【クマと遭遇】木曽駒ヶ岳福島Bコース〜クマと悪天候で途中敗退〜
- GPS
- 11:16
- 距離
- 11.2km
- 登り
- 1,336m
- 下り
- 1,315m
コースタイム
- 山行
- 10:14
- 休憩
- 1:00
- 合計
- 11:14
天候 | 曇り時々雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
台数はかなりとめられる。トイレの建物は廃墟で使えない。駐車場手前の100mほど未舗装。未舗装部分は一部荒れていて段差あり |
コース状況/ 危険箇所等 |
●クマと遭遇!!!クマ出没注意● 八合目の先でクマと遭遇。時刻は14時すぎ。登山道を茂みの向こうからクマが歩いてきたところに鉢合わせ。目は合いましたが見逃してくれました。茂みの向こうから上半身だけしか見えませんでしたが人間の成人くらいの大きさだと思います。子連れだったのか単独だったのかはわかりません。 位置は私の地図上の端(クマと遭遇して向こうが登山道を歩いてきたので引き返したため今回の山行の一番山頂よりの地点)。 茂みの向こうからでてきたところに鉢合わせしてしまったので距離10m前後とかなり至近での遭遇をしてしまいました。 雨が強くなってしまい視界も悪い中、先に進むか引き返すかを考えつつ歩いていると反対側からやってくる何かの気配があり、人ならこの先のコース状況を訪ねようとすこし広くなった場所で立ち止まって待っていたところ、茂みの向こうからクマの顔が出てきて目が合いました。 登山道をそのままこちらにゆっくりくるようだったので慌てて引き返しました。 幸い見逃してくれたようで追いかけては来なかったので助かりましたが気をつけてください。 コースの先の様子を見ようと同行者よりやや先行して一人で歩いている状態だったのと、相手が人間なら広い場所ですれ違おうとこちらがしばらく立ち止まっていたのでクマも目が合うまで私には気づいていなかったようです。 ・福島Bコースは人はある程度いますがあちこちで崩れたり幅が狭くなっているところあり。ある程度の整備はされていますが歩きやすい道ではないです。 |
その他周辺情報 | 国道19号と交差するところの喫茶フルハウスのナポリタンがレトロな鉄板ナポリタンで◎ |
写真
感想
クマとあんな至近で遭遇してしまい見逃してもらえただけでも幸運だったのかもしれません。
10mほどの距離での鉢合わせはさすがに体がこわばってしまい怖かったです。
・・・
まず、結果から言えば山頂まで到達できず途中リタイアだし悪天候で景色もロクに見られなかったし散々な山行となってしまいましたが、クマと遭遇しても怪我なく無事おりて来られただけでも良しとしなければならないですね。
・・・
さて、本来は実は八ヶ岳エリアにむかい今回は赤岳に登る予定だったのですが前日の天気予報がにわかに怪しくなって代替プランを練り始めたのは前日のことでした。悩んでいた鳳凰三山の地蔵岳も魅力的でしたが韮崎の天気予報が午後雨になったことで代替候補からは外れました。
前夜の予報で八ヶ岳エリアの発雷確率が高くなり、気象庁も平野部では広く晴れるも山間部ではところにより雷雨の予報をだしてきました。
前日時点での予報は晴れ時々雨、午後の八ヶ岳周辺は降水確率も60%とかなり高い予報で予定の変更はやむなしと考えました。
代替案で伊那エリアまでおりれば降水確率も前日夜の予報では20%、八ヶ岳と比べると日中もやや曇りがちではあるが発雷確率も低く、降水確率も気象庁、ウェザーニュース、気象協会いずれの予報をみても概ね20%から30%。てんくらは木曽エリアの山は全ての時間帯でA判定。ウェザーニュースは木曽福島町は朝曇りのち晴れ。日中は日差しが強く雲が多くなってもそれほど大きな崩れにはならないと予報していました。気象庁や日本気象協会は木曽周辺は雲がやや厚く曇りがちになる可能性を指摘していましたが概ね降水確率が低かったこともあり、結局はウェザーニュースのこの晴れ予報にかなり引っ張られてしまいました。
ロープウェイには基本的にはあまり頼らない主義なので今回もロープウェイはなしでいこうと福島Bコースを選択。ロープウェイをつかって千畳敷から登るのは歩く楽しみが減っちゃうので歩く楽しみ満点なコースにしました。
ただ前日に慌てて組んだ計画でもあるので時間計算がやや甘い計画になっていたのかもしれません。
さて、朝6時まえに現地到着。朝の天気予報をみてもてんくらはA、ウェザーニュースは晴れ。ただし気象庁と気象協会は雲多く午後雨の可能性。周りには車も数台。
車中で朝ごはんと身支度を整えてスタートです。
この時点ではやや雲多いものの山のてっぺんまでよく見えて、天気よさそう。と出発。汗ばむ陽気
と思ったのも束の間、登り始めて1時間ほどで、にわかにガスが濃くなって急に暗くなって風が吹いてすこし寒い。
このあとはずっと曇りがちで時折日が差す時間はあっても基本的には曇りです。
お花は様々咲いていて心をなごませてくれ、キノコ類も豊富でみていて楽しいものの、ずっとガスで白い樹林帯の中を歩き続けるのはどうにも足取りが重くペースがイマイチあがらぬまま4合半。地図上では5合目表記ですが現地看板では4合半、ここベンチあります。
その後もイマイチペースをあげられぬまま7合目まで歩いてきて避難小屋のところまでくるのに結構時間を食ってしまいました。
とはいえまあまだ山頂を目指すことはできる時間。休憩も早々に出発します。
ところがここから先は地図上の標高差もなく、等高線をみるにほぼ横移動だからペースあげられると予想して歩き始めたものの、道幅はかなり狭く、何ヶ所か登山道が崩れている箇所や大きな段差がある箇所などが連続していて思ったようにはペースあがりません。
結局山姥まできたところで正午を回ったので、このペースだと山頂着は13時半はすぎるだろうと思い、このあたりの見晴らしのいいところでお昼ごはんを食べることにしました。
お昼を食べていると雲が晴れてようやくむかいの茶臼山もよく見えるようになり、このまま晴れてくれるかな、と思ったのも束の間お昼を食べ終わる前に小雨がぱらつきはじめて嫌な感じ。
雨もふってきたしここでリタイアにしてもいいけれどごはんを終えて身支度整った段階で13時。そのうちに小雨は止み、また晴れ間が広がりはじめました。
山頂まで行くかは悩ましい時間帯になってきましたがコースタイムを計算していけるところまでいってせめて牙岩を見て帰ろうか、という話になりました。
さて、そうして再出発。
このあたりがそれにしてもまあまあ険しい道が連続していて歩けるけれど思ったほどペースあがらないうちに八合目。
このあたりでにわかにガスが濃くなったかと思うと黒雲がわきあがり結構強めに雨が降ってきてしまいました。
これは弱ったとは思いましたが強めとは言っても即時打ち切りを考えるほどの雨ではなく、時折雲が切れて青空も見えるのでここは一時ペースを落としつつ様子を見ながら進んでみてダメそうならそこでリタイアやむなし、と決断。
このあたりで旦那が疲労してきたのでちょっと先いって様子見てきてよ、とのこと。
なので私が先行して先の様子を見て、状況次第でどこかキリのいいところで引き返す、そういうことにしました。
クルマユリなど山らしいお花も数多く咲き、目は楽しませてくれます。しかしアザミがかなり深く茂っているのであちこちチクチク。
そうして私が旦那より50mくらい先行して歩いていました。
14時をすこし過ぎた頃、登山道がやや広くなっている箇所に到着。
向こうから枝を折りながら何かが近づいてくる気配がありました。
私は他の登山者さんが向こうから歩いてきたのかなぁ、と思っていました。
枝が踏み折れる音が聞こえていたのでもしかすると複数人かもしれない、くらいのことは思っていました。他の登山者さんなら先の様子を聞いて、この先の道の険しさ次第ではここで引き返そう、などと思いながら挨拶するタイミングをみようかな、とすれ違いを待っていました。
ん?と思ったのは最後の最後の茂みの木が妙に揺れたことでした、人じゃない感じの木を押しのける歩き方。
咄嗟に獣だ、と思いました。頭の中で過去に遭遇したカモシカやシカとは違う動きなのは直覚しました。
過去の遭遇経験からいえばイノシシのような動き方。
まずいかもしれない、と後ずさりをした瞬間、
茂みの向こうから黒い頭がニョキっとのぞきました。先に耳が見えてそのあと鼻が突き出してきました。
そしてゆっくりその顔がこっちを見ました、刹那、はっきり目が合いました。
距離はわずかに10mほど。
一般にクマと12m以内で遭遇すると非常に危険とされる距離です。
クマと遭遇自体もはじめてでしたがまして至近で目があったのは初めての経験。ここまではっきりお互いの顔が見える距離だとクマと遭ったときの心得よりもなによりも恐怖が私を支配しました。
足はこわばり、体は震え、冷や汗が噴き出し、声すら出せない。とにかく怖い。相手がその気になればあっという間に餌食になる間合い。怖い。
興奮させないようにゆっくり後ずさり、ができていたかはわかりません。
とにかく逃げたいこの場を離れたい、襲われたらどうしよう、もしかしたら死ぬかもしれない、怖い。
そんなことで頭がいっぱいでした。
後ずさりするように木の影まで下がったあとそのまま一目散に逃げてしまいました。逃げる最中にも、もしかしたら恐怖に駆られて逃げているこの動作自体がクマを刺激しているかもしれないとか、理性はそう頭の中で言うのですが本能的恐怖で逃げるのに必死でした。
振り返ると追っては来ていなさそうでしたがその気になれば向こうはあっという間に追いついてこれる距離なので木の向こうから現れないか怯えながらの逃避行。
50m少しを逃げたところで後ろから来ていた旦那にクマだ!逃げろ!と言い二人で200mくらいは逃げました。
ある程度逃げたところで振り返っても気配はなかったのですこし落ち着きを取り戻しつつ、もはや登山道をクマが向こうから歩いてきてしまった以上は当然ここで登山は打ち切り。リタイアです。
山姥まで戻るとまた晴れ始め、7合目避難小屋までついたときはホッとしました。ここまで戻ると暑い日差しの照りつける夏の山でした。
結局なんの収穫も得られなかった敗退の帰路はただただ徒労感とたまりにたまった疲労で足取りは重かったですがこの先は特に難所もなく、山頂までたどり着けなかった敗北感に包まれつつも無事、まだ日が結構あるうちには下山できました。
下山して我が家の車が見えたときには安心感やらなんやらでどっと疲れが体から溢れてきましたがクマと遭った上に悪天候に見舞われつつ怪我一つなくおりて来られただけでも今回は良しとしましょう。
クマは基本的には夜行性ないし薄明薄暮性で真っ昼間にはあまり現れないと高を括っていたかもしれません。しかし実際には天候が曇りがちで薄暗い日などは日中でも盛んに行動する場合もあるようです。みなさんも十分お気をつけください。
達成感も何もありません。敗退です。景色もロクに見られずただひたすら苦行でした。でもまあ無事におりてこられてこその登山ですから…。
コメント
この記録に関連する登山ルート
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何もなくご無事でよかったです。
クマと鉢合わせは生きた心地がしませんよね。
以前、自分も登山道で鉢合わせで同じようにクマの方が茂みに逃げたので無事
でも、その後は1H位は何だか落ち着かず、ゾクゾクが止まりませんでした。
このコース
今日、TJARの選手が通過しているはず
クマさん出て来ちゃだめですよ。
コメントありがとうございます。
至近距離での鉢合わせは本当に生きた心地がしませんでした。
クマさんは遠目に見るのもちょっと遠慮したいくらいですがこんなに近くではっきり目があってしまったのは恐怖以外なにものでもなかったですね、、、幸い見逃してもらえて怪我もなく逃げられたのは幸運でした。
しばらくは後ろからついてきていないかビクビク怯えながら歩いていました。
昨日は天候も悪く他の登山者さんもかなり少なかったからクマさんの方ももあんまり人間のいない日だと思って向こうも油断して(?)登山道近くまで来てしまっていたのかもしれません。
一応登山道入口看板で連絡先となっている役場の窓口には電話でクマ出没情報は連絡しておきましたので注意喚起の情報共有はされるかと思いますが、やはり山は彼らの場所であり、いくら登山道といえど人間はお邪魔させていただいている身なのだと思い知らされましたね。
私は3年前同じルートを登りました。
その時、実際熊には遭遇しませんでしたが、同じ付近で鳴き声(らしき)と獣臭は体験しました。
付近は縄張りのようですね! 熊さんはほんと願い下げです。
こんにちは。コメントありがとうございます。
どうやらこのあたりはクマさんの縄張りエリアのようですね。登山道を向こうから歩いてきたようだったのでもしかするとクマも登山道を道として利用しているのかもしれません。
福島Bコースは人通りもないわけではないもののロープウェイで登られる方たちのルートから外れていることもあって人が多いわけでもないのでクマも出やすい環境なのでしょう。
大抵の野生の獣が本気になってかかってきたら人間は無傷では済まないと思うので大型の獣との間近での遭遇は遠慮したいところですが、中でもクマは本当に怖いですね。
僕も、日光白根山で、15メートルぐらい離れたところで熊に遭遇しました。びっくりしました。
熊は結構ビビりますね〜僕も見逃してくれたので、幸運だったのかもしれません。
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