高千穂峰・矢岳 《九州百名山》
- GPS
- 07:20
- 距離
- 17.3km
- 登り
- 1,334m
- 下り
- 1,320m
コースタイム
- 山行
- 6:01
- 休憩
- 1:19
- 合計
- 7:20
天候 | 曇り一時晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
高千穂峰は整備が行き届いているが噴出物の軽石が砕け砂地となり歩き難い処がある |
その他周辺情報 | 霧島温泉 |
写真
感想
6:30の高千穂河原の駐車場は、無人で駐車料金を払わずに止めた。天気は下り坂なので予定していた周回コースを逆転して、先ず標高の高い高千穂峰から登ることにした。天孫降臨遥拝所に参拝し鳥居の向こうに見えるお鉢と高千穂峰は何か神々しさを感じた。遥拝所の横から登山道が始まり樹林帯のよく整備された道を登りだした。早朝から登る人が多く、一番乗りの人が早くも下りて来た。何人もの登山者を追い越したが降りてくる人も多い。ご来光狙いで早朝登山したのだろうが今日は雲が多く残念なことだ。標高1,040m位で樹林帯を抜け火山の荒涼とした地肌剝き出しの地形となった。
御鉢の先端に達すると火口を覗くことができ深さ150mもある火口の底には小さな池があった。振り返ると中岳や新燃岳、韓国岳など霧島山主稜線の山がしっかり望めた。丸岡山から夷守岳にかけては雲に頭を隠していた。火口の北縁を歩き東側に達するとここがピークで乗り越した鞍部に霧島神宮元宮が鎮座していた。
高千穂峰の西斜面の登りとなり火山の軽石が積もり足を取られ歩きにくい。土嚢代わりのネットに軽石が入れられ整備されているので有難い。高千穂峰(1,573m)山頂に到ると天ノ逆鉾が刺さり、柵で囲われていた。北側に方向指示盤があり、その前には2等三角点「高千穂峰」が置かれていた。山頂小屋は健在だった。17年前に来た時は小屋番さんが毎日山頂に国旗を掲揚されていたようだったが、今はもう国旗は見られないのだろうか。
山頂展望を楽しんだ後、霧島東神宮方面に下山を開始すると稜線を乗り越すように雲が掛っていた。此方は黒い土嚢と丸太階段で登山道が整備されていた。傾斜が一旦落ち着くと登山道に注連縄が張られていた。大岩を迂回し、鞍部が見えてくるとそろそろ皇子ヶ原への下山路が分岐するが道とも思えない分岐はあったがまさかと思い通りすぎた。少し進んでGPSで確認してみるとやはり先程の怪しげな分岐が正解のようで引き返して下りだした。
確かに踏み跡のようで下って行くと道形はあるがその上に木が繁り大変な藪漕ぎを覚悟した。暫く進むと登ってくる人の姿が見えホッとしたところ右の方からしっかりした登山道が現れ藪漕ぎから解放された。稜線をもう少し下った所に現在の分岐があったようだ。300m近く下った所に第二展望台の標識があったが木々が繁り展望は全く失われていた。次に現れた第一展望台も同様展望はなく、龍駒コースが右に分岐しているがロープで規制されていた。案内板には、「皇子ヶ原へは龍駒コースが近いが分かり辛くなっているので天孫降臨コースがおすすめ」との案内があった。登山口に近づくとまた一人男性が登ってきた。地元の人のようで矢岳への道も教えてくれた。
広い涸れ沢に達するとそこは堰堤でギリギリまで堆積した土砂が一面を覆っていた。横断して林道に入り登って行くと天孫降臨駐車場に達した。途中出会った人の車2台だけが置かれていた。地元の登山者に聞いた通り林道のゲートを越え辿って行くと右手に赤テープがあり表示はないが矢岳への登山口のようだ。地形図には登山道が描かれず、広い稜線を赤テープを辿って行くが見失ってしまい適当に進んでいるとまた赤テープが現れ安心して辿っているといつまで経っても前方に山が現れずGPSで確認してみると矢岳南麓の高千穂河原への道を進んでいた。
取り付きまで戻るには来過ぎているので、矢岳と竜王山の間に乗り上がる中間道を取ることにした。この分岐も過ぎていたので少し引き返して取り付いた。斜面に達するまでに深く抉れた谷を幾つも横断した。どれも涸れ沢で火山噴出物の軽石が埋めた谷で浸食が進んでいた。急斜面となり這い上がって行くと薄の原となり稜線に達した。真南に見える高千穂峰は雲が出て山頂を包んでいた。
東に進み北に稜線の括れに達すると小林市と高原町の境界尾根が北に分岐しており踏み跡が続いていた。潅木帯を進んで行くと6分で矢岳(1,132m)山頂に到った。3等三角点「矢岳」が設置され展望が良い。空は晴れて雲を被っていた高千穂峰もすっきりと姿を現していた。ゆっくり昼食休憩を取り出発しようとすると高千穂峰には再びガスが掛かってきた。
稜線に乗り上がった分岐を先に進むと湾曲するように北に向かい竜王山(1,175m)山頂に達した。中岳・新燃岳方面に展望が得られた。西斜面を下り出して、稜線の東側に滝があると云うので行ってみようと登山道を外れて稜線鞍部に進み北側に迂回してみたが目的の滝の詳しい位置が分からず道も不明で途中で断念した。短絡して稜線に上がろうとすると赤テープがあり、辿って行けばどうかと考えたが滝を目指しているのかどうかも分からずそのまま稜線鞍部に戻った。緩斜面なのでそのまま南に下ると竜王山からの登山道に復帰することができた。
深い谷を幾つも横断し新燃岳を東側から登る登山道があるようだが分岐点は分からなかった。平成23年1月の新燃岳噴火以来登山禁止になったままで、今は警戒レベル1の「活火山であることに留意」となったが半径1匏内の入山規制は続いている。東山麓の高千穂河原へ向かう道は、その時の噴火の影響もあり、火山性の地層に入った雨裂が発達した谷で、何れも涸れ沢だが露出した地層が断崖を成した凄い谷を幾つも横断した。軈て天孫降臨駐車場への分岐に到った。分岐を過ぎると比較的単調な道となり鹿ヶ原の草原に達した。中岳の裾野までスッキリ見られ、反対側には御鉢の稜線が素晴らしく裸の尾根を歩く登山者の姿まで確認できた。
天孫降臨遥拝所の傍らに出てきて見上げると高千穂峰が再びスッキリと姿を現していた。「ブウォー」と云う法螺貝の音が鳴り響き、白装束の若い男性が吹き鳴らしていた。駐車場に戻るとフロントガラスに「駐車料金を払ってください」のカードが挟まれていた。やはり料金支払いからは免れることはできなかった。
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