二子山・両神山縦走
- GPS
- 28:47
- 距離
- 24.7km
- 登り
- 2,949m
- 下り
- 2,820m
コースタイム
- 山行
- 6:19
- 休憩
- 2:06
- 合計
- 8:25
- 山行
- 8:40
- 休憩
- 1:32
- 合計
- 10:12
天候 | 晴れ/曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
二子山から魚尾道峠経由で登山口から少し離れた場所に下るルートは、鹿除けのフェンスを2回潜る必要があり、お勧めできない。 |
写真
装備
備考 | 山専900ml そろそろ暖かい飲み物が恋しい季節になってきたと思い、購入・使用した。汗を掻いていて暑く感じても、薄手の服装だと休憩のときには直ぐに体が冷えてしまい、暖かい飲み物が旨かった。ちょっと重いのが難点だが、朝に入れたお茶が夕方になっても温かく、これは優秀な商品だと思った。 PaaGo works のパスファインダーM 山歩きの再開以来、山と道のサコッシュを愛用してきたが、鎖場などのクライミング的な動きが必要となる場所では、サコッシュの紐を短くしていても、胸の下でブラブラしているサコッシュが目障りになってしまい、また雨の日に濡れっぱなしになってしまうこともあって、同じような機能を持っている別の商品を探していた。この商品は、背面のループにウエストベルトを通してしまえば、前屈みになってもバックが垂れ下がってこないので、これまでの問題が解決されていた。ただ、背面のループにウェストベルトを通すのが面倒で、厚手の手袋では難しい作業になってしまうので、まだ改良の余地があるように感じた。 |
---|
感想
両神山は、約20年前に八丁峠コースを登って以来、自分にとって特別な山だった。高所恐怖症気味で、鎖場と云えば伊豆ヶ岳位しか知らなかった当時、下界の景色が足元まで迫る絶景過ぎる景色、鎖を頼りに切り立った崖を登り降りする鎖場が連続するコースは、ひたすら怖く、何とか頂上まで辿り着いたときには、それまでの極度の緊張が解けて、大きな達成感を味わった。このときの体験は強い印象となって心に残り、以来、遠くから特徴的な両神山の稜線を見掛ける度に、畏敬の念が湧いていた。
今年になって山歩きを再開し、当時と同じコースを再登したいと思っていたが、車もバイクも持っていない今の自分には、当時に登山口に使った上落合橋迄の移動手段がなく、仮にレンタカーを使ったとしても、当時に下山に使った山頂から上落合橋迄のルートが今の地図には記載されていないので、上落合橋に戻るには八丁峠コースを往復するしかなく、レンタカーの返却時間を考えると時間的に厳しい。そんな訳で両神山再訪は実現できていなかった。
今回、地図を眺めていて、八丁峠へ至るルートは上落合橋の反対側にもあること、そのルートは、前回両神山に登ったときに印象に残った二子山の麓から延びていること、に気付き、テント泊で二子山と両神山を続けて縦走する、という計画を思い付いた。両神山の八丁峠コースを前回と同じ方向で辿りたかったので、二子山を先、両神山を後に登ることにした。
(第1日目)
さて、当日の朝、東飯能駅でトイレに寄ったため、乗る筈だった電車を逃してしまった。行き先が奥多摩辺りなら影響は少ないのだが、行き先が二子山では乗れるバスの時間が二時間遅れと致命的なミスになってしまった。まぁ仕方がない。行き先変更も考えたが、思案の末、計画通りに行くことにした。
小鹿野町役場前でバスを1時間待って、二子山の麓の坂本に着いたのは12時半だった。早速登り始めたが、久しぶりにテント泊装備を背負っての登りは体が重く、直ぐに汗が噴き出してきた。この調子で岩場を登れるのか不安を感じつつ、脈拍が上がる度に立ち止まって、休み休み登った。
股峠に着いたが、スタートが二時間遅れなので、給水したのみでまずは東岳へ向かった。岩場をトラバースするところに鎖がかかっていたが、そこは鎖がないと通過は難しそうな場所だった。標高はさほど高くないが独立した岩峰なので、東岳の頂上は全方位の眺望が楽しめた。
休憩もそこそこに切り上げて、次は西岳へ向かうため、一旦股峠まで降りた。西岳へは一般ルートと上級者向けルートがあるようだが、勿論一般ルートを選んだ。上級者向けルートの岩場を最初だけでも見てみたかったが、時間がないので残念ながらパスして先を急いだ。西岳山頂までの一般ルートは、上級者向けルートでは登っている岩峰を右に巻くルートで、鎖場もなく、普通の登山道だった。西岳の山頂からの眺望もなかなか良かった。
だいぶ日も傾いてきたので西岳から先へ進むと、それからは岩場の連続になった。死角に入って見えない足の置き場を探しながら岩場を下る場面が度々あり、背中に背負っているテント泊の大荷物が邪魔に感じる場面もあって、なかなかペースが上がらない。
西岳の西側に並ぶ岩峰に着いたときには、二子山が残照に映えて美しかったが、間もなく日没だし、完全に暗くなる前に岩場地帯を抜けないと危険と思い、冷静かつ素早い行動を心掛けた。西岳の山頂以降の鎖場の数は覚えていないが、印象に残った鎖場は、鎖がないと通過は難しそうな岩場で、鎖が終わったところに花束が置いてあった。
完全に暗くなる前に岩場は下り終えたが、ヘッドランプを使っての下山では難儀した。下山ルートは、股峠の方へ戻るルートと別ルートの2本があり、同じ道を戻るのも面白くないな、と別ルートで下山することにした。しかし、結論を言うと、この別ルートは鹿避けのフェンスを2回潜る必要がありお勧めできない。フェンスに出入口はあるのだが、この出入口がロープで堅く縛ってあり、結局、網の下の隙間に、まずはザックを通し、次に自分が無理やり潜って、という手順で突破するしかなかった。股峠方面へ戻るルートで下山するのが無難だと思う。
下山して国道に出た後、今度は両神山へ向かう登山道の入口を探したが、こちらは橋が目印になるので直ぐに分かった。キャンプ適地を探しながら歩いたが、ヘッドランプの光が遠くまで届かないので、登山道から死角になって平らな場所を探すのは無理だ。手近なところで妥協して早々にテントを張った。
(第2日目)
今まで、地図上で水場のマークがある場所以外では給水した事がなかったが、今回のルート上には水場のマークがないので、沢沿いを進みながら給水しやすそうな場所を選び、浄水器を使って給水した。お湯を沸かしてお茶を作り、水筒に詰めたので、少し時間がかかってしまった。
給水を終えて八丁峠へ登り始めたが、地図に記載されていた通り、所々ルートが分かりにくい場所があった。大抵はテープの目印でルートが分かったが、たまに目印がかなり遠い場所にあり、目印を見つけられずに判断に迷うことがあった。前日の晩にヘッドランプを頼りにして無理に進んでいたら、遠くの目印を見つけられずに迷っていた可能性が高い。それから、このルートは沢を何度も渡るので、大雨が降ったときには注意が必要だと思う。
八丁峠への登りでは、行動食は口にしていたので気が付くのに時間がかかってしまったが、途中でシャリばてになってしまった。昼食用にとっておいたパンを食べて回復したが、山中泊の翌日の午前中はときどきシャリばてになるので、いつも朝食に食べているフルーツグラノーラではカロリーが足りていないのかも知れない。夕食にいつも食べている雑炊も飽きてきたし、食事のメニューの再検討が必要なようだ。
八丁峠に到着し、八丁峠コースの縦走を開始したが、コースに対する印象は、前回とは大きく違っていた。まず、今年の3月から山歩きを再開して多少は山慣れもしてきた目で見ると、八丁峠コースの鎖場は、殆どがホールドが豊富で、鎖を使わなくても危険を感じない、易しい岩場だった。コース全体で鎖を使ったのは3回で、いずれも岩場の途中でちょっと使ったのみだった。これなら、二子山の西岳の西側のコースの方が、長さは短いが敷居は高いかも知れない。ただ、ホールドを一つ一つ確かめながら登り下りするやり方にまだ慣れていないので、鎖を使ってガシガシ登り下りするよりもだいぶ時間が掛かってしまったが。
八丁峠コースに対する印象が大きく違っていた第2の理由は、高度感への対処が身に付いたからだと思う。高所恐怖症気味なのは相変わらずだが、手元足元に意識を集中し、高度感のある景色を見ない、或いは視界に入ってもそちらに意識を向けないようにすれば、高度感で足がすくんだりしないで済む。
そんな訳で、鎖場や登下降の多さは記憶通りだったが、前回は感じた怖さも困難さも殆ど感じないまま淡々とルートを進み、無事山頂に到着した。これで20年来の念願を叶えたことになるのだが、多少は達成感があったものの、前回のような心からの充実感はなく、両神山に対する畏敬の念も薄れることになるだろうと考えると、多少は山慣れしたことを喜ぶよりも、寂しさをより強く感じた。
さて、山頂でバスの時刻を確認すると、約2時間半の下山ルートをおよそ2時間で下らないと、バスの関係で帰宅がかなり遅くなってしまう事に気が付いた。またスピード下山だ。しかし、今回は2日間で筋肉を酷使したようで、膝に力が入らずペースが上がらない。途中で、同じようにバスの時間に合わせて急いでいるらしい人に追い越されたが、気は焦るもののついていけなかった。 安全第一と自分に言い聞かせ、コントロールできる範囲内でなるべく急いだ。ヘッドランプを頼りに鎖場を下ったり沢を渡ったりを初めて経験した。かなり先に車の灯りが見えた時点でバスの発車時刻になっていたが、とりあえず最後まで諦めずにバス停へ急いだ。すると、まだバスが停まっていた。間に合った!!運転手さんと少し話をしたが、山から下りる登山者がもういないかと、5分位出発を遅らせていたらしい。運転手さんにお礼を言って感謝した。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する