浅間山/猫の目天気にヒヤヒヤ
- GPS
- 07:29
- 距離
- 13.8km
- 登り
- 1,146m
- 下り
- 1,142m
コースタイム
天候 | 晴れ後曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
特に危険個所はなし。標高1400mの天狗温泉から不動滝まではなだらかで、急坂の後、標高2000mの火山館前後は再び緩くなり、森林限界に向かって徐々に傾斜が増します。 裸の山頂部は突風注意。3人とも何度か体を持っていかれそうになりました。 |
その他周辺情報 | 鉄さび色の天狗温泉は一度入ってみる価値あり。 |
写真
感想
コロコロ変わる天気、というより天気「予報」に振り回された山行だった。
夏に北ア・笠ヶ岳で同行した若者4人をalps165ことDr.エモンが浅間登山にお誘いしたら、女性2人が話に乗ってくれて、Dr.から当方にも口がかかった。2日前までの予報が「連休後半ほど下り坂」だったので土曜朝9時登山口集合としたが、半日ごとに予報は変わり、結局、土曜は終日雨に。東海圏の自宅を朝3時に出て車を飛ばしてきたOKさんとKKさんの頑張りも実を結ばなかった。
翌日曜日も降水確率50〜70%という予報に不安を覚えながら旧軽銀座などを観光し、定宿に泊まって目が覚めると、青空に朝日が昇るところだった。予報はいつの間にか晴れのち曇りか雨に変わっている。
ウエザーニュースのウソつきめ、気象台の税金泥棒野郎と悪態をついていたら、今度はKKさんの体調に異変が生じた。風邪気味とは言っていたが、咳がひどくなって辛そうだ。とても山登りどころではなく、結局、彼女は宿で休ませてもらうことにした。
KKさんにはまたの挑戦を期してもらうことにして、3人で天狗温泉の登山口へ。晴れてはいるものの、いやに生暖かい朝だ。山麓は朝霧に沈んでいる。雲が増えてきて気は焦るが、トイレへ寄ったり登山届を書いたりして、実際の出発は8時45分ごろになった。
まずは緩やかな林道を辿り、橋を2本渡ってS字に曲がってから、一ノ鳥居を経て不動滝へ向かう登山道を進む。夏と異なり葉が落ちた林は見通しが良く、かなり手前から上にもう一段あるのが見える不動滝を現認できた。OKさんは山の経験は長くないそうだが、バレーボールとダイビングで鍛えた足取りは快調だ。急坂を詰めればほどなく二ノ鳥居。ここで年配者5人ほどのパーティーを追い抜いた。
カラマツの黄葉が朝日に輝き、林床のクマザサが薄緑色のアクセントを形作る山道を順調に登って行く。クマザサの中の道がいったん二股に分かれて、ほどなく合流する頃、左頭上にごつごつした外輪山の岩峰が見えてきた。ぷんと硫黄のにおいがすれば火山館は近い。やはり木々の葉が落ちたおかげでその屋根が遠望できる。右下には硫黄分の強い沢がいわゆる地獄の景色を成し、その源頭を巻くようにして回り込めば火山館だ。
トイレを借りてから出発。ちょうど新しいトイレを建設中だったが、完成は春を待つのだろうか。夏にはアヤメの咲き競っていた枯野の中を進むと、ほどなく車坂峠からの道と合流。気が付けば空はすっかり雲に覆われていた。徐々に勾配が増してくると、森には葉を落としたカラマツに緑のオオシラビソが混じりだす。Jバンドからの道と合流すると、その木々の背が低くなって後ろからの風が強くなった。
風に流れる雲が一瞬薄くなって右上方に頂上の稜線が見えた。ケルンがあって、まばらになった木々がついになくなり、森林限界に達する。風が強い。既に何人か下山者と出会ったが、このあたりで30人以上と思われる団体とすれ違った。天狗温泉に泊まっていたのだろうか。そうした先行者に聞くと、頂上はもっと強烈な風で「寒くて標柱にタッチしてすぐ降りてきた」と言う人もいる。
雲の中に入ってしまい、視界は100mもない。時折風によろめきながら苦闘すること40分余、ようやく先頭のDr.から「立ち入り禁止看板だぞ」の声がした。火口への立ち入りを禁じたその看板から先は、道端の緑のロープを頼りに前掛山を目指す。強風の中、ほどなく巨大な土管状のシェルターに至り、寒いので服を着込んだ。方向を転じた分、風が正面寄りから強く吹くようになり、さえぎるもののなくなった尾根では時々OKさんの足元がふらついた。
やっと辿り着いた前掛山頂で記念撮影中、Dr.の帽子が風に飛ばされてしまった。長居は無用とシェルターまで下りて昼にしようとしたが、「土管」の穴の向きが風と同じ方向で全く風よけにならない。森林限界まで下りようと決めて歩き出した。
しばらく下がった時、雲が薄れて下界が覗いた。浅間山は初めてのOKさんに「あれが鬼押し出し園だよ」などと教えてあげる。やがて木々の間に入って風が弱まり、ほっと一息ついたところで「腹減った」とアピール、昼食休憩とした。寒いので温かいスープと紅茶を用意した。OKさんとKKさんは先週、伊吹山に登ってきたばかりで、「ずっと急坂で、正直言ってこの浅間よりきつかった」とのこと。寒いどころか、日向で暑くて参ったとも。
食事を終えて辺りを見回すと、また雲が増えて外輪山などの姿を隠してしまっていた。下界が見えたのは、ほんのひと時の幸運だったようだ。この先の天候悪化も気になるのですぐに出発。ストーブのついた火山館にお邪魔して、ようやく大休止とした。
常駐する“東京―アキバ”館長によると、他の大方の火山と対照的に、浅間山の火山活動は東日本大震災以降、弱まる傾向にあるという。「だから噴火しないかというと、嵐の前の静けさかもしれないという人もいる。要は、誰にもわかりません」とのことだった。
館長の「雨は降っても夜から」というご託宣にホッとして、ゆるゆると下山。火山館から1時間ほどで一ノ鳥居に戻ってきた。そこからが思ったより長かったが、無事、ほぼ予定通りのタイムで天狗温泉に帰着した。雲は多いが相変わらず気温は高めのようだ。天狗温泉に入ろうかと、ちょっと心が動いたが、宿で待つKKさんを思い出して先を急ぐことにした。
OKさんへのメールでは、休んだら体調もいくらか良くなって、午後は辺りを2時間近く散歩したとのこと。ならば、KKさんも広々した軽井沢のトンボ温泉にご案内できるだろう。
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