【二子作戦】二子山(奥武蔵)・焼山【戊21.8】
- GPS
- --:--
- 距離
- 10.4km
- 登り
- 1,058m
- 下り
- 1,064m
コースタイム
- 山行
- 5:19
- 休憩
- 0:50
- 合計
- 6:09
天候 | 雲の多い晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
道の状況:二子山までは踏み跡多し。二子山から先は、スノーシュー、かんじき、スキーボード要装備。焼山近くから積雪が臀部辺りまでに達し、これら装備が無いと最悪遭難すると思われる。焼山から先武川岳方面は踏み跡無し。 登山ポスト:登山口にあり。 飲食店:道の駅にあり。 |
写真
感想
※ルートは地形図(国土地理院)で見られます。
二日前の土曜日に芦ヶ久保に来た時にも周辺を歩いたのだが、その時は雪がカチカチで上に乗っても沈まず、「おぉ」と感動。火曜日から気温が上昇するというので、雪が硬いうちに二子山を歩いておこうと出かけることとした。
土日に多くの人が入山したようで、雪面は踏み砕かれて、細かいさらさらの雪となり、歩くと砂を踏むような感触で、踏まれていないところも簡単に崩れる。しかし、それは道が踏みならされて歩きやすくなっているということでもある。
奥武蔵はよく歩いているが、二子山は初めてである。無雪期には所々ガレているということだが、今は岩もガレも無い。ただ、雪があるのみ。その雪は高度が上がるにつれ深さを増す。高度が上がれば、気温が下がって雪も硬くなっているのではという期待は外れる。もともとパウダースノーの集まりであり、平地のように融けては固まりということもないので簡単に崩れる。
天気はあまり期待していなかったが、存外によかった。遠くはもやっていたが、秩父市街上空は青空で、二子山だけでも十分満足し得る。この時点では武川岳から名栗に下るか、武川岳から横瀬に下ることを考えていた。
二子山から先は踏み跡が二人分しかない。一人は靴のみ、もう一人は靴が沈まない装備ありだ。楽をするための努力を惜しんじゃいかんなと、踏み跡の上に足を乗せて歩きながら思う。途中まではそれで良かったのだが、焼山が近づくにつれて、雪との格闘となる。靴が沈まない装備ありの人の踏み跡に足を置いても、装備無しの足ではズボッと沈む。特に山頂直下の急登はよじ登るように登らねばならなかった。この時点で、武川岳は困難との考えを抱く。
焼山山頂からの展望も二子山(雄岳)と同様に良い。武甲山が近くてデカイ。先行者の足跡は山頂部まで到達していなかった。風で吹き寄せられた雪が足跡を消したとも考えられるが、それなら他の足跡も消えていてしかるべきだ。全てが深い雪に覆われている中では、すでに本来の山頂よりも1mは上に立っているわけで、細かい山頂の位置などは重要ではないのかもしれない。
というわけで、誰も足を踏み入れていないヴァージンスノーを私が頂戴した。初物は良い。雪の上で寝転がりながら、後のことについて考える。この先は踏み跡がないので、自分で道を開拓しないといけないが、今回の出で立ちでは難しいだろう。ピストンもつまらんから、破線ルートだが横瀬方面に尾根筋を下るルートで行くか。
引き続き、人跡未踏の雪原に足を踏み入れる。初めて来た山で、積雪期に破線ルートを下ることに不安がないわけではなく、下り始めの私の意識は雪よりも尾根から外れないことに重点が置かれた。
しかし、山頂から距離にして100m、高度では50mほど下ってきた所で忘れ物に気づいたところから状況は一変する。落し物を放置するという選択肢は無いので当然取りに戻るのだが、この急な上りは焼山北面の急登と同様、雪の砂山を行くが如し。下半身が雪に埋まる中、一歩前に踏み出しても雪が砂のように崩れて足がほとんど同じ場所に戻ってしまうのだ。このような蟻地獄的状況には参ったが、何とか山頂に戻る。往復200mに24分もかかった。どうやって戻ったか?意地で戻ったのである。体力の無い人がこの地獄にはまったら、無駄に体力を消費して、しまいには力尽きてしまう怖れがある。山頂で一息つきながら思った。「今回は易きについて比較的歩きやすい踏み跡の上を戻ろう」と。
焼山から二子山への戻りも踏み跡があるとは言え雪深いので歩くのに難儀するが、だんだんと落ち着きを取り戻す。
ただ、二子山(雌岳)で再度落し物をして、それを取りにいったのは結構応えた。それでも無事下山できたことは幸いなるかな。上空ずっとヘリが飛んでいたが、夜のニュースを見た限りではNHKが豪雪ニュースのために飛ばしていたようだ。
普段は雪山といってもせいぜい十数cm程度の積雪上を歩いており、今回は伊豆ヶ岳或いは昨年末の笹子以来の深い雪の中の山行となった。
雪山を歩くのに必要なものは、覚悟、体力、装備、時間、それらによって生ずる余裕の5つと思う。
まず、覚悟。これは積雪期の山では道が覆い隠されてしまうことや、積雪の程度によっては常時腿上げを強要されることも含め、単に山に行くのではなく、雪山に行くのだという特別な意識を持つ必要があるだろう。
次に、体力。前述の腿上げもさることながら、自分で雪の中に道を切り開いていくのと、他人のトレースを踏んで歩くのでは、ハードさが天と地ほど異なる。また、砂状態の雪にはまってしまった場合、体力がないと抜け出せないということもあり得る。体力に自信が無い場合は単独行を避ける等の対応が必要だろう。
体力に関わらず負担を軽減するとなったら、やはり装備を整えるということだろう。今回2種類の踏み跡を見たが、かなり歩きやすさが変わってくるのではないかと思われる。毎度毎度沈むこともない。特に自分で1mを越す積雪の中、道を切り開く際には重要だろう。
そして、時間。焼山山頂への往復で200mに24分かかったことからも、時間に余裕を持った行動が求められると言える。昼間にトラブルに遭うのと夕方にトラブルに遭うのとでは精神的ダメージも段違いだ。
その辺りを押さえておけば、自然と余裕も生まれて山行を楽しめるのではないか。今回、私には装備が欠けていたが、他でカバーして砂山での悪戦苦闘も含めて楽しく歩きとおすことができた。これは無事帰還できたから言えることなので、引き続き油断せず励んでいく所存である。ーおしまいー
(おまけ)
雪に体が沈まない方法をいくつか試してみた。
四つん這い:有効だが、膝等に打ち身のような跡が残る。
匍匐前進:急な上りでは進みにくい。
斜面を滑降(下り時):傾斜が緩いと滑らない。下に人がいると迷惑をかける可能性あり。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する