9歳児とゆく天空の360°絶景散歩・雪頭〜鬼〜節刀ヶ岳【山梨百名山】
- GPS
- 08:02
- 距離
- 10.3km
- 登り
- 1,123m
- 下り
- 1,119m
コースタイム
- 山行
- 6:24
- 休憩
- 1:36
- 合計
- 8:00
天候 | ほとんど雲のない快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
節刀ヶ岳方面の鬼ヶ岳直下、一瞬だけ足元が極端に狭いところあり 鬼ヶ岳〜鍵掛峠間はロープ場がそれなりに |
その他周辺情報 | 西湖温泉いずみの湯 →今回は精進を抜けて市川三郷町「みたまの湯」へ |
写真
感想
山梨百名山も手軽な山はほとんど登り尽くして、東京から行きやすい富士山周辺の山はもうほとんど残っていない。
最後にひとつだけ残してあったのが、この節刀ヶ岳。通過地点となる雪頭ヶ岳、鬼ヶ岳とあわせて、富士山の絶景が見られるというこの山は秋晴れの日のためにとっておこう、ということでタイミングを見計ってきた。
そしてやってきた、天気予報が快晴を示す秋の週末。これは節刀ヶ岳に登るほかない。
ただひとつの懸念は、コースがやや長く急で、息子の足取りで日没前におりてこれるかどうか。秋の土曜日朝は中央道下りが渋滞する。登山口に早く着けることが大事なので、ここはやまなしグリーンゾーン割を使って富士吉田に前乗りしておこう。
金曜夜、晩ごはんをすませて東京を出発。温泉につかって朝早めに出発!
……と思ったのだけれど、朝6時に起きた割に朝風呂と朝ごはんを満喫してしまい、西湖根場浜駐車場に着いたのは8:30過ぎ。最悪でも8時には登り始めたいと思っていたのだが。スタートから40分のビハインドである。
根場集落からいやしの里と逆方向に進み、林道を東入川砂防堤へ。落ち葉に霜がおりてキラキラしている。空は真っ青、狙いどおり。
涸れ川をわたって登山口、沢沿いに進んでから林の中へ。よく整った登山道だが、やや斜度がきつい。しかし40分のビハインドをなんとかして取り返さないと。前と後ろにハイカーさんがいる、そのどちらよりもペースを落とさないように高度をあげていく。
若い人たちのパーティーが先に進んでいたが、「こっち間違いですー」と言いながらおりてきた。大きな岩のところ、左に行くべきところを右に進んでいた。よく見ると細い倒木で「こっちではない」のサインがしてあったが、見落としていた。ここはちょっと危ないポイント。
ここから道はかなり急になるのだが、いきなりピッチを上げる息子さん。体の軽い彼は急斜面が得意なうえ、エンジンがうまくかかったらしい。平地での早歩きぐらいのペースでガンガンに高度を上げていく。大人ふたりはついていくのがやっとである。
道がぱっと明るくなり、富士山が見えた。植生も変わり、頂上が近いことがわかる。木々のないところからは富士山、そして下界すべてが見える。これはすさまじい絶景だ。
草原の斜面のようなところに、ハイカーさんたちが休んでいた。真っ青な空の真ん中に富士山、山中湖から精進湖のほうまで一望できるここは天国みたいだ。ここが雪頭ヶ岳山頂?
いや、まだ少し先らしい。林を通って岩場を登るととてもせまい山頂があった。まずは雪頭ヶ岳に到着。甲府盆地、その先の南アルプスがはっきり見える。このあたりまでは行き交う人がそれなりにいて、こまめに道をゆずりあって進んだ。岩場の道でとてもせまいのだ。
雪頭ヶ岳山頂からおりるとすぐにハシゴ、のぼると八ヶ岳から十二ヶ岳までぐるりと見える大パノラマポイントがあった。さらに進んで、鬼ヶ岳山頂。ここも多少の低木はあるけれど富士山も八ヶ岳も甲府も見える良きビューポイント。鬼の金棒みたいな岩があってかわいい。
十二ヶ岳とそのむこうの河口湖を見下ろしながら岩の急坂をおりる。それがすむと林のなかのおだやかな稜線歩きになった。快晴の下、吹き抜ける風が本当に気持ちいい。最高の登山日和、すてきな散歩道。
ほどなくして金山に到着。南斜面方向が開けていて、どーんと富士山。ここをくだると十二ヶ岳方面である。
ゆるやかな道を進み、大石峠からの道をあわせると軽いロープ場。そして岩場、ここは振り返るとまたしても絶景である。でもとりあえずは目の前の山頂に出よう。12:15、節刀ヶ岳に着いた。息子さんの爆登りのおかげで予定よりも80分くらい早い到着となった。ほめられた息子さん、うれしそう。
先にいらしたベテランハイカーの方とお話しさせてもらいながら、今日のお昼ごはん。九州限定の「うまかっちゃん新味」に、妻がコンビニで手に入れたモヤシを大量にぶち込んでいただきます。やはり絶景を見ながらのごはんはたまらない。
さて、おりよう。今日は土曜日だから多少遅くなっても中央道は混まない、温泉入ってごはん食べて帰ろう。
頂上からおりるところ、もうそこが山中湖から富士山、樹海から本栖湖のほうまで一望できるポイント。多少ヤブのある山頂よりこっちのほうがよく下界が見える。というか今日のルートはそんな絶景ポイントばかりだ。
大石峠への分岐を過ぎ、ほんのり登り返すと金山山頂。ここからまた、気持ちのよい稜線道をゆく。
鬼ヶ岳直下から岩をつたうような登りになる。1箇所だけ、足ひとつぶんしか幅のない岩を乗り越える。ここが今回唯一の危ないといえば危ないポイント。
鬼ヶ岳山頂で八ヶ岳や南アルプスを眺めて、岩によじのぼる息子さんを見張って、次に進む道を考える。そのまま来た道を帰るか、鍵掛峠のほうにおりるか。ヤマレコによれば鍵掛峠経由のほうが800mほど長いがコースタイムはさほど変わらないらしい。
つまりは「長いけど時間は同じ」というコースのほうが歩きやすいということかな? 稜線からの眺望もあるというし、トレースつなぎになるし、なにより単純ピストンにならないし、鍵掛峠コースに決まりだ。
鬼ヶ岳山頂からちょっと急な坂をくだる。岩の降下や土の降下を経て稜線歩きに……と思ったらでっかい岩の壁登場。なんだこれ! これ越えるの? と思ったけど、道はちゃんと巻いておりていく。ただしロープのある急坂くだり。このあたりから、急降下を嫌う妻が機嫌をそこねる。急降下のところはもれなくパノラマビューなのだが、今日そういう景色はさんざん見てきたあとなので心に響かないようだ。
またポコンとした岩っぽい小ピークがあった。今度はロープで登って越えるらしい。あとはラクなくだりだけ♪と聞いていた妻はここで完全にガチギレ。あまり進まなくなってしまった。
小ピークから絶景を見て、なだらかな稜線を歩いて、ちょっと急降下。トゲだらけのヘビノボラズが真っ赤な実をつけているが、ころんだすきにそれで手を刺した妻はさらにやる気を失う。息子はしょんぼり。
ほどなく鍵掛峠に到着。ここからは古道なので傾斜がゆるやかだ。以前王岳に登ったときにはそれなりに骨のある道だと感じたが、今はどちらかというとラクな部類に思える。落ち葉に埋もれた石につまづかないようにだけ気をつけておりていく。
気分を害した妻に息子が「いやな気分のときは明日なにしようかなとか、おいしいものたべようとか、そういう楽しいこと考えるといいよ。そしたら気分が明るくなるよ」なんて言っている。
ほどなくして林道に到着。車はもう通れないぐらいに崩れてはいるが、やはり歩きやすい。紅葉を見るなどしながらのんびり進んで、いやしの里根場に到着。おつかれさまでした。
いやしの里正門あたりの出店で焼きまんじゅうとみそ田楽を頑張った息子に与える。この頃には妻もにこにこしていた。
この後駐車場に戻り、車で精進トンネルを抜けて甲府盆地へ。「みたまの湯」で汗を流し、中央市の「パスタ・パスタ」でたらふく食べて帰った。
狙ったとおりの青空に恵まれた、心に残るやまのぼりになった。
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