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Yamareco

記録ID: 4432294
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沢登り
比良山系

【野坂山地】赤坂山・斧研川 調子ヶ滝から上流へ

2022年06月25日(土) [日帰り]
情報量の目安: S
都道府県 福井県 滋賀県
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GPS
--:--
距離
6.5km
登り
757m
下り
756m

コースタイム

日帰り
山行
5:40
休憩
0:00
合計
5:40
5:30
30
マキノ高原駐車場
6:00
130
8:10
40
稜線へ(遡行終了)
8:50
140
11:10
マキノ高原駐車場
天候 くもり
過去天気図(気象庁) 2022年06月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
マキノ高原の駐車場に駐車
コース状況/
危険箇所等
【斧研川(調子ヶ滝のある沢)】
 斧研(よきとぎ)川ってどこ? という方も多いと思いますが,マキノ高原スキー場(キャンプ場)の中を流れており,上流に調子ヶ滝のある,あの川のことです(私も今回改めて調べて名前を知りました)。
 基本的に自然林で,登って楽しい滝やちょっとゴルジュっぽい箇所もちょこちょこ出てくるので,意外に悪くない沢ですが,途中で突然堰堤が出現するのと,源頭部の山腹で過去に行われた土留め工事の残置物が散見されるのが残念なところ。それさえ目をつぶれば,赤坂山〜大谷山の稜線へのバリエーションとしてそれなりに楽しめるのでは。この稜線にふさわしく,詰めは草原状の気持ちの良い斜面を絶景の稜線へ上がれます。なにぶん小さな沢なので,水量が豊富な時期がおすすめ(今みたいな梅雨時とか)。

※ 後日追記…調子ヶ滝の上の滝は,二の滝,三の滝と名前がついており,時々見に行かれる方もあるそうです。

※ 下山では寒風ピークから南に流下している沢を下降してみましたが,少し小滝は出てくるものの,途中から荒れた植林帯となるため,途中で登山道に上がってしまいました。わざわざ遡行する価値は無いものと思われます。
マキノ高原スキー場(夏季はグラウンドゴルフ場・キャンプ場となっている)から出発。この界隈はいつも冬にばかり来るので,緑のスキー場や赤坂山が何だか新鮮な眺めに感じられる。
マキノ高原スキー場(夏季はグラウンドゴルフ場・キャンプ場となっている)から出発。この界隈はいつも冬にばかり来るので,緑のスキー場や赤坂山が何だか新鮮な眺めに感じられる。
調子ヶ滝。高島市のホームページでは18mとされているが,そんなにない気が…10mくらい?(この上に連なっている滝も合算しているのだろうか)。ここまでは散策道を辿って気軽に来られます。
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調子ヶ滝。高島市のホームページでは18mとされているが,そんなにない気が…10mくらい?(この上に連なっている滝も合算しているのだろうか)。ここまでは散策道を辿って気軽に来られます。
滝壺から調子ヶ滝を見上げる。小ぶりだが,周囲の緑と相まって,美しい滝だ。
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滝壺から調子ヶ滝を見上げる。小ぶりだが,周囲の緑と相まって,美しい滝だ。
滝の周囲では,初夏を告げるシモツケソウが花をつけ始めていた。風が強かったのでうまく写ってないですが…
滝の周囲では,初夏を告げるシモツケソウが花をつけ始めていた。風が強かったのでうまく写ってないですが…
調子ヶ滝の右岸側の斜面を巻き上り,調子ヶ滝の落ち口に到着。
調子ヶ滝の右岸側の斜面を巻き上り,調子ヶ滝の落ち口に到着。
調子ヶ滝の上はゴルジュ地形となっており,すぐに3mほどの滝が。いい感じじゃないですか。嬉々として直登していく。
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調子ヶ滝の上はゴルジュ地形となっており,すぐに3mほどの滝が。いい感じじゃないですか。嬉々として直登していく。
ゴルジュはまだ続く。おっ,奥にも滝が!
ゴルジュはまだ続く。おっ,奥にも滝が!
3mほどの滝。この滝もホールドが多くて,冷たい水を浴びながら楽しく登れる。
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3mほどの滝。この滝もホールドが多くて,冷たい水を浴びながら楽しく登れる。
斧研川,なかなかいい感じじゃないですか。これは当たりかも?
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斧研川,なかなかいい感じじゃないですか。これは当たりかも?
この小滝も越えると…
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この小滝も越えると…
谷は少し開けて,穏やかな河原状に。しかし周囲は緑あふれる自然林で,悪い気はしない。
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谷は少し開けて,穏やかな河原状に。しかし周囲は緑あふれる自然林で,悪い気はしない。
梅雨時の山のともだち,コアジサイさん。
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梅雨時の山のともだち,コアジサイさん。
周囲は草付きとその上の樹林で,北国の沢の様相。
周囲は草付きとその上の樹林で,北国の沢の様相。
おっ,また奥に滝の気配が。しかも二条。
おっ,また奥に滝の気配が。しかも二条。
左右に分かれた二条の滝。メインの左は10mほど,右は8mほどか。
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左右に分かれた二条の滝。メインの左は10mほど,右は8mほどか。
左の10m。頑張れば登れそうだが,水勢が強い…
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左の10m。頑張れば登れそうだが,水勢が強い…
右の8m。こっちはツルツルで無理。
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右の8m。こっちはツルツルで無理。
右岸から急斜面を灌木頼りに高巻いて,10m滝の上に立った。落ち口から見下ろすと,10m滝の上には5mほどの滝が連なっているようだった。
右岸から急斜面を灌木頼りに高巻いて,10m滝の上に立った。落ち口から見下ろすと,10m滝の上には5mほどの滝が連なっているようだった。
この先は平流が続くが,散発的に出てくる小滝を越えていく。
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この先は平流が続くが,散発的に出てくる小滝を越えていく。
登れる滝が多いのは嬉しいね。
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登れる滝が多いのは嬉しいね。
と,460m二俣。なぜかここだけ伐採が入っており,植林も見られる。ここまで自然林だったので,突然の変化にちょっとびっくりした。
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と,460m二俣。なぜかここだけ伐採が入っており,植林も見られる。ここまで自然林だったので,突然の変化にちょっとびっくりした。
右俣に入ると,すぐに自然林に戻り,一安心。
右俣に入ると,すぐに自然林に戻り,一安心。
特に左岸側に高い岩壁が見られ,小さい沢の割には気分が盛り上がる。
特に左岸側に高い岩壁が見られ,小さい沢の割には気分が盛り上がる。
ウツギの白い花が頻繁に見られた。
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ウツギの白い花が頻繁に見られた。
ショウマのどれかだと思う…
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ショウマのどれかだと思う…
と,ここで衝撃の展開! 何の前触れもなく,巨大な堰堤が出現。ここまで気持ちのいい沢だったのに…大きな減点だ。これ,必要かなぁ…とぶつぶつ言いながらも右岸から適当に巻き。
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と,ここで衝撃の展開! 何の前触れもなく,巨大な堰堤が出現。ここまで気持ちのいい沢だったのに…大きな減点だ。これ,必要かなぁ…とぶつぶつ言いながらも右岸から適当に巻き。
堰堤を越えたあとは,すぐに元の沢に戻ったので安心した。しばらくは平流歩き。
堰堤を越えたあとは,すぐに元の沢に戻ったので安心した。しばらくは平流歩き。
この小滝を越えると,ちょっとしたゴルジュに。
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この小滝を越えると,ちょっとしたゴルジュに。
細いミニゴルジュを進む。
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細いミニゴルジュを進む。
ミニゴルジュ出口の滝。両側は高い壁で高巻きは難しいため,この滝を直登するしか手はない。滝を登ること自体は簡単だが,全身シャワー必至。なかなか楽しませてくれるね〜。
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ミニゴルジュ出口の滝。両側は高い壁で高巻きは難しいため,この滝を直登するしか手はない。滝を登ること自体は簡単だが,全身シャワー必至。なかなか楽しませてくれるね〜。
ミニゴルジュを抜けると,水も細くなり,ガレ谷の様相を呈してきた。そろそろ終わりかな…
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ミニゴルジュを抜けると,水も細くなり,ガレ谷の様相を呈してきた。そろそろ終わりかな…
と思ったら,岩壁に囲まれた雰囲気のある8mほどの滝が出現。左岸から巻き。
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と思ったら,岩壁に囲まれた雰囲気のある8mほどの滝が出現。左岸から巻き。
オオバギボウシのお花。
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オオバギボウシのお花。
この後もちらちら小滝が。これがツルツルの難物でして…。
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この後もちらちら小滝が。これがツルツルの難物でして…。
高巻きもホールドが乏しい草付き急斜面なので結構大変。ここらへんの詰めの嫌らしさは雪国独特やね。そう考えると,マキノあたりはやっぱり立派な雪国なんだなぁ…
高巻きもホールドが乏しい草付き急斜面なので結構大変。ここらへんの詰めの嫌らしさは雪国独特やね。そう考えると,マキノあたりはやっぱり立派な雪国なんだなぁ…
またまた出たツルツル小滝。高巻きが面倒そうで,これは根性を出して直登。
またまた出たツルツル小滝。高巻きが面倒そうで,これは根性を出して直登。
周囲は気持ちのいい草原状となり,穏やかな源頭を迎えた。ガスが晴れないかな…。
周囲は気持ちのいい草原状となり,穏やかな源頭を迎えた。ガスが晴れないかな…。
突然現れる白い大岩。
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突然現れる白い大岩。
源頭に入ってから沢筋にロープやプラスチックなどの土木系のゴミが多く,気になっていたのだが,この土留め工を見て疑問が氷解した。この沢の源頭の山腹では,過去に土留め工事が行われたのだ。明王の禿とかもあるし,この山域の琵琶湖側は崩壊が激しいのかもしれない。治山工事には頭が下がるが,ゴミは片付けてほしいな…。
源頭に入ってから沢筋にロープやプラスチックなどの土木系のゴミが多く,気になっていたのだが,この土留め工を見て疑問が氷解した。この沢の源頭の山腹では,過去に土留め工事が行われたのだ。明王の禿とかもあるし,この山域の琵琶湖側は崩壊が激しいのかもしれない。治山工事には頭が下がるが,ゴミは片付けてほしいな…。
このまま穏やかな詰めを迎えるかと思ったら,今度は結構長いナメ滝が出現してびっくり。これはツルツルでとても登れないので,右岸草付きを高巻き。
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このまま穏やかな詰めを迎えるかと思ったら,今度は結構長いナメ滝が出現してびっくり。これはツルツルでとても登れないので,右岸草付きを高巻き。
そのまま,気持ちのいい草原を歩いて稜線へ。藪漕ぎなしで稜線に出られるのは美点だ。これで晴れていたら,琵琶湖の眺めも素晴らしかっただろうなぁ…
そのまま,気持ちのいい草原を歩いて稜線へ。藪漕ぎなしで稜線に出られるのは美点だ。これで晴れていたら,琵琶湖の眺めも素晴らしかっただろうなぁ…
稜線の登山道に出た。残念ながら濃いガス。
稜線の登山道に出た。残念ながら濃いガス。
琵琶湖の眺めを楽しみにしていたので,残念だが,ガスが行き交う草原状の稜線を大谷山方面へ向かう。
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琵琶湖の眺めを楽しみにしていたので,残念だが,ガスが行き交う草原状の稜線を大谷山方面へ向かう。
この稜線はやっぱり気持ちがいいねぇ。
この稜線はやっぱり気持ちがいいねぇ。
寒風に到着。本来ならこのピークも琵琶湖が絶景のはずなんだけど,残念ながらガスが取れない。
寒風に到着。本来ならこのピークも琵琶湖が絶景のはずなんだけど,残念ながらガスが取れない。
下山は寒風ピークから南に流下している沢を下降することに。登山道の付いている尾根の右手の斜面をガサガサと下降していく。
下山は寒風ピークから南に流下している沢を下降することに。登山道の付いている尾根の右手の斜面をガサガサと下降していく。
すぐに沢筋に降り立った。
すぐに沢筋に降り立った。
周囲はブナの森で爽快。
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周囲はブナの森で爽快。
この沢(谷名不詳)は,こんな小滝も出てくるものの…
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この沢(谷名不詳)は,こんな小滝も出てくるものの…
すぐに植林で荒れてしまい,大変残念なことに。沢筋を下降する意欲を失くしてしまい,途中で登山道に登り上げた。
すぐに植林で荒れてしまい,大変残念なことに。沢筋を下降する意欲を失くしてしまい,途中で登山道に登り上げた。
マキノ高原に帰ってきました。下山したら急に晴れてきた。登山あるあるすぎる。
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マキノ高原に帰ってきました。下山したら急に晴れてきた。登山あるあるすぎる。

装備

備考 沢足袋使用。ロープなど沢登りの基本装備は携行したが使う場面はなかった。ただし,ミニゴルジュの通過や滝の高巻きで急斜面の箇所もあるので,念のため装備は整えて入渓したほうが良い。

感想

 マキノ高原の背後にある三国岳〜赤坂山〜大谷山の山並みは,草原状の稜線と琵琶湖の眺めが美しく,夏はハイキング,冬は雪山登山・山スキーと関西在住の山好きには馴染み深い山域だと思うが,沢登りと言う点では福井県側の耳川流域(うつろ谷や湯の花谷,割谷など)が登られているだけで,滋賀県側の沢はどうなんだろうと思っていた。地形図を見ると結構等高線も混んでいるし,調子ヶ滝という名のある滝もあるしで,もしかしたら割と楽しめるのでは,と思って今回入渓してみた。
 斧研(よきとぎ)川は,マキノ高原のキャンプ場の中を流れており水遊びで親しまれている川で,上流の調子ヶ滝はそれなりに有名で散策道も整備されている。その調子ヶ滝を越えて入渓してみると,梅雨時のみずみずしい緑にあふれた自然林の谷が迎えてくれた。平流区間がやや長いものの,ちょっとしたゴルジュや登れる滝もちょこちょこ出てきて,さすがに規模は小さいが,それなりに楽しめる沢だと思う。途中で巨大堰堤が出てきてしまうのと,源頭部で過去に土留め工事が行われており土木系ゴミが散見されるのが誠に残念だが,明王の禿を持ち出すまでもなく,この山域の滋賀県側の谷はガレやすく,それで沢登りがあまり行われていないというのもあるのかも知れませんね。
 この稜線にふさわしく,詰めは草原状の気持ちのいい源頭で,晴れてさえいれば(そう,晴れてさえいれば…今回はガスっていて残念),素晴らしい琵琶湖の眺めを背景にして稜線へと上がれるでしょう。楽しい半日でした。

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