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記録ID: 3867259
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積雪期ピークハント/縦走
近畿

【野坂山地】大雪後の武奈ヶ嶽&三重嶽

2021年12月28日(火) [日帰り]
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GPS
--:--
距離
19.2km
登り
1,254m
下り
1,242m

コースタイム

日帰り
山行
10:40
休憩
0:00
合計
10:40
7:00
160
尾根取りつき
9:40
190
12:50
120
14:50
170
林道に着地
17:40
駐車地付近
当初計画では,よりスキー向きと思われる武奈ヶ嶽の南西尾根から取りつく予定でしたが,303号線で大雪による車の立ち往生に遭遇し,やむなく武奈ヶ嶽の南尾根(高島トレイルの付いている尾根)から登りました。また,下山も当初はピストンの予定でしたが,前述の立ち往生とルート変更で時間が無くなったため,三重嶽の南尾根+林道経由で下山しました。
天候 曇り時々雪
過去天気図(気象庁) 2021年12月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
今回,大雪後だったため除雪が追いついておらず,駐車できるスペースが全くなかったため,尾根取りつき付近の路肩をシャベルで自力除雪し,スペースを作って駐車した。除雪車や集落の住人の方々に邪魔にならない場所に駐車しようと思うとなかなか気を遣う。
コース状況/
危険箇所等
<積雪状況>
・尾根取りつきで既に100cmほどの積雪。山頂付近では150〜200cmほどはあったと思われる。もともと藪の薄い尾根であることもあり,スキーでも歩行や滑降に不便は感じなかった。沈み込みはスキーでスネ程度。スキーを脱ぐとたちまちモモまで埋まるくらいだったため,ワカンだとヒザ上ラッセルになると思われる。
※参考…早朝の積雪状況は,ロードネット滋賀(滋賀県の道路情報ページ)によると,マキノ町在原で積雪125cm,今津町杉山で積雪100cm。

<ルート上の注意>
・穏やかな樹林帯の尾根が続き,特に注意が必要な箇所はないが,尾根が広くしかも複雑に枝分かれするため,読図に細心の注意が必要。特にガスなどで視界不良時は困難が増すと思われる。
・今回,下山時に石田川ダム奥の林道を通りましたが,厳冬期は雪崩デブリで片斜面状態になり危険を伴うため,本来はあまり推奨できません(自分は通っておいてなんですが…)。ピストンとするか,P812mの一つ南のピークから南東尾根で石田川ダム付近に降りるルートが安全と思います。
国道303号線の寒風トンネル付近から南西尾根経由で登ろうと思っていたところ,303号線の水坂トンネル西出口付近で除雪車が故障?したらしく,立ち往生が発生(写真はトンネル内の渋滞の列)。これで1時間ほどロス。(この手前でも雪でスタックした軽自動車を通りがかりのみんなで助けたり,結構大変だった)
国道303号線の寒風トンネル付近から南西尾根経由で登ろうと思っていたところ,303号線の水坂トンネル西出口付近で除雪車が故障?したらしく,立ち往生が発生(写真はトンネル内の渋滞の列)。これで1時間ほどロス。(この手前でも雪でスタックした軽自動車を通りがかりのみんなで助けたり,結構大変だった)
立ち往生が解消するまでの時間つぶしに(結局,解消しなかったのだが…),近くに車を停めて付近をスキーで歩き回っていたところ,深雪の中をラッセル中のシカ2頭に遭遇。
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立ち往生が解消するまでの時間つぶしに(結局,解消しなかったのだが…),近くに車を停めて付近をスキーで歩き回っていたところ,深雪の中をラッセル中のシカ2頭に遭遇。
シカのラッセル速度よりもスキーで歩く速度のほうが早いため,簡単に追いついてしまう(別に追いかけていたわけではないが,進む方向が同じだったので…)。細い脚で雪中を進むのはかなり大変そうだ。
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シカのラッセル速度よりもスキーで歩く速度のほうが早いため,簡単に追いついてしまう(別に追いかけていたわけではないが,進む方向が同じだったので…)。細い脚で雪中を進むのはかなり大変そうだ。
食べるものもみんな埋まってしまって,シカも大変だろう。頑張れよー
食べるものもみんな埋まってしまって,シカも大変だろう。頑張れよー
結局,立ち往生は解消せず,南西尾根はあきらめて南尾根(高島トレイルがついている尾根)から武奈ヶ嶽に登ることにした。正直,雪が多すぎて,どこからでも取りつける。道路から壁のようになっている雪の側壁を這い登り,スキーを付けて登っていく。
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結局,立ち往生は解消せず,南西尾根はあきらめて南尾根(高島トレイルがついている尾根)から武奈ヶ嶽に登ることにした。正直,雪が多すぎて,どこからでも取りつける。道路から壁のようになっている雪の側壁を這い登り,スキーを付けて登っていく。
雪をたっぷりまとって荘厳な雰囲気の植林を斜登行していく。
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雪をたっぷりまとって荘厳な雰囲気の植林を斜登行していく。
冬型気圧配置が一瞬緩む今日は,時々雪が舞うものの,薄日も差している。モコモコに雪を乗っけた杉並木を眺めながら。
冬型気圧配置が一瞬緩む今日は,時々雪が舞うものの,薄日も差している。モコモコに雪を乗っけた杉並木を眺めながら。
モッコモコである。
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モッコモコである。
もともとあまり藪っぽくない尾根なので,スキーでも全く取り回しに気を遣うことなく快適に登っていける。沈み込みは足首〜スネ程度で,心配していたほどのラッセルではない(ただ,スキーを外すと一気にモモくらいまで沈み込む)。
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もともとあまり藪っぽくない尾根なので,スキーでも全く取り回しに気を遣うことなく快適に登っていける。沈み込みは足首〜スネ程度で,心配していたほどのラッセルではない(ただ,スキーを外すと一気にモモくらいまで沈み込む)。
武奈ヶ嶽の山頂周辺は尾根が広く,視界がない場合は苦労しそうだが,これくらい見えていれば大丈夫。
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武奈ヶ嶽の山頂周辺は尾根が広く,視界がない場合は苦労しそうだが,これくらい見えていれば大丈夫。
武奈ヶ嶽の山頂台地に乗った。霧氷の木々が美しい。
武奈ヶ嶽の山頂台地に乗った。霧氷の木々が美しい。
美しい雪景色の平が広がる。
美しい雪景色の平が広がる。
武奈ヶ嶽山頂に到着。プレートが見つからなかったため(埋まってしまった?),ここかな?という場所を山頂とした。
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武奈ヶ嶽山頂に到着。プレートが見つからなかったため(埋まってしまった?),ここかな?という場所を山頂とした。
さて,お次は三重嶽へ。まだまだ長丁場だ。
さて,お次は三重嶽へ。まだまだ長丁場だ。
美しい雪尾根を進む。
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美しい雪尾根を進む。
下界の真っ白な家並みもうっすらと見える。あれは熊川のあたりかなぁ。
下界の真っ白な家並みもうっすらと見える。あれは熊川のあたりかなぁ。
この稜線は尾根が広いため,特に遠望が利かない今日は進路決定に結構気を遣う。
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この稜線は尾根が広いため,特に遠望が利かない今日は進路決定に結構気を遣う。
クリスマスひのき。
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クリスマスひのき。
P812からは少し長い下りが出てくるため,シールを剥がして滑降。P812の北斜面は特にブナが美しい。
P812からは少し長い下りが出てくるため,シールを剥がして滑降。P812の北斜面は特にブナが美しい。
霧氷の森が永遠のように続く。
霧氷の森が永遠のように続く。
ブナの木々を縫って滑りながらも,時折スキーを止めて森を眺める。
ブナの木々を縫って滑りながらも,時折スキーを止めて森を眺める。
いいなぁ
スキー向きの素晴らしい斜面でした。もっと長くつづいてくれるといいんだけど…。
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スキー向きの素晴らしい斜面でした。もっと長くつづいてくれるといいんだけど…。
行く手に三重嶽の重厚な山並みが見えた。山頂付近はガスに隠れている。
行く手に三重嶽の重厚な山並みが見えた。山頂付近はガスに隠れている。
ここから一時的に風雪が強まり,急斜面も相まって苦しい登りとなった。
ここから一時的に風雪が強まり,急斜面も相まって苦しい登りとなった。
なんとか三重嶽へと続く緩傾斜帯に登り上げた。うあー,やっぱりきれいだ。
なんとか三重嶽へと続く緩傾斜帯に登り上げた。うあー,やっぱりきれいだ。
時々,波のようなスロープを連ねながら,穏やかな雪の台地が続く。
時々,波のようなスロープを連ねながら,穏やかな雪の台地が続く。
行く手の穏やかな森と雪原の眺望。
行く手の穏やかな森と雪原の眺望。
時折,ぽっかりと雪の空き地が現れるのが特徴的。夏は池でもあるのだろうか。無雪期の三重嶽を歩いたのはかなり前なので,よく思い出せない。
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時折,ぽっかりと雪の空き地が現れるのが特徴的。夏は池でもあるのだろうか。無雪期の三重嶽を歩いたのはかなり前なので,よく思い出せない。
雪とブナの美しい斜面。
雪とブナの美しい斜面。
この眺めが永遠に続くかのように思えてしまうほど,たおやかな台地がずっと続いている。
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この眺めが永遠に続くかのように思えてしまうほど,たおやかな台地がずっと続いている。
やっぱり三重嶽はいいところだ。来てよかった。
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やっぱり三重嶽はいいところだ。来てよかった。
もうすぐ山頂かな。穏やか過ぎて,どの高みが山頂なのか迷うところだが…
もうすぐ山頂かな。穏やか過ぎて,どの高みが山頂なのか迷うところだが…
三重嶽山頂に到着。奇跡的にプレートが頭だけ出ていた。
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三重嶽山頂に到着。奇跡的にプレートが頭だけ出ていた。
傍らには凍り付いた灌木。
傍らには凍り付いた灌木。
雪の砂漠のようだ。
雪の砂漠のようだ。
1000mにも達しない山の上とは思えないほどの,大きな広がりのある風景。
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1000mにも達しない山の上とは思えないほどの,大きな広がりのある風景。
この北側斜面,シールを剥がしてスキーで滑ってみたい衝動に駆られたが,下山時間がなくなってしまう。眺めるだけにしておいた。
この北側斜面,シールを剥がしてスキーで滑ってみたい衝動に駆られたが,下山時間がなくなってしまう。眺めるだけにしておいた。
さて,帰りましょう。三重嶽,さようなら。
さて,帰りましょう。三重嶽,さようなら。
下山は三重嶽の南尾根から。似たような尾根が並んでいるため少し試行錯誤したが,無事,正解の尾根を探し当てて下っていく。
下山は三重嶽の南尾根から。似たような尾根が並んでいるため少し試行錯誤したが,無事,正解の尾根を探し当てて下っていく。
アップダウンがあるため,シールは付けたまま。
アップダウンがあるため,シールは付けたまま。
ぬおっ,今頃青空が…。しかし,振り返る三重嶽は,ガスをかぶったままだった。多分,ガスの中は雪が舞っているだろう。
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ぬおっ,今頃青空が…。しかし,振り返る三重嶽は,ガスをかぶったままだった。多分,ガスの中は雪が舞っているだろう。
最後に林道に降りる斜面は,シールを剥がして滑降。気温が低いためこの標高でも雪がサラサラで,藪もほとんどなく,楽しいスキーができました。
最後に林道に降りる斜面は,シールを剥がして滑降。気温が低いためこの標高でも雪がサラサラで,藪もほとんどなく,楽しいスキーができました。
そのまま林道に滑り込んだ。
そのまま林道に滑り込んだ。
再び雪が舞い始めた林道を,延々とシール歩行。石田川ダムを越え,角川の集落の手前まで来てやっと除雪終点にまでたどり着き,スキーを脱ぐことができた。
再び雪が舞い始めた林道を,延々とシール歩行。石田川ダムを越え,角川の集落の手前まで来てやっと除雪終点にまでたどり着き,スキーを脱ぐことができた。
ちなみに,この時期の石田川ダム奥の林道は,こんな感じの片斜面が連続するので,本来はおすすめできません。(自分で通っておいてなんですが…)
ちなみに,この時期の石田川ダム奥の林道は,こんな感じの片斜面が連続するので,本来はおすすめできません。(自分で通っておいてなんですが…)

装備

備考 ・スキー使用。ピッケルやアイゼンは不要。

感想

 大雪が続いている。アメダスを眺めていると,意外にも福井や石川よりも,滋賀北部のほうが降雪量が多い(少なくとも12/27時点)。ロードネット滋賀(滋賀県の道路情報ページ)をチェックすると,マキノ町在原で積雪125cm,今津町杉山で100cm…白川郷より降っとるやん! 冬型気圧配置が一時的に緩む今日はチャンスなので,最初は北陸の山に登ろうと思っていたのだが,近場のお山でこんなに降っていることを知ってしまったら,もったいなくて素通りはできない。ということで,特に積雪が多そうな野坂山地の山に登ることにした。
 三重嶽は,かなり以前に高島トレイルを歩いた時に,その穏やかで重厚な山容,そして山上に広がる気持ちのいい草原とブナの森に感動した山だった。高島トレイルの秘境的ハイライトのひとつは,個人的に大御影山のブナの森と,この三重嶽だと思う。三重嶽のゆるやかな台地を雪のある時期に歩いたらどんなだろう,と想像して,いつか冬に,それも残雪期ではなく新雪期に来てみたいと思っていた。
 三重嶽はかなり奥まったところにある山で,周囲の林道が積雪で使えなくなる冬季になると,なおさら遠い山になる。深いラッセルの長丁場を予想して,今年まだ履く機会のなかったスキーを持ち出した。
 国道から外れた角川の集落は,1m近い積雪で,家々は屋根に分厚い雪を載せて,まるで北陸や東北の山里のような風情だった。道路から直接スキーを履いて尾根に取りつけるというのも,この辺りの山では年に数回あればいいほうの状況かもしれない。三重嶽まではやはり遠かった。永遠に続くかのようなゆるやかな雪尾根と樹氷のブナの森の果てにたどり着いた三重嶽の山上台地は,1000mにも満たない低山とは思えないほどの広大な白い雪原となって迎えてくれた。緩やかに波打つ新雪のブナの台地をさまよっていると,自分が今どこにいて,どこに向かっているのか次第に分からなくなるような,不思議な感覚に襲われた。
 帰りの林道も長かった。突然の大雪で困り果てているらしいシカの群れが,深雪の中を歩くこともできずに,眼下の石田川の峡谷の流れの中を走って逃げていく光景に何度も出くわした。角川の集落の手前まで来てやっと除雪車の轍にぶつかり,ほっとしてスキーを脱いだころには,既に集落の街灯が夕闇に沈む雪景色の所々にぽつぽつと白い光の輪を広げていた。

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