朝日岳〜雪倉岳 お花天国と灼熱地獄(蓮華温泉テント周回)


- GPS
- 15:36
- 距離
- 30.3km
- 登り
- 2,540m
- 下り
- 2,545m
コースタイム
- 山行
- 6:10
- 休憩
- 0:32
- 合計
- 6:42
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
朝早い時間でも比較的満車率の高い駐車場 到着時(4:30)タッチの差で満車、橋を渡った先の駐車スペースへ駐車 |
コース状況/ 危険箇所等 |
朝日岳・雪倉岳周辺の登山道は全体的に以下の傾向あり ・落差数m程度の細かいアップダウンが非常に多い ・岩、小石、木の根、笹、木道、階段などあらゆる要素が規則性なくミックスされている ・上記によりテンポよく歩くことが難しい ・木道は滑り止めなどの処置も良くされており、非常に歩きやすい ※北アルプスだが、標高の上では低山〜中級山岳のカテゴリなので真夏は灼熱地獄を覚悟 【蓮華温泉周辺】(蓮華温泉〜兵馬ノ平〜瀬戸川橋) 標高約1500m(蓮華温泉)から1100m(瀬戸川橋)まで一気に標高を下げる 兵馬ノ平周辺は湿地、周辺は沢も多く全体的に湿度高め 木道、木の根、石などほぼ湿っており、滑る前提で足を置くことをお勧めする 下りにこのルートを選択した場合、最後に低山1山分ほど登り上げる計算になる 標高も低く湿度も高く風もないため真夏は熱中症に注意が必要 【樹林帯】(瀬戸川橋〜白高地沢橋〜花園三角点) 登り基調ではあるものの、何度も細かいアップダウンが繰り返される 巻き道のようになっている箇所も、2〜3m程のアップダウンを繰り返しながら斜面を巻く 滑りやすい箇所、軽く崩落している箇所なども多く、通過には神経と体力を使う。 夏場は湿度も高くひたすら暑い。 日の出前であってもバカにならず、日が昇ると時間の経過とともに灼熱地獄と化す。 【森林限界】(花園三角点〜五輪高原〜吹上のコル) 高山植物が一気に増え、夏は見頃。 標高1700mそこそこで森林限界を超えるため、夏はとにかく暑いの一言に尽きる。 日射は容赦ないが、風はさほど涼しくないという厳しい環境 森林限界を超えてもアップダウンの繰り返しはほぼ変わらず 五輪高原を越え1983ピークの脇を抜けると本格的なアップダウンゾーンに突入する 吹上のコルに近づくにつれ、少しずつ道が登り基調に安定していく 【朝日岳周辺】(吹上のコル〜朝日岳〜朝日小屋) 歩きやすい砂礫調の一般的な高山の登山道 朝日岳周辺は高山植物やお花畑が見事。 【雪倉岳周辺(朝日岳側)】(朝日小屋〜水平道〜小桜ヶ原〜雪倉岳) 水平道は巻き道ではあるものの、終始アップダウンが繰り返される登山道 岩場、鎖場も何か所かあり、笹で滑りやすい箇所、砂で滑りやすい箇所などもある 時折現れる木道が抜群に歩きやすく、一服の清涼剤となっている 『巻き道=楽』という方程式は、こと水平道においては必ずしも適用されない 小桜ヶ原以降は登り一辺倒 意外と雪倉岳はデカく、登りも長く感じる区間、途中適度に休憩を推奨 【雪倉岳周辺(白馬岳側)】(雪倉岳〜避難小屋〜鉱山道分岐〜三国境) 雪倉岳直下に避難小屋があるが、夏場は水はないので補給はあてにしないよう トイレもあるが、あくまでも緊急利用に限って欲しいとの管理者からのお願いがある通り 避難小屋やトイレの利用を前提とした登山計画は基本的にはNG 鉢ヶ岳を巻く形で登山道がついているが、やはり細かいアップダウンが多い印象 三国境まで行くと白馬岳からの登山道と合流し、一気に登山者が増える |
その他周辺情報 | 蓮華温泉ロッジで入浴可 ジュース等も購入OK、行った時にはスイカも売っていた |
写真
お世辞にも歩きやすいとは言い難い。
ただし木道は別、整備が行き届いていてマジ歩きやすい、一服の清涼剤です。
以前より目を付けていたタイプのテントで、神がかり的な風通しの良さで、晴れていても全然暑さを感じない。
真夏は最高、秋はどうだろう?
感想
◆登山の背景
2023年はなかなかテント泊登山に行けていませんでした。
8月には2泊3日と3泊4日が控えており、できればそれまでに1度行っておきたい。
そんな中、今回たまたま妻の予定が変更になり、急遽朝日岳テント泊登山が決まりました。
2023年1回目のテント泊。
本来であれば調整の意味を持つ登山になるはずでしたが…
我々の予想に反して、想像をはるかに超える過酷な山旅となったのです。
◆登山の詳細
今回の主目的は朝日小屋でのテント泊。
今回初使用となるテントも持参し、テスト山行の意味も併せ持ちます。
よって余裕がなければ2日目はピストンで同ルートを下山。
余裕があれば白馬岳方面に足を延ばし、白馬岳も踏めればベストという山行計画でした。
【5日(土)】
(蓮華温泉〜朝日岳〜朝日小屋)
蓮華温泉から朝日岳へ向かうにはまずいきなり下ります。
驚くべきことに下手な里山1個分(約400m)くらい。
最低部に到着した時『標高は1100mです』のヤマレコのアナウンスを聞き、自分の中で大きな勘違いをしていたことに気づきました。
北アルプスということで、さも高山のつもりで来ましたが、標高を聞く限りこれは紛れもない低山歩きです。
真夏の低山という灼熱地帯に自ら足を踏み込んだのが地獄の始まりでした。
お世辞にも歩きやすいとは言えない登山道が体力を奪い
標高1700mというあまりに低い森林限界から上は太陽の熱射地獄。
風はほぼ無風、火照った体が全く冷えないという状況が長時間続きました。
前回の教訓を生かし、凍らせたペットボトル、氷たっぷりの水筒を持参しています。
結果的にコレがなかったら途中でリタイアだったかも。
それらを活用してすら体の熱が全く引かず、ほぼオーバーヒート状態。
10歩歩いては足を止め、もう10歩歩いては水を一口含み体を冷やす。
それをひたすら繰り返しながら、全く上がらない脚を無理やり動かしつつ登りました。
幸いにして『体が重くて動かない』という症状のみだったので、だましだまし時間をかけてなんとか登りきることが出来ました。
【6日(日)】
(朝日小屋〜雪倉岳〜白馬大池〜蓮華温泉)
前日の熱中症の影響はほぼなく、体調も良好だったので白馬方面へチャレンジすることに。
とにかく昼間の暑さが嫌だったので3時20分より行動開始。
結果的に前日の不調が嘘のように体調がよく、雪倉岳の登りでは従来のペースを維持。
やはり根本的に暑さがダメなんだということを再確認することになりました。
その後体力と相談して白馬岳登頂は諦め分岐より白馬大池方面へ下山。
最高の稜線を満喫しつつ、どうにか予定通りの工程を消化しました。
ただし白馬大池からの下りは前日同様灼熱地獄となり、全身バキバキでの下山となったことは言うまでもありません。
◆登山の感想ほか
朝日岳、雪倉岳周辺のお花畑は見事でした。
しかしそれに至るまでの登山道はまさに灼熱地獄でした。
この時期の暑さを甘く見たのが今回の反省ではありますが、良い訓練になったのも事実。
結果的には最高の山行となりました。
ただしキツさも過去最高でしたので、なんとも微妙なところではありますw
過去、これほどまでに暑さに振り回されたことがあっただろうか?
足掛け17年ほど山をやっていますが、ここまで厳しい登山を強いられたことはありません。
歳を取ったという考え方もありますが、いずれにせよ暑さ対策は必要ですね。
あるいはこの時期には山に登らないという手もありますが、それは無理だろうなぁw
今後も気を付けて、万全の態勢で山に登りたいと思います。
コメント
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暑さと歩きにくい道に対する感想がまさに私の飯豊のものと同じで、ものすごく共感できました。。お疲れ様です!私も心して挑みたいと思います。
コメントありがとうございます(*'▽')
予想外に、地図や標高差では表しきれない類の歩きづらさでした…暑いし。
歩いてて登山道や太陽にマジ切れしそうになりながら歩いてましたよw
あまりに悪い印象がついてしまったので、また秋の紅葉シーズンにでも再トライしてみようかと思ってます♪
そういえば、8月中に2泊3日のテント泊を予定しているのですが
実は目的地は飯豊だったりします…暑さ対策しないとヤバいですよねw
北アルプスと言っても、低山である、というコメントになるほどーと思いました。
お花の時期だと、どうしても夏シーズンになるし、私も暑さに弱い…特に無風は絶対的にダメ🙅♀️身体が冷えない、ってのよくわかります。実は、今日からこの山域に入る予定でしたが、諸事情でキャンセル。夏は無理なのかなぁとレコを拝見して感じてるところです💦
コメントありがとうございます(*'▽')
今回かなり突発的な山行だったため、下調べが不十分だったツケを暑さの部分で清算する羽目になりました。気候の上では驚くほど低山でしたよw
山行後は『こんな時期二度と来るもんか』とも思いましたが、冷静に考えればこの時期がまさしくお花畑最盛期なわけで、お花天国を味わうには灼熱地獄を越えていけという神から与えられた試練のようなものを感じざるを得ません(;'∀')
ちなみに私が再度この工程を歩くのであれば…
・ 道中2カ所ある水場を最大限利用する
・ ずぶ濡れも辞さぬ覚悟で道中の沢でしっかり身体を冷やす
それ+熱対策アイテムを有効に使うという対策を講じると思います。
熱対策アイテムについては色々検討中で、またそのうち日記でも書こうかと思っています(*^^*)
このレコを見ているだけでビール二本消費しました
体に良くありません
灼熱地獄が伝わってビールがぶがぶ飲んでしまいました
この山域で灼熱とは今年の後立山での山行はかなり厳しい状況みたいですね
それぞれの山小屋でも水の配分には規制があるみたいだし
水の枯渇は死活問題なんで今年は深刻ですね
そういえば先ほどのアクリルボックスのお話ですが
自分の想像していたアクリルボックスはあっきー@くまさんの言っておられる収納ボックスと同じタイプのものだと想像しておりました
確かにアクリルではなくポリプロピレン?的な素材と思います(笑)
コメントありがとうございます(*'▽')
ビールと言えばこの日、下山後の蓮華温泉ロッジで飲み物買う時に『生ビール』の文字とイラストを見て発狂してましたw
帰りの運転があることを心底恨みましたが、見ず知らずの方からスイカ奢ってもらってニッコニコに変わったのが最後の写真(単純)
水の制限はすなわち命の切り売りみたいなもんですから、安易にケチって熱中症になる人が出ないことを祈るばかりです。
水がなければジュースを買えばいいじゃない。ではありませんが、他の飲料があるうちはまだ良いですが、タイミング悪く他の飲料も枯渇するようなことがあると本格的にヤバいですよね。
あ、てことは2人そろって名称を間違っていたのですねw>アクリルボックス
そんなわけでテント類は結構デカめの収納ボックス2つに入れて押入れに重ねて置いてあります。加水分解してもらっては困るので中にドライペットも放り込んでます。
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