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Yamareco

記録ID: 4349081
全員に公開
ハイキング
奥多摩・高尾

8歳児とゆく地獄急登と天国尾根のダブル赤鞍ヶ岳(朝日山〜ウバガ岩〜ワラビタキ)【都留二十一秀峰】

2022年05月30日(月) [日帰り]
 - 拍手
子連れ登山 シューP その他1人
体力度
3
日帰りが可能
GPS
06:22
距離
8.8km
登り
897m
下り
886m
歩くペース
標準
0.91.0
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

日帰り
山行
5:33
休憩
0:46
合計
6:19
距離 8.8km 登り 897m 下り 900m
11:05
92
12:39
12:50
78
14:07
14:08
6
14:14
14:48
4
14:53
14:53
45
15:39
15:39
8
15:47
15:47
11
15:58
15:58
89
天候 快晴のちうすぐもり
過去天気図(気象庁) 2022年05月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
道志村役場前駐車場
役場のかたに聞いたところ、「来庁者専用」のところにとめて大丈夫とのこと
コース状況/
危険箇所等
全般的にしっかりしてるが、明らかに人が少ないのでそこが少し怖いかなと
その他周辺情報 道志の湯、紅椿の湯など
車さえあれば道志村はハイキングにとっても便利
道志村役場の駐車場から出発
3度目だから慣れてるね
2022年05月30日 11:06撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
5/30 11:06
道志村役場の駐車場から出発
3度目だから慣れてるね
ここから入っていくよ
2022年05月30日 11:08撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
5/30 11:08
ここから入っていくよ
夏っぽい空と大室山
2022年05月30日 11:15撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
5/30 11:15
夏っぽい空と大室山
ナワシロイチゴかな
2022年05月30日 11:16撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
5/30 11:16
ナワシロイチゴかな
ノイバラがきれい
2022年05月30日 11:17撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
5/30 11:17
ノイバラがきれい
晴れた空のむこうに富士山
2022年05月30日 11:17撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
5/30 11:17
晴れた空のむこうに富士山
ゲートをあけてさあスタート
2022年05月30日 11:20撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
5/30 11:20
ゲートをあけてさあスタート
最初はアスファルト
がんばれ
2022年05月30日 11:22撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
5/30 11:22
最初はアスファルト
がんばれ
1回目はハンミョウ、2回目はマムシをみつけた道
今回も何かいるかな?
2022年05月30日 11:41撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
5/30 11:41
1回目はハンミョウ、2回目はマムシをみつけた道
今回も何かいるかな?
オトシブミ!
ちょっとラフに作ってある
オトシブミ界にもうまいへたがあるんだね
2022年05月30日 11:43撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
5/30 11:43
オトシブミ!
ちょっとラフに作ってある
オトシブミ界にもうまいへたがあるんだね
ここからあがるよ
土嚢で整備してあるね
2022年05月30日 11:47撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
5/30 11:47
ここからあがるよ
土嚢で整備してあるね
うずまきくものす
失われつつあるらしい
2022年05月30日 11:49撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
5/30 11:49
うずまきくものす
失われつつあるらしい
最初は杉林をジグザグに
2022年05月30日 11:54撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
5/30 11:54
最初は杉林をジグザグに
すてきなイスがありましたよ
2022年05月30日 11:59撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
5/30 11:59
すてきなイスがありましたよ
ちょっと急になったかな
2022年05月30日 12:28撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
5/30 12:28
ちょっと急になったかな
尾根を上がってゆく
それなりに斜度がある
2022年05月30日 12:33撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
5/30 12:33
尾根を上がってゆく
それなりに斜度がある
入道山に到着
3度目だけどやっぱり気持ちいい場所だね
2022年05月30日 12:39撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1
5/30 12:39
入道山に到着
3度目だけどやっぱり気持ちいい場所だね
ひとやすみするよ
2022年05月30日 12:42撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
5/30 12:42
ひとやすみするよ
さあ初めて入道山より奥にいくよ
2022年05月30日 12:50撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
5/30 12:50
さあ初めて入道山より奥にいくよ
フタリシズカが咲いてる
2022年05月30日 12:56撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
5/30 12:56
フタリシズカが咲いてる
フタリシズカ
ひとりしかいないっぽいけど
2022年05月30日 12:56撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
5/30 12:56
フタリシズカ
ひとりしかいないっぽいけど
尾根をまっすぐ登っていく
なんでまっすぐなのよ?
2022年05月30日 13:11撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
5/30 13:11
尾根をまっすぐ登っていく
なんでまっすぐなのよ?
傾斜がスゴい
小雨でしめってたら登れないよこれ
2022年05月30日 13:27撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
5/30 13:27
傾斜がスゴい
小雨でしめってたら登れないよこれ
山椒が生えてる
2022年05月30日 13:28撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
5/30 13:28
山椒が生えてる
ロープを使ってうまくのぼるよ
もはやアスレチック
2022年05月30日 13:34撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
5/30 13:34
ロープを使ってうまくのぼるよ
もはやアスレチック
まっすぐ上に向かう登山道
マイナー山ならではの傾斜
2022年05月30日 13:38撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
5/30 13:38
まっすぐ上に向かう登山道
マイナー山ならではの傾斜
おっ植生が変わってきたぞ
2022年05月30日 14:03撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
5/30 14:03
おっ植生が変わってきたぞ
ついにきた
2022年05月30日 14:06撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
5/30 14:06
ついにきた
尾根に出た
秋山峠だそうな
2022年05月30日 14:06撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
5/30 14:06
尾根に出た
秋山峠だそうな
ヒョロきのこ
2022年05月30日 14:07撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
5/30 14:07
ヒョロきのこ
気持ちのよい森です
2022年05月30日 14:07撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
5/30 14:07
気持ちのよい森です
よしついた
2022年05月30日 14:11撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
5/30 14:11
よしついた
赤鞍ヶ岳到着!
こっちは朝日山
80年代のバスみたいな標識たち
2022年05月30日 14:12撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1
5/30 14:12
赤鞍ヶ岳到着!
こっちは朝日山
80年代のバスみたいな標識たち
カップめんいただきます
北海道でよく食べるえびラーメンのやつ
2022年05月30日 14:31撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1
5/30 14:31
カップめんいただきます
北海道でよく食べるえびラーメンのやつ
山頂ひろば
眺望はないけど気持ちのよいところ
2022年05月30日 14:33撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
5/30 14:33
山頂ひろば
眺望はないけど気持ちのよいところ
さあ次の赤鞍ヶ岳に向かおう
「←巌道峠」の道しるべの80年代っぽさがいい
2022年05月30日 14:48撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
5/30 14:48
さあ次の赤鞍ヶ岳に向かおう
「←巌道峠」の道しるべの80年代っぽさがいい
ただひたすら気持ちいい尾根道
2022年05月30日 14:50撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
5/30 14:50
ただひたすら気持ちいい尾根道
秋山峠を通過
2022年05月30日 14:53撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
5/30 14:53
秋山峠を通過
のんびりしたくだり
いやー気持ちいいよここ
2022年05月30日 14:54撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
5/30 14:54
のんびりしたくだり
いやー気持ちいいよここ
ヤマツツジがまだ咲いてた
2022年05月30日 15:03撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
5/30 15:03
ヤマツツジがまだ咲いてた
息子が気づいた「こっちじゃないよ」サイン
正しいルートは左
2022年05月30日 15:12撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
5/30 15:12
息子が気づいた「こっちじゃないよ」サイン
正しいルートは左
名もなき展望ポイント
しかし道志の谷と富士山が見える絶景!
2022年05月30日 15:24撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
5/30 15:24
名もなき展望ポイント
しかし道志の谷と富士山が見える絶景!
この景色が知られてないのはもったいないな
2022年05月30日 15:24撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
5/30 15:24
この景色が知られてないのはもったいないな
岩の稜線は横をトラバース
2022年05月30日 15:27撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
5/30 15:27
岩の稜線は横をトラバース
息子の愛するオヤマボクチ
2022年05月30日 15:30撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
5/30 15:30
息子の愛するオヤマボクチ
ウバガ岩
ここからもいい景色が見える
2022年05月30日 15:35撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
5/30 15:35
ウバガ岩
ここからもいい景色が見える
目印みたいな松と道志村
2022年05月30日 15:38撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
5/30 15:38
目印みたいな松と道志村
尾根が平たくなって道は笹藪の中へ
2022年05月30日 15:46撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
5/30 15:46
尾根が平たくなって道は笹藪の中へ
もうひとつの赤鞍ヶ岳に到着
展望はもちろん広場すらない地味さ
2022年05月30日 15:46撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
5/30 15:46
もうひとつの赤鞍ヶ岳に到着
展望はもちろん広場すらない地味さ
山頂の奥にはなにやら施設
2022年05月30日 15:47撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
5/30 15:47
山頂の奥にはなにやら施設
稜線のほうへトラバース
2022年05月30日 15:48撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
5/30 15:48
稜線のほうへトラバース
ここで稜線と合流
相変わらずのビンテージ看板
2022年05月30日 15:55撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
5/30 15:55
ここで稜線と合流
相変わらずのビンテージ看板
そろそろ分岐なような?
と思っていたけどすでに分岐してた
2022年05月30日 15:59撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
5/30 15:59
そろそろ分岐なような?
と思っていたけどすでに分岐してた
こっちのくだりはゆるやかなのだ
2022年05月30日 16:15撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
5/30 16:15
こっちのくだりはゆるやかなのだ
軽快にゆく
2022年05月30日 16:16撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
5/30 16:16
軽快にゆく
ちょっと岩がちでちょっと急
このあと息子さんは転んでちょいとひどいケガ
2022年05月30日 16:28撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
5/30 16:28
ちょっと岩がちでちょっと急
このあと息子さんは転んでちょいとひどいケガ
まつぼっくりだー
ってヒザは大丈夫なのかい
2022年05月30日 16:30撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
5/30 16:30
まつぼっくりだー
ってヒザは大丈夫なのかい
イノシシが掘り返したあとだね
2022年05月30日 16:32撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
5/30 16:32
イノシシが掘り返したあとだね
お、林道についた
2022年05月30日 16:51撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
5/30 16:51
お、林道についた
登山道はここでおしまいにしよう
ダブル赤鞍ヶ岳にのぼってきたよ
2022年05月30日 16:52撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
5/30 16:52
登山道はここでおしまいにしよう
ダブル赤鞍ヶ岳にのぼってきたよ
かわいらしいお花
2022年05月30日 16:55撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1
5/30 16:55
かわいらしいお花
ぽこぽこした実とホップみたいな実
2022年05月30日 17:09撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1
5/30 17:09
ぽこぽこした実とホップみたいな実
ハリエンジュの草笛
なかなか大きな音が出るのだ
2022年05月30日 17:11撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
1
5/30 17:11
ハリエンジュの草笛
なかなか大きな音が出るのだ
大室山と里が見えるね
2022年05月30日 17:23撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
5/30 17:23
大室山と里が見えるね
国道に出た
あとちょっとだ
2022年05月30日 17:26撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
5/30 17:26
国道に出た
あとちょっとだ
ついたー
おつかれさま!
2022年05月30日 17:27撮影 by  iPhone SE (2nd generation), Apple
5/30 17:27
ついたー
おつかれさま!

感想

息子の学校が休みになる平日、これはなかなかレアなもの。そういうときには必ず自分も休みをとって、平日だからできることをしようと思っている。

この日はどこに登ろう、休日は人が多い瑞牆山かな?なんて思っていたのだけれど……

前の日、思いっきり海で遊んでしまった。体力を考えると、あんまり遠出はできない。

かなり登りつくした「面白みのある近場の山」だけれど、探せばまだ登っていないところがあるはず!

……なんて思って探して、行き着いたのがこれまで2回チャレンジして途中で撤退している「赤鞍ヶ岳」。道志村の北側に連なる山々のひとつで、なぜか「朝日山」「ワラビタキ(ワラビタタキ?)」というふたつの山が「赤鞍ヶ岳」と名乗っている。都留二十一秀峰には前者、甲州百山と甲斐百山には後者が指定されている、いろいろややこしい山だ。

ここに来たのは3度目。2年前は雨が降ってきたから、去年は時間が足りなくなったからという理由で途中の「入道山」で撤退していた。3度目の正直となるだろうか。

この山には道志村役場の前から登ることになる。車で道志村を目指し、中央道に乗る。そして八王子まで事故渋滞。抜けたあと、圏央道の相模原インターから向かうか、中央道の相模湖インターから行くか迷って後者を選んだ。

こちらのほうがよく慣れている道なのだが、藤野のやまなみ温泉から先がぐねぐねの山道。息子は見事に酔ってしまった、なので山道の途中でひとやすみ。蝶をおいかけるなどして遊んだ。

青根で右折し、道志みちへ。車酔いから解放されて楽しそうだった息子がウワーと叫んだ。「ヒル!ヒルヒルヒル!」 そしてなにやら黒いちいさなものを僕の足の上に置いた。いやいやいやいや!なんで俺に置くの!!!思わず払いのけてしまい、下に落ちるソレ。

息子にきくと、靴下にポツッとしたものを感じたからさわってみたらやわらかくて、取り出したらウネウネしていたと。血を吸われる前でよかったね、しかしパパにつければいいってもんじゃありませんよ!!

そういえば藤野地区の山はヤマビルが出る(ので冬しか登らない)のだった。こんな休憩程度でもとりついてくるんだね。目的地がヒルのいないところなので油断していた。

どこかにひそむヒルを気にしながら、道志村役場へと急ぐ。渋滞に車酔い休憩、そこにヒル騒動。ずいぶん遅くなってしまった。

道志村役場到着、11:00。うーん、がんばるしかないね。また入道山引き返しになるのはいやだな。

役場から少し山中湖寄りに歩いて「朝日山」の道しるべのところを入る。六地蔵にごあいさつして通り過ぎ、まっすぐ登って舗装道路に出る。ここは陽射しをもろに受けるのでとても暑いのだけれど、反対側には大室山、空の向こうに富士山が見えるなかなかの絶景ポイント。

獣よけゲートを開けて進むと、森の中の林道に。前回来た時よりも舗装が少しのびていた。ここでは1度目のときハンミョウに、2度目のときマムシに出会っている。今回はとくに何もいなかった。舗装なので「あつい」ばっかり言ってやる気の出ない息子さんを激励しながら進む。

道横の斜面にいきなり土の階段が登場、これが赤鞍ヶ岳パート1「朝日山」の入口である。

最初は杉林の中をジグザグに上がっていき、雑木林のある尾根に出たら少し急な道を進む。前々回、雨の中来た時にはキノコがいろいろ生えていたが、今回はあまり見当たらない。

斜度がゆるくなり、中間地点の入道山山頂に着いたかな、と思ったらまだ先、というのを3回ほど繰り返して入道山到着。この山頂はいつ来ても静か、木々を通り抜けた陽がやわらかに注ぐとても気持ちのよいところ。やわらかな風も吹く、1日過ごせるくらい快適なである。とりあえずはひと休み。

ここから奥に入るのは初めて、ちょっとドキドキする。入道山山頂の広場を過ぎるとややくだり、またすぐに登りになった。

地図を見るかぎり、道志村の北側尾根にむかってほとんど一直線に上がっていくようだ。そんなのアリなのか?

と思っていたけれど、案の定だんだん勾配がきつくなっていく。息子はひょいひょいあがっていくが、これは相当キツい。お情け程度にジグザグはあるけれど、コンスタントにこんなにまっすぐ高度を上げるっていうのはなかなかない。少しでも雨が降ったら、すべってまともに登れなくなりそう。

後ろにすべり落ちないように気をつけながらロープを手に必死に登ると、植生が変わった。背丈の高い笹藪のあいだを抜けて、尾根に到着。秋山峠というようだ。

ここを左手に進んで、ひとつ目の赤鞍ヶ岳=朝日山へ。別荘でも建てられそうな平地を過ぎてややあがるとすぐ朝日山山頂。

入道山と同じように、まったく眺望のない山頂。森の中の広場といった感じだけれど、それはそれで気持ちのよいところだ。お昼をいただくのにぴったり。

カップラーメンを食べて、息子にごほうびおやつと飲み物をあげて次へ。渋滞にヒル騒動、ずいぶん遅れてのスタートだった。早めに帰ってきてね、という妻の言葉は「明日月曜日なのに帰宅遅れたらどうなるかわかっているんだろうな」という意味である。さあ、次に向かおう。

秋山峠に戻り、続けて尾根をゆく。道志北尾根というらしい。ゆるやかにアップダウンがあるものの、この尾根につくまでの急登と比べると何でもない。どこまでも気持ちのよい尾根歩き。

道志村方面が開けていて踏み跡があるポイントがあった。そちらに踏み出してみると……

絶景。道志村の谷が一望、富士山が奥に見える。これはすごい景色だ。この景色があるのにあまり人気でないのは、アクセスがあまりにも悪いからだろうか。はたまた、この尾根までの登りがシビアだからか。このポイントには名前もなにもなく、案内板もとくにない。そもそもこのあたりの道しるべはみんな、1980年代からそのままある感じのものばかりだ。あまり観光資源として役立てる気がないのだろう。

岩のごつごつしたところに出る。ここも眺望がいい。とくに看板などはなかったが、ヤマレコの地図によればここが「ウバガ岩」。さきほどのポイントのほうがやや眺望がよい。かわりに1本の松がランドマークみたいに生えている。

そのまま進むと、尾根が平らな笹藪になった。そしてその藪の中に「赤鞍ヶ岳(ワラビタキ)」の山頂標があった。眺望どころか広場もない、ごくごく地味な山頂。しかし甲州百山も甲斐百山もこっちを指定しているのだ。なぜ。

笹藪の奥に何か観測装置みたいなものがあった。ここから道がのびている。ここからいこう。

地図上では尾根づたいに進むように道があるように見えるが、我々がたどったのはこの装置からそのまま進んでトラバースし尾根に戻る、という道だったようだ。

ほどなく村におりる道が分岐する、と思っていたらいつのまにか尾根を離れておりる道に進んでいた。分岐に気づかないなんて……

下界への道、登った道を考えるとこっちも急なのかと思っていたが、こちらはかなり歩きやすい斜度。しっかりした道になっている。ウバガ岩の絶景を楽しみたい、あるいは菜畑山あたりまで尾根歩きをしたいという場合はこの道で上がったほうがよさそうだ。

たんたんとおりていた息子、岩につまづいたのか転んでしまった。これかなり痛い、というので見ると、ひざにちょっと深い傷ができていた。岩のとがった部分にうちつけてしまったのか……ひとまず応急処置としてキズパワーパッドを貼る。こういうときに泣かない息子、本当に強い。

息子の傷を気にしてゆっくりおりていたが、息子はもう大丈夫あんまり痛くないよ、なんていってすたすたとおりてゆく。まつぼっくりがすごいよ、と松に手を伸ばしたりする。強い。

やがて舗装のしっかりした林道に出た。登山道を降りるとわりとすぐに国道(道志みち)、林道に進むと少し歩くが車のある役場前に出る。息子のケガを考えると、林道のほうがいいだろう。

沿道にある花を見たり、足は大丈夫?なんて話をしながらゆっくり歩く。こういう時間を息子が何歳になるまで持てるだろう? のんびり林道をお散歩して、役場前に到着。おつかれさま、本日のやまのぼりはこれにて終了だ。けっこうしっかり歩いたね。

山百などではないのでちょっと地味な印象だったけれど、尾根の気持ちよさと展望ポイントからの眺めは素晴らしかった。最初から最後までひとりのハイカーさんとも出会わないという人のいなさも素敵だった。バリエーションに富んでいて眺望もある、これはもうちょっと評価されてもいいコースだと思う。

そしてこのあと、レンタカーのカギが失われていることが発覚して大変なことになるのだが、その話はまたいずれ。

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