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記録ID: 56857
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積雪期ピークハント/縦走
八ヶ岳・蓼科

杣添尾根 低温強風下における装備等についての個人的考察

2010年02月06日(土) ~ 2010年02月07日(日)
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GPS
05:00
距離
4.0km
登り
1,062m
下り
0m

コースタイム

10:00登山道入口ー15:002500m付近
9:30テント場ー10:30三叉峰ー14:00下山
天候 地吹雪
状況は気温約−10℃、風速約10m、標高1800m〜2500m(テント場)〜2800m
過去天気図(気象庁) 2010年02月の天気図
アクセス
コース状況/
危険箇所等
2月6,7日の八ヶ岳テント泊における低温強風下における装備等の個人的考察を書きます。
行程等は書かないので、厳密には山行記録とは言えないかも知れません。
状況は気温約−10℃、風速約10m、標高2500〜2800m

【装備編】
1.ボトル・・・キャップが凍り外ふたも開かなくなる。ねじ込み形式以外の中栓は使えなくなる可能性大。開状態で凍結すると密閉できなくなるため危険

2.目出帽・・・厚手のものは必要ないが、風に皮膚を晒さないようにするため必要。個人差で我慢できる、もしくはアウターのエリが高い場合はいらないかも。

3.ゴーグル、サングラス・・・強風時はサングラスは用をなさない。逆にゴーグルは快適ですらある。

4.グローブ・・・基本的にはウィンターグローブでOKだが、冬でも使えるではなく、冬用を着用する必要がある。インナーと分離するタイプが必要である。インナーグローブは絶対必要。今回はテントの中でも金属が凍結し、素手でさわったら少し張り付いた。

5.GPS・・・所有するガーミン60SCXは−10℃の外気に晒した状態で12時間くらい連続使用したが適切に動作した。1泊以上の行程ならば天気の傾向を知るため気温気圧変化をプロットするためにリチウム電池が望ましい。

6.ケータイ・・・使用しなかった。する気にもならなかった。

7.カメラ・・・所有するオリンパスμ1020SWシリコンジャケット付きは問題なく動作した。本体表面はかなり凍結し連続しようだと電池が切れてしまうが体に入れて暖めると復活した。100枚くらいは余裕で撮れた。

8.テント・・・ICIのゴアライトXソロ&フルフライを使用した。寒さを凌ぐにはこのセットで問題ないが出入り時ジッパーがめんどくさく外張りの吹流しはかなり有効と思われた。外を覗くにもフライは下からしか空かないため不便だった。今回テントにかなりの雪が積もったが、軽い粉雪だったため内側から押し戻すことができ、破綻の心配はなかった。しかし、湿雪の場合は注意が必要だろう。

9.ペグ・・・MSRの20cmフック形を使用した。かなりの強風だったがきちんとダウンすれば外れることはない。

10.シュラフ・カバー・・・ナンガナノバック720DX(725FP)を使用。シュラフカバーはモンベルブリーズドライテックU.L.スリーピングパックカバーをもっていったが結露が怖くて使用しなかった。だが少し寒かったため結果的にはカバーをしたほうがよかったかもしれない。ちょっと寒かったが眠れないほどではなかった。

11.帽子・・・毛か化繊のニットがあれば十分。

12.テントシューズ・・・あればかなり快適になるだろう。私は今回はテントの中でも靴を履いていた。

13.靴下・・・5本指とウールの靴下を重ね履きした。冬用のものであれば十分であろう。

14.ハクキンカイロ・・・カメラの保温用に持っていったがすぐ消えてしまい役に立たなかった。

15.スコップ・・・雪の時には絶対必要。手で雪をかきだしたり、テント場を設営することは不可能。できればロングバレルがあると作業効率が上がる。

16.ビーコン・・・今回はピープスフリーライドを使用。

17.スノーシュー・・・今回MSRライトニングアッセントを使用。ほとんど使わなかったが、滑落者を救出するには必要となるだろう。

18.ストック・ピッケル・・・ピークに向かう寸前までストックを使用、好みが分かれるところだが私はかなりのところまではストックでも大丈夫なのではないかと思う。

19.レイヤリング・・・行動中はベースレイヤーがファイントラック、ミッドレイヤーがアウトラストの長袖Tシャツ、アウターがゴアのハードシェル、パンツは4DMの七分丈と胴体まで隠れるビブ。行動停止中はこれにフリースのジャケットとダウンジャケットを着用。寒さは一切感じなかった。また、ファイントラックは高価なためユニクロのメッシュシャツでも代用可と思われる。

20.食料・・・商品によって同じ条件でも凍結するものとそうでないものがあった。
凍結したもの:アミノバイタル、プラティパスの寒冷対応チューブに入った水。
凍結していないが食べにくいもの:スニッカーズ、パワーバージェル。
凍結しなかったもの:練乳チューブ、ウィダーイン。
ウィダーが凍結しないことにはかなり驚いた。パンは具が凍結して変な歯ごたえになること以外は食べられる。個人的にはマーガリン入りブドウパンがGOOD。


【行動】
天気が晴れ傾向であればどんなに地吹雪が吹いても基本的に行動に影響を与えない(ただし装備が完全な場合に限る。今回の山行時の天候状態ならばむしろ迫力があってよいのではないか。しかし天気の傾向は慎重に判断する必要がある)。

【宿泊ポイント】
今回メンバーの掘った雪洞に入ってみたらとても暖かくで静かで驚いた。結果論だが少なくとも吹きさらしのテントより気温、騒音面で遥かに快適だったと思われる。ただし、雪洞のポイント決めは経験と装備が必要。

【総評】
今回は低温・強風・ピバーグについて非常に勉強になった山行であった。
全ての山行に当てはまるわけではないが、これが今後私の山行の行動指標になることは間違いない。
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