燕岳〜大天井岳〜常念岳縦走


- GPS
- 104:05
- 距離
- 23.3km
- 登り
- 2,365m
- 下り
- 2,563m
コースタイム
※歩行時間:3時間25分(小休止含む) 休憩:30分13日:
13日 : 燕山荘5:20〜(30)〜蛙岩5:50〜(35)〜為右衛門吊り岩6:25〜(35)〜切通岩7:00〜(25)〜大天荘 7:35 〜 (10)〜 大天井岳7:45/7:55〜(5)〜大天荘8:00/8:10〜(60) 〜 東天井9:10 〜 (60)〜常念小屋10:10
※歩行時間:4時間50分 (小休止含む) 休憩:20分
14日:常念小屋6:20〜(30)〜 胸突き八丁 6:50〜(1時間10分)〜エボシ沢8:00〜(20)〜大滝ベンチ 8:20 〜 (40)〜 一の沢登山口9:00
※歩行時間:2時間40分(小休止含む)
過去天気図(気象庁) | 2014年07月の天気図 |
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アクセス |
写真
装備
個人装備 |
ヘッドランプ
予備電池
1/25,000地形図
ガイド地図
コンパス
笛
筆記具
ライター
ナイフ
保険証
飲料
ティッシュ
三角巾
バンドエイド
タオル
携帯電話
計画書
雨具
防寒着
スパッツ
手袋
ストック
ビニール袋
替え衣類
入浴道具
シュラフ
シュラフカバー
ザックカバー
クマよけ鈴
水筒
時計
日焼け止め
非常食
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感想
今回は、台風8号が通過した後の天候回復を狙って、7月12日(土)〜14日(月)でアルプスの高山植物の女王の「コマクサ」に逢いにいくこととし、燕岳〜大天井岳〜常念岳の表銀座コースの縦走にチャレンジすることとした。
東京から中央線の特急電車で行くこととし、一番早く穂高駅に着くスーパーあずさ1号で松本経由大糸線で穂高に向かった。スーパーあずさ1号の指定席は満席だったが、途中の甲府、小淵沢、茅野で半数以上がおり、松本から大糸線に乗り換える登山客は十名程度だった。
穂高駅から燕岳の登山口の中房温泉へ向かう乗合バスは、出発まで35分近く待たなければならなかったが、丁度中年のカップルの単独行でバスを待っている方がおられたので、4人でタクシーで中房温泉に向かう話がまとまり、当初の予定より、登山口には、20分近く早く着くことができた。初日の天気は、青空が覗いており、登山日和であった。
準備運動もそこそこに登り始め、第1ベンチ、第2ベンチ、第3ベンチとほとんど休みなしで登り、当初の計画よりかなり早くに富士見ベンチに着いた。富士見ベンチで小休止し、更に合戦小屋をめざした。
合戦小屋には、登山口から2時間10分で到着した。合戦小屋のスイカが有名なので、スイカを食べて英気を養おうと、小屋のご主人に注文しようとしたところ、スイカはすでに売り切れとのこと、やはり、土日は登山客が多く、かなり早い段階で売り切れになってしまったようだ。残念!!
気を取り直して、カップヌードルをすすり、遅い昼食をとった。
合戦小屋から燕岳の登りは、北アルプスの三大急登のひとつと言われていたので、かなり意識してきたが、体調が良かったのか、10分ほどで、槍ヶ岳の穂先が見える合戦沢の頭にたどりつき、槍ヶ岳、大天井岳、東天井岳、燕岳の峰々が目に飛び込んできて、これまでの疲れが吹っ飛んだ。
ちょっと上ると、燕山荘の建物も見えるようになり、15時に燕山荘に到着した。
燕山荘で、チェックインの手続きを行い、部屋に案内してもらった。部屋は、山荘の南側の2回の上の天井裏で、土曜日のため、畳一畳に2名で利用してくださいと言われた。荷物をおいて、まだ夕食まで時間があるため、燕岳の頂上に行ってみることとした。燕山荘のテラスでは、生ビールのジョッキを片手にアルプスの展望を楽しんでいる登山客が目についた。
燕岳への登山路は、花崗岩の風化岩で覆われており、日差しを浴びてまぶしいくらいであった。山荘から燕岳の登山路に差し掛かると、白い花崗岩の砂で覆われた斜面のあちこちに高山植物の女王のコマクサが咲いており、素晴らしい眺めとなっていた。燕岳への登山路の途中には、イルカ岩やメガネ岩等の奇岩が現れ、創造の翼を膨らませてくれた。写真をとりつつ、上り詰めると燕岳の頂上は、360度の眺望が得られ、南南西の方向には、槍ヶ岳&穂高岳の峰々がそびえ、槍ヶ岳の奥には、笠ヶ岳、更に西側に双六岳、三俣蓮華岳、鷲羽岳、水晶岳の峰々が続き、更に北北西の方向に立山、剣岳が雄姿を見せていた。また、西方には、白馬岳、鹿島槍ヶ岳、更に北北東の方向には、雨飾山、火打山、妙高山がうっすらと姿を見せていた。東の方向に目を転ずると、四阿山、浅間山、そして、蓼科山と八ヶ岳の山塊が望まれた。なお、富士山と南アルプスの峰々は、ガスの中で確認できなかったものの、これだけの眺望が得られる場所は、なかなか得難く、30分近く燕山頂で名峰の同定を楽しんだ。
そのあと、燕山荘に戻り、槍ヶ岳から裏銀座ルートの黒部の山々を魚に待望の生ビールでのどを潤した。夕食前に、明日の天候を確認したところ、天気の崩れが早く、明日の午後には天気が崩れるとの予報に変わっており、当初の予報の月曜日の後半から崩れるという予報が1日早まってしまったようだ。
7月13日は、5時から朝食だったため、4時半ごろから並び、第1組で朝食を済ませ、5時20分に燕山荘を出発した。大天井岳に向かう表銀座ルートの縦走路は、なだらかなアップダウンが続くコースだったため、滑りやすい風化花崗岩砂の足元に注意しながら、軽快に歩みを進め、蛙岩に役30分で到着した。更に、先を急ぎ、1時間40分で切通岩にたどり着いた。梯子と鎖場を慎重に下り、7時過ぎには、東鎌尾根分岐に着いた。この時点では、まだ、槍ヶ岳の峰々は、くっきりとその姿をみせており、高曇りの空だった。大天井岳に向かう東斜面を一気に登り、大天井荘に8時前にたどり着いた。小休止して、大天井岳に登り始めたところ、小雨が降り出し、大天井岳の頂上直下にきて槍ヶ岳を見たところ、ガスが一気にその雄姿を隠してしまった。雨も降りだしたため、雨合羽を羽織り、8時過ぎに大天井荘を後にした。
大天井荘から東天井岳の縦走路は、花崗岩の大きな岩がゴロゴロしている箇所が一部あったものの、路肩には、コマクサ、イワベンケイ、イワカガミ、シナノキンバイ等の高山植物が目を和ませてくれた。
東天井岳あたりでは、雨と風が強くなり、ガスが山頂を覆い、視界が数十mに落ちてしまった。
このような状況になり、東天井岳から横通岳に向かう箇所で、コースの選択ミスをやってしまった。丁度、雪渓に出たところで、周囲が見えなかったため、そのまま直進したところ、雪渓上の踏み跡が少なくなっていることに気づき、コースアウトの可能性に気づいた。雨と霧で地図をザックに入れてしまい、確認しなかったことと、視界が遮られており、全体のルートが見えなかったこともコースアウトの遠因となったようだ。雪渓の視点に戻り、足跡が多い方向(これまでの進行方向から逆戻りする方向に戻ると、しばらくして正規の縦走ルートに戻ることができ、大きなけがに至らずに済んだようだった。
今回の山行は、単独行だったが、常念岳への縦走ルートを歩いて、大天井荘に来た時点で、後から来た愛知から来た登山者と一緒になり、常念岳に向かっていたため、相談することができたことも大きな傷にならないですんだ一因だった。
横通岳の巻き道を登りきり、常念山荘への下り坂に入っても、ガスと雨がやまず、常念山荘は全く見えなかった。樹林帯に入り、しばらく下ったところ、ガレ場に出て、やがてテン場が現れ、10時過ぎに常念山荘に到着した。
常念岳は全くみえず、風雨が強くなってきたため、常念山荘に駆け込み、宿泊手続きを行おうとしたが、時間が早すぎるといわれ、しばし談話コーナーで体をあたため、その後、宿泊手続きをしてもらい、部屋に案内してもらった。今日は、日曜日で宿泊者もそれほど多くないため、今回は、1畳1人で泊まれることになった。雨がやまず、風が更に強くなってきて、雷鳴も聞こえ始めたため、今日の常念岳への登頂はあきらめ、雨と汗で揺れたシャツ等を乾燥室に干して、生ビールで疲れを癒すことにした。燕山荘でも生ビールにありつけたが、常念山荘でも生ビールが提供されており、さすが表銀座コースの山小屋だなと感じた。
午後になると、更に風雨が強くなり、ガスが晴れそうになかったため、テレビでWCP決勝戦と大相撲の観戦で時間をつぶした。天気予報によると、14日は、夜半には雨がやみ、6時過ぎから晴れマークになっていたため、明日に期待して早めに寝ることにした。
7月14日は、3時ごろに目を覚まし、外をみると、依然として雨がふっており、風もふいており、天気の回復が遅れていた。5時に朝食を済ませ、外をみたが、依然として雨が降り続いており、ガスもかかっているため、もう少し様子をみることとした。しかし、6時になっても、回復の見込みがないため、常念岳登山は、あきらめ一ノ沢登山口に下山することした。
昨日から一緒に歩いた愛知からこたK氏と相談し、一ノ沢登山口からのタクシーを一緒に乗っていこうということにしていたので、下山に3時間半を見込んで、9時半に迎えに来てもらうことにし、6時20分に下山の途についた。雨が依然として降り続いていたため、登山路が川となり、沢下りをしているようだった。
しかし、下りも軽快にくだり、胸突き八丁に30分でおり、更に川の渡渉を繰り返し、雪渓上のコースもツボ足で慎重に下って行った。しかし、雪渓の雪も雨で溶けるスピードが速まっていたようで、雪渓上のルートが切れて川沿いのルートに移る箇所では、雪渓から川の中に飛び降りざるを得ない箇所もあった。沢下りのコースをずぶぬれになりながら、下り、一の沢の登山口には、9時に到着した。当初の予定よりかなり早かったが、タクシーの運転手さんがすでに待っていてくれたため、スムーズに豊科に戻ることができた。K氏が車できていたため、駐車場でのりかえ、ずぶ濡れの衣類を着替えるため、運転手さんにお奨めの温泉を教えてもらい、町営の「ほりでーゆー四季の郷」が良いと勧められた。
そこで、早速四季の郷に向かったところ、なんと月曜日定休日で当てが外れ、風呂を探してドライブを続ける羽目となった。しかし、K氏が「常念坊」という日帰り入浴可能な宿を見つけ、二人貸し切りで旅の汗を流すことができた。この宿は、露天風呂もあり、浴槽も広く、お奨めである。
今回の山行は、前半天候に恵まれ、燕山荘および燕岳からの眺望を楽しむことができ、燕山荘から大天井岳までの表銀座ルートの縦走を堪能することができた。なお、大天井岳から常念岳にかけての後半は、天候に恵まれなかったが、当初計画した表銀座ルートの縦走を楽しむことができ、有意義な山旅であった。
松本駅までK氏に送っていただき、松本駅前で冷酒と手打ちそばで今回の山行をしめくくり、あずさ豪で帰京した。
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