熊野古道:紀伊路、海南〜湯浅(藤白峠、拝の峠、糸我峠)【紀北、和歌山県】
- GPS
- 05:45
- 距離
- 21.5km
- 登り
- 896m
- 下り
- 880m
コースタイム
- 山行
- 4:49
- 休憩
- 0:53
- 合計
- 5:42
海南駅前P 0956 ― 熊野古道に合流 1008 ― 日限地蔵院 1009 ― 一の鳥居跡 1011 ― 祓戸王子跡入口(a) 1013 ― 祓戸王子跡 1018 ― (a) 1023 ― 藤白神社 1032/1040 ― 有馬皇子の墓1043 ― 二丁 1047 ― 四丁・山道入口 1049 ― 七丁 1055 ― 十丁 1100 ― 十三丁 1105 ― 筆捨松・硯石 1107 ― 地蔵・舗装路へ 1113 ― 石造宝篋印塔 1115 ― 藤代塔下王子 1115 ― 福勝寺分岐(b) 1137 ― 阿弥陀寺・橘本王子跡 1139 ― 福勝寺 1145 ― (b) 1152 ― 県道横断 1155 ― 所坂王子跡 1200 ― 一壷王子跡 1215 ― 県道165号から短絡路分岐 1229 ― 拝の峠への作業道分岐点 1243 ― 拝の峠 1250 ― 宮原への県道164号分岐点 1252 ― 海南市有田市境界 1301 ― 蕪坂王子跡 1302 ― 爪書地蔵 1311 ― 山口王子跡 1323/昼食/1340 ― 伏原の墓 1345 ― 宮原小学校前 1356 ― 橘踏切 1401 ― 宮原の渡し場跡 1404 ― 得生寺 1417/1420 ― 雲雀山登り口 1424 ― 糸我王子社(再興) 1428 ― 糸我の道標 1431 ― 峠下のあずまや 1443 ― 糸我峠 1446 ― 夜泣松の跡 1452 ― 逆川王子跡・逆川神社 1500 ― 弘法井戸 1505 ― 方津戸峠 1508 ― 飛越橋脇 1514 ― 北栄橋 1522 ― 道町の道標 1527 ― かどや食堂 1533 ― 湯浅駅旧駅舎 1533/1537 ― 湯浅駅 1538
● 行動時間 5:42
天候 | 晴れ、風強い |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 自家用車
(和歌山市内=海南駅前P) 海南駅前P―藤白峠―拝の峠―紀伊宮原―糸我峠―方津戸峠―湯浅駅 (湯浅1551=JR紀勢本線=1621海南) (海南駅前P=和歌山市内) ●登山口へのアクセス ○海南駅付近 ・海南駅から東側に出て高架線路の側道を南へと進む。10分程度進んだ内海小学校の地先で右折すると熊野一ノ鳥居跡がある。そこから南に進めば藤白神社方面、東に進めば布施屋を経て山中渓へと続く ○湯浅駅付近 ・湯浅駅に降り立ち、左手にある旧駅舎の前を過ぎ、その先の「かどや食堂」のある辻が熊野古道との交差点。左に行けば内原・御坊方面、右に行けば宮原・海南方面 (いずれの記述も2021.12現在) |
コース状況/ 危険箇所等 |
○海南〜藤白峠〜橘本王子 ・いかにも古い街道らしく家並みの迫る細い道筋がずっと続く。登りでは、藤白坂の4丁から峠の上の地蔵までは山道だが、それ以外は舗装路 ・峠の上にある藤代塔下王子から橘本王子にかけては、みかん畑の作業道も経由するが、それも含め整備された道が続く ○橘本王子〜一壷王子〜拝の峠〜蕪坂王子〜山口王子〜紀伊宮原 ・橘本王子からは県道伝いの歩きが続く。一壷王子から登りにかかる。沓掛集落から先の農道は舗装路ではあるものの車両の通り抜け禁止とされている。それくらいの急坂になっている ・拝の峠で県道に合流し、宮原に向けて下っていく。途中何度もみかん畑の作業道を挟むが、いずれも急坂。一気に標高差300mを下る ○紀伊宮原〜糸我峠〜方津戸峠〜湯浅駅 ・宮原からは糸我峠下にある「糸我の道標」までは車道歩き。そこからはみかん畑の作業道、最後はつづら折りの山道で湯浅町へと続く。湯浅町に入ると舗装路となり下っていく。方津戸峠下からは街の中の舗装路歩きとなり、商店街を抜けると湯浅駅のそばに出る (いずれの記述も2021.12現在) |
その他周辺情報 | ●買う、食べる ・海南駅付近にはコンビニも飲食店もある ・宮原にも店はあるようだが街道付近には見当たらない。有田川を渡ったあとの国道沿いにコンビニがある ・湯浅では、駅までの市街地にはコンビニはない。駅前のかどや食堂は定食屋としては定評のある店 ●日帰り温泉 ・海南、宮原、湯浅それぞれに複数の日帰り温泉、スパ等がある (2021. 12現在) |
写真
感想
今年最後の日に紀伊路へ。
なかなか自由の利く休日が少ない中、もともと山行きを計画していたが、体調も芳しくないので近くて起伏の少ないところを選んだつもりで「藤白峠〜拝の峠〜糸我峠」へ。
海南駅前に降り立つと、思っていた以上に肌寒い。そもそもの気温が6度程度だが、加えて風が強い。そんな中を出発。しばらくは街中の狭い道を行く。熊野古道に載ってもそれはあまり変わりなく、一の鳥居跡に来てようやく解説標などを見て古道歩きに来たことを意識させられる。
すぐに祓戸王子が枝道の先にあるが、等高線に沿って進むうちに、先ほど歩いてきた街が足下にあることが分かる。雑木越しではあるが、海南駅も見える。昔は一の鳥居辺りから直接登れたようだ。
戻って街並みの中を先へ。鈴木屋敷は工事中。やがては、かつてあったような屋敷ができるようだ。全国の鈴木姓の発祥地と言われている。
藤白神社は王子の中でも重要な位置づけであったようだ。五躰王子のひとつとのことで、5つの代表格のひとつということか。
神社境内を貫通するように街道が抜けており、それに沿って進む。紫川を渡り、幅広の阪和自動車道をくぐると、「有馬皇子の墓」と「丁石」が現れる。一丁石そばのお地蔵様にはきれいに花が添えられている。大切にされているようだ。
そこからは藤白坂の急坂が始まるが、四丁石からは車道と歩道が分かれ、歩道は山道となり段付けされた急坂になる。途中何度かの眺望を得るがその都度見える景色が違う。名草山方面、石油基地の先に片男波が見えたかと思ったら、火力発電所の先には淡路島が見える。やがて美しい竹林を抜け、峠へ。峠には藤代塔下王子があり、休憩所もある。御所の芝という景観ポイントがあるようだが、見過ごしてしまった。
そこからは舗装路を下っていくが、すぐにみかん畑の作業道へと降りていく。このあとも作業道を経由することは多々あるのだが、いずれも車道のショートカットになっており、その分だけ斜度が急なものが多い。作業道か車道かも分からないほどに狭い坂道が家並みに紛れると橘本の集落で、途中に福勝寺への案内標示がある。民家への勝手道ではないかと思うほどの狭い入り組んだ道を進み寺へ行く。残念ながら裏見の滝の辺りは立ち入り禁止となっていた。
戻って狭い路地を降りていく。立派な道幅の県道を渡り、橘本土橋(復元)を渡り川沿いに左折する。所坂王子跡には橘本神社がある。王子の名前と神社がずれており紛らわしい。およそ1900年前にみかんの原木“橘”をここに持ち込んだという謂れにより、お菓子の神様ということのようだ。
そこからは市坪の集落を貫いて進む。市坪は川沿いに作られた集落で、ちょうど城崎のように川の両側に家並みが続く。一壷王子跡を過ぎるとまたみかん畑の中へと進んでいく。しばらくは緩やかに登るが沓掛で県道を外れてショートカットするがとてつもない急坂。その途中にある家から出てきた軽トラックが前進ギアで進めないほどだ。
そこを過ぎるといよいよ拝の峠への道。これも作業道のようで舗装はされているが、車両は通行禁止とある。確かに先ほどと同様の急坂で、必要性のあるクルマ以外は入らない方がいいのかもしれない。いずれにせよ、みかん畑で働く人たちは足腰がよほど丈夫なのだろうと思う。
拝の峠の県道に顔を出し、道を右手に進むとすぐに宮原方面の県道が左手に分岐する。そちらへ進み、ここもまたみかん畑の作業道へのショートカットが再々出てくる。有田市に入ると、これまでの海南市や旧下津町が設置したものとは異なる標示が現れる。有田市は特産物を使ったみかん色の看板が目立つ。
それにしても、ここも急坂だ。先ほど300m以上あった標高があっという間に40m程度になる。山口王子跡で遅い昼食。休む適所がなかったこともあったが、寒くて食べるために立ち止まる気にはならなかったので、ここまで引っ張ってしまった。
昼食後は宮原の街中へと進んでいく。今日は立ち寄らないが駅の西側には浄念寺もある。有吉佐和子の小説「有田川」で、流された千代を救った「人助け柏槇」がある寺だ。宮原橋まで来て振り返ると、その小説さながらのみかん畑が急斜面に張り付く様が視界を占める。
橋の先で糸我の集落を進むと得生寺が現れる。同じく小説の中で会式が出てくるお寺だ。思っていたよりも境内は広くはない。ここにごった返すほどの人が集まっていたとは驚きだ。
糸我の道標からはみかん畑の作業道を上っていく。ここはあまりキツい坂ではない。しかし車道を離れると最後はつづら折りの急坂となり糸我峠へ。いよいよ湯浅町に入る。
舗装された作業道を降りていく。車道が立派になり、方津戸峠を過ぎてショートカット道を降りると湯浅の街中へ。津波対策だろうか、工事の進む施設の間を抜け、川沿いを進み、道町の街路へ。古い街並みだ。進むうちに線路が見え、かどや食堂の交差点に到着。左を見ると湯浅駅が見える。
旧駅舎を拝見した後に湯浅駅へと入ったが、観光案内所が閉じていると、すべて吹きさらしとなるため、強い風をしのげる場所がない。結局電車が来るまでは寒さを耐え忍ぶばかり。
年の納めに紀伊路にも足跡を残すことができたのはよかったが、とにもかくにも寒い一日だった。
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