【秋川作戦】小峰公園・今熊山・戸倉三山(刈寄山・市道山・臼杵山)・馬頭刈尾根(鶴脚山・馬頭刈山・高明山)【戊56.4】
- GPS
- 10:00
- 距離
- 29.6km
- 登り
- 2,734m
- 下り
- 2,674m
コースタイム
- 山行
- 9:14
- 休憩
- 0:46
- 合計
- 10:00
天候 | 快晴→晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
復路:JR武蔵五日市駅(瀬音の湯から徒歩) |
コース状況/ 危険箇所等 |
道の状況 市道山へ向かう途中、鳥切場までの大抵のピークには巻き道があるが、以降は無く、急上昇と急降下を何度も繰り返す。要するに疲れる。 檜原村から天狗滝・綾滝を経て馬頭刈尾根に上がる道は、短い距離で600m以上の標高差を登るのでかなり傾斜が急である。滝が連続しているくらいだから当然だが。つまり、かなり疲れる。 馬頭刈尾根は高明山まではアップダウンがあるが、以降はほぼ下り一辺倒。 下山後の温泉 瀬音の湯 駐車場に車が列をなしていたが入れた。 |
写真
感想
秋川沿いの南から北に突き上げる計画。うまくいけば大岳山を経て日の出山まで到達することも考え、夜間山行の準備もしていたが、最終的には作戦区域を秋川流域にとどめることとした。結果オーライ。また、ルート上に滝がいくつもあり、期せずして滝めぐりの様相を呈したのも趣深い。特に金剛の滝は一度訪れたことがあり、旧友と再会したような心地がした。
山行の原案については当初9月実施の予定だったが、9月中は週末の天候が不順だったこともあり、11月の決行となる。2ヶ月下り、日の時間も2時間ほど短くなっているため、原案通りにやると、山中で日が暮れてしまうと思われたが、最後の山頂で夜景を楽しんでから降りることも視野に夜間山行の備えもしたうえで出発。あとは当初計画を適宜端折りつつ歩いていくこととした。
武蔵五日市は奥多摩よりも近いと思うのだが、五日市線との連絡がよくなくて現地到着は奥多摩よりも遅くなる。既に明るく白んだ空の下、駅を出発、小峰公園へ向かう。
小峰公園というと我が山行の導入となった場所のような気がする。東京に出てきた学生時代以降、私は東京西部、稲城〜多摩〜八王子南部の京王・京王相模原沿線或いは川崎、横浜、町田の小田急線・東急田園都市線沿線地区を中心に開発途上の新興住宅地区に点在する里山的公園緑地を縦横に巡っていたが、あきる野の小峰公園と奥武蔵の子ノ権現〜棒ノ嶺を歩いた辺りから山の深みも散策の対象となった。
そんなことを考えつつ歩いていると、ピークを下って出た広い空間に見覚えがあることに気がつく。何だったかなと思い、沢音に誘われて歩いて行くと、その先にある金剛の滝が、まさしく当時訪れたところだった。思わぬ再会についつい感嘆の声が漏れる。いやはや、記憶が鮮明に蘇るとはこのことだ。この滝は大きさこそ大したことはないが、空間の雰囲気と合わせて趣は抜群である。
金剛の滝から今熊山へは直接上っていくことができ、谷間の靄を払って九十九折の道を歩いて行くと今熊神社の裏手に出る。地元の人であろうか。朝も早くから山頂に男性が。東京スカイツリーが見えると言うので大きく開けた東の空に目を凝らすも、雨上がりで若干もやっているので肉眼では厳しい。双眼鏡を借りて見ると確かに屹立した塔の姿。正月辺りには肉眼でも見えそうだ。
以後は戸倉三山巡り。最近は高尾だけでなく、陣馬、御岳、大岳まで多くのハイカーが押し寄せるようだが、この界隈は東京でも最後に残った人跡少ない山地というべきか、ほかに山行者のいない細めの道を行く。もっとも、人跡少ないとは言っても東京都なので草が生茂って道が塞がれているとかそういうことは無い。
数々のアップダウンには途中まで巻き道があり、山行後半のことも考え、主要目標のピーク以外は基本巻く方針だったが、進行方向が南下から西進に切り替わる鳥切場以降、巻き道は無くなり、ピークは避けて通れなくなってしまった。急な上りと急な下りを何度も繰り返すことになる。また、ここがピークかと思ったらまだ先だったということもおきるようになり、山頂がどこだ?ということは途中で考えないよう心がける。展望は木立の合間や開けたところから奥多摩や東の大東京、南の笹尾根、丹沢と飽きることは無い。富士山が見られなかったのだけは残念だが。
市道山を過ぎてからぽつぽつと対向山行者が現れる。
臼杵から麓へは荷田子へ下りるか元郷へ下りるかだが、元郷に下りた方が馬頭刈尾根を経て大岳山方面に向かうルートとしては距離が短いと見て、元郷へと急な下りをガンガンと下りる。
元郷バス停に出たところで自動販売機があったので水分補給。ここで水分だけでなく塩分もたくさんとっておけば良かったのかもしれない。顔がしょっぱい、自分で製塩しているようだ。多くの人で賑わう払沢の滝入口を横目に見て千足から再度山域を目指す。
しかし、何と言うことであろうか。山域に至るまでの舗装道路を上る段から脚を上げるのがしんどくなっている。平地に下りてしばらくは気がつかなかったが、かなり疲労が蓄積しているのか。いや、この疲労は今回だけのものではなさそうだ。最近やたら長距離の山行を続けているので、その分も、特に先週分がまだ残っているようなのだ。取り付きに至るまでがそのような状態なので、実際に山の中に入ってからは推して知るべし。最初からかなりの苦戦を強いられる。
山道は奇しくも滝の連続するルートで、沢を渡渉しつつ、天狗滝及び綾滝を巡る。途中の沢は岩に苔むしてさながらロックガーデンのようであり、また滝はいずれも趣を異にし、綾滝のごときは貴婦人のようである。概ね600〜700m歩くごとにこのようなランドマークがあるので、気を紛らわせながら歩けるが、滝を過ぎてからは所々岩の混じる急登を一歩一歩休み休み歩いていく。標高差は600m、大岳山まで行けば900mか。このくらいでへばっていては北鎌なんか夢の夢だなあ。負けるな頑張れと自分を励まし、ようやくのことでロッククライマーが挑戦しているつづら岩の麓にたどり着く。
尾根に登ったはよいものの脚がもう限界に近いような気もする。気温が下がると体を動かすのに余分な力を使ってしまうのだろうか?はたまた先にも述べたとおり、先週の疲れが残っているのか。腰を下ろして今後のことを考えることとする。
冒頭述べたとおり、山中で日が暮れると見込まれたことから、「夜間山行をしていいのは夜間山行の覚悟と準備がある者だけだ」とばかりに夜間山行するつもりで来たものの、なお先は遠い。
大岳山のピークを巻いたとしても御岳辺りで日没か。元気な状態で歩くのならともかく、疲れ果てた状態で夜道を歩いていたら誰が見ても日没までに下山し損ねた遭難者だ。また、脚が上がらない状態で夜道を歩くのは危険だろう。大岳方面に向かうのは蛮勇苦行と言うほか無いと考え、馬頭刈尾根を下ることとした。
決めてしまえば気持ちも楽になるもので、最初は尾根上のちょっとした上りもきつかったのが、段々と脚が慣れてくる。さすがに「やっぱり大岳山方面に行くべきだった」とは思わなかったけれども。夕陽の差し込む静かな尾根道は、山行を本格的に始めた頃に私が魅せられた山の性質そのものだ。山の静けさに惹かれ、長閑さを求めて山に入ったのである。それは今も変わらないが、最初に小峰公園・金剛の滝を通ったこともあり、改めて初心に帰ったような新鮮な気持ちになる。
日没20分ほど前に瀬音の湯駐車場に出る。ここは私の評価はあまり高くないのだが、よく混んでいる。行列をなしている車を横目に建物内に入る。混んでいて行列ができているようだったら帰ろうと思っていたが、何とか入りこむことができた。
というわけで、今回も適切に状況を判断し対処できたと思う。久しぶりに訪れた我が身を山々が慮ってくれたということもあるだろう。綺麗な滝を幾筋も見ることができ、無事山行を終えることができただけでもありがたいことである。
ただ、長距離山行の後の体のリカバリや次の山行についてはよく考えてやらないといけないと反省もしたのであった。
〜おしまい〜
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