越後駒ヶ岳 (白沢往復)
- GPS
- 09:41
- 距離
- 18.9km
- 登り
- 1,476m
- 下り
- 1,467m
コースタイム
天候 | 快晴 沢の中はほぼ無風で照り返しがきつくて暑い。 稜線は弱風。シェルが必要な程度に寒い。 |
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過去天気図(気象庁) | 2014年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
・シルバーラインはこの時期6時から18時まで通行可能。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
・石抱橋から山頂までずっと雪の上。積雪豊富。標高の低いところは早朝でも水分多くてグズグズ。1,600mくらいから1,800m付近はフィルムクラスト。それより標高の高いところ(1,800m付近より上)は雪質硬い。上記以外は基本的にザラメ、標高が高いほど水分が少なくて下りでは滑りやすい。 ・石抱橋から白沢の出合までは非常に距離が長いが、標高はほとんど上がらない。 ・白沢の下部は一部沢が出ていたが、少し高巻き等すれば回避できる箇所がほとんど。 ・白沢から中にいる間は展望は沢の中のみ。だが、上部に上がるに連れ開けていく様は悪くない。 ・このコースは距離が長いので、朝早く出発することを薦める。 |
写真
感想
猛暑日の8月に一度枝折峠からピストンしている越後駒ヶ岳だが、その後足がなかなか向かなかった。昨年5月の連休に日帰りでスキーで出掛けたが、天候不良のため途中敗退している。今日は何とか山頂を踏みたいと思い出掛け、そのとおりとなったが、帰りにとんでもないアクシデントに見舞われた。が、無事に怪我なく帰宅できほっとしている。
早朝6時前にシルバーライン前のゲートに到着、既にゲートが開くのを待っているクルマの列が。少し時間があったので、準備をしたり腹ごしらえをして待つ。6時きっかりに開門。クルマがなだれ込む。20分ほどドライブしたが、この日の銀山平方面は自分が最初で、その後続々とスキーや登山者の車が現れた。
昨年歩いたばかりなので沢沿いの道の記憶は鮮明だった。とにかく初めは標高が上がらない。柳沢との出合まできてこの先の行動を考える。セオリーではここを北に上がり夏道を登り道行山まで上がったら後は尾根沿いに歩く。或いは、さらに沢の左岸を歩いて白沢を詰めて1,700m付近で尾根沿いの夏道に合流する。一度敗退しているのでセオリーどおりに行くべきだったが、同時刻に歩き出したパーティが白沢を登るというので同行することにした。柳沢の出合から更に平坦な沢沿いを50分ほど歩いてようやく沢の下部に到着。ここから登り上げるが初めは沢が割れていて、高巻き等が必要なところも。数カ所巻いた後が快適な沢歩きとなった。初めは沢が狭くて両側からデブリが落ちているところもあって気が気ではなかったが、斜度が適当でジグザグで登る必要もなく順調に高度を上げていく。歩き始めて2時間経過してようやく高度を上げられた。沢の中はこの日は風が吹かず、天気も快晴のため照り返しが暑くてペースは途中からかなり落ちた。雪質は、徐々に水分がなくなっていくのが歩いていても分かり、帰りの滑りに期待を持つことができた。白沢も上部になると大きく開けていて、周囲の山も見渡せるようになった。上部では傾斜も急になったため、途中からクトーを利用した。が、なくても登れる人は多いと多う。
適宜休憩を取りつつ2時間30分ほど歩くとようやく尾根沿いの夏道に合流。ここまで上がったところで多くの登山者が尾根道を上がってくるのが見えた。また、ようやく今日目指す越後駒ヶ岳の山頂方向が見えた。尾根に上がるとさすがに少し風が吹いていて、これまで暑さに参っていた身としては涼むのにちょうど良いくらいだったが、さすがに4月上旬の2000m級だけあって吹く風は冷たく、ものの数分でザックからハードシェルを取り出して着ることに。グローブもゴアテックスを使用したアウターに切り替える。駒の小屋のアンテナ?塔は下からでも見えたのだが、小屋の直下は急斜面なのでスキーの人の多くはつぼ足に切り替えて歩いていた。自分もこれに倣う。つぼ足で息を切らせて上がると駒の小屋到着。ここで小休止して頂上アタック。山頂付近は風が少し強くて寒かったが無事登頂。積雪期の山頂に立つことができた。が、吹きさらしで寒いので早々にシールを外して下る準備。約6時間かけて登ったが、頂上にいたのはわずか10分ほど。
下り始めは雪が硬くて難儀した。スキーの技術が確かな人なら問題ないのだろうが、自分はかなり怪しいので転ばないようにターンをして高度を落とす。駒の小屋は中に入れたようだが、休憩や泊まりの人で大入りで入る気がせず、風が吹いて寒かったが外で休憩をし、また下り始める。帰りに白沢方面に降りるつもりだったので、尾根を下りすぎないように注意しつつ降りて行く。硬くて厄介だった雪質は、沢に降りるころからフィルムクラストに変わり、ターンの度に自分より早く砕けた雪氷が落ちていく。もっと下るとお待ちかねの極上ザラメが待っていて、スキーがヘボの自分もこの辺りの斜面は楽しかった。山スキーをやっていて良かったと感じる瞬間であった。沢の幅が徐々に狭まるにつれ、雪質も重くなり始める。朝通過した時は落ちていなかったと思われるデブリがそこかしこに見られるため、どこかでゆっくり休憩する訳にもいかない。とにかく先を急ぎ、安全地帯を見つけて大休止とした。ここでこの先トラバースばかりだったことを思い出してシールを付けて歩き出したが、これが後にして思えば間違いの始まりだったようだ。
トラバースの区間を歩いていたところ、グズグズになった雪に足を取られ数メートル滑落。シールではなくスキーであれば横滑りで回避できたと思う。数メートル程度の滑落であれば通常何ら問題にはならないのだが、今日は滑って落ちたところが悪かったらしく、急斜面で左足が上で頭が下になって、しかも左足は穴にはまって身動きが取れなくなった。幸いにして右足と上半身はフリーだったので脱出を試みるも左足はびくともせず。スキーの上に大量の雪が乗っていて、重くて動かせないのだ。やばい、このままでは脱出できない。白沢をこれから登る登山者がいるとは思えず、下ってくるスキーヤー等に救助を依頼するしかなかった。自分としては長い時間が経過したように思ったのだが、後でGPSの時間を見ると20分にも満たない間、頭を下にして急斜面でもがいていた。そしてようやく単独のスキーヤーが降りてくるのが視界に入ったため、手を振って救助を要請した。単独の男性だったが快く応じてくれた。その後にきた夫婦のパーティはザックからスコップを取り出して穴に落ちていた足を掘り出してくれた。良かった、助かった。本当にありがとうございました。20分ほど変な大勢で足を固められていて、しかも頭が下だったことから、脱出後はしばらく足に痺れがあったがそれ以外に不調はなく、しばらく休憩後に行動を再開することができた。
2時間ほど沢沿いを歩いてようやくこの日の行動は終了。白沢の末端付近からはシールを付けて歩いた。柳沢出合からは通常のルートで降りてくるスキーヤーも見られたが、その中には、シールを付けずに歩いている人も見られた。標高はほとんど上がらないとは言え、実際は少しは上がっているので、シールよりもスキーで歩く方が早いのかもしれないが、既に7時間程度行動した後で、つるつる滑るスキーで微妙に傾斜のついた斜面を上がったりする自信は微塵もなかったので、自分は迷うことなくシールを付けて歩いた。
白沢は滑るには大変魅力的なゲレンデだが、滑った後の行動が長すぎて、再訪するには躊躇ってしまう。何よりトラバースに失敗して落ちて救助を頼まざるを得なかった点は猛省しなくては。怪我せずに帰ってこれて本当に運が良かった。
コメント
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荒沢岳ではないでしょうか?
コメントありがとうございます。
分からない時はその場で地図と見比べないとだめですね。
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