利尻山(鴛泊〜北麓野営場〜ポン山〜長官山〜利尻山〜三眺山〜見返台園地〜沓形)
- GPS
- --:--
- 距離
- 21.3km
- 登り
- 1,914m
- 下り
- 1,886m
コースタイム
- 山行
- 7:45
- 休憩
- 0:40
- 合計
- 8:25
過去天気図(気象庁) | 2014年08月の天気図 |
---|---|
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
船
東京都区内〜北海道全線フリーきっぷ \30,650 +新幹線指定席(大宮→新青森) \6,670 +自由席特急券(新青森→蟹田) \510 +急行はまなすB寝台(札幌→青森) \7,780 +新幹線指定席(新青森→大宮) \6,670 稚内〜鴛泊(往復) \4,680 新宿→座間 \460 |
写真
感想
百名山74座目。そして初北海道です。中でも随分前からその美しい姿に惹きつけられずにはいられない利尻山。旅行費用もかかるし期間もかかるし何年も二の足を踏んでいましたが、一念発起行ってきました。
飛行機を使えば日程に余裕が出ますが、鉄道好きとしては一生に一度は最北端・稚内まで鉄道で行きたい。また残り寿命も長くないであろう寝台にできる限り乗れるように検討。帰りは飛行機でもよかったのですが、早割がすぐ満席になってしまったため、北海道全線フリーきっぷを使って往復鉄道で行くことにしました。
山を歩いたのは1日だけですが、実際は3泊4日になってます。初日は朝一のはやぶさに乗り、特急を乗り継いで稚内泊。翌朝船で島に渡り、登って島泊。3日目は稚内に戻って札幌まで行き、夜行急行はまなすで青森へ。4日目は朝一のはやぶさで帰宅。本来島に2泊してゆっくり歩きたかったところですが、そのためには前日夜行使うか、札幌辺りで泊まることになるため、少しでも家を空ける期間を短くするため行程を削りました。
ちなみに、フリーきっぷは蟹田から北であれば別途料金なく特急・急行の自由席に乗れるので、新幹線特急券と新青森〜蟹田の自由席特急券(急行券)で稚内まで往復できます。乗り継ぎ割引使えば\45,000以下で行けると思うので、飛行機の早割料金とも遜色ないと思います。私は寝台乗りたかったので急行料金別途払っていますが。それから、失敗したのは乗り継ぎ割引は新幹線特急券と同時に買わないと適用してもらえません。自販機使うと操作が複雑なので新幹線だけ買ってしまうのですが、窓口並ぶほうが間違いないと思います。\1,000も変わりませんけどね。
前置きが大分長くなりましたが、世間ではUターンラッシュの中出発です。3泊車を置いておけないので、今回は自転車を座間辺りにおきました。始発で新宿へ行き、山手線に乗り換えて池袋、そこから埼京線。大宮で意気揚々とはやぶさに乗ります。新幹線の車窓にうつる東北は雨模様。新青森も雨。しかも寒い。
函館までのスーパー白鳥では何とか席を確保。久々の青函トンネルですが、トンネル区間は30分くらいと意外と短かった。また北海道新幹線もかなり出来上がっていました。開業するとここを通るブルトレも継続が厳しいのでしょうね。
函館は乗った位置が悪く、スーパー北斗はすでに満席。がっかりして通路に立っていましたが、邪魔になるし2・3駅過ぎたところでデッキに移動しようと少し歩いたら空席がありました。びっくり、そしてラッキー。そこから札幌まで3時間近くでしたから。立つと座るでは大違いですよね。
札幌では乗り継ぎに少し時間があるので大通公園辺りまで歩いて軽い食事。スーパー宗谷に5時間ずっと乗ってるのもきついので、一本前のスーパーカムイに乗って旭川まで。スーパーカムイは自由席が沢山連結されているので容易に座ることができました。すっかり暗くなった旭川から今日最後の列車、スーパー宗谷に乗車。多少予定より遅れ、ほぼ11時に稚内到着。今夜は駅近くの宿で1泊。
翌朝。フェリーターミナルまで歩き、7時のフェリーに乗ります。かなり込み合っています。出発して間もなく、船室にずっといるのも暇だし通路に出てみたら、青空の向こうに利尻富士が姿を現していました。美しい。それからうろうろして写真撮ってばっかり。近づくほどにさらに美しく。感動に震えているうちに鴛泊到着。キャンプ場までタクシーの手もありましたが、調べたところ1時間程度のようなので歩いていくことに決めてました。時間は9時過ぎ。下りに沓形行きたいのはもちろんなのですが、時間も十分ないのでタイムリミットを14時に設定。山頂でそこを過ぎたらピストンと決めて、少し負荷を強めに歩き始めます。
まずは車道の登り。利尻富士温泉を過ぎ、徐々に傾斜が増す道路を登って北麓野営場。甘露泉水は豊富に出ていますが、北海道の水場はこわいのでさわるだけ。次の分岐では、好展望のポン山を目指します。それほど急ではなく、15分で山頂へ。目の前は一気に開け、利尻山が見事。来てよかった。さて、さっきの道へ戻り、いよいよ本格的な登山開始。最初は大したことありませんが、徐々にきつくなってきます。5合目過ぎたあたりから周りの木が低くなり、日差しを浴びながらの登路。きついですが後方の見晴らしは良く、美しい海の色に励まされます。長官山の登りは厳しく、序盤負荷をかけてた分この辺の登りもきつい。しかし着いた長官山から眺める美しい山容は、疲れを忘れさせてくれるほどでした。さて、いよいよ山頂部へ取り付きます。避難小屋までは穏やかですが、一気に登っていきます。散々登って九合目。標識に「ここから正念場」と書かれているのを見ると、まだかい、と苦笑してしまいます。といっても構えるほどでもなく、岩山はこんなものでしょ、という傾斜を登っていき、沓形コースを合わせ、その先が正念場でした。登山道がおそろしくえぐれた状態。小石だらけで滑りやすい、登りにくい。ストック使うなといわれても仕方ない状態です。それを何とか登り、ローソク岩を右手に見たらついに山頂。
念願かなった、という感じです。視界は極めて良好なので、樺太見えるかと思いましたが良くわかりませんでした。北海道の展望が印象的でした。うまく説明できませんが、船で来てよかったと思いました。
名残惜しいと思うのは久しぶりです。山頂出発は13:40。当初予定通り下りは沓形コースへ。のっけから急斜面の下り。ストックもないし、とても前を向いて降りられないような斜面が続き、きづいたら崖っぷちのトラバース。若干登り気味で助かりました。それを過ぎると逆側のガレ場を通過。この辺が親不知子不知のようです
。それから軽い岩場を登ります。そこが背負子投げだったようです。間もなく三眺山。ギザギザの南稜と、とにかく山頂の北西側が絶壁に見えます。自分がどう通ってきたか全然わからない。鴛泊からとは全く違う山容です。このコースは登りに取ると背負子投げにしろ親不知子不知も下り傾向になるので、下りに使うほうがよさそうな気がしました。
稜線の下りは登山道整備の資材がそこらじゅうにおいてありました。それをよけるように稜線を下っていき、左に大きく折れてからジグザグ下ると7合目。そこからは樹林帯の下り。なぜか道が濡れていて、何度も滑りました。嫌な下りが結構長く続きましたが、やっと車道に出ます。車道を少し登り返すと見返台園地。立派な駐車場から振り返ると利尻山が威圧感たっぷりな姿を見せていました。
そこから外周道路にでるのもなかなか長い。スキー場への道を分け、小学校があるともうすぐ。中学校のところでバスの時間をみたら、土曜日はまだありました。良かった。40分ほど余裕があったので道道沿いに新湊まで歩き、そこから宿までバス。利尻富士温泉で疲れをいやし宿に戻ると、一眠りのつもりが気づいたら夜中になってました。さらに一眠りしたらもう朝。慌てて支度し宿を出発。とりあえずペシ岬に登ります。良い展望ですが、とにかく虫がすごすぎて撤退。フェリーターミナルでお土産をさがし、2階の食堂でウニをいただきます。いかにも新鮮な感じでとてもおいしゅうございました。
フェリーでは後方に陣取り、少しでも良く山を撮ろうと粘っていましたが、どこか船の部品が邪魔になってすっきりしたものとはいきませんでした。10時半ごろ稚内市内着。宗谷岬行く案もありましたが、その元気はなくなっていたので食欲を満たそうと徘徊。うわさに聞くチャーメンを食べてみたかったのですが、日曜日は定休の店だらけ。その中でラーメンの名店、青い鳥が開いていたのでそちらへ。噂通り澄み切ったスープの塩ラーメンをいただきました。
13時45分のサロベツに乗って稚内を離れます。西の方に見事に利尻富士、見えてました。行きは真っ暗で見えませんでした。それにしても離島にあるとはとても思えない存在感。すごい山だと改めて思います。行きと同様旭川でスーパーカムイに乗り換え。夕食どうしようか考えていたら、これが何と札幌直前で人身事故のため1時間以上足止め。その影響ではまなすの出発も40分以上遅れ、帰りの新幹線どうなるかと心配でしたが、それより寝台車を満喫しないと。ザックを枕にしていたら枕が高くて首が痛くなりました。そんなこんなしながらよく寝れました。気づいたら明るくなっていて、放送で遅れは20分弱で新幹線には接続すると聞いて一安心。
帰りのはやぶさで一つ発見。窓際の席にはコンセントがあって携帯充電できます。
今回はほぼ最初から最後まで興奮しっぱなし。これまでの全てと比較して、全く遜色のない素晴らしい旅でした。
いいねした人