楢俣川 ヘイズル沢
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- GPS
- 14:32
- 距離
- 18.9km
- 登り
- 1,655m
- 下り
- 946m
コースタイム
天候 | 一日目:曇り(一瞬小雨)、夕方から晴れ 二日目:未明は快晴、行動時間帯は曇り。気温は7時で14度。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
タクシー 自家用車
|
写真
感想
前々から目をつけていたヘイズル沢。
天候が微妙で開催が危ぶまれたが予報は好転し、前々日の降水量も多くなかったため行くことができた。
先々週に続きまたしても奈良俣ダムに駐車、ただ先々週とは違いここから2時間以上の林道歩き…
長かったが会話も弾みそんなに苦痛を感じることなくヘイズル沢出合いに到着。
予想通りだが水量多めだ。
沢装備に換装し入渓点をチェックすると踏み跡が何箇所かありどれも微妙そう…
最終的に橋の根本から奈良俣川本流の右岸へ降り、わずかに下降して渡渉すると楽にヘイズル沢に入れた。
atatuoさんナイスルーファイ!
遡行開始後すぐにヘツリ箇所が出てきてさすがヘイズル!とか思っていたが、水量のせいか思ったより楽じゃなかった。
幾度となくヘツリは出てきたものの、最初のヘツリが1番難しかった気がする。
その後は小滝と釜、ナメ、川原、たまに大きめの滝と目まぐるしく変わり飽きさせない。
薄曇りで太陽光はほとんどささなかったが、晴れてなくとも感じるかなりの美渓だ!
リスキーな部分では適宜メインロープや補助ロープを使いつつも順調に進む。
行程の大半を消化しテン場到着時間がほぼ見えた段階で竿を出す。
7月にここに来るために購入したが使用機会が訪れず冷蔵庫で眠り続けていたブドウ虫がようやく本領発揮!
…とは行かず、全く反応なし。
確かに遡行中にあまり魚影は見えなかったが、まさかボウズになるとは思わなかった…
残念な気持ちのまま納竿、テン場を目指す。
1400mのテン場は過去レポで見た以上の完成度!
しかも前のパーティが薪を残して置いてくれた様子で、不安だった薪問題も解決!
初のタープ張りもまずまずの出来!
靴を履き替え宴会準備が整ってもまだまだ空は明るい。
最高の焚き火が確定された状況に、酒を飲む前からニコニコが止まらない。
早く暗くならないかなーと思いつつ、待てずに着火。
それぞれ持ち寄った焼き物やつまみをダラダラと食べ、好きな話をしながら好きな酒を飲み、満点の星空を見上げ、時たま煙にむせる。
これぞ泊まり沢というような完璧な夜だった。
翌朝は予定通りに起床、皆テキパキと片付けをしつつ再度焚き火を囲み各自朝食。
しかし、昨日焚き火で沸かしてテルモスに入れていたお湯がぬるいと判明、大変なカレー飯作りをさせてしまったtartletさん申し訳ない…
出発後すぐに大滝に到着。
フリーで行けそうな雰囲気だったがリスクを考慮してロープを出す。
リードをさせてもらいカムでランナー、濡れた箇所をかわして登った落ち口すぐの松で支点構築。
後半のハイステップがやや緊張感あるが問題なく登れる。
その後は黙々と標高を上げる。
そして昼食後にまさかの事件、ふと岩の上に手を置いたら案外スパッと切れたらしく出血。
大して痛くはないが血が付いたら嫌だなと思うも絆創膏はけっこうザックの奥だ…
片手で出すの面倒だなと思ってたらtartletさんatatuoさんがサッと絆創膏とワセリンを出してくれた。
沢で絆創膏を使ったことがなく全然想定してなかったな…
詰めは岩場の弱点を攻める形で一気に高度を上げる!
そこそこの強度だが特に問題なく黙々と。
登山道に出ると小至仏山頂近くというのに木道!
尾瀬ってすごいな!
下山はやはりダラけて、ちょいちょいしゃべりながらも、この1時間がこの山行で1番無口だったかも笑
鳩待峠でソフトクリームを食べ充実の山行は終了。
本当に泊まり沢の楽しみを存分に味わえた大満足の2日間だった!
渓相は文句なくきれいで基本フリーで登れそうな滝ばかりでとても良い沢。
こんな沢をもっと行きたい。
・人によって手の使い方が違うので、お助けはゴボウとして使うかボディビレイでのビレイループ付けで使うかは考慮すべき
・タープは意外と夜露でビショビショになる。カモシカタープは適当に巻くと袋に入らず…
・焚き火でお湯を沸かす時はきちんと沸騰を確認した方がいい
・ただしフタを開けすぎるとお湯が焚き火臭い
・絆創膏程度はすぐ出せるところにあって良い
・ワセリンで止血
・ザックの腰ベルトはやっぱり多少干渉する。振れないよう軽く止める程度か
・飲まず嫌いだったがハイドレーションは良い
ヘイズル沢は7月2週目の泊まり沢計画を探している中で見つけた沢で、ガイド本の「関東の赤木沢」という文言に心惹かれ、ずっと前から「準備山行をして9月に行こう!」と言っていた沢。それまでに毎週のように泊まり沢の予定を出していたものの、ひたすら雨で中止が続く。なんと、6連続中止or山小屋泊転向。今回こそは・・・と祈る気持ちが何とか通じ、土曜日夕方から日曜日にかけて晴天になるとの予報。多少朝は雨が降るかもとの予想だったけど、満場一致での催行になった。
ゲート前の駐車スペースから、最初は林道歩き。これがひたすら長く、微妙にアップダウンもある。途中で自転車だのバイクだのがデポってあって、ちょっとうらやましくなると同時に、これって同ルートに沢山入っているのかなぁとちょっと心配になる。(が、結局釣り師2人と途中で会っただけだった)
目印となる小屋から入渓、ちょっと歩くだけで感じられる、尾瀬付近ならではの美しい渓様。ヘツリあり、ナメあり、小滝ありと、変化に富んでいて、しかも水はバスクリン系の美しい緑。水量は結構多い?それにしても、前に沢に入れたのが8/7だから、一か月間開いてしまったからか、歩き方がぎこちなくなってる気がする。滑るのか滑らないのかよく分からないところも多くて、慎重に歩いた。
滝はものすごく難しい、というものはないものの、フリーでいけそうに見えつつも、実際にはヌメりが多かったり、脆かったりというところもあった。一番いやらしかったのは、私がトップで行った2段15m滝だったような気がする。定石だと左の水流沿いに登る、だけど、今回は水量的にナシだと思ったので右から登る(が、あとで写真を見るとあまり水量は変わらなかったかも・・・?)。パッと見フリーでも行けそうだけど、剥がれそうでいやらしい。緊張した。が、私がトップだったのはそこだけで、残りは二人が順番にロープを出したから、実は他のところのほうが難しかったのかもだけど。
そろそろビバークポイントが出てくるはず、と探しつつ歩いていると、Alt.1,400m付近の右岸に、見逃すことがないほどの絶好の適地が!完璧に整地されていて、快適なことこの上なし!久々の沢での一夜を楽しく過ごすことができた。やっぱり泊まり沢は楽しい!(個人的には、スヌーピーがいつもキャンプで食べている焼きマシュマロが食べられたのが感動だった。トロトロ!)
翌日、ウォーミングアップもそこそこの段階で大滝到着。ここはutagがビシッと登ってくれたけど、ビレイポイントにしようとしたテラスまでがわりと悪かった。下段からロープ出したほうが良かったけど、ロープが足りるか分からず・・・やっぱり40mを基本にしたほうが良いかなぁと思う今日この頃。
その後も水流は続き、水が切れたころからゴロゴロ岩のツメに入る。ここで、高度計がずれていたこともあって、見事にルート誤りでハイマツに阻まれる。一人だけ正解を当てていたutag、ゴメン。幸い、ちょっと下っただけでルート復帰できた。そこからはひたすら高度を上げる作業。ここが一番疲れたかもしれない。やっと登山道の木道が見えたときは、あまりの雰囲気の落差にビックリするくらいだった。
今回は沢先輩が同行しない初の泊まり沢、かつ二級沢ということで、無事に遡行できたことに安堵したのと同時に、まだまだ改善が必要な点が多いことを実感した山行でもあったと思う。それにしても、utagさんとatatuoさんにはいろいろな面でサポートしてくれて、みんなの協力で成り立った山行でもあったなぁと感謝。またぜひ、泊まり沢行きましょう!
【備忘録】
・シュラフは迷った結果、#3を選択。途中で暑く感じたくらいだったから、やっぱりポリゴネストでも良かったかもしれない。フリース、ダウンベストを持っていったが、利用せず。
・フラッドラッシュを着用、結局ペラペラパーカーも雨具も使うことはなかった。ラピッドラッシュにペラペラパーカーで行動したほうが良かったかも。靴はラバー利用。フェルトのほうが滑りやすく感じていた模様。
・なんだかんだハーケンは使いたい場面が出てくる。やっぱり個人装備として数枚は各人持ってるほうが良い気がしてきた。
以前から泊り沢に行こうとお誘いを頂いていたヘイズル沢に無事行くことができて、いい経験が出来たと思います。
CL.SLありがとうございます。
記録の多い沢で下調べをするのも遡行図、地形図を見比べるにしてもイメージが掴みやすく高巻する滝なども直面した際、地形図を見ながら予想していた所から取りつき
巻道も落ち口近辺まで問題なく行けるなど、わかりやすい沢だなと感じた。
登攀時に脆い所が多々あるので注意は必要でトラロープ以外の残置物は無かった。
簡単な滝をフリーで登れないと時間がかかるはず。
ルート上、核心となるような滝は記録など見て下調べ済みならばグレード感、登攀ルート、ロープ使用などその通りと言う感じ。
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