前穂高岳北尾根&滝谷ドーム中央稜(ソロ)


- GPS
- 56:00
- 距離
- 36.5km
- 登り
- 2,258m
- 下り
- 2,247m
天候 | 21日:日中晴れ、夕暮れ頃一瞬曇 22日:日中晴れ、夕暮れ少しガスが出るが、直ぐに晴れ 23日:晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2014年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
登山届は上高地BTにて提出。 |
写真
装備
個人装備 |
ヘッドランプ(1)
予備電池(2)
1/25
000地形図(1)
ガイド地図(1)
コンパス(1)
笛(1)
筆記具(1)
ライター(1)
ナイフ(1)
保険証(1)
飲料(1)
ティッシュ(1)
バンドエイド(1)
タオル(1)
携帯電話(2)
雨具(1)
防寒着(1)
手袋(1)
ビニール袋(3)
シュラフカバー(1)
ザックカバー(1)
コッヘル(1)
プラティバス(1)
非常食(1)
ハーネス(1)
クライミングシューズ(1)
環付きカラビナ(5)
カラビナ(20)
テープスリング(10)
ロープスリング(2)
確保器(ルベルソ等)(1)
クイックドロー/ヌンチャク(10)
ヘルメット
ナッツ(1)
テントマット(1)
ツェルト(1)
ガスストーブ(1)
ガスカートリッジ(1)
ファーストエイドキット
医薬品
カメラ
ザイル
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感想
9月最後の連休は、再び穂高岳でした。
強引に作った3連休に高速バスの予約をねじりこみ。いざ出発。
お盆に見下ろした前穂高小屋の北尾根の美しさが忘れられず登ってやろうと計画を立てました。
慣れた足で涸沢までの快適な山歩きを終えた後は、大雪渓の一般路から外れた道を歩きます。
しかしここで6峰5峰のコルを目指すはずが6峰を直登ルートを取っていたらしく、道を間違えて、無駄に難しい浮石だらけ岩壁やガレ場を登り、おかしいと気づいて巻きながら、何とか6峰の正規ルートに合流してようやく6・5峰コルに到着する。
6・5峰のコルはテントが2張ほど出来そうな程広く、ハーネスやガチャ類を身に着け、靴を履き替えてから、カロリーメイトを一袋食べて出発。
5峰は簡単な岩稜歩き。あっても数手のみ卦蕕世蹐Δ。
4峰からいよいよ岩稜登りといった感じ。浮いた巨岩とコケ付の岩が滑りそうで怖い。ルートファインディングが難しく。岩登りなので踏み跡も残らないので苦労した。
3峰は予想以上にでかい岩壁。
とりあえず自然なラインに導かれ、元蕕涼羆凹角に取り付くがいきなり難しい。
ピトンが打ってあり、半ば強引に一つ目の棚を乗り越えが、その次が手がかりなく、大きく割れたクラックから一段上がり、左手にスラブ状の棚を登るような箇所で行き詰まる。
フリクションを信じてマントルを返すようにしてスラブ状の棚に一段上がって進めば先に行けそうだったが、思い切る事が出来ない。
別のルートはないかと、辺りを見渡すと右手側に楽なリッジがあったので少し巻いて卦薀襦璽汎って先へ進む。
しかし、これで自分がどこに居るのかトポ上で今一つ把握できないまま登り続ける事になり、いつの間にか3峰ピークを過ぎ、2峰のピークに居た。
ここで2峰のピークで初めてザイルを使って懸垂下降をし、1峰までは再び岩稜歩きで難なく山頂に立った。
思ったよりも時間が経ってしまっていて、前穂高岳の山頂には誰も居らず、夕暮れ前までに急いで穂高小屋まで足を進めて初日を終えた。
2日目は滝谷ドーム中央稜。
今回の装備の半分は今日の為にある。
取り付きを見失わないように確認しながら、ドームまでやってきて疑心暗鬼ながらも先行するパーティーの姿も見えたので追いかける。が、またしても道に迷う。
どうやら第3尾根上のケルンに騙されてそこで巻いた為に、別の踏跡に導かれてしまい、別ルートの途中ピッチ辺りまで来てしまったようだった。
撤退も考えたが少し引き返した所で、正規のルートに復帰し、ようやく取り付きにたどり着く。
1P目。
いきなりでかい。40m近くはありそうなそのピッチは序盤は簡単そうに見える。
先行するパーティーが2ピッチ目を上がるのを見てからスタート。
簡単なリッジからチムニーに入ると急に難しくなる。ザックを背負ってしまうと一気に難しそうだが、ここはソロの強みか空身なので、チムニーの中に入り込みながら、不慣れなチムニー登りをかなり強引な感じで登り越えて終了。チョックストーンの先でピッチを切って下降する。50mザイルが残り10mもなかった。残置支点がやや不安ではあるので、下降用にクラックにナッツを効かせてバックアップを取った。
2P目。
チョックストーンの上の簡単なリッジは3級程度ではあるもののノーピンだったので、ルートを間違えたかと不安になったが、直ぐにテラスに出たのでここでピッチを切って仕切りなおす。
3P目。
快適なビバークが出来そうな広々としたテラスだが、その先のルートがわからない。
トポを確認すると右上に行きカンテか凹角で4級、スラブで5級との事だった。
上り始めて直ぐに右に巻いて側面に出ると、確かにカンテと凹角というよりクラックが見える。
クラックまでのトラバースは不安定そうなので、そのままザイルの流れも考慮してカンテを登る。かなり高度感あるフェイスだ。フットホールドはしっかりしているものの緊張が続く。カンテから左に巻いて安定したフレーク上に立つと、核心のスラブが現れた。3手ほどの短い場所だが、確かにホールドもなく難しい。しかも高度感ばっちりなので緊張する。右手に効きそうなホールドがあるが、結局躊躇して一手目の足上げにA0を使って乗り越える。
4P目。
1級のリッジ歩きとあるが足だけで歩けるほどではなく2級はあるんじゃないだろうか?ザイルはまとめて5P目の取り付きまで歩く。
5P目。
右側に巻いて簡単な凹角を登る。少し登ると大きなクラックがあって、そこがルートのように見えるが、更に右に巻くと凹角に走った別のクラックにもピトンが打ってああったのでそっちに進路を採る。
クラックをなぞるようにしてそのまま真っ直ぐも行けそうだったが、最後はチョックストーンがクラックから迫り出していて、ハング状になっていたのでそれを回避して途中のフレークを使って左に巻き。先ほどスルーした大きなクラックの上部に合流したところにある小さなテラスでピッチを切った。
雲が流れる穂高連峰の側面からチラチラと槍方向から縦走する一般登山者の姿が見えた。遠くから見てもこちらからの姿は見えているだろうか?
6P目。
ピッチを切った小さなテラスは大きな浮石がごろごろしていて居心地が悪くどうやら左に巻いたルートが正規ルートのようだ。
不安定な場所にザックを置いておけないのでザックを背負って巻き始める。
いきなり怖い。ぱっくりと足元に開いた空間を跨いで壁にフリクションを聞かせて上部右手のガバで体を持ち上げる。落ちたらひとたまりもないかもしれない。
何とか一段一段と乗り越えて、凹角状のクラックの中に入り、最後にチョックストーンを乗りこえてフェイスをよじ登ると安全なテラスに出た。
多分ここが正しい4P目の終了点。
7P目。
最後は簡単な凹角だが、最後にハングがあって怖い。
色々考えてハングを乗り越えようとしたが、びびって足のフリクションを信頼できずにA0で右に巻いてしまった。ピトンが打ってあった左巻きのルートは登り方がわからなかった。
終了点に出て登攀終了。
道迷いのせいでまたしても結構時間がかかってしまっている。
あわよくば今日で上高地まで降りる事を考えてたがもう13時だ。
明瞭な踏み跡を辿り、一般縦走路に合流した所で装備をザックにしまい。
涸沢まで下る。
16時に涸沢到着し、今日はここで眠ることに決めた。穂高小屋よりは幾分か温かいのも期待できた。連休の涸沢にしてはテン場は空いていて僕と同じようにツェルトが何張かあった。
翌日はただ横尾経由で降りるだけ。4時間かからずに下山完了し、バスで帰った。
総括としては、北尾根はともかく滝谷では自分の実力不足を思い知らされた。体感グレードとしては一ノ倉南稜より1グレード上に思えた。A0を多様してしまった時点で登れたとは言えないので、ジムで身につける技術のほかにジャミングやステミングなどの技術をもっと磨かなければならないと思った。
というより道に迷いすぎなので、もっと地図を頭に入れてから取り付けよと本気で反省した。
滝谷ドームは日も当らないし風も冷たいので、ダウンを着込んでの残雪期並みの服装で調度よかった。
今回食料から寝具までかなり削って30リットルザックに15kgで装備を抑えた。登攀用具を抜けば5kgにもならないんじゃないかと思う。食事も最低限のもので、シュラフですら省略してシュラフカバーで寒い夜をすごした。テントも置いていきツェルトにしたが、これは風もなく快適だった。
22日に北穂から奥穂まで歩いていて、ドームに人がいるのが見えました。
私も大昔ドームを登ったのですが、ルート名とかは忘れてしまいました(チムニー状のところを登ったから中央稜だったかな?)。
烏帽子の南稜よりは難しいと思いますよ。岩は冷たいだろうし。
お疲れさまでした。
はじめましてhiro-kuwanaさん
22日のお昼前後でしたら僕だったかもしれません。先行PTが4組程度いてその最終の後を追う形になっていました。
北穂からの下りで何人かに同じように見えてましたよ。と言わて少し恥ずかしい思いをしました
kaakakaさんの軽やかな登りを間近で拝見し、
”只者ではない方なんだろうなぁ〜”
と思っていましたが、やはりそうでした
とても綺麗に歩く姿を勉強させて頂きました
強い方程、とても静かに歩かれますものね。
滝谷ドーム、、いつの日か、歩いてみたいです。
はじめましてtanukimiさん。
先週末の北尾根の山行記録読ませていただきました。北尾根コンプおめでとうございます。
ただ記録を見る限り9月19日〜20日となっているので、たぶん別人かなぁ〜と……
僕もその方の登り見てみたかったです。歩き方が綺麗とか僕も言われてみたいなぁ〜
ひゃー
懸垂下降のロープが似ていたので、
つい同じ方と確信してしまいました
でも、当日朝、上高地を発って、
このルートをサクサク。。
やはり、只者ではない方ですね!
こんな奴ですが、いろいろ勉強させてくださいませ。
どうぞよろしくお願いします。
サクサクって程でもないので恐縮です。
こちらこそよろしくお願い致します。
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