【会越】大蕎麦谷沢ム沢[右俣]右沢遡行


- GPS
- 17:54
- 距離
- 17.2km
- 登り
- 1,648m
- 下り
- 1,512m
コースタイム
- 山行
- 6:19
- 休憩
- 1:59
- 合計
- 8:18
天候 | 1日目:曇りのち晴れ 2日目:晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
・室谷登山道は、栄太郎新道に比べてかなり歩きやすいが、景観は良くない。また、泥濘箇所や藪のかかる箇所が多い。 |
その他周辺情報 | 【他の記録】 トマの風 https://tomanokaze.sakura.ne.jp/top/?p=4133 https://tomanokaze.sakura.ne.jp/top/?p=7700 山登魂 https://yama-to-damashii.outdoor.cc/200909oosobamigi/200909oosobamigi.html わらじの仲間 http://warajinonakama.blog.fc2.com/blog-entry-428.html ぶなの会 https://infiniteshine.hatenablog.com/entry/2016/09/20/032641 https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-964252.html トマの風(青磐沢) https://tomanokaze.sakura.ne.jp/top/?p=4244 ポムチム、大島わかな(下部のみ) https://fallove0413.com/2020/07/19/oosobadanisawa/ https://bigislandyamaguide.com/2020/07/19/会越-大蕎麦谷沢-途中まで/ 【林道名出典・通行止め情報】 https://www.town.aga.niigata.jp/info/norin_info/1528.html 〈以下は2023.3.24追記〉 【枝沢等の名称】 <出典> 磴悌吾,1955. 大蕎麥谷より俎倉澤. 越後山岳(5):119-122. 井本巖,1955. 御神楽岳のことども(三). 越後山岳(5):123-124. ※略図と本文と実際の地形に齟齬があるため解釈に間違いがある可能性もある。 ○地理院地図のソノ又谷沢:惣ノ俣沢[惣ノ岐沢] ・惣ノ俣沢288m左岸支流:銚子ノ口沢 ・惣ノ俣沢の本流:マナイタクラ沢[俎倉沢] ○175m左岸:カマミネ沢[鎌峰沢] ・カマミネ沢183m左岸支流:シンニウノ沢 ○242m右岸:高モリ沢? ○254m右岸:コッパ沢 ○268m右岸:ユウ沢 ○269m左岸:ピョイピョイ沢? ○294m右岸:カクド沢[覚道沢/覚度沢] (確かに覚道の頭に突き上げている) ・覚道沢出合上流右岸の平地(小屋があった):イカエ ○296m左岸:シリ曲リ沢 (実際、この沢は合流点付近の蛇行が激しい) ○320m左岸:広セコヤ沢 ○363m左岸:トチノクボ[栃窪沢]? ○390m右岸:タキノ沢? ○二俣下流の三段の滝:雨乞滝[雨乞瀑] ○464m右岸(近年の「左俣」):青バン沢[青磐沢] ・青バン沢630m右岸:シナノキ沢[科木沢] ○本谷(近年の「右俣」):ム沢 ・下錫杖の下流にある滝(位置不明):貝殻滝 ・ム沢の下の大滝(640m付近):下錫杖 ・ム沢の上の大滝(1000m付近):上錫杖 ○大蕎麦谷右岸尾根:バアラ曽根 ○大蕎麦谷左岸尾根:ブナ曽根 ○ム沢・青バン沢の間の尾根:ツキバノ曽根[突場の曽根] ○地理院地図の湯沢の頭:山伏 ○山伏と雨乞峰の間の鞍部:殺生窪 備考:この地域に多くあるム沢は真沢に通じ、本流の意である。 |
写真
装備
備考 | ・上部はぬめりが多いがラバーソールで問題なかった。フェルトソールの場合は上部では活躍できるが、苦労するところもありそう。 ・ロープは50m1本で十分。 |
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感想
【計画の経緯】
この週は会企画で御神楽岳への集中。車回送が大変そうな大蕎麦谷沢に、この際行ければと思い、第1希望にしたところ、希望が通った。koheyの希望で登れる大滝があるム沢[右俣]となった。
【山行】
○入渓まで
長い車運転を経て、津川のセブンでメンバーが合流し、車回送の手筈を確認してから林道惣ノ又線へ。ソノ又谷と大蕎麦谷の合流点付近に都合よく駐車スペースがあり、ここに駐車。車回送してもらえるのは大変ありがたい。
この駐車スペースの裏に、川へ降りる明瞭な踏み跡があり、これを使って入渓。
○遡行1日目
入渓して早々、ゴルジュっぽい渓相で泳ぐ箇所もあり、下はゴーロばかりと聞いて期待していなかっただけに、良い意味で裏切られる。
さらに7mCS滝が出てきて、これも手応えのある登攀が出来て悪くない。が、これが終わると急に平凡になる。見渡す限りのゴーロを延々と歩くと、漸く噂に聞いていた巨岩帯。岩をくぐったりして楽しめるのかと思いきや、適当に登って行ったら、途中都合のいいところに流木があったせいか、ほぼすべて岩の上を通って通過できてしまった。ちょっとがっかり。
巨岩帯の上はまた平凡なゴーロだが、今度はそこまで長くない。4mの小滝が出てきて快適に登ると、狭いゴルジュ状で綺麗なところが出てくる。今年は川内や会越の沢に何度も来ているので個人的には見慣れているが、他の2人はそれなりに感嘆していた。
程なくして下部の核心と言える8m滝。koheyがやりたそうだったので最初に挑戦するが、奮闘した挙句に離水ができず撤退。寒そう。次はxx101。koheyほどは粘らず、あっさり撤退。ということでtamoshimaが行ってみると、さほど難しくはなくあっさり突破。お助け紐を出して2人も上がったが、お助け紐が遠くまで飛ばなかったらり、荷揚げに苦労したりしたため、ここはメインロープを使った方がスムーズだった気がする。上段は少しバランシーだが全員フリーソロ。全体的には、ザクロ谷のF2を簡単にした感じの滝だと思った。
ゴーロとゴルジュが断続する谷を進むと悪絶と噂の二俣周辺ゴルジュ「雨乞滝」の入口へ。最初の3m滝はtamoshimaが荷物を背負ったままフリーソロし(結構難しく1度フォール)、次の滝も右壁が登れそうだったので後続を促すが、まとめて巻くということなので3m滝は飛び込んで戻る。実際には、この7m滝を登っていても、その次の滝が登れず大高巻になっていたので、先を急ぐならこの判断が正解。
大高巻はRFがポイントで、今回は二俣に降りず、右俣最初の滝もまとめて巻く方針とした。小尾根に乗ったら尾根を沢から離れる方向に進み、草付とルンゼを横断して隣の小尾根に移って、そこから緩い斜面を懸垂下降1ピッチで灌木帯に降り、クライムダウン。物凄いゴルジュの景観を見ながらも、技術的には詰まるところもなくスムーズに巻けたが、tamoshimaが一時的にスズメバチに囲まれ、今シーズンの沢で一番ヒヤリとした。全く生きた心地がしなかったが、じっとしていたら蜂の方から去ってくれ何とかなった。
巻き終えたら小滝が続く沢で、楽しく進んでいくと、2段35mの1つ目の大滝「下錫杖」が眼前に。あわよくば登れないかと思っていたが、1段目からしてかなり困難そうなので、巻くことに。とはいえ最も楽と思われる左岸ルンゼ巻きは、藪っぽくてつまらないし不快そうなので、開放的な右岸を選択。滝の手前の小尾根を登り、スラブをトラバースしながら登り、草原状のテラスに至ったら一安心。あとは緩い草付スラブをトラバースし、灌木帯をクライムダウンで沢床へ。
これで今日の難所は終了。適当に沢を登り、見つけた幕営可能箇所で行動終了。薪は多くなく、寝床も微妙だったが、早く着いたので整地と薪集めに時間をかけ、快適な幕営ができた。
○遡行2日目
朝も残り少ない薪で何とか炊事を済ませ、片づけて出発すると、初っ端から小滝の連続で割と良い。程なくしてまた幕営可能地があり、その先にあるのは11mCS滝。これは山登魂等の記録で登られているのは読んでいたが、簡単ではなさそうだし、リーダーが巻くというので巻き。すると、沢に降りやすいところもなく次の7mCS滝も一緒に巻いてしまった。登れる滝を2つも巻いてしまうのはちょっと残念。
ぬめる7m滝とつるつるの4m滝を登り、さらに小滝をいくつか越えると、2つ目の大滝「上錫杖」出現。水が少ないのは残念だが、幅広く堂々とした滝である。希望したkoheyが1p目をリード。特に危なげなく登って45mほどで灌木でピッチを切り、1p目をラストで登ったtamoshimaがそのまま2p目をリード。できるだけ水線通しで登ろうと思ったが、RFが微妙で一部、左岸灌木帯をモンキークライムする羽目になった。また、水線はぬめりが結構あって気が抜けない。モンキークライムの後水線を横断して左のスラブをの登り、立木で終了としたが、50mで一杯だった。ロープの流れが例のモンキークライム部で悪く、後続は苦労していた。
少し進むと最後の大物、17m滝。これは上錫杖をリードしなかったxx101がリード。ぬめりは強いがホールドは多く、プロテクション決めでやや時間がかかった以外はスムーズに登攀。koheyもハーケン抜きで苦戦した以外はスムーズで、最後、tamoshimaはリードと違うルートで「く」の字状に登ってみたが、こちらの方が多少難しそうだった。
すぐに奥の二俣で、通常は本流っぽい左へ行くようだが、左には面倒なつるつる滝があるらしいし、今回は詰めが楽そうな右を選択。こちらにも何か面倒な滝が出てくるかもしれないとは思っていたが、結局普通に登れる滝のみで、草原に出て水涸れ。この草原が急傾斜で、ピックを使った登りとなり意外に悪かったが、こなして、藪へ突入。5分もない藪漕ぎで登山道に出た。
○下山
御神楽岳山頂に集中なので、登山道を上がらなければならない。途中までは荷を背負って歩いていたが、雨乞峰で嫌になり、最低限の飲食物だけ持って、山頂へ。しばし歓談し、期限の13時まで待つが、1Pだけ上がってこない。仕方がないので写真を撮って降りていると、藪から奇声が聞こえてきて何とか合流。結局雨乞峰で集合写真を撮り、それから下山した。
下山路は、去年歩いた栄太郎新道よりははるかに歩きやすく、楽に下山できたが、暑いしつまらないし泥濘で不快なのは仕方がない。
【総評】
大蕎麦谷沢ム沢[右俣]は、下山後の車回収に難があるが、泳ぎ、巨岩帯、圧巻のゴルジュ、開放感のある高巻き、登れる小滝の連続、登れる大滝、詰めの草原等、様々な要素があって、なかなか楽しめる沢。ゴーロが長い部分もあるが、アプローチや詰めは短いので許容できる。4級下程度か。
【感想】
昨年の沢集中の会企画は、沢慣れたメンバーがあまり集まらなかったり、土曜が小雨だったり、集中時刻に大幅に遅れたパーティがあったりして、いろいろと思い通りにならなかった。今回の沢集中は、メンバーにも天候にも恵まれ、集中もほぼうまくいき、会員の親睦も深まり、会企画の様々な良さを味わうことができた。特に、車回送は大変ありがたく、感謝してもしきれないほどである。
個人的には、3年前の水無川滝沢以来、かなり久しぶりにxx101さんと組むことができ、自分の成長ぶりを見てもらうことができたかと思う。このように、普段は同行することの少ないメンバーと一緒に行く機会となるのも、会企画の魅力の1つと感じた。
来年は、どこで開催されることになるだろうか、楽しみである。
大蕎麦谷はずっと狙っていた沢で、今年の沢集中が御神楽と聞いて絶対行こうと思っていました。渋くて厳しい中に秘境あり、こういう沢登りをやりたかったので感慨深いです(あまり共感は得られないとは思いますが…)。自分にとって御神楽は奥壁よりも大蕎麦谷です。
もっと痺れる山行を覚悟・期待していたのですが、メンバー充実で順調に進みすぎてしまいました。5分くらい水圧に耐えて結局諦めたザクロ谷F2みたいな滝も、二俣付近の判断を要する爽快な巻きも、80m大滝1P目の高度感だけのリードも楽しかったです。
二俣の高巻き中に見えた左俣は右俣よりも厳しく、とても行く気になりませんでした。いつの日か左俣も遡行できるよう力をつけたいです。
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