ジャンダルム飛騨尾根2日目
- GPS
- 13:35
- 距離
- 11.5km
- 登り
- 672m
- 下り
- 2,548m
コースタイム
- 山行
- 6:28
- 休憩
- 6:49
- 合計
- 13:17
天候 | 晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
αルンゼへの下降点やT3へ向かうトラバース地点、およびT3取付き点とも解りやすく、迷うことは無かった。 ※スマホのGPS機能がうまく働かず、ログがあまり取れていません。要所要所でスマホ画面を確認した時のみ記録されるようです。そのため軌道がワープしています。 |
写真
感想
ジャンダルム飛騨尾根本番当日。快晴の中、テン場を出発。昨晩ブヨに咬まれたところが腫れてきて左目が開きにくいがなんとか登攀中は持ってほしい…
まずは穂高岳を経由してαルンゼ下降点まで向かう。間には「馬の背」「ロバの耳」。登山を始めて4年目に初めて西穂〜奥穂の縦走をした時は、ジャンダルムに登頂して涙し、緊張しながら「馬の背」「ロバの耳」を通過、奥穂高岳に立った時はそれまでで一番の感動だった。今回だって緊張感を持ってこの辺りを通過するのだが、本チャンの飛騨尾根登攀が待っているものだからじっくり楽しんで通過するゆとりが無い。とりあえず先へ先へ。ロバの耳の登り返しは結構キツイ。登攀終わったらまたここをピストンするのよね?(T_T)
無事αルンゼ下降点へ到着。何のことは無い、そこはジャンダルムとコブ尾根の頭との間のコルで縦走路の上だった。ここから飛騨側に落ち込んでいるルンゼへ下降する。西穂側から2人組のパーティがやってきて、彼らも飛騨尾根登攀とのこと。先行してもらって後に続く。下降を始めると上部から「どこへ行くつもりですか?」と声がかかる。アルパインにほど遠そうなオバハンが変な所下っていくのでどうやら道を間違えたと思われたようだ(^^; 「飛騨尾根に登ります」「登攀具持ってるので大丈夫です」と、K氏と私が代わる代わる答えると、何とか納得してもらえた様子。ザレたルンゼをぐんぐん下る。
苔むした小滝が危険と聞いていたが、そこはわりと乾いていてさほど危険は無かったので普通にクライムダウン。それより手前のノドになった急な部分のザレが嫌でそこは私だけ懸垂して降りた。小滝を越えると深かったルンゼ右岸の傾斜が緩くなり、飛騨尾根が見えてきたので、そこからは歩けそうな所をトラバースして尾根に取付いた。私たちが取付いたのは、一見、傾斜が緩くて歩きやすそうな岩が露出しているが、苔が付いていて滑りやすく少し嫌な感じの斜面。ぬめりの少ない所を選んで草を掴みながら這い上る。先行パーティはそのぬめりを嫌ってか、手前の傾斜はきついが足掛かりのもう少しましな所をロープを出してトラバースしていった。事前に見ていた他の方の記録では、もう少し下部までルンゼを下ってから取付いていたと思う。その時の状態に合わせて各々が安全と思われるところからのトラバースになるでしょう。
どこがT3取付きなのかよく解らなかったけど、とりあえずフリーで行けるところまで行って、多分この辺り?と思うところから登攀開始。グレードは全て3級だから登ることにおいては難しくないため、今回は全て私がリードで行くようにと指示がでる。登攀自体は難しくないが、アルパインのクラシックルートで初めてのオールリードなんて緊張する!。アルパインのクラシックルートでのリードは、昨年の剱岳八ッ峰妻Cフェースで最初の1ピッチをやっただけ。しかも剣稜会ルートをとったつもりが途中からRCCルートに迷い込み、半分ほどでピッチを切ってしまったからほんの20m程度登っただけ。支点の全てをピナクルで取るのも初めての経験。緊張して全体への配慮が欠落、K氏からは終始ダメ出しの声がかかる。5ピッチの内、3ピッチ終えた段階で疲労度マックス。時間も気になったので4ピッチ目はお願いしてK氏に代わってもらい最後5ピッチ目を再びリード。50mロープ目一杯出しても一般縦走路の少し下までしか届かなかったので、そこからはフリーでピークに登り詰める。お久しぶりのジャンの天使が出迎えてくれました。
ビレーステーション、プロテクション、ルート取り、セカンドビレー、全てにおいて150%くらいのダメ出しもらいましたが、なんとかジャンダルムへ飛騨尾根から登頂できたのは貴重な体験。帰路の「ロバの耳」「馬の背」とも、さすがに1日で往復していると弱点もルートも明確になり気持ちよく歩ける。とはいえ、一般縦走路屈指の難所ですから気を付けねば。私の感覚では北穂東陵よりこちらの方が難所のような気がします。
予定より1時間遅れで山荘に戻り荷をまとめて下山開始。その頃にはブヨに咬まれた左目が塞がり半分ほどしか開かない。疲れと半眼で下山は牛歩。毎度のことながら先に下山したK氏が車を回収してロープウェイ乗り場まで迎えに来てくれました。感謝感謝。今回も叱られっぱなしのアルパイン、場数を踏んで創造力を膨らまして緊張感と思い切りのバランスの中、経験を積まなくてはならないと実感しております。それでも楽しいですね!この充実感は忘れられません。
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