【丹沢横断】丹沢三峰〜菰釣山〜不老山【充実感を超えた何か】
- GPS
- 32:00
- 距離
- 60.2km
- 登り
- 4,713m
- 下り
- 4,760m
天候 | 10/13 晴れ→曇り→晴れ 10/14 曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
復路:御殿場線駿河小山駅乗車 松田駅で小田急線に乗り換え |
コース状況/ 危険箇所等 |
蛭ヶ岳〜檜洞丸 道に刺のある植物が飛び出していて歩きにくい |
写真
感想
本当は3連休をフルに使って天子ヶ岳〜三つ峠を歩くつもりだったが、電車に乗り遅れたため自宅の最寄り駅で敗退してしまった。(笑)。仕方ないので来週行く予定だった丹沢を前倒しすることにする。1日目は妙に調子が悪く、犬越路までしか歩けなかったものの、2日目の路が平坦だったおかげでなんとか完遂することができた。めっちゃきつかった。来週末は家でのんびりする。
10月13日
4時に自宅で起床。余裕の朝出発。行程が長いのだから前夜泊しておけばよかったのに。いつもより軽いザックを背負い、意気揚々と暁闇の街へ駆け出したのはよかったが、最寄り駅まで息が持たず途中から歩く。因みに駅までは徒歩五分。神奈中のバスには山手線の車内にあるようなモニターが設置してあって天気予報などを流している。流石神奈川。
終点宮ヶ瀬の1つ手前で下車。水を汲める場所を探すのに手間取り(因にバス停の向かいのグラウンドに水道と公衆トイレがある)、30分ほど出遅れる。登山口にあったヒルファイターをかけて体操をして出発。
明るい樹林の中淡々と高度を上げる。晴れだが展望はない。凡そピョコというピョコに巻き道がついていてとても楽。うっかり巻き道を外すと尾根が細くなっているところもある。でもあんな明瞭な道を外すのは僕くらいなものだろう。途中道端の茨を掴んで親指の腹を切ってしまったが、救急箱を開けたら絆創膏が切れていた。
丹沢まで10人ほどとすれ違ったが一人をのぞいて全て単独行のおじさんだった。折角の三連休、若いものは沢とか岩とかアルプスとかで華やかな登山を楽しんでいるのだろう。どうせ僕はおっさんだよ。
登山口から10km歩いて丹沢山。人が多い。ここから蛭ヶ岳まで半年前にも歩いた道。主脈に出る直前から上空が曇り始め、富士山も見えない。東の市街地は多少見えるがぼんやりと霞んでいる。丹沢から見る街はいつもこんな感じだ。霞というが、あれは仙人が食べるような清げなものじゃなくて、年中街に滞留している瘴気のようなものなのだろう。
蛭ヶ岳から先は初めての道。急な下りがずっと続いて心が折れる。それにアザミや茨が飛び出していて痛い。半分枯れていたからまだよかったが最盛期なら半袖では通れそうにない。
体調が悪いのかやる気がないのかかなり疲れている。予定では今日は畦ヶ丸避難小屋までなのに檜洞丸で日が暮れてしまった。ヘッドライトの電池を替えて急な道を犬越路まで下る。疲れと暗さで遅々として進まない。
20時前に犬越路に着いた。明日は畦ヶ丸から西丹沢自然教室に降りることにしてここで泊まる。避難小屋は奇麗で快適。さすが神奈川。でも寝ていた先客の方を起こしてしまい大変申し訳なく思った。さっさと例のおにぎり雑炊を食べて寝る。
10月14日
3:30起床のつもりで目覚ましをセットしたはずなのに何故か作動せず4:30起床。先客の方を起こさないようにカップラーメンを食べて出発。
相変わらず調子が出ない。途中ベンチで寝たりする。が、大室山の手前から何の前触れもなく元気になってしまった。一体なぜなのか自分でも分からない。道もほとんど平坦なので勢いで完遂を目指すことにする。
大室山から三国山で日没を迎えるまで10時間ほど歩いていたはずだが、つい昨日のことなのにその間の記憶がほとんどない。展望のない、平坦で明瞭な道をひたすら歩いた、と思う。多分。こういう道を歩いているといつも記憶が飛ぶ。果たして損なのか得なのか。
三国山からヘッドライト。途中夜景のきれいな場所がたくさんある。でも立ち止まって見惚れている暇はない。駿河小山駅を9時台に出る電車を逃すと今日中に家に帰れなくなってしまう。明神峠から先、手作りの面白い標識がたくさんあって、単調な夜の樹林歩きを一瞬の間忘れさせてくれる。一体自分はなにがしたいのだろう。楽しいような辛いような、今すぐ家に帰りたいような、この山歩きをずっと続けていたいような、何ともアンビバレントな心境だ。
最後の200mの登り返しをこなして不老山登頂。ここまで来てしまった。曰く云い難い感情が迸っているような気もするし、何も感じていないような気もする。ヘッドライトの電池を替えてすぐに出発。
林道は地形図に描かれているよりもずっと上まで登山道と並走している。今まさに延伸しているらしい。林道分岐の標識があるところまでは林道を横目に登山道を行く。無心になって林道を降り、下界に出て更に駅まで歩く。9時55分、駿河小山駅。やれやれ間に合わなかったか、と時刻表を見ると次の電車は9:59だった。終電は9時台としか覚えていなかった(覚えないようにしていた)がまさか59分だったとは。努力は報われる、こともある。4分後に来た電車に乗って、日付が変わる前に帰宅することができた。
まとめ
山で辛い思いをしていると、自分は本当に山が好きなのか、自由意志は錯覚に過ぎないんじゃないかとしばしば思う。いつかふと自分の本心に気づいて登山をやめてしまうかも知れない。その日に後悔しないよう、今は全力で山登りを続けようと思う。
コメント
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自由意志と決定論との戦いに決着は付かないのではないでしょうか。過去を振り返れば全て決まっていたように思えますが、未来のことが分かる人はいません。ベルクソンはそのように、選択の自由について考えるのは不毛だと思ったのか、自由とは自分らしくあることだ、と考えたようです。
普通なら塔ノ岳から大山方面になりそうなところを宮ガ瀬とは。kigisuさんらしい、独創的なルートに脱帽です(ヽ゜ω゜)ノ
「自分らしさ」が最初からどこかに存在している、と考えるのは実在論的ですかね。自分の「らしさ」とは何かを考える過程で選択の自由の問題が絡んできて、堂々巡りに・・・すみません、頭が悪いのでよく分からなくなってしまいました
半年前と少しでも違うルートにしようと思って宮ヶ瀬から入ってみました。東丹沢にしては静かなコースでした。
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