御在所岳
- GPS
- 04:26
- 距離
- 7.1km
- 登り
- 794m
- 下り
- 796m
コースタイム
- 山行
- 4:58
- 休憩
- 0:31
- 合計
- 5:29
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
山頂下から国見峠に向かう分岐を見落としやすい。整備された道は右に折れていくが、国見峠へはスキースロープをまっすぐに降りて行き、その下で左に折れる。 |
その他周辺情報 | 湯の山温泉 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
靴
ザック
昼ご飯
飲料
レジャーシート
地図(地形図)
コンパス
笛
ヘッドランプ
GPS
ファーストエイドキット
保険証
携帯
時計
サングラス
カメラ
シュリンゲ
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感想
土曜日は飽きることなく雨が降り続き、一歩も外に出ずに終わった。日曜日には一転、晴れて気温もグングン上がると予想されている。先週は、オオヤマレンゲvs.ニッコウキスゲの花バトルで結局オオヤマレンゲを見るべく四国の寒風山に行き、所期の目標を達成した。ならば今回はニッコウキスゲというのが自然の成り行きというものである。しかし、この花の咲く山はどこも遠い。月曜はworking dayだから泊りという線はない。おまけに、狙い定めていた冠山は、林道が土砂崩れで通行止めと判明。そこで一気に有力候補として浮上した来たのは、御在所山である。なぜか遠いところのように思えてこれまで触手の伸びなかったこの山だが、検索してみると登山口まで自宅からぴったり2時間と出た。なーんだ、近いじゃないか。これなら楽に日帰り圏である。いろいろな岩が林立する面白い山と聞いていたし、いっちょ、行ってみんべ、ということになった。
御在所山の名は子供の頃からなじみがあった。キリシマミドリシジミのほぼ分布東限として、当時穴が開くほど眺めた図鑑には記載されていたからだ。その後、私がゼフィルス(ミドリシジミ類の俗称)の採卵飼育をしていた1960年代後半には富士山横の愛鷹山、さらに1970年代後半なると西丹沢まで生息しているとわかってびっくりしたものだ。今では東丹沢の大山(おおやま)でも見つかっているというから、その辺にいるチョウという感じになった(が、見たことはない)。
日曜の朝、まだ空には黒い雲が漂っており、不安がぬぐえないまま車で出発する。琵琶湖東岸で名神から分かれて新名神に初めて入る。甲賀忍者の郷は丘陵が延々と続き、そこをまっすぐにどどどーんと3車線の新名神は突き抜けていく。なんだか、アメリカのインターステートを走っている感じだ。眺めがいいし空いているし、快適そのものだ。三重県に入ると、一転、見事に晴れ渡っている!そして気が付けば、もう菰野IC。ICをおりるやいなや、目前に御在所の奇峰がそそり立っている。期待が膨らむ眺めである。
なんせ混むという話なので、駐車場については詳しくした勉強を積んできた。かもしか大橋分岐の駐車場、裏道駐車場ときて目的の中道駐車場には8時に到達したが、満車だ。裏道駐車場にはまだ最後のスロットがあるのを通りすがりに横目で確認したので、踵を返して裏道駐車場へ。何とかスペースをゲットする。鈴鹿はヤマビルが多い地域。隣のパーティーの様子を伺うと、やはり足元や腕周りにスプレーをかけている。我々も念のためヒル避けスプレーをしてから出発だ。
中道登山道は人気コースと聞いたが、登山者が次々と登って行く。岩山なのでガンガン照りにあぶられて登ることを想像していたが、あにはからんや、基本、樹林に覆われた道で、なかなか涼しい。助かった。次々に大岩のお出ましとなり、そのたびに見事な眺望が開ける。西には目指す御在所山が立派な姿で威圧的である。東には伊勢湾が青く広い。岩の名前を確かめるには数が多いし、どんどん人が登ってくるので、思わず先を急いでしまう。そのせいか、御在所山は確実に近づいていき、伊勢湾の視界はどんどん広がっていく。「成果」が着実に見て取れる登山というのは意外と少ないが、この山は着々と進んでいる実感がある。人生もこんな風だったらなあ。
そうこうするうち、眺めのいいピークに達した。その先の鞍部まで岩場となっており、切戸の表示を見る。キレットとはいっても階段状の岩の下りでどうということはない。鞍部からは再び上りとなる。やがて大きな岩の峻立するところにやってくる。ルートはその右を巻いている。巻きに入ると外傾した岩に沿って鎖がはってあり、これをちょいと下る。これを第2キレットと呼んでるらしい。雨が上がった直後で岩が濡れているのがちょっと気になるが、特段のことはない。これを越えるとあとはちょいちょいと登って、何やら人工的な遊歩道風の所に飛び出す。もう、山上公園の一角である。アップダウンのない園地の舗装路を進めば、トイレや自販機のある芝の広場に出た。ここで昼食とする。観光客が一人もいないのが不思議だったが、夏休みシーズン開幕前の設備点検で運休中であることを後で知った。所山者としてはありがたい話だ。
昼食後、山頂に向かって舗装路を辿れば、最後のセメント階段となって一等三角点峰の山頂に到着だ。西に琵琶湖、東に伊勢湾の大きな標識が立っているが、あいにく琵琶湖は目視で認めがたいのだった。山頂からはスキー場のスロープに沿って下る。うっかり、整備された道を進んでしまったが、我々はスロープをまっすぐ進まないといけないのだった。引き返して国見峠へと下る。峠から沢に沿って裏道を降りるが、大きな石を次々に踏んで下る道は神経を使う。中道の尾根の岸壁、派生する岩稜、その下をしぶきをあげて流下する沢の輝き、谷のV字の先に広がる伊勢湾、これらの眺めは、中道の高みからの眺望とはまた違った良さがある。真夏の太陽が降り注ぐ花崗岩地の白いゴーロの谷に沿って下っていると、奥飛騨の谷の炎熱地獄を思い出し、なんだか懐かしくなった。そういえばしばらく忘れていた北アルプスの岩と青空と陽に輝く踊る沢水の感触がよみがえってくるようだ。これにあとは残雪があれば!
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