蝶ヶ岳[雪辱]
- GPS
- 08:49
- 距離
- 12.2km
- 登り
- 1,654m
- 下り
- 1,652m
コースタイム
5:32 三股登山口
6:04 ゴジラ(風)の木
7:00 まめうち平
9:32 蝶ヶ岳10:35
12:50まめうち平12:57
13:56 三股・烏川林道ゲート
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
まめうち平までの道のりで2度ほど猿の群れと遭遇。登山道に糞が多く見られる場所がありその周辺で遭遇してます。一応襲われないように注意を。 まめうち平より先、標高約2000mの表記のある道標辺りから残雪あり。 雪道になってからは樹林帯の急登。夏道を逸れているようで踏み跡とピンクテープ・ペンキマークをたどっての直登が目立つ。倒木も多く滑落せぬよう細心の注意が必要だと思います。 樹林帯を超えた後も雪渓の直登が続く。樹林帯より雪が滑りやすくなっており滑落の危険性も大きい。今回軽アイゼンで歩きましたが刃が幾度と無く雪を掴み損ない滑ったので、10本爪以上のアイゼンが必要だと感じます。あくまでも個人的な見解ですが。 下山後は ほりでーゆ〜 ¥530 |
予約できる山小屋 |
蝶ヶ岳ヒュッテ
|
写真
感想
本格的な雪山登山は技術や危険を伴うので今のところやる予定はない。
しかし今回はリサーチ不足のために残雪の蝶ヶ岳に苦戦を強いられる羽目になった。
急遽予定を入れ、ねじ込んだ形で蝶ヶ岳登山を催行した。
5時過ぎ、久しぶりの(軽)雪山装備に手間取り、予定より30分ほど遅れてスタート。
まめうち平まで大体2時間ほど掛かりそうと見込んでいたのでペースは抑えめに歩いた。
途中で糞があちこちに見られなんだろう?サルかなぁ?などと話していたら木々のあちこちから物音。
びっくりしながら見ると猿の群れがおり、子供主体であったが枝に群がり鈴なりの猿、といった様相でたくさんいた。
襲われるのも嫌なので目を合わせぬよう、大きな声を出したりしてやり過ごしたがまめうち平目前で再び猿の群れと遭遇。思わぬ緊張を強いられてしまった。
まめうち平の先、標高2000mと書かれている道標の辺りから残雪が顕著になり軽アイゼンを装着。最初のうちは雪渓歩きや倒木またぎがあって難儀するがあまり危険な感じはなくやり過ごせた。
しかし樹林帯の中で急に直登するような進路になるととたんに歩きづらくなる。
斜度とともに段差が大きいステップ。所々で膝や腰のあたりまで踏み抜いた跡などもありなかなか思うように進めない。踏み跡はあるのだがちょっとその無理矢理感の拭えない踏み跡に不安を感じ、ログを見てみると夏道?というのか地形図の登山道と大きく外れている。それでもペンキマーク・ピンクテープなどがあるので踏み跡をたどり進むと忘れた頃にはしごや木段などが現れ、そのまま進んだ。
やがて樹林帯を超え雪渓に出ると踏み跡はほぼ真っすぐ上に付いている。これを直登かぁ、と樹林帯の登りで既に疲労が溜まった脚に喝を入れて挑むことにした。
息が上がり、20歩歩くと立ち止まる。そして疲れから足運びが弱くなるととたんに滑る。これを数回繰り返しただけでなかなか進めない状況に心が折れる。折れたままの気持ちでそれでも登ったのは相方が一緒だったから、この一点にすぎない。独りでならとっくに撤退していただろう。
そんな雑念を持ちながら更に登る。一旦平たい場所に出るとついに弱音が出てしまう。
「もう、山頂行かなくてもいいよ・・・」
こんなこと思ったのはいつぶりだろう。とにかく思うように進めない状況に嫌気が差し、滑って疲れ、手をついては指が凍えて本当に苦行のようだった。
着いた山頂では北アルプスの大展望を持ってしても「感動とかしないよ・・・」と疲労がマックスなために悲しい愚痴。そしてそのまま山頂で大の字になり寝てしまった。
10分も寝てないがその後にようやく展望を楽しむ気になり、北アルプスの名峰たちを堪能した。
しかし、昼食用に買ってきたおにぎりが一つ、2日前に賞味期限が切れてる事が発覚。あまりにもひどい裏切りに目がうつろになってしまった。
帰り道はストックも装着し、滑落のないようじっくりと歩くことを心がけた。それでも数度、滑っては危ない思いもしてまめうち平へ。ここで最後の栄養補給を済ませどうにか無事に帰ることが出来た。
雪に凌辱され、屈辱を味わった山行であった。唐突に蝶ヶ岳登山を決定した今回であったが、慣れない雪道歩きと雪の質によっては難しさも増すのだなと改めて感じ取った山行となり、いずれ雪辱を果たしたい、そんな山になった。
はじめて残雪の北アルプスに足を踏み入れる。
夏に一度登った山、蝶ヶ岳。
もともとは単独で計画していたのだが、急きょいつもの2人山行に。結果これはありがたかった。
朝、のんびりめに準備して登山届を出しれっつごー。
沢を渡り橋を渡りゴジラにため息。少しづつ思い出して行く登山道…大嫌いなサルやおそらくキツツキであろう爆音ドラミングにオドオドしながら高度を上げれば、まめうち平はあっという間。
ベンチがいくつかあるが、空腹に耐えかねて直前でエネルギー補給をしてしまった私たちは華麗にスルー。
残雪地帯へとつっこんでいった。
わりとすぐ6本爪アイゼンを装着、高い位置にあるマーキングをさがしつつ比較的登りやすそうなトレースを追う。
しかしどんどん急になる斜面、ほぼ直登するステップは男性のものが多数だろうか。リーチの足りない私は中間のステップをつくりつつすすみ、少しづつbo-tyu-zaiさんから遅れ始める。
また柔らかい雪の下にはカチカチの氷があり、6本ではとらえづらく一度滑り落ちてひざにあざを作ってしまった。下に夏道があったのですぐとまったが、なければどこまで行ってただろう('A`)帰り全く同じポイントでbo-tyu-zaiさんもやっちゃってた。
一度滑ると足元に自信がなくなり、歩きながら後ろを振り返ると高さや斜面が怖くなっちゃってる自分がいる。
私の感覚的なものだが、怖いと思いだすと精神的な体の重心が足元から上のほうに移動してきて、地に足がついていない感じになる。
これが首より上にくると「足がすくんだ」状態になって帰れなくなる!と思ったので、少し進んでは足を止め、深呼吸をして重心を下げることをイメージする。
疲労から足があがらず滑るため山頂へ続く雪渓の直登でも、そんなことを続けながらなんとか無事に山頂着。
前回来たときは真っ白なガスの世界だったので、ドカンとみえる北アルプスに感動!といいたいところだが、休憩休憩!
景色はいいから無事に早く帰りたいという思いがかなり大きかった。
その思いはbo-tyu-zaiさんも色濃く・・・人がいないのをいいことに山頂でもう俺は動かねぇと言わんばかりに(ていうか言ってた)横になってお休みになられていた。
最近お気に入りの見栄きりもここでは出してやらねぇ状態、さらに賞味期限切れのおにぎり事件。ご機嫌は急斜面よりナナメだ。
しかし単独であったら絶対に撤退してたので、予想外の苦労はかけたが付き合ってもらってよかった。
感謝のきもちと、ここでこれ以上曇天神様を怒らせてはまずいと、もってきたチーカマを献上しご機嫌をおさめていただき、結局ほんとに山頂から動かないまま雷鳥も声は聞いたが探す気もなく下山する。
久しぶりに使うストックでうまいことバランスを取りながら、ときおりグリセード気味におりていくので、わりと短時間でクリアして行けるのはよかった。
しかしこれも怖さスイッチがOFFになったわけではないので、ストックがなかったら大分時間かかっただろう…。
とにかく疲労からくるミスをおかさないように慎重に下った。
スパッツをしなかったので靴の中には盛大に雪が入り込みズブズブになったころ、まめうち平につきストックをしまう。ああもうすでにしっかり肩こりが・・・明日は筋肉痛だろう。
やっとおしゃべりが普通にできるようになったので2000m上と下でこんなにも難易度が違うのか!などハイキングコースをあーだこーだ言いながら消化。
しっかり足に来ているのが如実に歩行に現れ、挙動がおかしいながら駐車場着。
私のレベルと装備ではギリギリアウト目な山行。登山指導所のポスターで「岳」の三歩さんがいっていたことがとても印象深かった。
「登りたい山ではなく、登れる山を」
3日午前中に私は下りで、まめうち平の上部でお会い致しました、覚えてお見えでしょうか?テント泊装備を背負った単独のジジイです。
標高2000mから上は、残雪が深くて大変でした。
私は下りでしたので、案外楽をさせて頂いて居りましたが、お二人は登りでしたのでさぞや大変だった事と存じます。
また何処かのお山でお会い出来ると良いですね。
HandMさん、こんにちは。コメント有難うございます。
覚えております、あの日初めてすれ違った登山者であったのと、しっかりと会話を交わしたのはHandMさんだけだったので印象に残っております。
あの雪道の下山で楽だなんて、さすがですね。登りはズタボロ、下りはへっぴり腰で通った道、HandMさんはしかもツボ足ノーアイゼンだったようで感服致します。
展望が素晴らしかったので素直に喜べるほどの力量を備えてまた行きたい山です、蝶ヶ岳。そしてお好きだとおっしゃっている常念〜前常念の稜線を自分も歩いてみたいと思っております。その時はレコを参考にさせていただきます。
こちらこそどこぞの山でお会いできたら嬉しく思います
おはようございまいます♪HandMさん、もちろん覚えています。
すれ違った時はまだ元気でしたが、ここを下るときは怖いだろうなぁと思っておりました。案の定下山はしっかり疲れてしまって、装備も重いのにアイゼンなしで軽やかに下っていらしたHandMさんのようにはおりられず
レコ拝見しましたがコース状況などわかりやすく、最近常念岳への計画をしているのでさっそく参考にさせていただきます
同じ県内に住んでいらっしゃるし、またどこかで会えそうですね!楽しみです。
bo-tyu-zaiさんpeachさんお疲れ様でした。
bo-tyu-zaiさんの心のリアルな表現 目に浮かびます。
そして何だかんだともう一度アタックしようと思えるその気持ちも十分理解できます。
peachさん あまり雪山経験してないのによく頑張りました。偵察ありがとう
無事に帰ってこられて何よりです。ふと丹沢の三ノ塔直下を下るpeachの顔思い出しました。
本当にお疲れ様でした
nanchiさんこんばんは
なんとか帰ってきましたが、そもそも単独で行こうと思っていた私。おそろしい。
山に登るほどに、怖くなかったことが怖くなってきた気がする…成長の兆しだといいのですが。
そうそう恥ずかしながらきっと同じような顔してたと思う、でも三ノ塔直下もそうでしたが、仲間はその場でのほんとに大きな助けになります。
いまさらだけどあの時は下り方をアドバイスしてくれてありがとう。これからもよろしく
Nanchiさん、こんにちわ。
今回のレコは脚色すれば「頑張ったら登れた!俺サイコー!」という内容にいくらでも持っていけたのですが、あえて醜い気持ちをきちんと晒す内容にしました。
正直、山歩きも3年経ちある程度自信はありました。それこそpeach1人で行かせるくらいならサポートしてやろう、と。
ところがそれはとんだ過信に過ぎず、その思いは慢心そのものでありました。
そもそも装備が不十分、直近のレコでは軽アイゼンでも行ける、10本爪以上が必要、と様々な情報の中、一番自分に都合のいい情報だけをかいつまんで行ってしまった。
コースタイムの読みも甘い。自分の歩行速度が雪道で時速が何キロくらいになるかは把握していましたが、それはあくまでも整備された登山道でのこと、このコースの倒木、直登や雪質など全く情報収集不足。
無事に行って帰ってこれたのは先行者たちのトレースがあったからだけのこと、ピストンだから帰路の心配が幾分か少なかっただけのこと。
今回はたまたま行けちゃった、というだけでpeachのフォローなどちっとも出来ず、恥ずかしい山行になってしまいました。
自信を持つことは大切なんですがそればかりでは見失うことが多く、他者からどう見られ、どれだけ共感を得られ、認められる山行が出来るのか、というのも実力をつけるためには必要なんだと思います。
それには「信」の文字が表すように、人の言うことをよく聞き、受け入れていくことも大事なのだと思います。その上で準備を整えたあと、再び登りに行こうと思ってます。
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