西穂高岳 途中撤退
- GPS
- 10:44
- 距離
- 14.5km
- 登り
- 1,603m
- 下り
- 1,599m
コースタイム
天候 | 雪 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
その他周辺情報 | 5人パーティで入山したが、後述のトラブルで2パーティに分かれて下山 ↓えび、JINチームの記録 https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-4094636.html |
写真
感想
3/20に西穂高岳沢を滑走→上高地でテン泊→2日目焼岳下堀沢滑走の計画でAM3:00に出発
林道沿いに歩くもどこから小鍋谷に降りるか暗くてよくわからない。滑走時わかったことだが、地形図にない林道が堰堤上部まで伸びていたみたいだ
新雪と下にある固い層の結合が極めて悪く、シールの効きが悪い状態が続いていたので、2300あたりでアイゼン装着。体重が重いせいか仲間がラッセルしてくれたところでも何故か1人だけ踏み抜きまくる。つらい
2738と西穂高岳のコルめがけてハイク中、凄まじい爆裂音が鳴り響いた。あとで先頭を歩いていたメンバー曰くその時斜面に亀裂が走ったらしい
もう登山どころではないのでそろりと下山
黒部横断がお流れになって、それでも泊まりで山に入りたいよね、と、比較的天気の良さそうな穂高方面へ。
新穂高→小鍋谷→西穂高岳→西穂高沢→上高地(泊地 )→焼岳→中堀沢→上高地
以上の行程を計画し入山。
元気よく3時にヘッデンスタート。久々の泊まり装備が肩に食い込む。
登りの小鍋谷は冷えたガリガリザラメの上に新雪少々で非常に登りにくいコンディション。アルパインチックになってきたところで堪らずシートラ。
そして西尾根のコルまで標高差で50m…というところで事は起きた。突然、凄まじい衝撃と炸裂音!こりゃやべぇとソロリソロリと支尾根に避難。先頭の2人はコルに上がった方が安全かつ早そうなのでパーティ分割。我々3人の支尾根組は滑走モードにチェンジして炸裂音斜面とは連続しない斜面をゆっくり下山。先行2人は岩に沿うようにコルまで登り西尾根少々下り炸裂斜面とは別の斜面を下山(そちらの記録https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-4094636.html)
(下から見ての)最終堰堤から林道を登り谷を脱出し安堵。2人の無事を無線確認して再度安堵。
幕営泊の予定が初日撤退と完全なアルバイト山行でしたが全員無事下山出来てなにより。
今回の山行ではハンディアマチュア無線機が不意に分割されたパーティの意思疎通に非常に良い働きをしてくれました。特小も持参してるのですが、やはり交信距離と了解度は段違い。有用性を再認識。
もちろん、両者共に開局してます。
新穂高から小鍋谷で西穂高岳、西穂高沢を滑る計画で入山。当日は11時頃まで低層の雲でガスる予報だったため日射影響も少ないと考え、やや遅めにピーク着予定で計画。結果としてはガスは終日ほぼ取れず、行動も下部の石堤処理等で想定よりも更に遅れた形になりました。
朝3時頃にスタート、下部林道は何ヶ所かデブリがあるものの問題なく通過。小鍋谷に滑り込む時点でまだ暗く見通しが効かなかったため、安全に林道から回り込むと石堤が連続し処理に時間が掛かりました。
石堤帯を超えると、谷底に支沢からのデブリが貯まっていて登りにくくなり、右岸に乗り越えて斜度の緩い地形から標高を上げてゆきます。このあたりから、表層に5cm程の直前の降雪層があり結合が悪くシールハイクに難儀しました。その下の層はカチカチのザラメで安定している様子。
日射もなく雪も(表層は除いて)安定している様子だったため、樹林のある尾根地形も使いつつ標高を上げてゆき、途中からアイゼン・シートラに切り替えて登りました。
11時前あたりから、少し晴れ間が出始め視界も確保出来ました。ちょうど樹林が途切れて広い斜面に入る頃で上部を観察、雪崩跡は見当たりませんでした。西尾根2700mコルが乗り越え易く見え、右の尾根沿いから標高を上げて最後に少しトラバース気味にコルに出るルートを選択しました。登路の斜面方位も大きな差はなく、斜面内の雪も安定していると感じていました。
パーティ5名のうち2名がコル手前10m程までトラバース気味にコルに近寄った瞬間に、大きな衝撃と風圧を感じました。私は後続の3名側で、2名からは15m程低い位置(右の尾根状地形の脇)にいて直ぐには状況が分かりませんでしたが、前の2名の足元で両サイドにクラックが入ったとの事でした。声は届く範囲でしたので、前の2名には慎重に西尾根まで抜けてもらい後ろ3名は安全な右側尾根に急いで乗越しました。
後ろ3名は支尾根上におり、クラックの入った斜面をトラバースするのは論外ですし、時間的にもこれ以上の登高はリスク高い事から尾根反対側の小さい地形から慎重に滑走、前2名には西尾根から降りてもらう形でパーティを分けました。アマ無線を各パーティの1名が持っており、離れても連絡が取れた事は有効でした。その後の小鍋谷の滑走は雪面固く春の雪という感じで、問題なく新穂高まで。
●クラックはコル真下の斜面に入ったタイミングで発生しており、そこまでの登路では不安定さは感じませんでした。直前の降雪は表層少しのみで、今回のクラック発生(かなり深い位置と思われる)とは直接は関係ない模様。ただ降雪前には晴れが続いて昇温しておりリスクは高くなっていたと思います。安定し切っていない3月後半時期はリスク評価が難しく、登路の沢詰めの選択についてはより慎重になる必要があると感じました。
●コル手前の斜面トラバース時に後続3名が影響を受ける位置に入ってしまっており、より右尾根に近い位置から登高する等考慮する必要があったと思います。
●上部の観察やドロップ時の視界ため、ガスが抜ける予報に併せて遅めの到着を計画したが、日射は無いとはいえお昼近くなると気温が上がっていたので一因になった可能性。沢を抜ける時間帯もより重視すべきでした。
コメント
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しかし。地面に亀裂が入る瞬間に居合わせたんですね。無事で何より^_^
お疲れ様でした。
ビクトリアS
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