8歳児とゆく地獄急登と天国尾根のダブル赤鞍ヶ岳(朝日山〜ウバガ岩〜ワラビタキ)【都留二十一秀峰】
- GPS
- 06:22
- 距離
- 8.8km
- 登り
- 897m
- 下り
- 886m
コースタイム
天候 | 快晴のちうすぐもり |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
役場のかたに聞いたところ、「来庁者専用」のところにとめて大丈夫とのこと |
コース状況/ 危険箇所等 |
全般的にしっかりしてるが、明らかに人が少ないのでそこが少し怖いかなと |
その他周辺情報 | 道志の湯、紅椿の湯など 車さえあれば道志村はハイキングにとっても便利 |
写真
感想
息子の学校が休みになる平日、これはなかなかレアなもの。そういうときには必ず自分も休みをとって、平日だからできることをしようと思っている。
この日はどこに登ろう、休日は人が多い瑞牆山かな?なんて思っていたのだけれど……
前の日、思いっきり海で遊んでしまった。体力を考えると、あんまり遠出はできない。
かなり登りつくした「面白みのある近場の山」だけれど、探せばまだ登っていないところがあるはず!
……なんて思って探して、行き着いたのがこれまで2回チャレンジして途中で撤退している「赤鞍ヶ岳」。道志村の北側に連なる山々のひとつで、なぜか「朝日山」「ワラビタキ(ワラビタタキ?)」というふたつの山が「赤鞍ヶ岳」と名乗っている。都留二十一秀峰には前者、甲州百山と甲斐百山には後者が指定されている、いろいろややこしい山だ。
ここに来たのは3度目。2年前は雨が降ってきたから、去年は時間が足りなくなったからという理由で途中の「入道山」で撤退していた。3度目の正直となるだろうか。
この山には道志村役場の前から登ることになる。車で道志村を目指し、中央道に乗る。そして八王子まで事故渋滞。抜けたあと、圏央道の相模原インターから向かうか、中央道の相模湖インターから行くか迷って後者を選んだ。
こちらのほうがよく慣れている道なのだが、藤野のやまなみ温泉から先がぐねぐねの山道。息子は見事に酔ってしまった、なので山道の途中でひとやすみ。蝶をおいかけるなどして遊んだ。
青根で右折し、道志みちへ。車酔いから解放されて楽しそうだった息子がウワーと叫んだ。「ヒル!ヒルヒルヒル!」 そしてなにやら黒いちいさなものを僕の足の上に置いた。いやいやいやいや!なんで俺に置くの!!!思わず払いのけてしまい、下に落ちるソレ。
息子にきくと、靴下にポツッとしたものを感じたからさわってみたらやわらかくて、取り出したらウネウネしていたと。血を吸われる前でよかったね、しかしパパにつければいいってもんじゃありませんよ!!
そういえば藤野地区の山はヤマビルが出る(ので冬しか登らない)のだった。こんな休憩程度でもとりついてくるんだね。目的地がヒルのいないところなので油断していた。
どこかにひそむヒルを気にしながら、道志村役場へと急ぐ。渋滞に車酔い休憩、そこにヒル騒動。ずいぶん遅くなってしまった。
道志村役場到着、11:00。うーん、がんばるしかないね。また入道山引き返しになるのはいやだな。
役場から少し山中湖寄りに歩いて「朝日山」の道しるべのところを入る。六地蔵にごあいさつして通り過ぎ、まっすぐ登って舗装道路に出る。ここは陽射しをもろに受けるのでとても暑いのだけれど、反対側には大室山、空の向こうに富士山が見えるなかなかの絶景ポイント。
獣よけゲートを開けて進むと、森の中の林道に。前回来た時よりも舗装が少しのびていた。ここでは1度目のときハンミョウに、2度目のときマムシに出会っている。今回はとくに何もいなかった。舗装なので「あつい」ばっかり言ってやる気の出ない息子さんを激励しながら進む。
道横の斜面にいきなり土の階段が登場、これが赤鞍ヶ岳パート1「朝日山」の入口である。
最初は杉林の中をジグザグに上がっていき、雑木林のある尾根に出たら少し急な道を進む。前々回、雨の中来た時にはキノコがいろいろ生えていたが、今回はあまり見当たらない。
斜度がゆるくなり、中間地点の入道山山頂に着いたかな、と思ったらまだ先、というのを3回ほど繰り返して入道山到着。この山頂はいつ来ても静か、木々を通り抜けた陽がやわらかに注ぐとても気持ちのよいところ。やわらかな風も吹く、1日過ごせるくらい快適なである。とりあえずはひと休み。
ここから奥に入るのは初めて、ちょっとドキドキする。入道山山頂の広場を過ぎるとややくだり、またすぐに登りになった。
地図を見るかぎり、道志村の北側尾根にむかってほとんど一直線に上がっていくようだ。そんなのアリなのか?
と思っていたけれど、案の定だんだん勾配がきつくなっていく。息子はひょいひょいあがっていくが、これは相当キツい。お情け程度にジグザグはあるけれど、コンスタントにこんなにまっすぐ高度を上げるっていうのはなかなかない。少しでも雨が降ったら、すべってまともに登れなくなりそう。
後ろにすべり落ちないように気をつけながらロープを手に必死に登ると、植生が変わった。背丈の高い笹藪のあいだを抜けて、尾根に到着。秋山峠というようだ。
ここを左手に進んで、ひとつ目の赤鞍ヶ岳=朝日山へ。別荘でも建てられそうな平地を過ぎてややあがるとすぐ朝日山山頂。
入道山と同じように、まったく眺望のない山頂。森の中の広場といった感じだけれど、それはそれで気持ちのよいところだ。お昼をいただくのにぴったり。
カップラーメンを食べて、息子にごほうびおやつと飲み物をあげて次へ。渋滞にヒル騒動、ずいぶん遅れてのスタートだった。早めに帰ってきてね、という妻の言葉は「明日月曜日なのに帰宅遅れたらどうなるかわかっているんだろうな」という意味である。さあ、次に向かおう。
秋山峠に戻り、続けて尾根をゆく。道志北尾根というらしい。ゆるやかにアップダウンがあるものの、この尾根につくまでの急登と比べると何でもない。どこまでも気持ちのよい尾根歩き。
道志村方面が開けていて踏み跡があるポイントがあった。そちらに踏み出してみると……
絶景。道志村の谷が一望、富士山が奥に見える。これはすごい景色だ。この景色があるのにあまり人気でないのは、アクセスがあまりにも悪いからだろうか。はたまた、この尾根までの登りがシビアだからか。このポイントには名前もなにもなく、案内板もとくにない。そもそもこのあたりの道しるべはみんな、1980年代からそのままある感じのものばかりだ。あまり観光資源として役立てる気がないのだろう。
岩のごつごつしたところに出る。ここも眺望がいい。とくに看板などはなかったが、ヤマレコの地図によればここが「ウバガ岩」。さきほどのポイントのほうがやや眺望がよい。かわりに1本の松がランドマークみたいに生えている。
そのまま進むと、尾根が平らな笹藪になった。そしてその藪の中に「赤鞍ヶ岳(ワラビタキ)」の山頂標があった。眺望どころか広場もない、ごくごく地味な山頂。しかし甲州百山も甲斐百山もこっちを指定しているのだ。なぜ。
笹藪の奥に何か観測装置みたいなものがあった。ここから道がのびている。ここからいこう。
地図上では尾根づたいに進むように道があるように見えるが、我々がたどったのはこの装置からそのまま進んでトラバースし尾根に戻る、という道だったようだ。
ほどなく村におりる道が分岐する、と思っていたらいつのまにか尾根を離れておりる道に進んでいた。分岐に気づかないなんて……
下界への道、登った道を考えるとこっちも急なのかと思っていたが、こちらはかなり歩きやすい斜度。しっかりした道になっている。ウバガ岩の絶景を楽しみたい、あるいは菜畑山あたりまで尾根歩きをしたいという場合はこの道で上がったほうがよさそうだ。
たんたんとおりていた息子、岩につまづいたのか転んでしまった。これかなり痛い、というので見ると、ひざにちょっと深い傷ができていた。岩のとがった部分にうちつけてしまったのか……ひとまず応急処置としてキズパワーパッドを貼る。こういうときに泣かない息子、本当に強い。
息子の傷を気にしてゆっくりおりていたが、息子はもう大丈夫あんまり痛くないよ、なんていってすたすたとおりてゆく。まつぼっくりがすごいよ、と松に手を伸ばしたりする。強い。
やがて舗装のしっかりした林道に出た。登山道を降りるとわりとすぐに国道(道志みち)、林道に進むと少し歩くが車のある役場前に出る。息子のケガを考えると、林道のほうがいいだろう。
沿道にある花を見たり、足は大丈夫?なんて話をしながらゆっくり歩く。こういう時間を息子が何歳になるまで持てるだろう? のんびり林道をお散歩して、役場前に到着。おつかれさま、本日のやまのぼりはこれにて終了だ。けっこうしっかり歩いたね。
山百などではないのでちょっと地味な印象だったけれど、尾根の気持ちよさと展望ポイントからの眺めは素晴らしかった。最初から最後までひとりのハイカーさんとも出会わないという人のいなさも素敵だった。バリエーションに富んでいて眺望もある、これはもうちょっと評価されてもいいコースだと思う。
そしてこのあと、レンタカーのカギが失われていることが発覚して大変なことになるのだが、その話はまたいずれ。
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