岡山県赤磐市 ネオポリス〜観音山〜座禅石〜磐山 史跡&野鳥
- GPS
- 03:39
- 距離
- 9.4km
- 登り
- 268m
- 下り
- 249m
コースタイム
- 山行
- 2:35
- 休憩
- 1:02
- 合計
- 3:37
歩行距離9.5km、歩行時間2時間30分、歩行数13,000歩、消費カロリー770Kcal
天候 | 晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2023年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
危険箇所やヤブコギはありません。土道は観音山登り口<写真24>から東側のみです。なお、千光寺三十三観音第二十二番<写真27>から座禅石周辺<写真34〜46>へは、ロープ伝いに崩れやすい土に大量の落ち葉が積もってズルズル滑る斜面を下りました。ここは以外は運動靴で歩けます。 座禅石周辺<写真34〜46>は北東側にもロープがあり、どこかに分岐があったようです。往路を引き返す途中、ロープから少し離れた箇所が踏み跡のようで歩きやすそうに見えることもあり、緑色のビニール紐をいくつか見かけましたが、ロープから手を放すと滑り落ちそうなのでやめました。 |
その他周辺情報 | 岡山ネオポリス内には飲食店がいくつかあります。また、磐山(いわやま)自然観察路駐車場南西の山陽老人福祉センター(あかいわほほえみプラザ)内に天然温泉「足王乃湯」があります。水曜と年末年始は休館です。利用時間は10〜19時30分、60歳未満の方は平日のみ16〜19時半となります。源泉のお湯は自由に持ち帰れます。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下(厚手)
防寒具
手袋(防水加工)
軍手
雨具
日よけ帽子とフード
雨用帽子
登山靴(防水加工)
靴ひも予備
サブザック
ザックカバー
地形図
コンパス
マップケース
筆記用具
タオルハンカチ
カメラ
飲料水(スポドリ&茶)
水筒(保温)
非常食(栄養補助食品)
スマホ(地図アプリ使用)
eTrex22x(GPSナビゲーター)
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感想
【岡山ネオポリスに地霧発生】
今回の出発点は磐山(いわやま)自然観察路駐車場です。「赤磐桜が丘メガソーラー発電所」の南側にあります。自動車は今回歩いた北西側からしか入れないので、メイン道路から逸れて車1台分の道を進む必要があります。未舗装になるとすぐにソーラーパネルの横に駐車可能なスペースが広がっており、突き当りにある登山口前に駐車しました。前日は一日中晴れていたはずですが、未舗装道には水たまりが残っていました。
ここを出発し、「桜が丘西一丁目集会所」前を通り過ぎると、遊具のある公園に湯気のようなものが立ち上る光景<写真01>が見られました。なんと、団地内で地霧(じぎり)が発生していたのです😮
地上に立ったときの目の高さより低い所にたちこめる霧で、太陽の熱で温められた地中の水分が蒸発してできた水蒸気が、冷たい空気で冷やされて発生します。家の周囲に田や畑がある方にとっては見慣れた光景かもしれませんが、団地(宅地)というロケーションで見たのは初めてです。とても幻想的でしばらく見入ってしまいました。
ちなみに地霧が見られたのは、後にも先にもここだけでした。気象条件以外にタイミングもよかったのかもしれません。
【今回の主役(野鳥)はハシビロガモとカイツブリ】
1ヶ月前に赤磐(あかいわ)市の岡山ネオポリスにある二井(ふたい)大池と日古木(ひこぎ)大池を訪問しました。
1月15日https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-5097820.html
二井大池ではオシドリとトモエガモ、日古木大池ではカワウとカルガモの印象的なシーンが見られたので、今回も期待を込めて再訪することにしました。
まずは二井(ふたい)大池を訪問しました。前回は池の奥のほうにオシドリとトモエガモがいたのですが、今回は比較的池の手前のほうで、ぐるぐるまわっているカモの群れの姿が目に飛び込んできました。写真では動きが見えずわかりにくいですが、そのシーンを動画に撮りました。
ぐるぐるガモの正体はハシビロガモ<写真05,06>です。その名の通り、ハシビロコウと同様にクチバシが幅広いので、遠目にもすぐわかります。彼らが群れでぐるぐるまわるのは採餌行動です。水面で回転することにより水中に上昇水流を発生させ、水底にいたプランクトンを巻き上げて食べるのです。ハシビロガモのチームワークのよさを間近で見られてほっこりしました😍
また、野鳥界の癒し系アイドル、「幸せを運ぶ黒い鳥」ことオオバン<写真04,08>も2羽だけでしたが、かなり近くを泳いでくれました。最後にカワウの「ちょっと羊の入ったおっさんの笑い声」が聞こえましたが、動画には録音できなかったのが残念です。
ちなみに、このときは気がつきませんでしたが、家で動画再生チェックをしている時に、オシドリ夫婦<写真07>が一組だけ映り込んでいるのに気づきました。残念ながらトモエガモは見つかりませんでした。
次に日古木(ひこぎ)大池を訪問しました。前回はカワウとカルガモの「ウカルかも」コンビが「大学入学共通テスト」の日と相まって験を担ぐ存在に映りました。しかし、到着が遅かったこともあり、この日の日古木大池はひっそりとしていました。池の北にカルガモが2羽いましたが、池畔から南方面<写真10>を望んでも、1ヶ月前にはあれだけたくさんいた水鳥がいません。
少しがっかりしながら池畔の東側の道を歩いていると、聞き慣れた鳴き声が聞こえました。「キリッキリッキリッ、キリリリリ」と甲高い声で鳴いているので、すぐにカイツブリ<写真15〜17>だとわかりました。鳴き声が大きい割には体が小さく(体長25〜29僉法∪っていることが多いので、注意していないと見つかりませんが、この日の日古木大池の主役・カイツブリを何度も見ることができました。
縄張り意識が強く、気性が荒い鳥ですが、ふわふわのお尻を振りながら泳ぐシーンにギャップ萌えします😍この後でパンダガモのミコアイサのつがい1組<写真18>も見られたのですが、可愛いカイツブリに持って行かれました😊
今回はどちらの池でもつがいが何組か見られました。二人の世界を求めて分散し見られる数が少なかったのかもしれません。バレンタインデー頃には水鳥たちの恋も実るようです😊
【巨岩に満ちたパワースポット・観音山&磐山】
池巡りの後、再び出発点まで戻り、観音山登り口<写真24>からきれいに整備された登山道で観音山(191m峰南尾根)に向かいました。191m峰北北西尾根には千光寺三十三観音石仏のうち第二十二番の石仏<写真27>、南尾根の観音山頂上には陰陽石と第二十三・二十四番の石仏<写真29>が祀られていました。
陰陽石は、子宝祈願などのために信仰される石で、男女のシンボルをかたどっています。男性を表す陽石と女性を表す陰石のどちらか一方だけの場合もあり、観音山の陰陽石は陰石のみのようです。この陰陽石の特殊な点は、スリット(岩の間の隙間)<写真30>に沿って冬至の朝日が昇り、夏至の夕日が沈んでいくのが見られることです。陰陽石と太陽信仰が結びつくのは珍しく、たまたま形が陰石に似ているだけで性信仰とは無関係かもしれません。
周辺を整備・管理しておられる「あかいわ美土里の和」のホームページによれば、この陰陽石を中心に夏至の日の日の出日の入り線を引くと、ライン上に大森山と国指定史跡の両宮山古墳があるそうです。聖なる大森山から昇る朝日の遙拝所として観音山の陰陽石や両宮山古墳が築造されたとの説が紹介されていました。
陰陽石の北東に位置する大森山には、頂上に北極星信仰の妙見宮が、西尾根には古墳や石が積み上がった一角があり、古来より聖なる山だったと思われます。
2021年2月21日https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-2944266.html
両宮山古墳は古代吉備王国の衰退が始まる5世紀後半に築造された前方後円墳で、全長206mの規模を誇り造山古墳、作山古墳とともに吉備の三大古墳と呼ばれています。しかし、埴輪や葺石が確認されておらず、埋葬に使用されなかった可能性が指摘されています。古代吉備王国の衰退により権力者が交代し、埋葬予定の人物が埋葬されなかったと考えるのが妥当でしょうが、そもそも古墳ではなく聖なる大森山から昇る朝日の遙拝所として築造されたというのはおもしろい説です。古くから栄え古代吉備王国と呼ばれた岡山県内には信仰と結びつく史跡が多いので、線を引けば必ずどこかの信仰の場に当たるのかもしれませんが、壮大な古代のロマンだと思い、興味深く拝読しました。
観音山頂上<写真29〜33>から引き返し、千光寺三十三観音第二十二番<写真27>まで戻り、ロープ伝いに崩れやすい土に大量の落ち葉が積もってズルズル滑る斜面を下ると、座禅石と名付けられた巨岩<写真34>が現れました。北東の岩場を見上げると、途中に分岐があったようで、北東側にもロープが見えました。
この座禅石と木の間を下りる<写真39>と座禅石の下が祠のようになっており、その中に石仏<写真38,39,41>が祀られていました。完全に下まで下りて座禅石を見上げ、歩きながら動画を撮って一周したかったのですが、すぐ東側はロープもない斜面で崩れやすく無理でした。もっと離れるとロープがあるので連れが確認しに途中まで見に行ってくれましたが、座禅石周辺を間近で見たかったので、少しずつ写真を撮りながら移動することにしました。一周するには崩れやすい斜面を上り、岩によじ登って座禅石の上に立たなければなりません。下に石仏<写真38,39,41>があるので、上がらないほうがよかったのですが、気づいたのは帰宅後でした。すみません🙇周囲の巨石群も含め、この山域で最も強力なパワーを感じました。
復路は北東側のロープのほうへ行きかけたのですが、結局、往路を戻りました。ロープから少し離れた箇所が踏み跡のようで歩きやすそうに見えることもあり、緑色のビニール紐をいくつか見かけましたが、ロープから手を放すと滑り落ちそうなのでやめました。
前述の「あかいわ美土里の和」のホームページによれば、『旧山陽町町誌』の石井原山千光寺の由来についての記述で裏山に本尊を祀った「来迎石」という大石があるとの内容が書かれているそうです。座禅石とその下の石仏<写真38,39,41>はほぼ山門の延長上に位置します。「来迎石」が座禅石のある巨石群、石仏が千光寺の本尊との指摘に納得しました。ここも古来より信仰の場であったのは間違いないでしょう。
観音山だけで終了する予定でしたが、せっかくなので磐山(いわやま)に寄り道しました。地形図上に磐山という表記はありませんが、尾根上に続くきれいな登山道を北上すると、迷うことなく頂上に辿り着くことができます。
ここも古代の霊場であったと考えられており、磐座(いわくら)らしき巨岩<写真47>越しに正面に聖なる大森山や熊山山系の山々、眼下に吉井川を望むことができます。元旦の初日の出は吉井川の向こうから昇ってくるというまさに、霊場にふさわしいロケーションです。
また、すぐ南には亀に見える岩<写真49,50>があります。亀も神のお遣いとされる生き物なので、周辺を整備・管理しておられる「あかいわ美土里の和」の皆様には、この岩にも素敵な名前をつけていただきたいと思います😊
もし、岡山ネオポリスに住んでいれば、冬至に日の出、夏至に日の入り、元旦に初日の出を毎年見に行きたくなるほど、魅惑的な山域でした。冬には池に多種多様な水鳥も見られますし、自然豊かないいところです。落ち葉と崩れやすい斜面が厄介なのは座禅石周辺<写真34〜46>へのロープ道だけなので、時季をかえて探索したいと思います。
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