麓から毛無山〜雨ヶ岳〜端足峠〜麓 周回
- GPS
- 10:04
- 距離
- 19.0km
- 登り
- 1,422m
- 下り
- 1,428m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
有料(1日500円) |
コース状況/ 危険箇所等 |
大見岳〜タカデッキ〜雨ヶ岳間は踏跡明瞭 目印のペンキ等は毛無山側につけられているところが多く、積雪時などは毛無から雨ヶ岳に歩くほうが分かりやすいだろう |
写真
感想
5月4日は静岡県朝霧高原の麓から毛無山に登り、タカデッキ〜雨ヶ岳〜端足峠を経て東海自然歩道で麓に戻る周回コース。
毛無山へは下部温泉から2度、麓から1度、都合3回登っているがいずれも20年近く前のことで、山頂からの富士山は大きかったが逆光だったということ以外はっきりした記憶がない。
午前1時に起床、山梨県笛吹市の宿を2時に出発して精進ブルーラインから国道139号に入り3時ごろに登山口の麓に到着。登山口にある有料駐車場(500円)に車を止める。
駐車場にはすでに1台止まっているがすでに出立したのか?山中で一泊しているのか人は乗っていない。
支度に20分ほどかかり3時20分過ぎ、ヘッデンをつけて暗闇の中出発。
出発時の登山口の気温は6度だが、この日もスタートから半袖シャツ1枚。
沢を渡渉し地蔵峠コースを分けるとのっけから急登が始まる。
すぐに大きな岩場が現れトラロープが続く登りを抜けると不動ノ滝見晴台に着く。
落差100メートルの立派な滝で、迫力ある水音も聞こえるがなにぶん真っ暗ゆえ全く見えない。
登山道にはほぼ正確に標高差100メートルおきに合目表記がされており登りの励みになる。
見晴台を過ぎたあたりから背後に鈴の音が近づき、こんな早朝から登る変態が我が家だけではないんだとちょっと安心する。
4合目を過ぎたあたりで東の空が白み始め富士の大きなシルエットが現れる。
眼下にはヘッドランプらしい明かりがいくつか揺れ、登山者が登り始めているのが分かる。
レスキューポイントを過ぎ一息で5合目の中間点。このあたりで背後から聞こえていた鈴の音が消える。
レスキューポイントで休憩に入ったのだろうか。
7合目手前で富士山の裾野北側から日が昇り始める。
見上げると頂上の稜線が見え始める。
8合目を過ぎると富士山展望台の標識が現れ、標識の先の岩場先端へ進むと真正面に特大の富士が現れる。
富士の右手には大きなスロープが続きその先にはうっすらと駿河湾が確認できる。
雪見岳から長者ヶ岳に続く天子山塊の稜線も一望できる。
9合目を過ぎるとすぐに稜線に到着し地蔵峠からの道を合わせる。
少し先に『北アルプス展望台』の標識があり、岩によじ登ると表記された北ではなく南アルプスが一望できる。
北の甲斐駒から白峰三山、塩見、荒川、赤石、笊、聖、上河内と文字通りの南アルプス北から南まで一挙に見れる展望台である。
大菩薩の雷岩からも南アルプスが一望できるが、富士川を挟んで対峙するだけあって距離感が全く違う。
ところどころに雪が残る針葉樹林を抜ける、東側がぽっかりと開けた草原に飛び出すとここが山頂。
一等三角点が置かれた山頂には霜柱が立ち、気温は氷点下1度。しかし半袖隊員は上着を着ずに半袖継続。
もちろん富士山はばっちり見えるが毛無山のちょうど東になるため午前中は逆光になってしまう。
山頂から先は樹林帯と東が開けた草原が交互にあらわれるが、むしろ山頂よりもこちらの草原のほうが見晴らしがいい。眼下にはキャベツ畑のようにテントで埋め尽くされたふもとっぱらのオートキャンプ場が見え、右手には駿河湾の彼方にうっすらと伊豆半島が望める。
前日に続き、春とは思えない素晴らしい展望、絶好の登山日和だ。
毛無山最高点の大見岳は登山道からわずかに踏跡をたどった樹林の中にあり、それを示す標識が立っている。
タカデッキへは雪の残る鬱蒼とした針葉樹林を下るがここで反対方向から来たトレランナーとすれ違う。
朝の5時に出て端足峠〜雨ヶ岳を経て来たとのこと。恐るべきスピード。
前週御坂から天子山塊を走されたShuMaeさんのレコではタカデッキ〜毛無山については
・次第に笹が深くなり、北斜面の残雪と相まって、ルート不明瞭ヶ所連続。
・基本、稜線歩きではあるが、踏み跡(3人分程度)も迷って右往左往しているため、思い切って踏み跡のない稜線伝いに行くことに。
・残雪は凍ってはいないが、4本爪アイゼンではちとキツク、トラバース時に3度スリップ。平坦な稜線だったので1m程滑っただけで済んだのは幸いであった。(6本以上がお勧め)
と書かれていた。
このため我が家も念のため軽アイゼンを持参していたが、その後一週間で雪が解けたのか?残っている雪も適度に締まっていてアイゼンの必要はなく、ルートも逆方向から歩くぶんには明瞭で踏跡の乱れもなく難なく下ることができた。
樹林を下り切り、笹原を登り返すと西側が大きく開け、再び南アルプスが一望できる場所に到着。山と高原の地図で「南アルプスの眺望よい(全山見える)」と書かれたポイントだ。
ここでは毛無山では見えなかった七面山や大無間山あたりも確認することができる。
さらに笹の斜面を登り切るとタカデッキ山頂に到着。山頂を示す標識等は見つからなかったが、笹とダケカンバが茂る気持ちのいい山頂だ。
タカデッキで軽く栄養補給をしたのち雨ヶ岳へと進む。
タカデッキからの下りはこれまでの広い尾根からやや様相が変わり少し険しい下りが続くが慎重に進めば全く問題はない。むしろこの間に爪痕などクマの痕跡が連続し、そちらの方で緊張した。
雨ヶ岳手前で名古屋から来られた男女2人の4人組と遭遇。10分ほど立ち話をしたのち雨ヶ岳山頂へ。
笹がきれいに刈り払われ、ここも絶好の富士山展望台である。
雨ヶ岳からは道が明瞭になり防火帯の中を一気に下ってゆく。
ジグザグではなくとにかく一直線に標高差500メートルを下るのだ。ここで雨ヶ岳に登る登山者たちとようやくすれ違うようになるが、すれ違う皆さんの喘ぐような表情を見たらここは絶対に登りには使わないと心に誓った。
ようやく下り切った端足峠ではテントを撤収中の外人さんのカップルと遭遇。
先週の本社ヶ丸でも流ちょうな日本語を話すアメリカ人とオランダ人お二人と会話を交わしたが、こちらのカップルはあまり日本語ができない様子。
英語で何とかコミュニケーションを図ると、お二人はチェコの出身で1年前から京都大学の大学院に留学しているとのこと。
チェコで一番高い山は600メートルで、オランダ、デンマークと並んで山がない国らしい。
富士山は「非常にユニーク」と連発していた。
これから雨ヶ岳に登り毛無山へ縦走するとのことだが、時間的には山中でさらに一泊だろう。
15分ほどおしゃべりを続け、フェイスブックを交換した後、杉の植林を東海自然歩道へ下る。
三叉路を右手にとって麓・田貫湖方面へと向かうとすぐに気持ちのいい沢に到着し、ここで予定外の大休止。
ここからは毛無山の山麓に沿って東海自然歩道を南下するがその行程の長いこと。
山中では全く症状が出なかった腰痛が痛み始めペースが一気に落ち始める。
涸れ沢に沿った木道を抜け、道の駅への分岐点である休憩舎を過ぎると左手に牧場が現れる。
大きな富士山を背景に緩やかな草原でくつろぐ牛さんたち。
絵的には優雅だけど、臭い臭い。
植林を抜け、ふもとっぱらのキャンプ場のわきをバーベキューの香りに当てられながらとぼとぼと進み、公衆トイレから10分ほどでようやく駐車場へ帰還。
朝は2台しかいなかった駐車場はほぼいっぱい。さすが人気の毛無山。
出だしの1000メートル以上の標高差の登り、毛無山〜タカデッキ間の踏跡の乱れなど事前の懸念材料はいくつかあったけど、登山口から山頂へは標準時間以下で登ることができたし、毛無山〜タカデッキにかけても大過なく通過することができた。
好天予報だけに富士山の眺めは当然のこととして、南アルプスの素晴らしい眺望を得たのは予想以上の収穫。
おまけに駿河湾や伊豆半島まで拝めるとは思いもよらなかった。
後半の東海自然歩道部分ではさすがにペースが落ちてしまったけど、天子山塊の南半分毛無山〜長者ヶ岳の縦走に向けても自信が持てる山行となった。
最後に、このコース縦走するなら毛無山から北上するに限ると思う。
雨ヶ岳への500メートルの直登ののち、さらにタカデッキや毛無山への上りが続く南下ルートよりも肉体的には格段に楽だし踏跡も北上するほうが分かりやすいと思う。
そして何よりも、好天眺望が効く日に歩くべきだ。
富士山はもとより間近に迫る南アルプスの眺めは秀逸。
下山後は宿に戻り翌日に備えるが天気予報は「曇りのち雨」
好天が期待できないので当初予定していた竜ヶ岳はやめにして、山伏峠〜御正体山を往復に変更。
前夜7時間寝たので睡眠不足は解消、大河ドラマを見たあと9時過ぎに床に就いた。
5月累計
合計距離: 37.80km
累積標高(上り): 2578m
累積標高(下り): 2579m
match1128さん
昨日以上に急ですね。
スゴクきれい
hamburg
渋描き隊長、こんばんは。
4日は春霞も少なく秋のような素晴らしい景色を楽しめました。
早立ちのおかげで冷気で気が引き締まり、出だしの1000メートルの登りは思ったほど苦しくなく登れました。
GW後半戦も、富士の外輪山(?)周辺を重点爆撃ですね、すばらしいです
このコースは私の登った4月28日は曇天にガスガスで、灰色に染まった「楽しくない」山という印象でしたが、好天に恵まれると富士の絶景もあってまるで天国、大違いな印象ですね。
タカデッキ〜毛無の迷走や雪の情報は、杞憂に終わったみたいですね。私のときは視界50mくらいで先が分からなかったのですが、反対から下る方がルートマークとか見えやすかったのかな。
雨ヶ岳から端足峠への下り、あれはホント二度と登りたくないですね。Zig Zag切ってくれればよいものを、ほとんど直登だった気がします。
いずれにせよ、腰痛を押しての連登、GW前半と後半だけでもかなり登られましたね。
GW後半は私は奈良の実家でグウタラしてました。折角少し落ちた体重は元取りすぎた感じです
ShuMaeさん、こんばんは。
そちらのレコのおかげでずいぶん予備知識得て登ることができました。
山ばかり歩いていて、実家の母からは「1日くらい顔出せ」とせっつかれてしまいました。
お〜、南アや八つの好展望に恵まれた一日でしたね
拙者も麓から往復したことがありますが、この日ほどのキレはありませんでした。
何よりも寒かった・・・。
晩秋でしたが、手が凍えるようでした。
当日も冷気の中、半袖で頑張られたようで何よりです。
顔じゃぶじゃぶ・・・拙者は顔ザブですので、ちょっと違う?
隊長
お言葉に甘えて、これからは顔ジャブで行かせていただきます。
個人的には富士山は当然のこととして、南アルプスをここまできれいに見れたことの方が喜びが大きいです。
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