扇ノ山〜小又川渓谷のシワガラの滝と桂の滝
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- GPS
- 03:25
- 距離
- 11.1km
- 登り
- 899m
- 下り
- 907m
コースタイム
天候 | 一日目;腫れ 二日目;雨のち曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
小又川渓谷は遊歩道の入口に車五台ほどの駐車場あり |
コース状況/ 危険箇所等 |
いずれも良好に整備された登山道 |
その他周辺情報 | 湯村温泉 薬師湯 ¥700 https://www.torican.jp/spot/detail_1210.html |
写真
感想
長男が久しぶりに高い山に行きたいというので、日曜日からのお盆はアルプスか御嶽山にと考えていたが、台風7号の接近で天気は良くなさそうだ。台風の進路の北西にあたる兵庫と鳥取の県境のあたりは月曜日まで天気がもちそうなので、扇ノ山に出かけることにした。
氷ノ山は数年前のこの時期に家内と登って避難小屋に泊まったのだが、扇ノ山は山頂のかなり近く、標高も1100mを越えたところから登ることができるのが有難い。
登山口となる上山高原までは市内を通ることを避けて下道で八木経由で9号線を走ったせいもあるが、京都からは4時間半近くの時間を要することとなった。丁度、正午に家を出たが途中の八鹿で買い物をしたせいもあり、上山高原のキャンプ場には17時前に到着する。広々としたキャンプ場には車3台でキャンパーが訪れていた。既に標高1000m近く、涼しさを感じる。
登山口までは舗装された林道を走って小ズッコの登山口に至る。登山口の手前には車数台分の道路余地がある。歩き始めると早速にもブナの純林が広がる。すぐに小ヅッコの避難小屋がある。中には薪ストープがあった。冬に泊まるのは良さそうだ。
ほとんどアップダウンのない尾根を扇ノ山を目指して緩やかに登ってゆく。ブナの林は若木が多いが、所々に立派な大樹が現れる。林床に生える低木が悉くその根元が大きく曲がっているのは冬の豪雪のせいだろう。東の空は曇っているが、西の空からブナの林の中に夕陽が差し込み、木漏れ日がブナの灰色の樹肌を照明のように明るく輝かせる。アップダウンのほとんどないブナ林の間の道は登山道というよりはさながらプロムナードといったところだ。
夕陽が雲の間に隠れたのだろう、夕陽が消えたかと思うと、ブナの樹林には霧が漂い始める。どうやら稜線にかかる雲の中に入ったのだろう。大ズッコと呼ばれる小ピークを過ぎると山頂との間の鞍部に向かって下降する。山頂への登り返しに入ると、突然、空が晴れて再び林の中に夕陽が差し込み始めた。山頂の手前には西側に展望の開けた展望台が現れる。雲海の向こうに夕陽が見える。日没まではまだ少しの時間あありそうだ。
山頂まではわずかに数分で到着する。この扇ノ山の山頂を家内と共に訪れたのは5年前、南西の姫路登山口から雨の降る中を登ってきたのだった。その時は勿論、全く展望はなかったのだが、この日は山頂からは南側に大きな山が見える。氷ノ山だ。その山頂には雲がかかっているようだった。
山頂は程よく涼しい風が通り過ぎてゆく。まずは凍った麦茶と共に保冷袋に入れて担ぎ上げてきたビールで乾杯だ。汗をかいた後のせいもあるが、瞬く間に飲み干してします。餃子を温めるが、餃子がなくなったところで、小屋の中に入り、ガーリックとオリーブオイルで焼肉を調理し、今度は赤ワインと共に味わう。
小屋の西側の樹の向こうに夕陽が沈んでゆく。先ほどの山頂の手前の展望台にまで戻れば美しい夕陽を眺めることが出来たのであろうが、酒のせいで既に動くことが困難になっていた。〆は舞茸と炭焼の鶏肉を入れたピラフを作り、すっかり満腹となる。食事のあとは早々に眠りについた。
翌朝は山頂はすっかり雲に覆われたようだ。目覚ましにコーヒーを淹れて、荷物を片付けると6時過ぎから下山の途につく。すぐにもパラパラと雨が降り始めた。ブナの樹林の中を急足に降る。小ズッコの避難小屋を過ぎて登山口に戻るとどうやら雲の下の出たようだ。霧も晴れて雨が上がる。
シワガラの滝に移動する。駐車場に車を停めて、滝に至る遊歩道を歩く。滝まではおよそ800mのようだ。小さな谷を渡り、尾根を一つ越えると狭隘な小又川渓谷に降りてゆく。すぐに先を歩く若いカップルに追いついた。
谷に降り立つと谷奥に洞窟が見え、そこで谷が終わっているように見える。渡渉を繰り返し、洞窟に向かって進んでゆくが、洞窟の中には滝は見えないが、滝音が聞こえてくる。気がつくと谷の斜面には数多くのイワタバコの花が咲いている。
洞窟に入ると右手の壁から落下する10mほどの直瀑が目に入る。丁度、滝の落口から洞窟の中に光が差しており、薄暗い堂宇靴の中で滝の流心を明るく輝かせている。なんとも神秘的な空間であり、さながら小さな聖堂の中にいるかのようだ。雰囲気滝の落ちる岩壁には滝からの水滴を纏った苔が鮮やかな緑を見せている。
洞窟から出ると先ほどの若いカップルが到着したようだ。引き返して途中の小さな尾根に戻ると、桂の滝を目指す。ここから1.6kmほどあるらしい。道はしばらくは尾根を進むが、すぐに右手の斜面をトラバース気味に進む。わずかな植林の中を抜けると、トチノキの大樹が目立つ自然林の疎林となる。蒸し暑い空気が澱んでいたが、標高が750mを過ぎたあたりから谷の方からようやく涼しい風が吹いてくるようになる。丁度、ほぼ中間地点で小さな谷に差し掛かると、登山道のすぐ上から水の音が聞こえる。丁度、岩の間から滾々と冷たい清水が湧き出しているのだった。水を補給して先に進む。
道が谷筋に向かって下降するようになり、右手に沢が近づくと谷奥に大きな直瀑が目に入る。滝下に至ると滝の全景を写真に撮ることが出来ないが、手前の岩に登ると程よく滝全体を俯瞰することが出来る。足元はかなり湿ってはいるが、一向にヒルの気配が感じられないのは有難いことだ。滝と谷に充満する涼気を堪能したところで帰路につく。復路は道が下りになるせいか、早く感じられた。
駐車場に戻ると9時すぎだった。道を降りてゆくと、こんな高いところにと驚くほど、棚田が広がっている。程なく海上と呼ばれる集落に入る。海からは離れているが海上とは変わった名称だ。9号線に出ると、湯村温泉の日帰り入浴施設の薬師湯に立ち寄る。ここは源泉か流しの温泉らしい。湯がとても柔らかく、泉質が良いように感じられた。
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