13.白馬岳 「大雪渓を越えてゆけ!」
- GPS
- 56:00
- 距離
- 18.4km
- 登り
- 2,134m
- 下り
- 2,128m
コースタイム
7月21日(二日目):村営頂上宿舎−白馬山荘−白馬岳山頂−鑓ヶ岳−鑓温泉小屋
7月22日(三日目):鑓温泉小屋−双子岩−猿倉
天候 | 全日程:雨と曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2003年07月の天気図 |
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
○全日程、曇りか雨だったので次回は天気がいい日に登ってリベンジしたい山でした。 ○行きは路線バスで帰りはたまたま一緒に下山した二人組の登山者と割り勘でタクシーに乗って、駅前のホテルで立ち寄り湯をしました。 |
写真
感想
第13座 大雪渓を越えてゆけ!
毎年、何かしら勇気を要する買い物をしているような気がする。今年の場合はテントだった。二人用の3万円相当するものだが、「これを下さい」というのにかなりの勇気が必要だった。こうして今回からの登山にテントが加わった。果たして一体どうなることやら。
19日の夜に白馬駅で駅寝をして朝一番のバスで猿倉に向かった。猿倉から登り始め、空を見てみると曇っていた。当分こんな天気なのかなぁ〜と思いつつ、白馬大雪渓の入口にある白馬尻小屋にたどり着いた。
「おつかれさん! ようこそ大雪渓へ」
と大きな岩に白ペンキで書かれた文字を見て、いよいよ大雪渓を越えるのかと期待半分、不安半分の心境であった。
白馬尻小屋からしばらく登ったところに大雪渓に入った。僕はここで軽アイゼンを登山靴に装着した。軽アイゼンはかなり前から購入していたのだが、出番がなくタンスの奥にしまったままだった。今回の登山でやっと活躍の場が与えられたわけだ。雪渓に紅ガラが塗られており、登山者はそれを踏んで大雪渓を登るのである。横を見るとクレバスがぽっかりと口を開けていたのが見えた。前を見上げると、登山者が一列で蟻の行軍のような感じで登っていた。そのペースは遅く、いい加減足がかじかんでしまい、早く大雪渓を越えたくてたまらなかった。
大雪渓を越え、登山靴から軽アイゼンを取り外した。ここまで来るとピークまであと少しだ。その途中、黄色い花が咲き乱れていた。人に聞くとシナノキンバイらしかった。僕は高山植物にはあまり詳しくはないのだが、理屈抜きできれいだなぁ〜と思ってしまうのであった。そうこうしているうちに村営頂上宿舎に到着した。取りあえずここで昼食をとった後、テントを張ろうかと思ってテント場へ行った。その頃は風が強く、ターフが風になびき人がそれを飛ばされないように押さえつけている光景を見て、こりゃ、小屋泊にしたほうが賢明と思い、受付に向かった。
当然予約はしておらず、ダメモトで今晩泊まれるかと聞いたら、泊まれるとのことだった。その上食事もできると聞き、一安心。スタッフに部屋を案内してもらい、入ったら、二段ベットで上の段は全く人はおらず、下段だけはかなり多く寝ていたり、荷物がおいてあったりしていた。何だ、全然余裕ではないかと思った。(収容人数が約千人だからねぇ〜)
夕食を食べて、明日が晴れることを祈りつつ就寝した。
しかし、朝から霧がかかっており、雨が少々ぱらついている感じの天気であった。僕は取りあえず白馬岳山頂へ向かった。山頂に着いたが霧でさえぎられて周囲の景色を眺めることができなかった。ここで記念撮影をした後、村営頂上宿舎に戻りザックを背負って杓子岳、鑓ヶ岳に向かって歩き出した。晴れていれば、空中散歩と高山植物を眺めながら快適登山であったが、霧で目の前の道しか見えず、いつの間にか杓子岳山頂もスルーしてしまった。その途中に高山植物の女王といわれるコマクサを発見した。コマクサを見るのは1999年に八ヶ岳の一峰、硫黄岳で見て以来だ。景色は眺められなかったがコマクサを見られただけでも良しとしなければならなかった。
鑓ヶ岳を過ぎたあたりから縦走路を降りて鑓温泉小屋に向かって降りるコースである。途中で雪渓があって、尻で滑り降りて遊んだり、思わぬ鎖場にビビリながら渡ったりと、なかなか中身が濃いコースであった。そうこうしているうちに鑓温泉小屋に到着した。この時雨は止んでいたので、テントを張ることに迷いはなかった。小屋で幕営料を支払い、平らな場所にテントを張った。僕がテントを張った時点でテント場は一杯の状態となり、僕の後に来たパーティーは、スコップとピッケルを小屋から借りて川縁の岩を砕き、整地しながらテントを張った。
ここは源泉かけ流しの温泉が沸いていて、秘湯中の秘湯といわれ、この温泉に入るためだけに訪れる人もいるとか。僕も入ったが、山の中で温泉に入れる幸せは格別なものであった。夜は小屋からの明かりのみで真っ暗だった。温泉はレディースタイムとなっており、中年の女性のはしゃぎ声のみが山中に響いていた。僕はいよいよ明日が最後なのかぁと思いつつ、テントで過ごす最初の夜を過ごしていた。
最終日はここから出発点の猿倉に向かうのみだけだった。ここでも雪渓を通り、大きな水芭蕉を見たりしながら、無難に猿倉に到着した。三日間共に天候には恵まれなかったが、自分のテントで1泊した記念すべき登山となった。
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