富士山に挑戦(吉田ルート五合目〜)
- GPS
- 08:59
- 距離
- 17.6km
- 登り
- 1,535m
- 下り
- 1,554m
コースタイム
- 山行
- 7:49
- 休憩
- 2:03
- 合計
- 9:52
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年07月の天気図 |
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
下山道は砂利道で滑りやすい |
写真
感想
遂に人生初の富士山に挑戦することにした。
来週にはマイカー規制が始まってしまうため、何とか今週中にねじ込んだ。
富士山のついては説明するまでもないが、日本の最高峰であり日本を象徴する名峰だ。
数十万年前、噴火を繰り返し長い年月をかけて今の山容が形成された。江戸時代にも噴火が起きており、富士山の歴史からすれば最近の話だ。富士山は、今なお現役の火山なのだ。
飛鳥時代の役小角をはじめ数々の修験者が登頂し、明治期には観光目的で登山をする者が増え、2013年には世界遺産に登録されると、海外からも多くの登山客が訪れるに至った。
2020年より新型コロナウイルスにより制限が設けられ、登山客は著しく減ったが、2023年現在では規制緩和されると、コロナ禍以前よりもむしろ登山客が増えたとのこと。
混雑した山を登るのは好きではないが、人生一度は登ってみたいと思っていた。
スタートは吉田口五合目からである。
吉田ルートは富士山の中では最も簡単で人気の高いコースとして知られる。
人気の理由は、歩きやすいというだけではなく、北から南へ登るのが信仰に沿ってるという古来の教えによるところもあるようだ。
上述したように今年の富士登山は特に混雑しているらしく、山小屋も埋まっている。僕は日帰り派なので山小屋は使わないが。
早朝の五時にして、五合目の駐車場は既に満車状態だったため、少し離れた場所に止めた。
【五合目〜六合目】
吉田口五合目の標高は2200m越えであり、最初から高所登山となる。
大きなレストハウスがあり、お土産が充実し、食事もできるようだ。
奥には小御嶽神社が鎮座してある。
すぐ隣にインフォメーションセンター、そしてその隣に協力金の受付がある。
支払いは任意らしいが、実質的な入山料だ。
受付で1000円の支払いを済ませ、まもなく登山口に入る。
最初は広大で平坦な道を歩いていく。吉田の街並みと、山中湖全体が見渡せる。
十分ほど歩くと泉が滝の分岐があり、右へ進むとようやく坂道になる。木々に囲まれ、ここだけ普通の登山道にいる心地になる。
このまま緩やかな坂を登っていくと、六合目に着く。
ここから山頂に向かって本格的な登山が始まる。
とは言っても、まだまだ傾斜は緩めで序の口といったところだ。森林限界に達しているため上の小屋まではっきりと見渡せる。
【七合目】
富士山最初の小屋に着き、ここで休憩をとる。
小屋を出発するといきなり傾斜が急な岩場が現れる。七合目は多くの小屋が点在し、小屋のあいまにゴツゴツした岩場が続くスポットだ。
登ってる途中でしばしば激しい強風と砂塵に見舞われ、吹き飛ばされそうな勢いで恐怖を抱く。
一旦落ち着いたあとも、また険しい岩場が現れたときは先行きが不安になった。
しかし終わってる見ると、このエリアが一番の難所だったように思う。
【八合目】
険しい岩場を経て、太子館という小屋に着く。ここからが八合目だ。
七合目までとは違い、なだらかで溶岩色の強い砂礫の坂道に一変する。非常に登りやすい道だ。
体感的にはこの八合目エリアが一番長かったように思う。
序盤は割と空いていたが、この辺りから登山客が増え始め、ちょっとした行列も見えてくる。
標高は3000mを越え、肌寒くなってくる。途中で冬用のコートを着て、万全に備える。しかし手袋をつけなかったため万全とは言い難かった。手は冷えなかったものの、日差しが強いため、のちに手の甲は軽い火傷を負いヒリヒリした。日差しを遮るものが無く太陽が近い場所なので、日焼け対策はしたほうがいい。
【九合目】
長い八合目を越え鳥居をくぐり、九合目にたどり着く。
そろそろ山頂が近い。
酸素が薄いためか、息切れが続き足が幾度も止まる。足が非常に重い。一段の登るだけでも疲れを感じる。
もちろん疲れてるのは僕だけではない。
立ち止まってるものも多く、道を譲ったり譲られたりを繰り返す。
僕を含め、ここまで来ると軽度な高山病を発病する者が続出しているようだ。
山頂は見えているのに、なかなか距離は埋まらない。
ゆっくりではあるが、一歩一歩着実に進む。
【山頂〜下山】
開始から五時間、ついに山頂へ着く。
山頂もまた小屋が立ち並んでおり、登山客でごった返している。
そして富士山のシンボルである、浅間大神が鎮座する神社奥宮が建てられている。
災害あるところに信仰あり。噴火が続く富士山は古くから信仰の対象になっており、霊峰としての顔もある。
神社の中に入っていく者もいたため、一応入れるようだ。
休憩を挟んだ後は、山頂をぐるっと回り、剣ヶ峰を通って元の場所に戻る予定であった。
しかし、山頂に着いてすぐに強風に見舞われ、視界も真っ白になり、まともに歩ける状態ではなかった。あやうく吹き飛ばされるのではないかと思うくらいだった。
小屋の中でやり過ごし、休憩を取った後も強風は止みそうになかった。
御鉢巡りは諦め、仕方なくこのまま下山を開始することにした。
下山ルートは、須走下山道を使う。
下山道は単調な砂利道になっていて、非常に滑りやすい。
実際に派手に転んでしまい軽くケガを負う。そばにいた外国人に「大丈夫ですか?」と日本語で心配された。
下山は歩幅を小さくし、急がず下っていくよう心がける。
このまま須走口には行かず、吉田口方面へ合流する。ジグザグとした砂利道を淡々と下っていく。
下山道が終わり六合目に着くと、ようやく坂はゆるやかになり、もう麓に着いたような心持ちになる。
今から登り始めた登山客が続々を現れ、今日で一番の賑わいを見せてくる。
既に午後二時を回っているが、おそらく宿泊組だろう。
登山開始から九時間、ようやく五合目に戻ってきた。いままで一番長い山行であった。
【最後に】
かなり混み合うのではないかと思っていたが、想像したよりも空いていた。
インバウンドも解禁され、小屋もすぐに満杯になるほど盛況になるとの報道もあったため、平日でも相当混むだろうなと予想はしていた。
静岡県側も山開きしたのも大きいかもしれない。
険し目の岩場に苦労したものの全体的には登りやすい登山道ではあった。ツアー客などでごった返すところはあったものの、ペース配分を誤らずゆっくり進むことが出来たので混雑が却って良い効果をもたらすのだなと思った。
それに、下山道が解禁されたおかげですれ違いも無く、前が詰まっていても道を譲ってもらえるため、スムーズに登ることが出来た。
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