4.木曽御嶽 「タイム・リミット」
- GPS
- --:--
- 距離
- 7.0km
- 登り
- 898m
- 下り
- 964m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
○3000メートル級の山としては、ゴンドラが通っている関係上、比較的簡単に登れる山だと思いますが、スタートが遅いと、ゴンドラに間に合ったとしても、木曽福島駅へ帰る足がないという事態が起こります。 駐車場は比較的広いと記憶しています。 (有料か無料かは不明) ですから、クルマで登山口までいけば良かったと、今更ながら後悔してます。 今思えば、良くぞタクシー代の分までお金を持っていたものだと思います。 |
写真
感想
第4座 タイム・リミット
10月3日、僕は御嶽に登ってきました。
今、僕は仕事の悩みが日増しに増していき、毎日毎日がどうしようもなくユウウツで、何をやるのに自信を失い、悶々とする日々を送っていました。
僕は当初から御嶽の他に常念岳、蓼科山、木曽駒ヶ岳を候補に挙げていたのですが、ひとつに絞り込むのに躊躇して、その中でも御嶽が3000メートル級の山というのが決定打となり、決まったのでした。
朝イチで一宮を発ったのに、電車の乗り継ぎで約1時間待たされ、バスの乗り継ぎでさらに1時間待たされ、とにかく交通機関の連絡がうまく行かず、結局、御嶽の登山口である田ノ原に着いたのが12時、登山口を示す御嶽神社の鳥居をくぐったのは12時半というスタートの遅さでした。
すれ違う登山者は下山してくる人ばかり。僕が休憩しても、追い抜いて登っていく登山者が全くおらず、
「こりゃ、『間違いだらけ登山』の始まりか?」
と少々不安になってきました。
山頂に着くと全く登山者はいません。本当の山頂がある剣ヶ峰までは急坂を歩くのですが、そのあたりは樹木の類は活火山なので全くといっていいほど生えておらず、その代わりに不動明王といった仏教関連の銅像が建立されていました。登山者は全て下山していますので人気がなく、まるで地獄絵図にある「賽の河原」を歩いているみたいな心境になりました。その上に風が台風並みに強くなり、飛ばされるんじゃないかと思ったほどです。強い風に混ざって、噴煙の匂いがかすかにしました。その時僕は、御嶽は活火山なんだなぁと再認識しました。
やっとの思いで標高3063メートルの剣ヶ峰に到着しました。そこには神社の建物や、石碑が所狭しと置かれており、信仰登山が盛んだった昔を思わせます。そしてその下に目を移して見ると、火口に雨水が溜まってできた池が見えました。その水面は白みがかかったエメラルドグリーンで、その色は「賽の河原」のような登山道を歩いてきたことすら忘れてしまうくらい透き通って見えました。でも、今回は御嶽の山頂を極めるためにここまで来たのです。ここで三角点を探して、足蹴にしなければ何にも意味がありません。
「どこだ、どこだ三角点は・・・・ あ! あった!」
高さ2メートル強の角材に「御嶽山頂」と墨書された細い柱の下に三角点はあったのでした。前出の立派な石碑や銅像が並んでいるのを考えると何と質素なものよ。まず三角点を
「こんにゃろ! こんにゃろ!」
足蹴にして時間がないので、御嶽山頂を示す細い柱に寄り添って記念撮影をしてサッサと下山しました。
下山ルートは黒沢口から降りたのですが、もう全く登山者はいません。下山時に足を滑らせたりしましたが、信仰深い信者達が作り上げたこの登山道は比較的解りやすく、道に迷うことはなかったです。終業ギリギリに御嶽ロープウェイの飯森駅にたどり着き、ロープウェイに乗り、鹿の瀬駅に着いたのが16時半頃。鹿の瀬駅からタクシーを呼んで、木曽福島駅に着いたのが18時でした。
タクシー代が高くついたのが痛く、せめてもう2時間ほど早く登っていればと悔やまれました。あと少しで「間違いだらけ」になるかも知れず、そうなりそうでならなかっただけでも良かったと思います。
今年に入って、八ヶ岳、奥穂高岳と登りながらも、悪天候に泣かされ、山頂の三角点を足蹴にすることができず、やっと登山シーズン終了ギリギリで御嶽に登ることができ、何も思い残すことなく、1999年を年越しすることができます。さぁて、来年はどこの山の山頂を極めようかしらん。
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