前穂高岳 - ヤマレコでの3000m峰21座完登 -
- GPS
- 08:26
- 距離
- 17.4km
- 登り
- 1,718m
- 下り
- 1,711m
コースタイム
- 山行
- 6:58
- 休憩
- 1:29
- 合計
- 8:27
天候 | 晴れ後曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
|
写真
感想
今年の8月21日に間ノ岳と西農鳥岳に登って、ヤマレコ記録上日本3000m峰21座コンプリートに後1つとなっていた。残るは前穂高岳。人生で未踏なのではなく、40年以上前に2度、いずれも奥穂から渡り、岳沢に下りた。ヤマレコ開始以降は奥穂、涸沢岳、北穂高いずれも複数回登っていて前穂にだけは行ってなかった。
前穂も超久しぶりなら、上高地もそうなので今回上高地から行こうと思った。河童橋周辺の上高地に行った最後の年月ははっきりしていて、1982年10月だった。2016年の3月には焼岳からスキーで上高地側に下りたが、大正池南端に着いて出て来たので、中心地には行ってない。
当初は涸沢1泊で奥穂から前穂に到達する計画で、ayuhoさんに同行してもらえることになり、日程も9月25,26日と決めた。しかし日程が近づくと、寒気を伴った気圧の谷の通過で天気予報的に思わしくない。延期も検討したがお互いの都合上好ましくなく、どうやら25日の土曜日だけは登山できる天気と見えて来たので、登山は前穂ワンポイントの日帰り、小梨平のテン泊で祝宴と変更した。また北陸の山仲間の数人が日帰りで来てくれる可能性があったが、日程変更の影響にコロナの自粛などで来ないことになってやや残念ではあった。
朝の上高地バスターミナルに僕とayuho一家が集結、河童橋の前を通って小梨平のキャンプ場へ。受付、テント設営をして、僕とayuhoママは登山へ、娘のKちゃんとパパは上高地の散策。
さて登山の2人、岳沢へ向かおうとして早速のルートポカミス、明神池の方に大分行って戻って来た。これで45分のロス。テント設営の時間と合わせて、朝一のバスから直ぐ登り始めた人達よりは1時間半位のビハインドになった。でもまだ僕らには時間的に安全圏だ。
岳沢への道に入れば、荷物も軽いし快調、ayuhoさんも前回同行した剱岳日帰りよりもパワーアップしている。岳沢ヒュッテまで一気に登って一息。その上は展望の尾根道、青空と秋色の山肌に見惚れながら登っていたが、紀美子平に着くまでには稜線はガスってしまった。それは仕方がない、登る勢いは衰えず、遂に3090mの山頂へ。ヤマレコ初だが、40年ぶりの到達にも感激する。
さて12時45分に下山開始、小梨平キャンプ場には風呂があるが、時間予約制で持ち込みテントの客は16時が最終回。標準タイムでは4時間半かかる。最初は間に合わないだろうと思い、気にせず自分達のペースで下りて行って、岳沢ヒュッテで14時ちょっと過ぎ。これは間に合うんじゃないかと言う話になり、ayuhoさんはパパに電話して予約しておいてもらう。ayuhoさんにはリニアカーペースで下りるのは勘弁してくださいと言われ、それでは新幹線ペースにしようと。それにしっかり付いて来て、梓川沿いの遊歩道には15時6分着と、余裕で間に合った。
風呂上りさっぱりしてのビール、そしてayuhoさんが用意してくれたキャンプディナーで美酒に酔いしれるのであった。
翌日上高地の時間予報では9時ごろから雨だったが、それより早まって6時過ぎからの雨、それも大きな水たまりが随所にできる雨量だった。穂高の稜線は雪だった筈。テントを畳んで炊事場の屋根の下で朝食、後はバスターミナルへ歩いて帰るだけである。
Nishidenさんの3000m峰コンプリートのお祝い山行の前穂高岳に参加したいと思った。しかし独り身の時と違って色々調整をしなければいけない。ちょうどこの週末は主人が土日両日とも休みだったので、説得に説得を重ねた結果、金曜夜発で上高地に来てくれることになり、土曜日は娘のお守をしてもらいその間に私はNishidenさんと前穂登山という形が実現した。
土曜日朝の上高地。まずは小梨平キャンプ場に向かう。受付で、去年クマの被害が出たので食べ物は水以外は鉄製食品庫にいれるという説明等を受け、テントを2張。娘は受付の人から北アルプスの山々のカードをもらう。そしてテントを立てる間、長いポールやペグ打ちなどに興味津々。そして荷物の整理をして河童橋まで戻り、ここで主人と娘に束の間のお別れをして、我々は岳沢へと向かう。天気は快晴で梓川の脇の工事用車両道を歓談しながら進んでいく。話に夢中だったのか、2人とも岳沢登山口を見事に見落としており、20分ほど行ったところでようやく気付いて急いで戻り、山らしい道を登り始める。IMPのメンバーのこと、劔以降の山行のこと、家族のことなど、おしゃべりしながら登り、展望のあるところに出て写真休憩。前方には穂高の稜線、後ろ側には煙を出す焼岳。さらに登ると岳沢小屋に到着。2006年の雪崩による小屋崩壊が原因で廃業したものの、2010年に新たに営業再開したこの山小屋の前には、上高地から今まで登った来た山肌さらにその先の山々を眺められる展望台があり、ここが今夜の宿ならば即ビールで乾杯したくなる場所。Nishidenさんの地図がちょうど廃業していた年度のもので、岳沢小屋跡と書いてあった。
ここからが重太郎新道で急登となる。でも真っ青な空に向かった登っていくのは爽快で、お互いに早くも遅くもないスピードでちょうどいい。標高が上がるとダケカンバが増えてきてススキが見られるようになり、山肌が秋色になっていることに気づく。11時近くなると登山者とすれ違うようになった。奥穂からの人、岳沢小屋泊まりで前穂から降りてきた人、途中ドローンを飛ばしている怪しいお兄さんも(いいのか?)。今日下りたら上高地のホテル泊まりというカップルもいて、そんなおしゃれな山行の形もあるのか〜と思う。NishidenさんがGPSを取り出し「あと直線距離で250メートル、標高差200メートルだって」等と教えてくれる。一体どんな斜度の坂道なんだという感じ(sin0.8=53度?)。もう高山植物の時期はほぼ終わっていたが、コケモモの実を見つける。そして紀美子平で休憩して最後の30分を登り詰めてやっと頂上到着! この時は残念ながら雲が出てきて快晴ではなくなっていたが、記念撮影して3000m峰完登をお祝い。途中ガスが切れて、一瞬だけ遠くの山肌が見えた。
パパと娘に電話すると、2人とも元気で上高地を楽しんでいる様子。小梨平キャンプ場の銭湯は16時まで入浴可能で予約が必要とのこと。でももう13時に近かったので3時間で下山は難しいと思い、予約は不要と伝える。そして下山開始。下りは息が上がることもなく、どんどんスピードが早くなる。紀美子平を越えて岳沢小屋までノンストップ。私は下りの時に拾おうと思っていたコケモモのことをすっかり忘れておりちょっとショック。Nishidenさんにリニアモーターカーみたいに下りないでくださいと頼み「じゃあ新幹線ぐらいで」ということで岳沢小屋を出発。
その後若干はスピードダウンしたもののしばらくしたらまたリニアに逆戻り。「Nishidenさんそんなにビール早く飲みたいのかなぁ、、もうちょっとゆっくり大事に歩こうよ。」と私は内心思っていたのだが、パパと娘に一日待ってもらっているという想いもあり頑張ってついていく。(前回の劔では、膝に限界が来てしまったが、今回は遅れずについていくことができてよかった。標高差1600mの往復はなんとか許容範囲だったらしい。)樹林帯の中でキノコ発見。そしてなんと1500過ぎには岳沢登山口に到着。
ここからは散策路を歩いている人たちとも一緒になり、湿原を縫う木道を歩きながら河童橋へ。小梨平キャンプ場に戻ると、パパと娘はちょうどお風呂から出たところで、私たちも1530からお風呂に入ることができた。そしてちょっと早めだが1630頃からお祝いを兼ねた夕飯。今回は高野豆腐と春雨とキノコが入った肉豆腐。けっこう好評でみんなよく食べてくれる。娘はNishidenさんにすっかりなついておしゃべりしてご機嫌。朝娘が受付でもらった山のカードを見ながら「前穂高岳、これが今日登ったお山。西穂はね〜、ママまだ登ったことないんだよ。」と教えてあげる。なんとNishidenさん、燕岳に登ったことがないと。持ってきたサトウのごはんを、ジップロックに詰め替えてお湯の中にいれてみる。すると意外に早くいい感じに温まり、しかも2つ分を一気に調理できたのでこのほうが格段に効率がいいことがわかった。サトウのごはんは電子レンジなら2分でいいのにね、という話題から、Nishidenさんの講座ではマイクロ波放電をするために壊れた電子レンジを使うという話になる。マイクロ波? 放電? 何ですかそれ?!と真剣に話を聞こうとしたところ、パパと一緒にトイレにいった娘が喜々として戻ってきて難しい話は中断となる。ヨセミテ国立公園では木材を集めて焚火をしたほうが山火事が少なくなるので奨励しているという話。星座板の見方(上に向けて使うので東西が逆になる)を教えてもらう。あっという間に時間が経ち、頑張って1500に降りてきてよかったと思う。暗くなると一気に温度が下がり、標高1500mにいることを思い知らされる。しかし用心のために持ってきた防寒具をすべて身に着けたら暑いぐらいで、快適に就寝。
翌朝は早朝から雨で、しかもけっこうな土砂降りで、荷物をまとめて大急ぎで炊事棟へ。家族で3本の傘を持ってきていたがそれが役に立った。そしてそこでコーヒー&パン、チーズ、ドライクランベリーの朝ごはんを食べて、娘が水たまりにはまらないよう、時々抱っこして歩かせながら上高地バスターミナルへ。また来るのを楽しみにしながら、平湯へと向かう。
帰東した後、今までの自分の山行記録をよくよく考えてみたら、実は私も前穂で3000m峰コンプリートしていたことに気づきました(南アルプスの悪沢岳にいっていないような気がしたが、椹島〜赤石〜二軒小屋を歩いたことがあるのでその時に踏破している)。嬉しいです。よかった! Nishidenさん、また山ご一緒できますように!
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する