御嶽山・継母岳 50歳の挑戦▲好ルチェック 〜全山縦走ならず〜
- GPS
- 09:19
- 距離
- 12.2km
- 登り
- 1,403m
- 下り
- 1,387m
コースタイム
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
危険な場所は特になし。田ノ原山荘二階食堂の自販機には「ノンアルコールビール」があります。車を運転する自分にとってはありがたかったです。300円はちょ〜っと高すぎましたが…。 |
写真
感想
今年の夏は雨が多い。こんな夏は「昭和58年」と「平成7年」くらいしか記憶にない。昭和58年の記憶ははっきりしており、8月3日まで山は毎日雨が続き、それから暑い夏山が始まった。結局、北陸地方には「梅雨明け宣言」がなされないまま秋になった。
今年は、もしかすると昭和58年以上の異常(?)な夏だったのかもしれない。なかなか夏らしい夏が来なかったので、7月下旬に計画していた2泊3日の山行を取りやめた。せっかく「面倒な会議」を「研修扱いの欠席」にできたのに… と残念な気持ちもあったが、それならということで残ったもう一つの3000m峰:御嶽山に行くことにした。
18歳から本格的な登山を始め、就職した24歳頃からはほとんど行かなくなってしまった。昨年に大きなことがあり、自分の山行に一区切りを付けるために山を再開した。今年のテーマは、国内3000m峰の「残り5座」すべてに立つこと。「御嶽山(3063m)」「北穂高岳(3106n)」「涸沢岳(3110m)」「奥穂高岳(3190m)」「前穂高岳(3009m)」をどの順番に登るべきか悩んだが、この記載順になる。
御嶽山(剣ヶ峰)に登るだけじゃもったいないと思い、「継母岳」「摩利支天山」「継子岳」を含めた全4峰に挑戦し、今の自分の技術や体力、気力、そして「判断力」をチェックしようと決めた。それで「50歳の挑戦 スキルチェック」とした。
8月11日(月)午前2時前に長野の自宅を自家用車で出発した。夜空を見上げても… やっぱり星は見えない。そして、御岳(大滝村)は遠い。飛ばしまくっても3時間以上はかかる。おまけに、「県道256号線の橋梁工事による通行止め(御岳湖の対岸を迂回する)」表示を見落としてしまい30分以上の時間ロス。同じような車が数台ありましたが…。4時30分には歩き出そうと思っていたが、5時過ぎになってしまった。看板や標識にも注意を払わなければならないと深〜く反省。
田の原駐車場は広く、5時頃は空いていた。ただ、ブヨというのかまとわりつく虫がしつこい。そんでもって、登山用に新調したソックスをはき、四半世紀愛用している重登山靴を素早く履いて逃げ出す。なお、この新調したソックスは昨晩初めて封を切った。そうしたら… なんたることか… サイズの表示が「22〜24cm」。「おれは26.5なんだけど…。」と石で殴られた感じで落ちこんでいると…「大丈夫、だいじょ〜ぶ。パンツとソックスは伸びるもんなのよ。」と奥様が一言。妙に納得してしまった。
午前5時06分、登山口の鳥居をくぐる。全身白装束・部分白装束の御岳講の団体をすり抜けながら御嶽神社の田の原社務所や行御嶽神社遥拝所がある参道を進む。いつもスタートで急いでしまうので、意識してゆっくり歩を進める。良く整備されたゆるやかな登山道を登り、赤土が露出した「あかっぱげ」で最初の休憩をとった。30分のこのペースが吉と出るかどうか、この時点では分からない。
「あかっぱげ」を過ぎると周りの木の高さが低くなり、八合目金剛童子あたりで森林限界になって完全に展望が開ける。中央アルプスや南アルプスが墨絵のように美しい。田ノ原駐車場が思ったより下に見えた。ただここからは八合目や九合目の表示が何回も出てきて混乱したので、周りの地形や地図から標高を推定した。イワギキョウの青色が美しい。6:20富士見石、6:32一口水、6:43九合目石室を通過する。
午前7時07分、大滝頂上。御岳神社を過ぎると眼前に見える景色は変わる。今まではある程度の緑色(植物)はあったが、ここから見えるのは一面の黄土色。信仰心で登ってきたわけではないが、御嶽山が信仰の対象になったのが分かるような気がした。何となく「立山(地獄谷・浄土山)」と同じ雰囲気を感じるが、「白山」とは違う感じがした。風も強くなり、体感温度が下がる。
御岳剣ヶ峰山荘、御嶽頂上山荘の二軒の山小屋を越えて出てきた「石段」にやられ一気に息が上がる。そして、午前7時31分に第1峰目の剣ヶ峰に到着。乗鞍岳や穂高の山並み、槍ヶ岳が眼前に現れ、カンド〜。9月には穂高に立つ決意が固まる。早々に剣ヶ峰を離れ、右手に一の池、左手に地獄谷を見ながらお鉢を時計回りに周りながら継母岳に向かう。
7時50分、継母岳の分岐に到着。単純に300m下って、最低鞍部より150m登り返す。300m下るってことは、300m登り返さなければならない。思ったより高低差が大きく感じる。行動食を食べながら、かすかに残る踏み跡を目でたどりながらルートを探す。この分岐点からの下り始めは岩に隠れてたどれないが、鞍部から手前にルートをたどると、少しお鉢をまわりすぎた感じもするので、下り始めからは左に行くことを確認する。8時00分、ちょっとドキドキしながら継母岳への一歩を踏み出す。踏み跡が途切れるが、ケルンや蛍光テープ、継母岳や鞍部を視野に入れながら浮き石に気をつけて進む。思ったより歩きやすさを感じた。
8時22分に継母岳鞍部に到着し、一息ついて登り始める。何となく踏み跡(?)っぽいルートをたどると、1つめの岩峰(岩場)に達する。先人の記録を見ると「右は危険」とあったので迷わず左にまく。スムーズに越えられたのでちょっと嬉しくなる。続いて、頂上直下の岩場に出る。ここも「右は危険」の教えに従って左にまくが、2本のクラックがあってどっちを行くべきか悩む。結局直登に近い右の急なクラックを選んだが、その先でひょっこり稜線に出てしまった。右方向に祠があるので、直下の岩場で左側の緩やかなクラックを選ぶとだいぶ遠回りになるのかもしれない。
8時52分、第2峰目の継母岳に立つ。結構切り立ってて、●●がちぢこまる。けれど、雲一つない晴天と雲海が見事で、乗鞍・槍穂から左に視線を回すと白山の頂きだけが見える。誰もいない山頂は大変気持ちイイ。昨年の槍ヶ岳もそうだったけど、一人で独占できるって本当に気持ちイイ。
継母岳から見返す御嶽山は大きい。鞍部から登り返す300mがとてつもなく高い。多少暗い気持ちになりながら、9時03分に腰を上げた。登った岩場を着実に下り、鞍部から登り返す。お鉢直下を除けば足場は安定しているので歩きやすい。歩きやすいと言っても大変しんどい。ケルンや蛍光テープを見つけてはそこまで歩き、見つけるという理由付けで休んでは次の目印まで歩く。その繰り返し、繰り返し。直下はガレていて、もっともっと苦しい。ハアハア言いながら、10時52分に分岐点に戻った。2度と継母岳に行くことはないだろうと思った。
第3峰目の摩利支天山に向かってお鉢周りを再開した頃から頭痛を感じ始めた。寝不足か? 体力の限界か? まさか高山病かぁ? と悩んだが、次回から「バファリンを持参する」と反省して歩き続ける。
二ノ池新館の脇を通ってサイの河原を横切り、避難小屋に11時41分に到着した。摩利支天山の往復に小一時間、継子岳は2時間、下山で2時間とすると、登山口に戻るのが午後5時になる。そこから3時間半の自動車の移動を考え、下山することを決めた。4峰全部は無理でも摩利支天山ぐらいは充分往復できるが、これまでの一番の反省である「余裕ある下山」のために下山を決めた。「勇気ある撤退かぁ?!」と言いながらも「摩利支天山と継子岳にも2度と来ないだろう。」との思いはあり、「日和った」の思いは強い。だが、悔しさはあまりなく、今の自分には最高の判断だと思える。
12時03分に下山を開始し、二ノ池本館脇を通過する。13時15分に大滝頂上を通過して14時25分に登山口に戻った。何となく満足感が感じられ、ビールが飲みたくなった。田の原山荘の売店の方にダメモトでノンアルコールビールがあるかどうかを尋ねた。二階の食堂の自販機にあるかもしれないと言われたので行ってみると… ありました。1本300円。本気で高いなぁと感じたが、(気持ちだけ)ビールで祝杯を挙げたい気持ちだったので飲んだ。旨かった。15時前に田の原駐車場を出発し、18時に帰宅できた。
御嶽山はいろんな魅力があるすてきな山ではあるが、遠すぎる。往復7時間の移動を考えると、日帰りには厳しい山である。当分登ることはないだろうと思う。でもいつか、時間の余裕が生まれたときに1泊2日で摩利支天山と継子岳に行ってみようかなぁ。
今回の山行での反省と課題、成果を記す。
/紊2.5ℓ用意したが、すべて飲み尽くしてしまった。トイレは3回で、 確かに暑かったが2.5ℓは飲み過ぎに思われる。身体つくりが不十分なのかもしれない。7月下旬の山行をやめてからトレーニングを怠っていた。
靴連れは兆候も含めて一切なかった。登山用のソックスは有効であった。蛇足ではあるが、やっぱりソックスはパンツと同じで伸びることが証明された。
ツェルトや簡易コンロなどビバーク用品は携行したが、痛み止めや頭痛薬などの準備をしていなかった。今後はバファリンなどの痛み止め、腹痛や下痢止めの薬品、テーピングなどを携行する。多少のアルコール類も検討する。
さ宅した状況から、下山の判断は正しかった。もしかすると、二ノ池新館で判断すべきだったのかもしれない。1時間+αの時間(余裕)が生まれたはずである。
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