盆休み父子「百高山」ツアー〜南岳(新穂高温泉より南岳新道往復;台風&悪天で大幅計画変更…)
- GPS
- 19:32
- 距離
- 27.0km
- 登り
- 2,132m
- 下り
- 2,214m
コースタイム
- 山行
- 8:51
- 休憩
- 1:13
- 合計
- 10:04
- 山行
- 7:47
- 休憩
- 1:32
- 合計
- 9:19
天候 | [初日]朝方晴れ、のち曇り時々雨(南岳新道の森林限界上部はガス・風雨強く視界悪し…) [2日目]稜線上ガス・風雨(下山時!南岳新道上部の岩稜帯で「悪天の象徴」!?ライチョウ親子と遭遇…)、槍平小屋から先曇り、のち時々晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2022年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
[復路]新穂高温泉より第1ロープウェイ(最終便)にて鍋平高原駅へ[大人片道400円、6kg以上のザックは荷物料+100円]、徒歩約20分で登山者用駐車場戻り |
コース状況/ 危険箇所等 |
・新穂高センター〜白出沢出合までは右俣林道歩き(一部工事区間あり;穂高平小屋への近道あり[入口の岩に地味な案内表示有]、出だしが岩の多い急斜面・プチ藪。距離は近いものの我が家は虫が多そうなのでパス…) ・滝谷渡渉点の木橋、雨続きでも今のところ渡渉には問題なし(橋の表面が濡れている時はスリップ注意…) ・南岳新道、下部はハシゴ等多数あり、全体に良く整備されているものの、一部老朽化した木梯子や桟道が滑りやすく、特に下りはスリップ注意 ・森林限界より上部は岩稜帯の吹き晒し、悪天時はマーキング外さぬよう要注意[風雨強いと小屋手前の「スグソコ」からが結構長く感じられ、低体温症にも注意…] |
その他周辺情報 | 新穂高温泉・ロープウェイ駅直下の中崎山荘・奥飛騨の湯にて日帰り入浴(夏山シーズンは午後8時まで営業;大人700円、熱々の露天風呂・休憩室あり) |
予約できる山小屋 |
槍平小屋
|
写真
感想
お盆休み父子山行(当初計画:新穂高温泉より南岳〜槍ヶ岳周回)本番、想定外の台風来襲により出発を1日繰り延べ。初日(移動日)は昼過ぎに自宅発、松本城をノンビリ見学、門前の食堂で同地名物の信州・安曇野ソバや馬刺しを賞味し、市内の日帰り温泉で汗を流してすっかり一般観光客気分。夜8時過ぎに松本市街地を出発、途中のコンビニにて初日朝・昼の食料を買い込み、2日前の乗鞍ツアーで往復したばかりのお馴染み・国道158号を快調に走り抜けます。沢渡の手前ぐらいから前方にマイカーの車列が出現、すわ新穂高温泉の登山者駐車場狙いのライバル達か、と身構えるも、一部は乗鞍高原方面へ向かい、安房峠道路を越えて栃尾の交差点まで来ると、ほとんどの車は高山方面へ。安心したのも束の間、登山者の車も疎らな新穂高温泉センターへ午後9時過ぎ到着すると、昨年の笠ヶ岳ツアーの際お世話になった最奥の有料駐車場を目指すも「当面営業休止」のカンバン…[涙]。RW駅の駐車場は朝までオープンせず、やむなく手前の沢沿いの登山者用無料駐車場へ向かったところ、入口に虚しく「満車」の表示、更に警備員が待ち構え「鍋平駐車場へ向かうように」との冷たいオコトバ…。出鼻を挫かれて絶望に打ちひしがれ、鍋平の登山者用無料駐車場へ車を入れますが、これにて出発地点は大幅後退、往復の行程が1時間弱延びることに…。ともかく睡眠はしっかり取っておこう、と軽くアルコールを流し込み、車中仮眠するも夜中にかなりの降雨…。縦走・下山予定日の翌々日の天気予報も暗転し雨模様、果たして夏でも厳しい3,000m級の稜線まで辿り着けるのだろうか…と悪夢にうなされながら、出発の朝を迎えます。
夜が明けると、幸い前夜来の雨も上がり、青空も覗いて西の方角・笠ヶ岳の稜線がスッキリ見えてます。前日の松本城見学の際、お城近くの松本神社に安全登山の祈願を行った御利益かも、とちょっぴり元気が出て当初のスタート予定点・新穂高温泉へと急な坂道を下り、爽やかな早朝の涼風を受けながらお初の右俣林道歩きスタートです。以降のコース状況等詳細は本文・写真キャプション記載の通りですが、この時点では翌日の天候に少なからず不安があり、初日いっぱい何とか天気が持ってくれれば、南岳小屋に荷物を置いて軽装で槍ヶ岳まで当日中に往復できるのでは、などとチョー甘い希望的観測を抱いていた無謀な父子でありました…。実際には、長大な右俣林道のダラダラ登りに思った以上に疲弊し、南岳新道の取付き・槍平小屋までの区間でコースタイムをややオーバーする体たらく。ここで昼食を済ませるうち、次第に厚みを増してきた黒雲から雨が落ちてきて、石ゴロゴロやハシゴの連続で歩きにくい南岳新道の中段に差し掛かる頃には、はや本降りの様相…。上部の岩稜帯にヨレヨレ状態で登り着く頃には風を遮る木々もなく、強めの風雨が容赦なく我々父子に打ち付けます。天の与えたこの厳しい試練を少々呪いながらも、なお稜線での大展望を虚しく期待して最後の岩の斜面をよじ登るうち、父子ともほぼ濡れネズミのゾンビ状態に…。何度も小屋の幻影を見ながらも午後4時前、どうにか初日ゴールの南岳小屋に到着。下着まで濡れた衣類を乾燥室で脱ぎ捨て、着替えを終えてようやく人心地、「地獄に仏」とはまさにこのこと…。身体が芯から温まる夕食と豚汁に舌鼓を打ち、午後7時過ぎには早々にフトンへ潜り込みます。
結局、事前の予報は(こういう時だけは)外れることなく、翌朝も稜線上は雨交じりの冷たいガスが吹き付ける過酷環境…。父子揃って残念に思いながらも、槍ヶ岳再チャレンジを期して予定を大幅変更、南岳の山頂のみを踏み、小屋で体勢を整えて午前7時前には下山開始。眼鏡もガスと雨で曇って歩きにくい中、岩稜帯をトボトボと下っていくと、悪天時唯一のアトラクション、ライチョウ親子が登場です。この時期になると、子供達も親鳥と見分けが付かないぐらいに成長し、警戒モードの親の後を追うように健気に餌を物色する愛らしい様子に、当方も思わず頬が緩みます。雷鳥達に別れを告げ、我々人類は時折曇った眼鏡に指のワイパーをかけながら、滑りやすい岩混じりの急斜面を慎重に下っていきます。途中で夜来の雨もようやく小止みとなり、新道起点の槍平小屋には結局コースタイムをややオーバーして到着。ちょうどタイミング良く午前の軽食タイムがスタート、営業小屋の有り難みを濡れて冷えた身体一杯に感じながら、ちくわ天入りの温かいかけうどんを親子で流し込みテンションアップ。心配された滝谷徒渉点の一本木橋もさほど危険を感じずに通過、右俣林道を快調に進むうち、薄日さえ差し込むぐらいに天候回復。午後2時半前に最後の休憩ポイント・穂高平小屋到着、ここで濡れた装備を少し乾かしながら、南岳小屋で作ってもらった朝食弁当を胃袋に流し込んで、今回のツアーのアトラクションは全て終了。登山口の新穂高温泉ロープウェイ駅には、最終RW出発の約20分前、結構ギリで到着。ムスコと無事の生還を祝いグータッチを交わしながら、仮に天候回復して当初予定通り槍ヶ岳を周回していたら、果たして明るいうちにここまで帰り着けたのだろうか、と自らの山行計画の甘さを改めて反省です…。
鍋平でマイカーを回収後、RW駅近くの中崎山荘・奥飛騨の湯まで戻って、野趣満点の露天風呂付き掛け流し温泉を堪能。中央道の途中で留守家族向け手土産を仕入れ、リバウンド必至のボリューム夕食も済ませた後、思ったほどでなかった小仏渋滞をすり抜け、日付が変わる前には無事自宅へ帰り着きました。というわけで、今回のツアーは、コロナ禍の下では柔軟な変更の難しいお盆休み中の小屋泊まり山行という事情に加え、天候悪化もあり稜線上では期待していた展望は皆無。百高山踏破も南岳1座のみに留まり、折角貴重な夏休みを割いて当方の道楽に付き合ってくれたムスコ殿には本当に申し訳ない仕儀となりました。これも自然相手の山登りではやむを得ないこと、と自らを慰めながらも、遠くない将来、体力あるうちに今度こそ残る中岳→大喰岳→槍ヶ岳の「天空の稜線」を歩いてみたい、との思いを強くした次第です。ここ数年は梅雨明け後の太平洋高気圧による晴天もなかなか安定せず、特にお盆前後は予測不能の台風発生・接近なども多いため、北アルプス山行のタイミング設定にはいつも悩まされますが、次回はできれば比較的晴天率の高い7月末〜8月初頭ぐらいに山行を計画しようと考えております。
[※2022年8月17日、反省込めてsatonao1記す]
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