雪の中 遠路はるばるやってきた継子(岳)を受け入れなかった継母(岳)


- GPS
- 10:36
- 距離
- 17.2km
- 登り
- 1,799m
- 下り
- 1,798m
コースタイム
天候 | 早朝曇り、のち快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
状況は入山日、時間によってかなり異なりますので、的確な判断と行動できる能力が要求されます。 |
写真
さすがにスキー滑降はエクストリーム度高かったです。
感想
このところ御嶽山を続けて登り、剣ヶ峰、摩利支天山、継子岳は登頂を済ませたけど、継母岳が残っていました。
今日はそれをやっつけに行くことにしたのですが、剣ヶ峰から継母岳に行くのでは近すぎて面白みがないので、やはり一番端と端に配置された継子岳から継母岳を狙うというマニアックなプランにしました。
継子岳スタートであれば、チャオ御岳か濁河温泉ルートなのですが、帰りにベースまでスキーで滑れるチャオにしました。早朝からのスタートなので、ゴンドラの利用は諦めて、1時間少々かけて登ります。
前回、スキーで継子岳登頂を果たしたのですが、やはりスキーだと急斜面の登りでは時間がかかります。そこで今回はアイゼンとピッケルというオーソドックスな道具で、直登することにしました。
スキーより楽とは言えやはり急斜面の雪の登りですからハードには変わりありません。しかも今日は強風、油断していると飛ばされそうなくらいです。必要以上にエネルギーを要します。
時に四つ足で登りつつも、何だかんだ行って継子岳には駐車場から3時間半くらいで登頂です。スキーの時は4時間でした。山頂ももちろん強風なので写真撮ってる余裕はあまりないのですが、何とか虫ポーズだけは撮りました(笑)
さてここからはシールをはがしたスキーで摩利支天乗越までの稜線の少し下をトラバース滑りし、後でシールで登り返します。飛騨山頂から摩利支天乗越へはこれで3回目ですから、勝手知ったる自宅みたいなもんです。
さて摩利支天山へは強風もあるので止めておこうと思っていたのですが、稜線の南側(山頂への夏道側)に出ると風が弱まったので、ついついクトーを効かせたシールのまま夏道に沿って摩利支天の稜線に向かいました。こちらの方が楽ですね・・・核心部もないし。
摩利支天山へは特に問題なく到着。また来ました。でもさすがに強風なので、この狭い山頂では危険、少し戻って安定した場所でシールを剥がします。となると前回ドロップインしたところより乗越寄りのところからドロップインとなるのですが、これがちょっと楽すぎたというか、アドレナリンが分泌しませんでした。後半の雪の稜線を越えた後の方が斜度が強かったくらいです。
ここからは賽の河原を通過して継母岳のコルに向かいます。このトラバースはスキーでないと難しいものですが、スキーでもやっぱり難しい。岩稜帯の通過で下手に滑落するとそのまま三途の川まで落ちてしまいます。なかなかスリリングなトラバースでした。
強風が追い風なので、青氷の斜面なら風に押されて勝手に進みます。もともとは登り返しを予定していたのですが、強風のお陰?で登り返しなしでコルにまで到着しました。
ここからいよいよ継母岳の攻略です。基本的には左に巻いて登るので、それらしいルートを見て再びアイゼンとピッケルの体勢に入ります。どう見てもスキーで滑れそうな感じではないのですが、山スキーヤーの端くれですし、一応スキーは背負って行きます。
最初は急斜面の登りで、右手にピッケル、左手にピックストック、足には兼用靴にアイゼンという装備でよじ登ります。完全に登攀の世界です。さて山頂まで標高差30mと言ったところで、斜度が80度くらいの壁になってしまい、雪は一部ザクザクで止まりが悪い、しかも強風で揺らされると危険極まりない状況でした。もう少しだけハイマツを掴みながら少し登ってみたのですが、もう絶壁で不可能、ロープで確保されてないと危険と判断してそのまま下ることにしました。
下ると言っても登攀してきたわけですから「攀じ下る」というのが正解です。下りの方が怖いし。何とか滑落せずに岩陰のほんの少し広いところまで戻ったので、スキーを履くことにしました。急斜面はアイゼンで下りるよりスキーで滑ったほうが安心なんです(笑)
とは言えこの急斜面の途中にある狭〜いスペース、スキーを安定して置くこともできないのでスキーを履くのも大変です。一瞬スキーを落としそうになりやばかったですが、何とか耐えました。
さあてスキーを履けばもう70度か80度か分からないですが下りるだけです。ただ狭い斜面なので、一部斜滑降を交えての下降になりましたが。最近エクストリーム度が高まってるような気がします・・・。
結局継母には会えず、継子岳まで4.5kmの道のりをトボトボとシールをつけてトラバースして戻ります。ここのトラバースも40度くらいの斜面なのでなかなかスリリング。
トラバースが終わると賽の河原、ここから摩利支天乗越に向かって登り、そしてシールを剥がして継子岳への稜線を滑ります。北側斜面なのでまだ固いですが、よしとしましょう。斜度がなくなれば、シールを装着します。
足跡は1人分の往復が濁河ルートから継子岳までありました。GW明けすぐの週末、おんたけ2240の営業終了、強風という人が少ない条件を多く満たしていましたが、結局山では誰にも(雷鳥にも)会いませんでした。
継子岳に戻って、そこからは前回狙っていたチャオに向かってのルンゼ斜面を滑ります。ここも平均40度、最高55度という斜面でしょうか。幸い雪が緩み出していたのでスピードコントロールもしやすく快適でした。
終わってみれば継母岳は撤退、行程は20kmで10時間半の山行になりました。筋力をほぼ使い切った感があります。体力はまだまだ余裕がある感じです。
継母岳って残雪期に登れるんでしょうか?今度無雪期に登って、来シーズンのための下見をしようかな、とか考えています。
誰もこんなマニアックな山行の真似をしないと思いますが、万が一チャレンジされる方がおられれば相談には乗りますよ。
継母岳と継子岳の伝説についてはこちらをご覧ください。
http://www.ontakejinja.jp/densetu.html
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