【上越国境】土合〜白毛門〜清水峠〜清水集落
- GPS
- 32:00
- 距離
- 26.6km
- 登り
- 1,726m
- 下り
- 1,626m
天候 | 曇り後晴れ 夜は雷雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
|
感想
前に日記に書いた富士山は色々と残念なことになってしまったので記録には残さないことにした。結局剣ヶ峰も踏めず、百名山は44座目のまま。
2014年度夏休み山行一弾。
知人らが巻機山麓の清水集落で開くパーティーのようなものに招待され、どうせなら中央分水嶺を歩いて清水にアプローチしてやろうと思い立ったのが事の発端。元は野反湖から入って巻機山まで県境稜線4泊5日だったものの、なんやかんやで土合〜巻機1泊2日に短縮された。なんやかんやはなんやかんやである。1泊2日かー、温いなーなどと思いつつ入山したところ、謎の体調不良と水不足で藪入りすることもなく敗退。一人藪漕ぎは甘くない。
8月20日
アプローチ日。新宿の乗り換えでもたもたしていたら17:23発特別快速高崎行きが目の前で発車してしまった。何やってんだ。すぐさま隣のホームに移動して埼京線の鈍行に乗る。赤羽で特別快速を捕まえようとするも、無情にも新宿での光景が繰り返される。これで新幹線を使わない限り土合まで行く終電には乗れなくなってしまった。已むを得ず水上から歩くことにする。
かつて「近くてよい山」と言えば谷川の代名詞だったそうだが、湘南新宿ラインが熊谷まで大体混雑する所為で、乗車時間はともかく精神的にあまり近い山域という感じがしない。乗車時間がほぼ同じ茅野の方が余程近く感じられる。土合を通る本数が少なく(1日7往復!)、終電も早いのも不便である。
高崎で40分ほど待ち合わせをして上越線に乗り込む。ドアを手動で開けるようなローカル線なのに混雑している。とかくネタにされがちな群馬だが、なかなかどうして侮れない。更に電車に揺られること1時間強、本日の目的地()水上に着く。この時間になると水上に到着する電車はあれど、水上を出る電車はない。ここで降りたら最後、明日の朝までこの町を出ることはできないのだ(タクシーならあるが)。60年前の切符で一方通行の列車に乗った千と千尋みたいだな、と少しワクワクするやら寂しいやら。出発準備をしていると老婦人に声をかけられた。群馬総社で降りる筈がここまで乗り過ごしてしまい困っているそうだ。随分と派手に乗り過ごしたものだ。タクシーの運転手に聞いたらこの辺りにはもう泊まれる宿はなく、沼田までタクシーで行くしかないと言われた、そんな筈がない、土地に不案内なのをいいことに足元を見ているに違いない・・・と憤っておられた。事の真偽は分からないが、やはり田舎は不便だなあと思った。
土合までの道は一応国道。電灯のない区間やホテルの廃墟なんかがあってあまり夜の散歩には適さない。あまつさえ霧も降りている。星の数が多いのは印象的だった。湯檜曽駅を過ぎて少し行くと道端に足湯があり地元のご家族が団欒していた。邪魔をしては悪いとは思いつつ入ってみる。「山から下りてきたのかい」と聞かれ、「いえ、これから登るところです」と答えたら、「えぇー、今から登るの!?」と驚かれた。そんな訳はないが訂正するのもなんだか恥ずかしく、なんとなくお茶を濁してしまった。
湿った足で小一時間歩いて漸く定宿に到着。駅舎の中では大学生らしいパーティーが寝ていた。水道で水を6L汲み、庇の下にマットを広げて就寝。
8月21日
夜明けとともに出発。国道をさらに先へ進み、土合橋から白毛門への登りにかかる。最初から最後まで息もつかせぬ急登は何度登っても辛い。最初のピッチで飛ばし過ぎ、2ピッチ目で早くもばててしまった。日が出てくると暑い。2ピッチ目までで気づいたら1Lも水を飲んでいた。そのせいかますますペースが落ちる。白毛門までにたっぷり3時間もかかった。展望は上々。
笠ヶ岳までの道は概ね平坦で見晴らしはいい。しかし辛い。登山道の脇で小さい蛇を何度も見かけその度に驚く。終いには木の根も蛇に見えて来て心臓に悪い。笠ヶ岳でも水をガブガブ飲む。予定より消費が激しい。それにしてもこの体のだるさは何だろう。思い当たる節が1つだけある。1週間前に近所のラーメン屋で激辛坦々麺を食べて以来ずっと喉の奥がひりひりしている。まさか坦々麺を食べたくらいで体調が悪くはならんだろうが・・・と思いつつ先へ進む。
朝日岳へも僅かなアップダウンがあるばかり。しかし辛い。とにかく辛い。10m登っては一息つく有様だ。水も足りないし、下山が遅れればパーティーの主催者にも迷惑がかかる。これは駄目かも、と弱気になってきた。朝日岳の水場は見当たらなかった。朝日岳も相変わらず見晴らしがいい。
朝日岳からJPへは草原の中に池塘が点在し気持ちがいい。きっとJPの先もこんな感じなんだろう(願望)。JPに着いてその先の稜線を覗き込んだ瞬間、大烏帽子岳との間に横たわるキレットに絶望して敗退決定。清水峠から十五里尾根で清水へ降りることにする。坦々麺敗退など前代未聞である。
今までセーブしていた水をガブガブ飲んでいると、土合駅で寝ていた大学生のパーティーが現れた。彼らもこれから巻機を目指すそうだ。なんと奇遇な。餞別に果汁グミを贈呈する。勇んで藪に潜っていく彼らの後ろ姿を見送っていると、こんないい日和に俺は何やってんだろう、と空しくなった。ますます水を飲む。
存分にだらだらしてから清水峠に向けて下りにかかる。左手にいずれ辿るだろう湯檜曽本谷が見渡せる。深い。道はやや尾根上を外して付けられていて歩きづらい。清水峠を見降ろす展望の良い鉄塔の下で暫く昼寝していくことにした。瞼を下しながら景色が見れないものかと我ながら贅沢な悩みを抱く。
またも存分にだらだらして雲が上がってきたので峠に下る。今日泊まるつもりだった大きな三角屋根の小屋はJR専用で立ち入れなかった。雨の降りそうな中テントで寝るのは気が進まず、今日中に下ることにする。地形図記載のトラバース道は所々崩壊していて不明瞭。一旦ピークまで上がってから十五里尾根に乗った方がよさそう。以後電線の下をひたすら下る。なかなか急。雨がぱらつく中黙々と下る。河原に降りるあたりは再び不明瞭になる。登山口の看板には「対岸の看板を目指して徒渉してください」とあったがそれらしいものは見当たらず、適当な所を見繕って渡る。僕が渡ったところは幅3m、踝〜脛ぐらいだった。当然足が濡れて不快。登山道が見当たらず右岸の河原を暫く歩くと巨大な堰堤が現れた。適当に攀じ登って右の方へ行くと登山道の途中に出る。きちんと登山道を探せば河原歩きは回避できただろう。もう暫く歩いて舗装された林道に出る。
林道は現在工事車両が頻繁に通過するようで、関係者のためのオブジェクトがたくさん設置されていた。待避所にはゲートから数えて何か所目かと次の待避所への距離が示された看板があって参考になる。
パーティーの会場についたのは19時頃。それから3日は歌ったり踊ったり食べたり飲んだり吐いたりの毎日だった。
まとめ
山行前一週間は坦々麺禁止。
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