涸沢カール 〜雨のち快晴〜
- GPS
- 47:45
- 距離
- 32.3km
- 登り
- 989m
- 下り
- 980m
コースタイム
- 山行
- 2:33
- 休憩
- 0:07
- 合計
- 2:40
- 山行
- 5:24
- 休憩
- 4:00
- 合計
- 9:24
- 山行
- 5:24
- 休憩
- 0:25
- 合計
- 5:49
天候 | 曇-雨-晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
松本駅では特急から在来線のように別ホームから松本電鉄へ乗換可、清算は新島々駅で降車時に、上高地までのバスの乗継を含めてできるため、とても便利でした。 復路 : 上高地から平湯温泉(¥1180)、高山駅(¥1600)へバス |
コース状況/ 危険箇所等 |
上高地バスターミナルから明神までは、梓川右岸、砂岩ともに散歩道。景色を楽しみながら歩くことができます。 明神からは、トレッキング道。緩やかなアップダウンのある主に林間の道が続きます。 横尾から涸沢は、登山道。本谷橋を過ぎると登りもきつくなり、特に足元は大小の石、岩が多く注意が必要でした。 |
その他周辺情報 | 平湯温泉の、「平湯の森(¥600)」を利用。ゆったりとした洗い場、湯船、景色の見える露天風呂でさっぱりして元気に家路につけました。大きな荷物も持って入れて、安心でした。 |
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
ズボン
靴下
グローブ
日よけ帽子
靴
ザック
行動食
飲料
笛
筆記用具
携帯
時計
サングラス
タオル
ストック
化粧品
レインギア(上下)
インナーシーツ
薄手フリース
|
---|---|
共同装備 |
日焼け止め
虫よけ
かゆみ止め
絆創膏
行動食
飲料
コンパス
地図
|
備考 | 薄手のフリース、小分けのビニル袋 |
感想
一度訪れたいと思っていた涸沢カール、台風が近づく中お天気が心配でしたが無事行ってくることができました。レインギアデビューも果たし、最終日は上天気、終わり良ければ総て良し!
雨を心配して出発前の1週間は常に天気予報とにらめっこ。とにかく徳澤まで出かけて、現地で2日目以降については判断することにして出発しました。電車で登山口まで出かけるのも初めて、途中の景色も楽しみながら上高地バスターミナルに到着。空はやや曇っているものの、何とか持ちそうだとわくわくしながら出発。1日目は徳澤泊まり、約2時間のお散歩を楽しむため岳沢湿原から明神へ右岸コースを取りました。独特の湿原風景、森の中のコケむした木々や水の流れとの再会を楽しみながらあっという間に1時間ほどで明神に到着。ここから先は、トレッキングコースです。軽い起伏のある林間の道、川沿いの道をたどってさらに1時間で徳澤園につきました。森の中に完全に溶け込んだ落ち着いた建物です。受付で名前を告げると、お待ちしていました、の声。途中写真を撮るのに夢中になってやや遅めの到着になってしまいました。おいしい夕食をいただいて明日に備えて早めの就寝。
2日目、予報では午前中は晴れだったのが朝から本降り。それでも午後から雨が上がるとの予報を頼りに、お弁当にしてもらった朝食を食べ、上下レインギア、リュックカバー完備で、「初」雨中登山に出発です。帽子をかぶった上からフードをかぶると意外としっかり固定されて、風邪もないので顔にもあまり雨は当たらず快適で一安心。きつくはないがなれない雨の中、念のため歩行の助けにとストックをつきながら進みます。横尾までは、明神〜徳澤と同じような緩やかな起伏のある林間の道。ただ昨晩からの結構な雨でぬかるんでいるところが多く、丸太を切って並べた木道(?)の上をありがたく進みました。
まだ人気のまばらな横尾山荘で、トイレ(有料¥100)を借り、エネルギー補給。いよいよ、ここからさきは「登山道」の始まり。ワイヤを張った横尾大橋は意外に揺れます。橋の下の感動的に澄んだ流れを見たら、気を引き締めて歩き始めます。短い林間の砂利道を抜け川横の石だらけを抜けて岩小屋跡へ。しばらくすると、水の豊かな森に入ります。道の両側には、主に針葉樹(モミ、シラビソ、スギでしょうか)が茂り、下草、シダの緑に木の幹や岩も苔むしてとても美しい。この辺りは登山道にはそれほど石や岩はありません。
横尾から本谷橋までの間は登りは少ないと思っていましたが、少しずつ上ります。まもなく足元は、ほぼ石と岩だけの登山道になりました。製材所跡、2のガリーを過ぎると木の間からはじめて屏風岩に気づきました。上半分は雲に隠れていますが、雨の中でもその迫力に圧倒されます。横尾大橋から1時間強を本降りの雨の中夢中で歩き、ようやく林を抜けて本谷橋。
ワイヤーを張って作られているこの橋もなかなか揺れます。このころ雨も少しおさまってホッとしてしばし休憩。途中であった少なからずの登山者が傘をさしていたのには驚きでした。このルートは涸沢を経由して穂高の山々を目指す方が多く皆さんにはまだまだ余裕の道なんですね。本谷橋から先は、足元には石と岩しか見当たりません。がれ場ほど大きな石ではないけれど、足元に気を付けながら進みます。青ガレまで来ると登りも続いて暑くなってきたので、レインギアの下のTシャツを1枚脱いで軽くなりました。このあたりから、目の高さに赤い実がちら(あとから、ナナカマドだと気づきました)。青ガレは長さ20-30メートルも続くかと見える岩の川。登山道部分が平らに整えられていて、がれ場なのに歩きやすく感謝しながら急いで通り抜けました。
しばらくすると、また大降りが始まり我慢の登山。岩の多い登り道をひたすらもくもく、一歩ずつ前進するのみ。行程の目印としていたSガレまで来るとあと少しと自らを励まし進みます。視界の開けたがればの横をひたすら耐えて、ナナカマドのトンネルの中、岩の石段を上るといよいよ涸沢ヒュッテと涸沢小屋の分岐点につきました。勝手にここからは緩い下りと思い込んでいたところが、実は上り、あと少しあと少しと唱えながら、最後の石段の先に涸沢ヒュッテが現れた時には思わず「やったー」と小さく心の中でガッツ!。到着して受付、別館の部屋に落ち着きました。
展望テラスでおでん、カレーをいただきながら景色を堪能、したいところですがカールの上半分は雲の中。それでも、ヒュッテの周りに広がる景色にしばし見とれていました。しばらくしてまた本降りの雨、小雨になったところで涸沢小屋まで、10張前後のテントの横を通って散策。涸沢小屋にいる間にまた降り出した雨が小雨になるのを待って戻りました。この日は夜までそのまま降り続け穂高を見ることはできませんでした。17:30から心づくしの夕食をいただき、20時には布団に横になりました。
3日目、朝日を見ようと5時前に起床。もちろん穂高へ向かう皆さんは暗いうちに出発した模様。外に出ると雲は晴れてようやく穂高の山々とご対面、正面の大天井岳、そして屏風岩もはっきり見えます。日が昇る前から見えていた山が、ある瞬間から薄いスクリーンをはがしたようにぱっきっと見えました。皆、いくらとっても写真を撮る手が止まりません。宿の方が、「5時半にご飯ですよ〜」と呼びに来られて、やっとシャッターを押す手が止まりました。
6:30下山開始。昨日とは足元も景色もまるで違っています。涸沢カールとの景色と名残を惜しみながら下ります。昨日は見えなかったカールの上のピークたち。あまりに美しくて、振り返り振り返りしながら歩きます。ナナカマドのトンネルを抜けたガレ場、カールの一番低い当たり(と思われる)に再び出ます。前日、雨の中、周りも山も見えず、足場の悪い岩だらけの道をよく上ったと、自分をほめたくなりました。視界がよく、雨の心配もなくても岩だらけの道、でも油断は禁物。
まず、岩に足を載せると足首がぐらつき、それを支えるのに膝がぐらついて、さらにそれを支えるのに内ももの筋肉を使っていることに気づきました。体幹も、ひざ上の大腿四頭筋も、そして内ももの筋肉も、もっともっと鍛えねば。天気が晴れたことに感謝しながら、周りの景色を堪能しながら下山です。今回の道は、横尾から涸沢までずっと屏風岩の周りを歩いている感じの道なので、どこまで行っても屏風岩を見ることができます。少し進むごとに、見える角度が違ってきてとても面白い。少し歩いては立ち止まって景色を眺めて写真を撮る、の繰り返しで本谷橋まで下りてきました。登りもきつかったけれど、その逆もしかり。結構膝にこたえています。橋を渡る前に、手前の河原で荷物を降ろして一息。足を休めてエネルギー補給です。
本谷橋を渡ると、別の山になるのか、足元の様子も少し変わって、ところどころ岩だらけのところもありつつ、土のある道になりました。左手にそびえる屏風岩を眺めていると、雨の中滝のように流れていた水が、この日はあるかないかの細い流れになっています。そのまま岩小屋跡まで下りてきました。川の横のゴロゴロ石をすぎて短い林を抜けると横尾大橋。登山道は終了。ここまで、約3時間。あとは、なだらかな道をひたすら闊歩する予定。12時半のバスに乗れば、平湯の温泉にゆっくりつかれるはず。横尾山荘のまえで、一息ついてから、速歩きすれば余裕、と張り切って出発。
昨日はぬかるみで切り株を踏んで抜けた場所も、雨が上がるとほとんど、水はけが良いのかぬかるみも消えて道の真ん中でも大丈夫。木漏れ日の林の中、快適に歩みを進めます。この間も、右手にずっと山。屏風岩の続きかなー。
徳沢の手前にある新村橋の横の看板によると、上高地では、再生と安全プロジェクトを実施中。防災、救助などのための設備をより自然と共存させるため、色々工事を行っていてそのためるとのこと。そのため今は、新村橋はわたることができません。
お天気の今日、梓川の左岸を歩くと、迫力のある山が次々に現れます。バスの時間を気にしつつも、立ち止まっては眺め、写真を撮るを繰り返しながら、ようやく明神まで戻ってきました。頑張って歩いたつもりが、何度も寄り道をしたせいでバスの時間まで一時間ない! ここで軽く休憩したあとは、さらにペースを上げて急ぎます。それでも景色を諦められません。森林浴、花、湧き水、と見どころ満載の帰り道。小梨平のキャンプ場まで来てますます焦りながら、最後にいつもの美しい流れに挨拶して、なんとか12時半の平湯行きのバスに乗り込むことができました。雨にもあわず、お湯にも疲れて大満足でした。
おしまい。
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