寒風と赤坂山周回
- GPS
- 05:28
- 距離
- 10.6km
- 登り
- 842m
- 下り
- 839m
コースタイム
- 山行
- 5:08
- 休憩
- 0:42
- 合計
- 5:50
天候 | 曇と霧 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
よく整備された登山道 |
その他周辺情報 | キャンプ場に温泉施設 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
靴
ザック
昼ご飯
飲料
レジャーシート
地図(地形図)
コンパス
笛
ヘッドランプ
GPS
ファーストエイドキット
保険証
携帯
時計
サングラス
カメラ
シュリンゲ
|
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感想
先週は大和葛城山で、ショウジョウバカマの大群落やカタクリとギフチョウのコラボを楽しんだ。久々の春の花を愛でる山旅に充足の時を過ごしたところだが、今回も花を求めての山行を計画してみた。関西圏からアクセスが容易な花の山に赤坂山がある。敦賀と米原を結ぶ一帯は豪雪地帯として知られるが、この付近の山では雪融けと共に春の花の競演が始まる。今年の冬は記録的な大雪、それも滋賀県はダントツの大雪だった。そのため、雪融けは例年より遅れていて、その分、山の花の咲くタイミングも遅めだろう。より北東に位置する横山岳が気になっているのだが、花の多い白沢は雪だまりになって、入谷自体が厳しそうだ。
そこで、より春の訪れの早い赤坂山に狙いを定めた。ここは比良山地の北端である。ヒサマツミドリシジミの産地として知られる比良。ここは子供のころから行ってみたい山域だったが機会がないまま今日に至った。つまり、今回、初めて足を踏み入れるわけなのだ。
混みあうのであまり利用しないことにしている名神を京都方向に進む。ナビによって推奨の経路が琵琶湖の西岸ルートと東岸ルートに分かれたが、今回は東岸の名神を選び、北陸道を木之本へと回って下道に降りる。そしてマキノ高原にはほぼ予定時刻の9時前到着だ。
こじゃれたキャンプ施設はすでに人々が場所取りを始めている。登山者用駐車場からキャンプ地の舗装道路を登山路入口へと向かえば、正面に未だ雪を谷筋に抱いた寒風が、その堂々たる姿を見せる。周りには貸しスキー屋やスキーロッジの建物が並ぶが、リフトはないし、スキー場としては機能していないように見える。閉鎖されたスキー場をキャンプ場に転用して大当たりした、ってところか。
さて、そんなゲレンデ跡の芝地の緩い傾斜をまずは登り、かなり上まで行ったところで斜め左へと林の中に入っていく。続いて小尾根に取り付き、しばし急登となる。さっそく林下にイワカガミのピンクの花。同時にイカリソウの紫の洒落た格好の花がそこここに咲くのを見る。最初の小尾根の起始点にあたる親尾根に乗ってからは傾斜はやや緩くなり、カタクリの花が増えてくる。そしてイワウチワが出現。東北では住む町の裏の丘陵に至るところ咲いていたイワウチワなのだが、関西に越してこの4年ほど、全くのご無沙汰だった。思わぬ再会に嬉しさひとしお。イワカガミとイワウチワが混生するのも意外だった。今年はまた、雪融けが遅い上に急に気温が上がって、花が一気に咲いたためだろう。普段なら時差をもって咲く花たちが同時に開き、イワカガミにイワウチワ、カタクリにミヤマカタバミやキスミレが並んで美を競うという珍しい状況である。
いつの間にか周囲はブナ林となり、丁度新芽を吹いて残雪とのコントラストが爽快感を呼び起こす。これで青空なら申し分ないのだが、空は重苦しく曇り、雨が心配なくらいだ。足元には終始スミレの紫が散らばっているが、キスミレも現れて彩を添える。登るにつれミヤマカタバミの白い花が目立つようになる。ところどころ雪を踏みながら登り切ったところが、寒風の広々とした山頂であった。
ここからの琵琶湖の眺めが素晴らしい。晴れていたなら・・・とおもうものの、どんよりと曇った空の下、白く霞んでいる今ですら、これだけの眺めというのは大したものである。ここで昼食とする。
寒風からは主稜線を高島トレールと呼ばれる道を行く。寒風の北側の鞍部へと向かう稜線は草原が広がり、山の骨格がそのまま姿を現わして、高度感を助長する。しばし雄大な眺めを堪能する。崩落した雪が沢筋を埋めて一気に山の付け根まで走っている。左前方にはこれから向かう赤坂山が均整の取れた姿を見せている。ここは谷から風が吹き上げてまさに寒風吹くところとなっている。小さな起伏を上り下りしながら、穏やかな尾根を進めば歩程もはかどる。気が付けばもう粟柄越の鞍部に来ていた。目前には赤坂山の山頂が見えるが、その手前を横切っている高圧電線が興覚めである。一気に登って赤坂山の山頂に立つ。琵琶湖の眺望がよい山頂ながら、あいにくの霧がみるみるそのすべてを覆い隠してしまった。雨が心配だ。踵を返して粟柄越に向かい、下山ルートに入る。こちらには花が少ないな、と思った矢先、足元にイワウチワの花を見る。下るにつれ大きな群落となり、所狭しとピンクの花を付けるさまに圧倒される。周囲の広葉樹林では、桜(チョウジザクラか?)やタムシバが目を楽しませてくれる。
東屋を過ぎてなおも緩やかに小尾根を下れば、やがて子供の歓声が遠くに聞こえ、キャンプ場近しを告げる。道は遊歩道らしく変わってところどころにベンチが配され、木々の隙間からゲレンデ跡がのぞくようになると、まもなくキャンプ場最上部の草の斜面に飛び出す。ここからはワラビ狩りの老夫婦と化してスローモーションで降っていく。雲と霧に覆われた山上とは打って変わってここはお日様が初夏の陽光を惜しみなく注いでいた。
帰宅には琵琶湖西岸をとる。車は新緑に輝くメタセコイア並木をくぐって走る。湖西道路を雄琴温泉あたりまで南下すると、ひどい渋滞でまるで進まなくなる。以前、赤兎山の帰りだったと思うが、その時もこの辺りで立ち往生した記憶がある。今日は我慢がならず、雄琴で一旦湖西道路を降りて一般国道に入る。少し南下してから高架上の湖西道路を見上げるとちゃんと流れている。再び湖西道路に乗って名神へと向かったのだった。東ルートがいいのか西ルートがいいのか、またわからなくなるasakinuなのであった。
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