わず今後は慎重に考えたいと思う。
しかし登頂同様に大変勉強にもなった山行でもあった。良い経験が出来たと今では思えるように・・・。
目標の七大陸最高峰を達成したが山がある限り登り続けたいと思うが・・・現実は甘くない。
今振り返ると少々駆け足で登った感じもある。
目標を立てずに気楽に登るのも良いとも思う。
現在は安堵感は少々ある物の、嬉しさもさほど無く達成感も何故か無い・・・暫く休んでこれから先を考えたいと思います。
ご支援、ご声援して下さった皆様この場を借りてお礼を申し上げます。
ありがとうございました。
■装備■
アンダー上下ウール
ミドルレイヤーJK パタゴニアR2
ミドルパンツ ノースフェイスフリース
ワンピースダウン ヴァランドレコンビ
靴 ミレーエベレスト
ピッケル グリベル(アタックでは使用せず)
クランポン グリベル
靴下 ウール
手袋 インナーミズノブレスサーモ
オーバー手袋 マーモットエクスペディション
ゴーグル オークリーWレンズ
ヘッドランプ ぺツル
ザック 60リットル
■記録、通信機器■
デジタルカメラ ソニー製2個
使い捨てカメラ 1個
デジタルハイビジョンビデオカメラ 1台(山頂で自分で撮影およそ5分トータル3時間)
衛星電話、携帯電話Docomo
■共同装備およそ6トン■
■旗■
5枚
大変でした・・・。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
エベレスト登頂!おめでとうございます!
どのくらいスゴイのかも良くわかりませんが、とてもスゴイです。
いきなりビンソンから登録された時は何者ですかと思いました。いやぁ素晴らしいですね。
記念すべき最初のコメントありがとうございます。
山暦4年1ヶ月と、まだまだ青いですが、これからも楽しく良い山を登りたいと思います。
最大の目標はセブンサミットでしたが、お蔭様で達成できました。
現在次の目標を模索中です。
過去の記録も随時行って行きたいと思います。
よろしくお願いします。
登山を始めたばかりです。できれば高い山頂を目指したいが、並みの体力の自分にどこまでできるか…と、思っておりましたがこのエベレストの記事を読んで勇気付けられました!本当にお疲れ様でした!私もやりたいこと、全力でがんばります!
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する