山小屋宴会と福智山縦走(上野峡〜福智山/荒宿荘泊〜皿倉山)
- GPS
- 32:00
- 距離
- 19.1km
- 登り
- 1,623m
- 下り
- 1,183m
コースタイム
過去天気図(気象庁) | 2014年06月の天気図 |
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アクセス |
写真
感想
6月2日に梅雨入りした九州北部地方。それでも日程を合わせるのが難しい3人が、なんと14日から1泊2日の時間が取れた。ここは僕以外のお2人の日頃の行いの良さを信じて晴れとなることを祈りましょう、と言っていたら、ホントに晴れ予報になった!
まずは今回の縦走到着地点となる皿倉山の麓、帆柱ケーブル山麓駅の駐車場にてH本さんと待ち合せ。H本さんの車を駐車場に置いて、僕のミニで登山口の上野峡へ移動する。上野峡でW松さんと合流。今日はここから福智山を目指し、山小屋・荒宿荘で一泊する予定だ。
W松さんとは先週、ミヤマキリシマの大船山にご一緒したばかり。H本さんとは、4月下旬に福智山をご案内頂いて以来だ。W松さんとH本さんは互いに知己であったが、山登りをしているとは知らなかったらしい。僕がお二方とそれぞれ登山をした時に話題にしたことで、それじゃいつか3人で山登りしてみたいものだね、と盛り上がり今回実現したのだった。
福智山はH本さんのホームグラウンド、今回の山行もルート設定など含め幹事役兼ガイドをお引き受け頂いた。スタートは16:10、通常ならこんな時間に山に入ることはないのだが、目指す山小屋までは2時間もかからない。この時期は日の入りが19:30なので余裕である。そんなことで、のんびり登ろうと思っていた…が、H本さんのペースが速い。若い頃、日本の主要地域最高峰を全て踏破したというツワモノなだけに、軽い足取りで登って行く。
どうしたことか、W松さんもサクサクと同じペースで登っている。高校時代に山岳部に所属していたとは言え、僕より5kgは重そうな脂肪を抱えているのに、だ。どうやらこれまでのW松さんとは違うようだ。「いやぁ、キツイキツイ!」と言いながら緩めないペースに、温厚なエビス顔の仮面に隠されたマケズギライという男の本能を垣間見たような気がした。
残念ながら白旗を揚げよう。「H本さん、W松さん、ちょっとペース速くないっすか。休憩入れて下さ〜い」と呼びかける僕に、二人からの優越的な視線を感じたのは気のせいではないはずだ。しかしこれは肉体的敗北であって、精神的敗北ではない。おのれ見ておれ、今宵の宴会でこの屈辱を晴らさでおくべきか…。休憩後しばらく進むと、そんな妄想を吹き飛ばすような素晴らしい景色が眼前に広がった。
福智山は高度850mの山頂手前からクマイザサとススキに覆われた美しい平原が広がる。樹林帯を抜けいきなり視界が開ける様は、北アルプスの森林限界を抜けた時のようだ。山頂付近にはハイマツの代わりにヤマツツジが生い茂る。このヤマツツジが見事に美しく花開いていた。ヤマボウシやウツギの白い花とともに紅白緑が鮮やかに迫る。霞が深く下界の街並みは薄れ、遠賀川だけが淡い日差しを反射して輝いている。幻想的で素晴らしい光景だ。先週、大船山のミヤマキリシマにも感動したが、福智山の美しさもけして引けをとっていない。
山頂(901m)から明日の縦走ルートを確認しようとしたが、霞んで見えない。そこそこに山頂を後にし、少し下ったところにある山小屋へ向かう。前回も思ったのだが、福智山は山頂から下ろうとした時のルートが分かり辛い。何の標識もない上にとても多くの登山道があるからだ。今回もH本さんが居なければ自信を持って進めなかっただろう。18時に山小屋に到着する。ここは地元山岳会が1973年に建てた無人の避難小屋で「荒宿荘」という。やけに立て付けの悪いスライドドアを開けて中に入ると、とても清潔でキレイな内部。隣には2006年に建てられたというバイオトイレもある。これは立派な山小屋だ。
日没までは外のベンチで飲もうじゃないか、とH本さんが酒を並べ始める。清酒にビールにワイン、焼酎…烏龍茶のペットボトルに詰めたウイスキーまで、こんなに飲みきれるのだろうかと訝しがる僕に対し、H本さん曰く「ツマミは切らしても酒が無くなるのは許せないよね」。否定する人は居ないでしょ、とばかりのキラキラした笑顔で仰る。ともあれビールで乾杯だ。
名だたる優良企業の経営者が発泡酒で乾杯とはこれ如何に、まともなビールを飲むべし、と僕がイヤミっぽくH本さんに問えば、「W松さんも20度の焼酎を持って上がるなんてコストパフォーマンスが悪いよね。僕はウイスキーを持ってきたけど?」と矛先を変えられる。急に話を振られたW松さんは、分が悪いと見たか「このメザシ、最高よ?鹿児島は錦江湾で獲れた最高級品だよ」と話を変える。とにかく切り返しの応酬に火花を散らしつつ、ガンガン酒を飲む3人であった。
日も暮れたので山小屋の中へ移動。ちなみに建て付けの悪いと思っていたドアは、反対側をスライドさせると滑らかに開いた。さて、マットとシュラフを広げているとH本さんが不思議そうに「それ、なに?」と聞いてくる。見ての通りエアマットですよ、と膨らませたマットを渡す。それに寝転んだH本さん、実に悔しそうな顔で言った。「なんで二人とも銀マットをザックに括りつけてないのかな〜、と思ったらコレかぁ…。フカフカでコンパクトやん?あ〜、なんか悔しい」その悔しさの意味はよく分からないが、とりあえず溜飲は下がった。
楽しい酒と話に夜は更けたが、翌日は完全に二日酔いの僕。本番の皿倉山までの縦走は、整備された快適な九州自然歩道だったが、実につらかった…。H本さんとW松さんの二人は談笑しながら先を進むが、僕は静かに後ろをついて行くのが精一杯だ。むむむ、今回は体調管理が出来ていなかったと反省。いずれリベンジしよう。
それでも本当に楽しい山行だった。気の合う仲間と歩く山は楽しい!
H本さん、W松さん、同行ありがとうございました。今度は祖母・傾山あたりを縦走したいですね。
やっぱり山はいいな。
頭が空っぽになって、心が一杯になる。
さあ、次はどこに行こうか。
みなさんの楽しそうな笑顔がこちらまで嬉しくなりました。
ヤマレコのyu−riさんが先日福智山へ行かれて避難小屋の情報もそこで読みました。
誰でも宿泊してよいのですね。
貸切でそれはそれは盛り上がったと容易に想像できます
気の合う仲間と登山は本当に楽しいです。
次は祖母山ですか!
いつか行けたら良いなぁ・・・と思いながらみなさんの記録を読んでいます。
コメントありがとうございます。
クルリンさんの山行記録もいつも楽しそうですね。
お互いに、安全で楽しい山歩きをして行きたいですね
いやー、楽しかったです。ありがとうございます。久々の泊り登山でした。
お二人の会話が勉強になったので、倍得した気分です。
また是非お願いいたします。
それにしても、アップされるまで半月以上もヤマレコを毎日チェックしてたんだけどねぇ(笑)。
FROM H本
アップが遅くなってご心配をおかけしました(笑)
またご一緒できる日を楽しみにしていま〜す
wakatakeyaさん、W松さん、H本さん。
いや〜、めちゃくちゃ楽しそうですね〜
旨いお酒に、美味しい料理(つまみ)に、気のあう仲間
最高ですねー
写真から楽しさがビンビンと伝わってきます!!!
それに翌朝は福智から皿倉まで縦走とは!!
まさか、あれだけのお酒を飲み切ったって事はないと思いますが、二日酔いの中、皿倉まで縦走されるなんて、みなさん健脚の方ばかりですね
凄いです
ps。
12枚目の花は「鹿の子草(カノコソウ)」では?と思いますが如何でしょうか?
マルテンさん、コメントありがとうございます!
そしていつも「拍手」もありがとうございます
二日酔いの登山なんてするもんじゃありませんね(笑)
でも山で飲む酒って旨くてついつい飲みすぎます…
「カノコソウ」!ありがとうございます、すっきりしました。
昨日は出張ついでに伯耆大山に登ろうと思ったのですが、
台風の影響もあって断念しました
お互いに良い山歩きを楽しみましょう
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