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Yamareco

記録ID: 400009
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
槍・穂高・乗鞍

笠ヶ岳(クリヤ谷〜笠ヶ岳〜双六小屋〜新穂高)

2009年08月23日(日) ~ 2009年08月24日(月)
 - 拍手
GPS
56:00
距離
28.2km
登り
2,583m
下り
2,454m

コースタイム

8/23中尾高原口バス停(5:20)→穴滝徒渉点(6:45)→最終徒渉点(6:45)→水場(7:35-7:40)→水場(8:15-8:25)→雷鳥岩(9:35)→山頂(11:20-11:50)→笠ヶ岳山荘(12:00-12:10)→笠新道分岐(1:15)→秩父平(1:50)→大ノマ岳(2:20-2:30)→大ノマ乗越(2:55)→弓折岳(3:10)→鏡平分岐(3:20)→双六小屋(4:15)
8/24双六小屋(6:15)→鏡平分岐(7:20)→鏡平(7:45-8:00)→シシウドヶ原(8:25)→イタドリヶ原(8:40)→秩父沢(9:05)→登山口(9:35)→わさび平小屋(9:50)→笠新道分岐(10:00)→穴毛谷出合(10:30)→新穂高バスターミナル(10:50)
過去天気図(気象庁) 2009年08月の天気図
アクセス
利用交通機関:
電車 バス
往路:相武台前〜大手町\590
   竹橋〜中尾高原口\6,500
復路:新穂高温泉〜平湯温泉\870
   平湯温泉〜新島々\1,900
   新島々〜松本\680
   松本〜下諏訪\480
   下諏訪〜町田\2,940
   町田〜相武台前\180
中尾高原口から遙かに槍を展望。
2009年08月23日 17:20撮影 by  PENTAX K100D , PENTAX Corporation
8/23 17:20
中尾高原口から遙かに槍を展望。
クリヤ谷登山道から振り返る焼岳。
2009年08月23日 19:23撮影 by  PENTAX K100D , PENTAX Corporation
8/23 19:23
クリヤ谷登山道から振り返る焼岳。
雷鳥岩付近のきつい登り。振り返ると既に錫杖岳は眼下に。
2009年08月23日 21:53撮影 by  PENTAX K100D , PENTAX Corporation
8/23 21:53
雷鳥岩付近のきつい登り。振り返ると既に錫杖岳は眼下に。
雷鳥岩を巻いて、遂に拝むことができた大笠。
2009年08月23日 21:32撮影 by  PENTAX K100D , PENTAX Corporation
8/23 21:32
雷鳥岩を巻いて、遂に拝むことができた大笠。
念願の笠ヶ岳山頂。
2009年08月23日 23:28撮影 by  PENTAX K100D , PENTAX Corporation
8/23 23:28
念願の笠ヶ岳山頂。
笠ヶ岳から槍・穂高の絶景。
2009年08月23日 23:31撮影 by  PENTAX K100D , PENTAX Corporation
8/23 23:31
笠ヶ岳から槍・穂高の絶景。
笠ヶ岳から乗鞍・御嶽。
2009年08月23日 23:29撮影 by  PENTAX K100D , PENTAX Corporation
8/23 23:29
笠ヶ岳から乗鞍・御嶽。
笠ヶ岳から水晶・鷲羽・裏銀座方面。
2009年08月23日 23:30撮影 by  PENTAX K100D , PENTAX Corporation
8/23 23:30
笠ヶ岳から水晶・鷲羽・裏銀座方面。
笠ヶ岳から遙かに南アルプス。甲斐駒の左に富士も。
2009年08月23日 23:28撮影 by  PENTAX K100D , PENTAX Corporation
8/23 23:28
笠ヶ岳から遙かに南アルプス。甲斐駒の左に富士も。
抜戸岳直下から大笠の雄姿。
2009年08月24日 01:14撮影 by  PENTAX K100D , PENTAX Corporation
8/24 1:14
抜戸岳直下から大笠の雄姿。
弓折岳付近から槍・穂高。槍が随分大きくなりました。
2009年08月24日 03:30撮影 by  PENTAX K100D , PENTAX Corporation
8/24 3:30
弓折岳付近から槍・穂高。槍が随分大きくなりました。
双六小屋から鷲羽岳。
2009年08月24日 04:44撮影 by  PENTAX K100D , PENTAX Corporation
8/24 4:44
双六小屋から鷲羽岳。
朝日に染まる双六岳のカール。
2009年08月24日 17:14撮影 by  PENTAX K100D , PENTAX Corporation
8/24 17:14
朝日に染まる双六岳のカール。
双六岳山頂から大笠。雲が出てきました。
2009年08月24日 17:32撮影 by  PENTAX K100D , PENTAX Corporation
8/24 17:32
双六岳山頂から大笠。雲が出てきました。
双六岳カールのハクサンイチゲ。
2009年08月24日 17:57撮影 by  PENTAX K100D , PENTAX Corporation
8/24 17:57
双六岳カールのハクサンイチゲ。
ミヤマダイコンソウ。
2009年08月24日 17:56撮影 by  PENTAX K100D , PENTAX Corporation
8/24 17:56
ミヤマダイコンソウ。
双六池のミヤマゼンコ。背景に大笠。
2009年08月24日 18:28撮影 by  PENTAX K100D , PENTAX Corporation
8/24 18:28
双六池のミヤマゼンコ。背景に大笠。
クルマユリ。
2009年08月24日 18:57撮影 by  PENTAX K100D , PENTAX Corporation
8/24 18:57
クルマユリ。
ハクサンフウロ。
2009年08月24日 18:57撮影 by  PENTAX K100D , PENTAX Corporation
8/24 18:57
ハクサンフウロ。
ミヤマトリカブト。背景は鷲羽。
2009年08月24日 18:53撮影 by  PENTAX K100D , PENTAX Corporation
8/24 18:53
ミヤマトリカブト。背景は鷲羽。
鏡平分岐から鏡平を俯瞰。
2009年08月24日 19:15撮影 by  PENTAX K100D , PENTAX Corporation
8/24 19:15
鏡平分岐から鏡平を俯瞰。
鏡平の逆さ槍。逆光ですが。
2009年08月24日 20:01撮影 by  PENTAX K100D , PENTAX Corporation
8/24 20:01
鏡平の逆さ槍。逆光ですが。

感想

百名山は44座目です。
若かりしころより憧れの存在だった笠ヶ岳。
元々はなんか名前がかっこいい程度だったのかもしれませんが、北アに何度か行って、槍ヶ岳にも劣らぬほど視認しやすいその端正な姿にすっかり惹かれていました。
今回穂高とかなり迷いましたが、悩んだ末笠行きを決定。新穂高までの交通の便はあまり良くないのですが、夜行バスの予約がうまいこと取れました。

笠新道、クリヤ谷どちらも急登名高いコースですが、高低差でクリヤ谷は1,900mを超えて笠新道を上回ります。きつい登りは今のうちに体験しておきたいし、自宅の側の南からまっすぐ山頂に向かうのもポイントが高く、すんなりクリヤ谷登りを選択。笠新道下りではちょっとあっさりしすぎているので下りは好展望の鏡平をまわってくるコースとしました。

夜行バス自体が十年以上ぶりで、山に夜行バスで行くのは初めてで不安はなきにしもあらず。出発は竹橋の毎日新聞です。7時ごろ余裕を持って出発。相武台前に車を止め、小田急〜千代田線を乗り継ぎ大手町へ。そこから15分ほど歩きました。
集合場所についたのは出発40分ほど前。
新聞社の中に入ってみましたがまだ誰も待っていません。守衛さんにきいたところ受付はバスが出る直前にあるということなので大人しく待っていると続々と人がやって来ました。こんなにバス乗れるの?というくらい。不安が増す中バスが到着。職員らしき方も来て受付が始まりました。空席は5席ほどでほぼ満員、ほとんどの方は新穂高まで乗っていく模様で、中尾高原口で降りるのは私含めて2人でした。食事等は手に持ってザックはトランクへ入れます。席に着いてみると前との間隔がかなり狭く感じます。幸い通路側だったので片足だけ通路のほうへ投げ出してしまえば少し楽でしたが、窓側だったらかなりきつかったと思います。
22:30に出発したバスは都合よく朝に着くようかなりゆっくりと進んでいきます。何度も目は覚めましたがそれなりには寝られたかな。気づくと梓川のダム横を走っていました。真っ暗なのに意外と車は多い。僅かに明け始めたころ平湯へ到着。上高地へ行く人はここで乗り換え。ここで横の人が降りたので相当楽になりました。といってもここから30分で中尾高原口へ到着。まだ5:00。思ったより早い到着で得した気分です。バス停にある小屋の中で朝食を取り、支度をきっちりして出発です。方向がいまいち分かりませんがとりあえず槍見館のほうへ向かって歩き出しました。
槍見温泉というだけあって槍ヶ岳を見事に望むことが出来ます。
槍見館のところで左の砂利道へ入っていくと、すぐに電話ボックスが。ここが登山口です。早速登山道へ入って行きます。しばらく歩いて気がついたのですが、あの中に登山届置いていけばよかった。
最初はそれほど急な登りでもなく、沢音を聞きながらしばらく歩くと速くも徒渉点です。飛び石伝いに行けばいいので問題はなし。しかし増水して飛び石が見えなくなってたら一気に危険になりそう。少しでも雨の可能性があるとき、このコースを下りに取るのは無謀だと思いました。
その後も沢沿いを徐々に登っています。それほどきつい感じはしないのでどんどん行きたいところですが先も長いのでゆっくり進みます。さらに2回本流を徒渉して、いよいよ沢から離れます。登山道真横にある水場を通り、樹林帯を登っていきますが、さほど傾斜は上がってきません。
だんだん低木が多くなってきて後ろに焼岳が望まれるようになってきました。
この辺から道に水が目立ち始め、流れるくらいになってきてこれが水場?と思ったりしましたが、やがて立派な沢が流れる水場に着きました。展望もなかなかです。
ここからクリヤの頭、雷鳥岩に向けて一気にきつい登りとなります。雷鳥岩は南東から西へとまいていきますが、登りながらのトラバースでかなりきつい。
そして雷鳥岩を巻き終わると、ついに見えました、大笠。「キター!!」という感じですね。
このあたりからハイマツ帯になります。傾斜はかなりある道ですが目標がはっきりしているからかさほど厳しくは感じません。南西からの尾根を合わせると大きな石がゴロゴロの道となり、ペンキを頼りに最後の急登をこなし、ついに憧れの山頂に達しました。
展望も最高。いうことありません。
昼食をとりながら感動に震えていましたが、気づくとまだ12時前なんですね。もう小屋に行ってしまうのも余りにも早いし・・・。迷いましたが双六か鏡平まで足を伸ばすことにしました。移動して少し離れたところから笠を望みたくなってきたので。
山荘で少し休憩してから稜線を歩き始めます。快適な森林限界の稜線漫歩・・・となるはずだったのですが早くも足に不調を感じました。やはり1,900m一気の登りはそれなりに応えているようです。笠新道分岐までもピッチが上がらず、抜戸岳山頂も登る気にならずパス。しかし山頂への分岐から振り返る笠の姿は感動的でした。
秩父岩までは穏やかな道ですがそこから秩父平へむかって急に下っていきます。秩父平は一面のお花畑になりそうなところですが、もう最盛期は過ぎている様子。また大岩が目立ちます。そして見上げる秩父岩の大きさに圧倒されます。
最低鞍部から大ノマ岳へじりじりと登ります。右手に大崩壊を見送るとようやく山頂。展望は良好ですがしかしかなりバテてます。行動食を採ってちょっとだけ体力回復。
この辺は花がかなり多い。すこしずつ下って樹林帯に入って大ノマ乗越。弓折岳の登りは短くもハシゴもあるほどきついものです。必死に登って弓折岳をこえ、鏡平への分岐に着き、ここまでくればもう大丈夫だろう、やれやれという感じです。体はきついですがかなり気分的には復活。双六小屋へは少しだけ登り、それからは花の多いフラットな道が続きます。槍ヶ岳があんなに遠かったのに真横まで来ました。
すぐ近くに見える小屋を目指して下って行きますが、なかなか着いてくれません。ハイマツの中の道を歩き、天場の横を過ぎ、ほぼ11時間の歩程終了です。いや参った。

かなり人はいますが小屋も大きい。水が豊富なのもありがたいですね。寝床は3人部屋に2人でゆったり眠れそうです。ちょっと展望を探して歩き回りたいところでしたが、本当に腹減ってるしくたびれてるし、とにかく食事を作って食べたらもう暗くなりかけ。気分も乗らないので寝てしまいました。

翌日。期待に反して雲の多い朝です。とりあえず朝食をすませ、空身で双六岳を目指します。小屋から見る双六岳は相当登りでがある印象ですが、見た目ほどはきつくありません。最初ハイマツの中を一気に登ると、その後は好展望のカールの中の道となります。やがて夜が明け、カールが赤く染まりました。
広々とした尾根を歩いて山頂に着きましたが、雲があるため笠も暗く見えるだけでした。残念。

霧雨が落ちてきたのでとっとと戻ることにしました。
カールに戻ると雨はあがって、少しずつ明るくなって来ました。今日は元気も戻ってきたので花の写真を撮りながらのんびり下ります。

鏡平へはジグザグ道を一気に下って行きます。小屋で小休止。小屋周辺では逆さ槍がどこで見えるのか判然とせず、ちょっと写真を撮って1分歩いたらそこに立派なテラスがありました。超逆光でしたが。

これを過ぎると樹林帯の中を穏やかに下る道となります。シシウドガ原、イタドリガ原と過ぎてなお下ると水場があり、そのすぐ先が大きな秩父沢。その先は林道を一時間の歩程。錫杖、穴毛谷の威容に圧倒されながら歩いて新穂高のターミナルに着きました。ここでお風呂にしようと思っていたのですが、見たらバスが5分後出発なのであわてて乗車。平湯では次の松本行きを逃すと2時間来ないというタイミングのためこれもあわてて乗車。結局お風呂は中央線を下諏訪で下車し、徒歩5分の菅野温泉(220円)で汗を流しました。

憧れの山に登ることが出来て感動しました。北アは南アに比べてどこか明るいな、というのが今回の山行での発見です。

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