川崎市の史跡を歩く

2014年08月01日(金) [日帰り]

• GPS: 08:23
• 距離: 17.8km
• 登り: 79m
• 下り: 57m

コースタイム

日帰り

• 山行: 0:00
• 休憩: 0:00
• 合計: 0:00

18:25 ゴール地点

10時武蔵小杉駅北口集合ー10:17川崎市民ミュージアム(資料配布、常設展展示解説など）11:45-昼食12:25出発-13:13子母口貝塚13:27--13:41橘樹神社13:52--14:00子母口富士見古墳14:02--14:15橘樹郡衙跡14:30--14:37影向寺15:37--16:24西福寺古墳16:33--17:07笹の原子育て地蔵ー17:23陸軍標柱−17:28久本薬医門−17:33久本横穴墓郡−17:45溝口駅前大山街道道標―解散（打上）

天候

晴れ

アクセス

利用交通機関：

電車 バス タクシー

JR武蔵小杉駅集合で、最初バスで川崎市民ミュージアムへで見学、そこからタクシーで子母口貝塚へ行き、以降徒歩で移動。最後は梶が谷駅または溝口駅で解散

コース状況／危険箇所等

子母口貝塚、子母口富士見台古墳はわかりにくい。このコースは市民ミュージアム、影向寺、市民プラザ以外にはトイレがない。

その他周辺情報

食事をする場所は市民プラザ以外はないので、弁当などの場合、直射日光や雨を避ける場所を探すのは結構大変かも？

写真

8/1 10:33

最初に市民ミュージアムで資料配布、説明の後、学芸員の解説で常設展示を見てから昼食。

8/1 12:08

「あかねいろ」のアカネの実物ーかつてはそこらに生えていたという

8/1 12:08

赤紫色の染料や薬として茜の根を中央に献上

8/1 12:08

この乾燥した根は京都の有名な染物屋の品

8/1 13:03

常設展見学・昼食の後子母口貝塚に向かう

8/1 13:03

貝層の断面

8/1 13:03

8/1 13:03

著名な考古学者らが発掘に携わった

8/1 13:03

8/1 13:03

貝塚の発掘地点

8/1 13:04

この貝塚は縄文早期（約7千年くらい前まで）のもので、カキ、シジミ、ハイガイなどが多く、スズキやシカの骨も出ている

8/1 13:04

縄文海進は溝口駅付近まできていたらしい

8/1 13:04

土器・石器片

8/1 13:04

8/1 13:04

3キロ先に海岸線があり、遠浅の砂浜が続いていたと考えられている

8/1 13:05

貝塚の東側は断崖だがそれ以外は宅地が迫っている

8/1 13:05

標高26m位

8/1 13:05

武蔵小杉方面の高層ビル街

8/1 13:25

貝塚の地表に残る貝の遺物

8/1 13:41

橘樹（たちばな）神社―この字を使うのは川崎のここだけらしい。

8/1 13:42

8/1 13:42

山岡鉄舟の筆による石碑

8/1 13:52

8/1 13:52

標高15m位

8/1 14:00

子母口富士見古墳に登るー大した墳丘の高さではないが、それでも周囲をよく見渡せる

8/1 14:02

8/1 14:02

標高36m位

8/1 14:06

周囲の畑のそばの空き地で、会員が早速土器破片さがしーーさすがアマチュア考古学者たちーー

8/1 14:14

8/1 14:16

郡衙（ぐんが）跡の発掘現場に到着

8/1 14:16

ここは正倉という郡の徴税品などの倉庫群があったようだ。

8/1 14:16

8/1 14:28

正倉の掘立柱などの発掘当時の様子

8/1 14:28

これは埼玉の郡衙の正倉の復元写真（ただしここでは尚早以外の遺構は見つかっていない）

8/1 14:28

正倉はかなり広い範囲に広がり、また701年の大宝律令以前の評（こおり）の尚早とそれ以後の「郡（こおり）」の正倉の遺構が重なって発掘されている。

8/1 14:28

影向寺（郡寺と考えられる）などに関する説明

8/1 14:30

立派な石碑

8/1 14:30

川崎市はここを国指定史跡として残そうと登録活動を開始した（標高42m位）

8/1 14:35

郡衙付近の湧水のある場所

8/1 14:37

影向寺の金堂の基壇と考えられる影向石

8/1 14:37

標高42m位

8/1 14:38

太子堂は昭和60年建立

8/1 14:49

薬師堂は元禄期に再建されたが、発掘により、

8/1 14:49

薬師堂の天井画

8/1 14:50

薬師堂に関係する絵

8/1 14:50

眼病にご利益があったという（薬師様は現世利益の観音様）

8/1 14:51

江戸時代の再建だが本堂（薬師堂）の中は中世の密教寺院のプランを色濃く残すものという。

8/1 14:52

薬師如来

8/1 14:53

8/1 14:56

結界の中の内陣は畳敷きでヒトが容易に入れない神聖な場所

8/1 14:57

8/1 15:05

まっすぐの床板と丸く木取をした床板がある。

8/1 15:10

安置堂の中におさめられている古い仏像ーー年代不詳の四天王像？

8/1 15:10

8/1 15:10

十二神像は南北朝時代

8/1 15:10

8/1 15:11

8/1 15:12

四天王像のうち二体だけが残る

8/1 15:12

8/1 15:12

薬師如来像―平安時代後期の名品という

8/1 15:13

西脇順三郎が影光寺を訪れた際に残した自筆の詩

8/1 15:14

8/1 15:14

月光菩薩（平安後期）

8/1 15:15

8/1 15:15

日光菩薩（同）

8/1 15:17

8/1 15:17

8/1 15:17

発掘出土品の瓦の破片

8/1 15:19

8/1 15:37

8/1 15:40

影向寺を出て第三京浜を渡る（標高32m位）

8/1 16:24

西福寺古墳―出土した水鳥埴輪などは市民ミュージアムに収蔵されている

8/1 17:05

矢倉往還（大山道）

8/1 17:06

観音霊場供養塔

8/1 17:06

笹原の子育て地蔵尊

8/1 17:06

8/1 17:06

8/1 17:11

東急田園都市線を見下ろす(この辺りは標高39mくらい）

8/1 17:16

崖まで宅地にする不動産屋

8/1 17:22

矢倉往還から枝道に入りーー

8/1 17:23

陸軍の標柱

8/1 17:24

かつては陸軍の施設があった

8/1 17:24

かわいらしい坂

8/1 17:25

馬頭観音？？

8/1 17:25

馬坂

8/1 17:27

この辺りの有力者「岡家」は医者の一族

8/1 17:29

その岡家の藥医門と倉が史跡となっている

8/1 17:30

8/1 17:30

8/1 17:30

8/1 17:33

久本の横穴墓を探す

8/1 17:33

このあたりが横穴簿だったらしい

8/1 17:34

8/1 17:35

横穴は塞いであるー崩壊危険斜面ということでコンクリで固めている

8/1 17:36

反対側の斜面

8/1 17:44

大山街道（矢倉沢往還）

8/1 17:45

8/1 17:46

8/1 17:46

西大山みち、反対側は東江戸みちとある

8/1 17:47

陶芸家濱田庄司生誕の地の碑

8/1 18:26

飲み屋街で有名な溝口西口通り―この奥で打上

8/1 18:27

8/1 19:50

撮影機器：

OLYMPUS Tough TG-620 オリンパス

装備

共同装備

日傘（雨傘で代用可能）は必須アイテム

感想

hirokok510

大学の博物館友の会主催の史跡歩き。今回は川崎市の縄文遺跡、古墳および古代の郡衙＋影向寺（郡寺）などを見て歩くツアー。中央線や南武線の事故での遅れの中、辛うじて集合時間に間に合う。駅からはバスで最初に川崎市民ミュージアムに向かい、ここの研修室で資料配布、簡単な解説があり、その後常設展を学芸員による解説で見学、その後昼食。川崎市は旧石器遺跡、縄文海進の7千年前ころの貝塚や弥生環濠集落、古墳時代の遺跡、天平・奈良時代の古代郡衙跡、郡寺の影向寺様々な遺跡があるが、残念ながら開発が早かったために多くの遺跡が失われ、残されたものは少なく貴重なものになっている。ここ遺跡への対策、文化財行政の遅れから遺跡の多さと比べて博物館の展示品の内容はやや問題があるとは会員のきびしい評価。また川崎は京浜工業地帯として、また大都市東京の住宅地として開発が先行したが、近年大企業の多くが移転して税収が減り、財政状態が厳しく、文化財行政に回る分も減って厳しい状況という。その中でも古代郡衙跡の遺構が発見され、正倉の建物群の遺構に加えて、郡衙の役所跡などの発見が期待され、また関連する郡寺の遺構が現在の影向寺から出ていて、郡衙全体の遺構を国史跡と指定するよう、動き出している。今回は、そうした史跡の見学を主体としたツアーで、大都会や工業地帯近郊の縄文、古墳時代や古代の重要な史跡を見学する充実した史跡ウォークとなった。この企画を準備された関係者に深謝。