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記録ID: 45846
全員に公開
積雪期ピークハント/縦走
槍・穂高・乗鞍

鉢盛山

2009年03月20日(金) ~ 2009年03月21日(土)
 - 拍手
GPS
32:00
距離
15.5km
登り
1,473m
下り
1,473m

コースタイム

第1日目 3/20(金) リフト終点〜鉢盛山2350mビヴァーク地 (4時間40分)
第2日目 3/21(土) 鉢盛山2350mビヴァーク地〜スキー場レストラン (3時間15分)
過去天気図(気象庁) 2009年03月の天気図
アクセス
コース状況/
危険箇所等
冬季中、このコースの頼みの綱は野麦峠スキー場のリフトである。これが営業していなければとてつもなく時間のかかるルートになる。かつ、北アルプスの厳しい気候を考えるとどうしても3月が適期ということになる。
2009年02月20日 09:11撮影 by  FinePix F11 , FUJIFILM
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2/20 9:11
2009年02月19日 17:15撮影 by  FinePix F11 , FUJIFILM
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2009年02月20日 09:41撮影 by  FinePix F11 , FUJIFILM
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2/20 9:41
2009年02月20日 09:07撮影 by  FinePix F11 , FUJIFILM
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2/20 9:07

感想

【3/20】
もともと日帰り予定だったが、この日午前中までは天気が悪いとのこと、泊まりで行くことにした。朝6時半に家を出て、11時に野麦峠スキー場着。松本までは雨が降っていたのに、スキー場は晴れていた。真っ白な乗鞍岳が圧巻だ。

早速リフト券売場にいき、

「あの〜上まで行きたいんですけど」
「鉢盛山ですか? 念のため、ここに名前住所電話と行程を書いて下さい」

どうやら係りの人も手馴れたものらしい。1500円払ってチケットを買う。ちょっと高いが、帰りは下のリフトだけ無料だそうなので、まぁいいか。リフトで一気に2123mのピークまで上がる。ゲレンデを少し下って横道にそれて尾根に入るといきなり太ももまで埋まった。尾根まで上がると少し雪は締まっていた。やれやれ、ラッセルにはならなそうだ。12時15分、快晴の天気の中さあ出発だ。

最初は目の前に見える小鉢盛山(2374m)を目指す。トレースを期待していたが、全く無かった。だが、地形は分かりやすく悪天候でも迷う心配はないだろう。標高差250mだから楽勝だとタカをくくっていたが、久しぶりの重装備と時々ズボズボ埋まる湿雪に体力を奪われる。シラビソ林や融けかけのセッピも綺麗、乗鞍岳や御岳、木曽駒も見え出して、時折立ち止まる。そんなんでなかなか行程ははかどらず、小鉢盛山の頂上に着いたのは3時過ぎ。何ぼなんでもちょっと時間がかかりすぎた。鉢盛山頂でテントを張ろうと思っていたのだが、難しくなってきた。

いけるところまで行こうとふたたび歩き出す。小鉢盛山からの下りは少し難しい。同じ方向に下る尾根が3本くらい並行している。自分も十分注意していたが、2本めの尾根に誘い込まれた。天気がよかったのですぐに気づき修正。正解は一番東の奥の尾根を下る。ここだけは悪天だと厄介かも知れない。下りきった尾根もかなり広く、しばらく疑心暗鬼状態で歩く。ただ、ここの鞍部の林はとても綺麗。冬でなければ藪が深くてとても来られないところだ。やがて鉢盛山の登りに差し掛かると、一安心である。

だが、この時点で既に4時半だ。体力も既に限界を超えて夢遊病者のように歩く。雪も腐りまくりで、時折太ももまで埋まるのは本当に参る。標高 2350m、まるで計ったかのような快適なビヴァーク地を発見。風も強いし山頂に張るよりもここがいいかも。時間との戦いなので、迷っていられない。ここに張ることにした。雪中キャンプは久しぶりだ。雪を踏み固めて平らにし、テントを水平にする。凍らないように枯れ枝をペグの代わりに。ストック2本も有効活用したが、これは翌朝凍って引っこ抜くのが大変だった。断熱用の銀マットやサーモレストも持ってきたので暖かく、割りと快適なビヴァークだった。

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【3/21】
 相当に冷えることを警戒していたが、朝はマイナス5℃。実に快適に眠れて、静かだったので寝坊までした。朝日が出そうなので急いで起きて空身で登る。15分で頂上だったが、なんと朝日が出た直後だった。我ながら情けない。1等三角点の山頂からの景色はこれでもかというほど雄大だ。白山、北ア、妙高火打、浅間、蓼科、八ツ、南ア全山、中ア(木曽駒だけ)、御岳、恵那山、乗鞍岳がぐる〜り。まぁ圧巻なのは槍穂高と乗鞍でしょう。これほど展望の良い山もなかなかない。

ビヴァーク地まで戻り、テント撤収。何もかも凍っているので時間がかかった。8時半に出発。小鉢盛山までは難なく戻った。そこからは気温も上がり、雪がグシュグシュ、汗だく。帰りはリフト終点のピークまでは戻らず、トラヴァースしてスキー場コースに出ることにする。上のリフトは下りは乗せてくれないのだそうだ(理由不明)。適当に降りていくが、この山はトラヴァースになると何故か死ぬほど埋まる。ヤブが多いせいだろう。こうして更に汗だくになってようやくスキー場に出たのだった。あまりの日差しに耐え切れず、ここで初めてサングラスを出す。スキーコースを黙々歩くのは肩身が狭い。

下のリフト乗り場そばのレストランで昼飯を食ってからリフトで降りた。上に行くスキーヤーにじろじろ見られるのは恥ずかしいが、真正面の野麦峠と乗鞍は素晴らしいの一言。このスキー場、小さいけれどなかなかいいかも。リフトで降りたあと、切符売場のおばちゃんに無事下山しましたと一声かけてから去りました。

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鉢盛山の裏技コースですが、危険な箇所はほとんど無く、天気さえ良ければ初心者でも大丈夫だと思います(ただ、体力は要ります)。荷が軽ければ、日帰りで往復7時間ほどだそう。ただ、リフトの運転が8時半〜4時半までなので、結構ギリギリになるかも。

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