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Yamareco

記録ID: 471585
全員に公開
ハイキング
九州・沖縄

山小屋宴会と福智山縦走(上野峡〜福智山/荒宿荘泊〜皿倉山)

2014年06月14日(土) ~ 2014年06月15日(日)
 - 拍手
体力度
4
1泊以上が適当
GPS
32:00
距離
19.1km
登り
1,623m
下り
1,183m
歩くペース
ゆっくり
2.93.0
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

1日目
山行
1:40
休憩
0:10
合計
1:50
16:10
90
スタート地点
17:40
17:50
10
18:00
2日目
山行
6:10
休憩
0:30
合計
6:40
6:40
30
7:10
7:20
50
8:10
8:20
180
11:20
11:30
110
13:20
皿倉山
過去天気図(気象庁) 2014年06月の天気図
アクセス
16:10 今回同行のお二人、W松さんとH本さん。H本さんには今回のガイド役を務めて頂きました。今夜は山小屋泊まりなのでスタートは遅めです
2014年06月17日 21:39撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
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6/17 21:39
16:10 今回同行のお二人、W松さんとH本さん。H本さんには今回のガイド役を務めて頂きました。今夜は山小屋泊まりなのでスタートは遅めです
最初に出迎えてくれたのはホタルブクロでした。チョウチンバナの名の方が馴染みありますね
2014年06月14日 16:11撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
6/14 16:11
最初に出迎えてくれたのはホタルブクロでした。チョウチンバナの名の方が馴染みありますね
沢沿いを登ります。鳥の声も賑やかで気持ちが良いです
2014年06月17日 21:40撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
3
6/17 21:40
沢沿いを登ります。鳥の声も賑やかで気持ちが良いです
この時期はどこでも見かけるドクダミです
2014年06月14日 16:33撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
6/14 16:33
この時期はどこでも見かけるドクダミです
クサイチゴ
2014年06月14日 16:34撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
1
6/14 16:34
クサイチゴ
16:50 鷹取山と分岐する稜線に出ました。H本さんが取り出したタオルに一同爆笑。息子さんからのプレゼントだそうです(笑)
2014年06月14日 16:53撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
6
6/14 16:53
16:50 鷹取山と分岐する稜線に出ました。H本さんが取り出したタオルに一同爆笑。息子さんからのプレゼントだそうです(笑)
もうひと登りで福智山山頂です
2014年06月17日 21:41撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
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6/17 21:41
もうひと登りで福智山山頂です
コガクウツギも終わりかけ
2014年06月14日 17:09撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
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6/14 17:09
コガクウツギも終わりかけ
ヤマボウシは今が盛りと咲いています
2014年06月14日 17:09撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
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6/14 17:09
ヤマボウシは今が盛りと咲いています
キンポウゲ
2014年06月14日 17:09撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
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6/14 17:09
キンポウゲ
ウツギが満開です
2014年06月17日 21:41撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
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6/17 21:41
ウツギが満開です
葉を写さずにいると何の花か調べづらくなります。これはなんだろ →カノコソウ(maltenさん、ありがとう!)
2014年06月14日 17:25撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
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6/14 17:25
葉を写さずにいると何の花か調べづらくなります。これはなんだろ →カノコソウ(maltenさん、ありがとう!)
ハナイカダだ…と思ったけどアレ?葉の形も違うなぁ。ナツトウダイ…でもなさそう。誰か教えて下さい
2014年06月14日 17:27撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
6/14 17:27
ハナイカダだ…と思ったけどアレ?葉の形も違うなぁ。ナツトウダイ…でもなさそう。誰か教えて下さい
普通にニガナです
2014年06月17日 21:42撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
6/17 21:42
普通にニガナです
キンポウゲ
2014年06月14日 17:27撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
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6/14 17:27
キンポウゲ
樹林帯を抜けるとクマイザサに覆われた稜線に出ます。この稜線に高い樹木が無いのはなぜなのでしょう?
2014年06月17日 21:42撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
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6/17 21:42
樹林帯を抜けるとクマイザサに覆われた稜線に出ます。この稜線に高い樹木が無いのはなぜなのでしょう?
山頂付近は森林限界を思わせる風景で素敵です
2014年06月14日 17:31撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
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6/14 17:31
山頂付近は森林限界を思わせる風景で素敵です
ヤマツツジの赤とウツギやヤマボウシの白い花が美しい山頂付近。来年は晴れた日に見に来たい!
2014年06月14日 17:30撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
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6/14 17:30
ヤマツツジの赤とウツギやヤマボウシの白い花が美しい山頂付近。来年は晴れた日に見に来たい!
ヤマツツジが見事に美しい
2014年06月14日 17:35撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
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6/14 17:35
ヤマツツジが見事に美しい
ナワシロイチゴ
2014年06月14日 17:51撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
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6/14 17:51
ナワシロイチゴ
葉に裂はありませんがウリカエデではないかと。翼果が風に乗って種子を運ぶ、自然の知恵ですね
2014年06月17日 21:43撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
6/17 21:43
葉に裂はありませんがウリカエデではないかと。翼果が風に乗って種子を運ぶ、自然の知恵ですね
17:40 福智山山頂(900.6m)です
2014年06月14日 17:40撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
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6/14 17:40
17:40 福智山山頂(900.6m)です
ガスで周囲が見渡せません。天気予報では晴れのはずだったのに…
2014年06月14日 17:41撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
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6/14 17:41
ガスで周囲が見渡せません。天気予報では晴れのはずだったのに…
18:00 今夜の寝床です。無人の山小屋(避難小屋)荒宿荘。中はとてもキレイです。バイオトイレも完備されています
2014年06月14日 17:58撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
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6/14 17:58
18:00 今夜の寝床です。無人の山小屋(避難小屋)荒宿荘。中はとてもキレイです。バイオトイレも完備されています
3人で担ぎ上げた酒の数々。え、茶があるって?中身はウイスキーです(笑)
2014年06月14日 18:02撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
6
6/14 18:02
3人で担ぎ上げた酒の数々。え、茶があるって?中身はウイスキーです(笑)
待望の乾杯!今日は飲むぞ〜、と満面の笑みを浮かべるオヤヂ3人
2014年06月14日 18:22撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
8
6/14 18:22
待望の乾杯!今日は飲むぞ〜、と満面の笑みを浮かべるオヤヂ3人
僕は豚肉を入れたキムチ鍋を
2014年06月14日 18:36撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
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6/14 18:36
僕は豚肉を入れたキムチ鍋を
W松さんはメザシを炙るという渋さ
2014年06月17日 21:44撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
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6/17 21:44
W松さんはメザシを炙るという渋さ
この日の日没時間は19:30頃。暗くなるまでは外で飲みます
2014年06月14日 18:41撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
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6/14 18:41
この日の日没時間は19:30頃。暗くなるまでは外で飲みます
暗くなったら小屋の中へ移動して、まだまだ飲みます
2014年06月14日 20:02撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
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6/14 20:02
暗くなったら小屋の中へ移動して、まだまだ飲みます
実際の室内はこんな感じで真っ暗です。でも飲みます。そして馬鹿笑いしすぎでアゴが痛くなりました
2014年06月14日 20:03撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
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6/14 20:03
実際の室内はこんな感じで真っ暗です。でも飲みます。そして馬鹿笑いしすぎでアゴが痛くなりました
二日目の朝です。御来光を期待しましたが依然、ガスが濃く立ち込めています。朝食は豚キムチ鍋の残りにご飯を混ぜて雑炊にしました
2014年06月15日 05:42撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
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6/15 5:42
二日目の朝です。御来光を期待しましたが依然、ガスが濃く立ち込めています。朝食は豚キムチ鍋の残りにご飯を混ぜて雑炊にしました
バイオトイレは清潔で匂いません
2014年06月17日 21:44撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
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6/17 21:44
バイオトイレは清潔で匂いません
6:40 さあ、出発です。皿倉山までの縦走コースは九州自然歩道として整備されてます
2014年06月15日 06:43撮影 by  FJL22, FUJITSU
6/15 6:43
6:40 さあ、出発です。皿倉山までの縦走コースは九州自然歩道として整備されてます
縦走路にはこういう袋状の蜘蛛の巣がたくさんあったのです。きっと珍しい蜘蛛にちがいありません
2014年06月15日 06:57撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
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6/15 6:57
縦走路にはこういう袋状の蜘蛛の巣がたくさんあったのです。きっと珍しい蜘蛛にちがいありません
7:10 豊前越
2014年06月15日 07:10撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
6/15 7:10
7:10 豊前越
7:35 山瀬越
2014年06月15日 07:37撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
6/15 7:37
7:35 山瀬越
「この道は九州自然歩道です。バイク等の乗り入れを禁止します」この杭はバイクや自転車の乗り入れ防止なのだろう。上手く共存できると良いのにね
2014年06月15日 07:49撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
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6/15 7:49
「この道は九州自然歩道です。バイク等の乗り入れを禁止します」この杭はバイクや自転車の乗り入れ防止なのだろう。上手く共存できると良いのにね
8:05 尺岳平に着きました。ここから尺岳に寄り道
2014年06月15日 08:07撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
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6/15 8:07
8:05 尺岳平に着きました。ここから尺岳に寄り道
随分とガスが取れてきました。W松さんの日頃の行いが良いせいでしょう(笑)
2014年06月15日 08:11撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
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6/15 8:11
随分とガスが取れてきました。W松さんの日頃の行いが良いせいでしょう(笑)
8:10 尺岳山頂(608m)
2014年06月17日 21:45撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
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6/17 21:45
8:10 尺岳山頂(608m)
8:30 田代分れ
2014年06月15日 08:31撮影 by  FJL22, FUJITSU
6/15 8:31
8:30 田代分れ
スイカズラの花が咲いていました。なんか妖しげですね
2014年06月15日 08:38撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
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6/15 8:38
スイカズラの花が咲いていました。なんか妖しげですね
9:35 観音越
2014年06月15日 09:35撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
6/15 9:35
9:35 観音越
登山道に蟻塚がいっぱい出ていました。天気は下り坂でもないんだけどな
2014年06月17日 21:45撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
6/17 21:45
登山道に蟻塚がいっぱい出ていました。天気は下り坂でもないんだけどな
これは何の標識なのだろう?
2014年06月17日 21:45撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
6/17 21:45
これは何の標識なのだろう?
と思っていたら、送電線の建設現場でした。こんな風に山を切り開くのですねぇ
2014年06月17日 21:45撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
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6/17 21:45
と思っていたら、送電線の建設現場でした。こんな風に山を切り開くのですねぇ
全体的にはなだらかな下りですが、細かいアップダウンが続き足を削られます
2014年06月17日 21:46撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
6/17 21:46
全体的にはなだらかな下りですが、細かいアップダウンが続き足を削られます
11:25 市ノ瀬峠で舗装路を跨ぎます
2014年06月17日 21:46撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
6/17 21:46
11:25 市ノ瀬峠で舗装路を跨ぎます
トレーニング中の北九州産業大の学生と出会いました。「俺、大学で講義したよ、先週」と言うH本さんに学生さん、恐縮しています(笑)
2014年06月15日 11:25撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
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6/15 11:25
トレーニング中の北九州産業大の学生と出会いました。「俺、大学で講義したよ、先週」と言うH本さんに学生さん、恐縮しています(笑)
さあ、こっからは登りが続きます
2014年06月15日 11:26撮影 by  FJL22, FUJITSU
6/15 11:26
さあ、こっからは登りが続きます
歩き始めて5時間半、ここで登りはキツイ
2014年06月15日 11:58撮影 by  FJL22, FUJITSU
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6/15 11:58
歩き始めて5時間半、ここで登りはキツイ
しかも雁木なもんだから、余計に足にキますね
2014年06月17日 21:46撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
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6/17 21:46
しかも雁木なもんだから、余計に足にキますね
12:00 市ノ瀬峠からの1.3km、登りきった〜
2014年06月15日 12:03撮影 by  FJL22, FUJITSU
6/15 12:03
12:00 市ノ瀬峠からの1.3km、登りきった〜
皇后杉の林
2014年06月15日 12:15撮影 by  FJL22, FUJITSU
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6/15 12:15
皇后杉の林
さすがに神々しい
2014年06月17日 21:47撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
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6/17 21:47
さすがに神々しい
12:30 皿倉山まであとわずか。ここでランチ休憩
2014年06月15日 12:28撮影 by  FJL22, FUJITSU
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6/15 12:28
12:30 皿倉山まであとわずか。ここでランチ休憩
縦走の最後を迎えてくれたのは、何とも立派なヤマボウシでした
2014年06月17日 21:47撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
3
6/17 21:47
縦走の最後を迎えてくれたのは、何とも立派なヤマボウシでした
13:20 皿倉山に到着!W松さん、お疲れさま〜!
2014年06月15日 13:22撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
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6/15 13:22
13:20 皿倉山に到着!W松さん、お疲れさま〜!
H本さん、ガイドありがとうございました〜!
2014年06月15日 13:23撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
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6/15 13:23
H本さん、ガイドありがとうございました〜!
福智山から皿倉山まで約6時間40分の山歩きでした
2014年06月15日 13:24撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
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6/15 13:24
福智山から皿倉山まで約6時間40分の山歩きでした
皿倉山からはケーブルカーで下山
2014年06月17日 21:47撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
6/17 21:47
皿倉山からはケーブルカーで下山
スキーのジャンプ台と同じ傾斜度だそうです
2014年06月17日 21:47撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
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6/17 21:47
スキーのジャンプ台と同じ傾斜度だそうです
ということで、滑降姿勢を取ってみた(笑)。他の乗客の視線が…
2014年06月15日 13:42撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
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6/15 13:42
ということで、滑降姿勢を取ってみた(笑)。他の乗客の視線が…
ケーブルカーを下車して、あらかじめ待機しておいた車で登山口まで戻ってきました。みんなイイ笑顔!
2014年06月15日 14:20撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
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6/15 14:20
ケーブルカーを下車して、あらかじめ待機しておいた車で登山口まで戻ってきました。みんなイイ笑顔!

感想

6月2日に梅雨入りした九州北部地方。それでも日程を合わせるのが難しい3人が、なんと14日から1泊2日の時間が取れた。ここは僕以外のお2人の日頃の行いの良さを信じて晴れとなることを祈りましょう、と言っていたら、ホントに晴れ予報になった!

まずは今回の縦走到着地点となる皿倉山の麓、帆柱ケーブル山麓駅の駐車場にてH本さんと待ち合せ。H本さんの車を駐車場に置いて、僕のミニで登山口の上野峡へ移動する。上野峡でW松さんと合流。今日はここから福智山を目指し、山小屋・荒宿荘で一泊する予定だ。

W松さんとは先週、ミヤマキリシマの大船山にご一緒したばかり。H本さんとは、4月下旬に福智山をご案内頂いて以来だ。W松さんとH本さんは互いに知己であったが、山登りをしているとは知らなかったらしい。僕がお二方とそれぞれ登山をした時に話題にしたことで、それじゃいつか3人で山登りしてみたいものだね、と盛り上がり今回実現したのだった。

福智山はH本さんのホームグラウンド、今回の山行もルート設定など含め幹事役兼ガイドをお引き受け頂いた。スタートは16:10、通常ならこんな時間に山に入ることはないのだが、目指す山小屋までは2時間もかからない。この時期は日の入りが19:30なので余裕である。そんなことで、のんびり登ろうと思っていた…が、H本さんのペースが速い。若い頃、日本の主要地域最高峰を全て踏破したというツワモノなだけに、軽い足取りで登って行く。

どうしたことか、W松さんもサクサクと同じペースで登っている。高校時代に山岳部に所属していたとは言え、僕より5kgは重そうな脂肪を抱えているのに、だ。どうやらこれまでのW松さんとは違うようだ。「いやぁ、キツイキツイ!」と言いながら緩めないペースに、温厚なエビス顔の仮面に隠されたマケズギライという男の本能を垣間見たような気がした。

残念ながら白旗を揚げよう。「H本さん、W松さん、ちょっとペース速くないっすか。休憩入れて下さ〜い」と呼びかける僕に、二人からの優越的な視線を感じたのは気のせいではないはずだ。しかしこれは肉体的敗北であって、精神的敗北ではない。おのれ見ておれ、今宵の宴会でこの屈辱を晴らさでおくべきか…。休憩後しばらく進むと、そんな妄想を吹き飛ばすような素晴らしい景色が眼前に広がった。

福智山は高度850mの山頂手前からクマイザサとススキに覆われた美しい平原が広がる。樹林帯を抜けいきなり視界が開ける様は、北アルプスの森林限界を抜けた時のようだ。山頂付近にはハイマツの代わりにヤマツツジが生い茂る。このヤマツツジが見事に美しく花開いていた。ヤマボウシやウツギの白い花とともに紅白緑が鮮やかに迫る。霞が深く下界の街並みは薄れ、遠賀川だけが淡い日差しを反射して輝いている。幻想的で素晴らしい光景だ。先週、大船山のミヤマキリシマにも感動したが、福智山の美しさもけして引けをとっていない。

山頂(901m)から明日の縦走ルートを確認しようとしたが、霞んで見えない。そこそこに山頂を後にし、少し下ったところにある山小屋へ向かう。前回も思ったのだが、福智山は山頂から下ろうとした時のルートが分かり辛い。何の標識もない上にとても多くの登山道があるからだ。今回もH本さんが居なければ自信を持って進めなかっただろう。18時に山小屋に到着する。ここは地元山岳会が1973年に建てた無人の避難小屋で「荒宿荘」という。やけに立て付けの悪いスライドドアを開けて中に入ると、とても清潔でキレイな内部。隣には2006年に建てられたというバイオトイレもある。これは立派な山小屋だ。

日没までは外のベンチで飲もうじゃないか、とH本さんが酒を並べ始める。清酒にビールにワイン、焼酎…烏龍茶のペットボトルに詰めたウイスキーまで、こんなに飲みきれるのだろうかと訝しがる僕に対し、H本さん曰く「ツマミは切らしても酒が無くなるのは許せないよね」。否定する人は居ないでしょ、とばかりのキラキラした笑顔で仰る。ともあれビールで乾杯だ。

名だたる優良企業の経営者が発泡酒で乾杯とはこれ如何に、まともなビールを飲むべし、と僕がイヤミっぽくH本さんに問えば、「W松さんも20度の焼酎を持って上がるなんてコストパフォーマンスが悪いよね。僕はウイスキーを持ってきたけど?」と矛先を変えられる。急に話を振られたW松さんは、分が悪いと見たか「このメザシ、最高よ?鹿児島は錦江湾で獲れた最高級品だよ」と話を変える。とにかく切り返しの応酬に火花を散らしつつ、ガンガン酒を飲む3人であった。

日も暮れたので山小屋の中へ移動。ちなみに建て付けの悪いと思っていたドアは、反対側をスライドさせると滑らかに開いた。さて、マットとシュラフを広げているとH本さんが不思議そうに「それ、なに?」と聞いてくる。見ての通りエアマットですよ、と膨らませたマットを渡す。それに寝転んだH本さん、実に悔しそうな顔で言った。「なんで二人とも銀マットをザックに括りつけてないのかな〜、と思ったらコレかぁ…。フカフカでコンパクトやん?あ〜、なんか悔しい」その悔しさの意味はよく分からないが、とりあえず溜飲は下がった。

楽しい酒と話に夜は更けたが、翌日は完全に二日酔いの僕。本番の皿倉山までの縦走は、整備された快適な九州自然歩道だったが、実につらかった…。H本さんとW松さんの二人は談笑しながら先を進むが、僕は静かに後ろをついて行くのが精一杯だ。むむむ、今回は体調管理が出来ていなかったと反省。いずれリベンジしよう。

それでも本当に楽しい山行だった。気の合う仲間と歩く山は楽しい!
H本さん、W松さん、同行ありがとうございました。今度は祖母・傾山あたりを縦走したいですね。

やっぱり山はいいな。
頭が空っぽになって、心が一杯になる。
さあ、次はどこに行こうか。

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コメント

お邪魔します。
みなさんの楽しそうな笑顔がこちらまで嬉しくなりました。
ヤマレコのyu−riさんが先日福智山へ行かれて避難小屋の情報もそこで読みました。
誰でも宿泊してよいのですね。
貸切でそれはそれは盛り上がったと容易に想像できます
気の合う仲間と登山は本当に楽しいです。
次は祖母山ですか!
いつか行けたら良いなぁ・・・と思いながらみなさんの記録を読んでいます。
2014/7/1 23:49
Re: お邪魔します。
コメントありがとうございます。
クルリンさんの山行記録もいつも楽しそうですね。
お互いに、安全で楽しい山歩きをして行きたいですね
2014/7/2 20:48
ご一緒していただき、ありがとうございます
いやー、楽しかったです。ありがとうございます。久々の泊り登山でした。
お二人の会話が勉強になったので、倍得した気分です。
また是非お願いいたします。
それにしても、アップされるまで半月以上もヤマレコを毎日チェックしてたんだけどねぇ(笑)。
FROM H本 
2014/7/2 9:30
Re: ご一緒していただき、ありがとうございます
アップが遅くなってご心配をおかけしました(笑)
またご一緒できる日を楽しみにしていま〜す
2014/7/2 20:50
楽しそう♪
wakatakeyaさん、W松さん、H本さん。

いや〜、めちゃくちゃ楽しそうですね〜
旨いお酒に、美味しい料理(つまみ)に、気のあう仲間
最高ですねー
写真から楽しさがビンビンと伝わってきます!!!

それに翌朝は福智から皿倉まで縦走とは!!
まさか、あれだけのお酒を飲み切ったって事はないと思いますが、二日酔いの中、皿倉まで縦走されるなんて、みなさん健脚の方ばかりですね
凄いです

ps。
12枚目の花は「鹿の子草(カノコソウ)」では?と思いますが如何でしょうか?
2014/7/9 0:09
Re: 楽しそう♪
マルテンさん、コメントありがとうございます!
そしていつも「拍手」もありがとうございます

二日酔いの登山なんてするもんじゃありませんね(笑)
でも山で飲む酒って旨くてついつい飲みすぎます…
「カノコソウ」!ありがとうございます、すっきりしました。

昨日は出張ついでに伯耆大山に登ろうと思ったのですが、
台風の影響もあって断念しました
お互いに良い山歩きを楽しみましょう
2014/7/13 2:03
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この記録に関連する登山ルート

ハイキング 九州・沖縄 [2日]
九州自然歩道(皿倉山〜福智山〜石原町)
利用交通機関: 電車・バス
技術レベル
1/5
体力レベル
4/5

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