燕岳で北アルプスデビュー
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- GPS
- 08:53
- 距離
- 23.1km
- 登り
- 1,537m
- 下り
- 1,618m
コースタイム
- 山行
- 5:05
- 休憩
- 1:15
- 合計
- 6:20
飲料消費1.0L (+スイカ)。ザック初期重量8.1kg。
天候 | 晴れ、9時前から頂上付近はガス |
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過去天気図(気象庁) | 2023年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
帰り)中房線乗合バス・有明荘BS/JR大糸線・穂高駅 |
コース状況/ 危険箇所等 |
よく整備されています。合戦山より上は細いトラバース道が多いのですれ違いに注意。中房温泉登山口に登山ポストがあります。 |
その他周辺情報 | 中房温泉、有明荘、バスに乗って駅に向かう途中の穂高温泉郷には日帰り入浴があります。あと駅を挟んで反対側に2.5kmほど行くと大王わさび農場があります。 |
写真
1時間で500m以上高度を上げられたら健脚とどこかに書いてありましたが、今日は累積登り1510mなのでまあギリギリ健脚を名乗ってもいいでしょうか。でもあと1時間足して2000mは無理!
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下
グローブ
雨具
日よけ帽子
靴
ザック
昼ご飯
行動食
非常食
飲料
地図(地形図)
コンパス
笛
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ファーストエイドキット
携帯
時計
タオル
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感想
念願の北アルプスデビューで、燕岳に行ってきました。実は昨年御嶽山に登ってその時も北アルプスデビューと称しており、個人的には御嶽山は北アルプスに含まれるのではないかと思っているのですが、その時々で都合のいい方を使い分けるのです。
さて燕岳はデビューに最適で入門者にもやさしい人気の山と聞いたので、当初は混雑を避けるため有休を取って、日曜に18きっぷで移動して前泊、月曜に登るつもりでいたのですが、天気予報が下り坂だったので予定を早めて土曜前泊日曜登山に変更しました。土曜は昼前に用事があったので18きっぷは活用できなくなりましたが、我ながら良い判断でした。というのも日曜と月曜では登山バスのダイヤが違い、月曜は入山が2時間も後になるんですね。日曜は登頂後9時ごろにはもうガスが濃くなってきましたから、すんでのところで景色を堪能できました。やはり登山は早出早着が基本。安全のみならず楽しみのためにも。
さて前日穂高駅に着いたのは夕方で、穂高温泉郷までの4kmあまりは歩きました。穂高駅近くのビジネスホテルを当てにしていたのですが、直前まで天気予報と睨めっこした結果、部屋が埋まってしまったのです。まあ温泉旅館(檜湯の宿 松柏)の広々した部屋で休んで温泉にも浸かれたのでよかったのですが。山の麓の温泉宿のある辺りと、振り返って穂高市街には明かりが灯っているのですが、その間は街灯もろくにない暗闇でちょっと心細かったですね。私は途中のラーメン屋で夕食をとり、コンビニで翌日の朝食その他を買ったのですが、途中開いている店はほとんどないので計画を立てて行った方がいいと思います。
すっかり日が暮れてから宿にチェックイン。少し待っている間にロビーにいた地元の常連客らしいご老人に話しかけられまして「山行くの?明日?明日までは天気大丈夫そうだねえ。どこの山?燕岳か、いい山だよ。一人で?」といった調子。「単独行は危険だからやめなさい」と言われたらどうしようとドキドキしましたが「燕岳なら一人でも大丈夫かあ」とお墨付きを頂戴し事なきを得ました。
翌朝は4:50の登山バスに合わせて温泉公園北口バス停へ。私の他にもう1人お客が乗りこみました。バスは45人乗りくらいの2台で来ましたが、1台目は既に満員で2台目に廻されました。その後、有明山神社バス停で大勢乗って来られてほぼ満員に。万一あぶれる危険を避けるなら、穂高駅か温泉公園北口から乗った方がいいかもしれません。
中房温泉登山口で手短に準備を済ませて入山。登山届を書いている人も多かったので(私は事前にネット提出)、バスで来たグループでは中間くらいに出発したと思います。合戦小屋までで50人ほど追い抜いたでしょうか。第1から第3と富士見のどのベンチも10人足らずが休憩していて、うっかり遅いグループの後につくと面倒と思うと結局休まず合戦小屋までノンストップで歩いてしまいました。加えて時おり見える展望を除くと、高山植物も大方終わった合戦尾根にはさして見どころがなく写真撮影で足を止めることも少なかったのが速いペースの要因です。もっとも2人ほどに追い抜かれましてどちらも大きなザックを背負ってらっしゃいました。すごいなあ…(しかも一人は女性)
合戦尾根と言えば、北アルプス三大急登に数えられるので覚悟を決めて臨みましたが、構えるほどではなかったかなという印象。摩耶山天狗道の一番きつい箇所がずっと続く感じでしょうか。ただよく整備されていて手を使うようなところはありませんし、等間隔にベンチが設置されているところは心に優しいです。トータルでは全縦で菊水山、鍋蓋山の後に登る摩耶山より楽でした。
合戦小屋を過ぎたあたりで、前を歩く人は少なくなって今度は下山してくる人とのすれ違いが増えてきました。向こうも「登ってくる人が増え始めたね」と言っている人がいたので、だいたい先頭集団(の後ろの方)にいたのだと思います。
燕山荘に到着したときはまだガスがなく、展望は最高。槍ヶ岳周辺とその北側に連なる山々が綺麗に見えました。当地は全くの不案内なので「おお〜北アルプスらしい稜線だ」と思うだけで、槍ヶ岳以外はどれがどの山やらさっぱりでしたが、先週購入した山座同定アプリ「PeakFinder」が役に立ちました。これまで無料の「AR山ナビ」を使っていたのですが、私にとってはPeakFinderの方が使い勝手がいいですね。560円買い切りで広告も出ませんし、いい買い物でした。その後まもなく燕岳登頂した辺りからガスが出始めたので本当にタッチの差でいいタイミングでした。入門者向けのサービスだったのでしょうか。
燕岳は概して皆さんマナーがよく気持ちよかったですね。むしろ私が下りで後ろから近づいている人に気づかずしばらく前を歩いてしまったのが反省です。しかも滑って尻餅をついたところを見られてしまいました…恥ずかしい。やはり入門者向けとはいえ北アルプスに来られる人は皆それなりということでしょうか。
外国の人が多かったのも印象的でした。アジア系でもアフリカ系でもない、でも英語ドイツ語以外を話している人が多かったですね。ラテン系? 今年は富士登山で軽装やノーマナーの外国人が〜(日本人にもいると思いますが)というニュースをことさら目にしますが、ここの人は普通に登山の服装でマナーもちゃんとしていました。日本語で挨拶も返してくれましたし。「コンニチハ」だけでなく、道を譲って「オキヲツケテ〜」と言ってくれる人もいてちょっとびっくり。まあ富士山の方も実際行った人によるとそんな人全然見なかった、ということですが。テレビはインパクトのある画を欲しがりますしね。山小屋や組合といったプロの言は確かなので問題は問題なのでしょうが、報道を通じて我々(特に登山をしない人)が持つイメージは実相からだいぶ乖離があるんじゃないでしょうか。閑話休題。
下山後は有明荘で日帰り入浴。硫黄のにおいが強く、いかにも温泉という感じがします。ここは高地にあるとは思えない広々した露天風呂があり人気なのですが、私が入った12時過ぎは人のピークだったらしく5つしかない洗い場で順番待ちが発生していました。そのうち落ち着いてきたのでタイミングをずらした方が快適かもしれません。バスまで時間があったので食堂でゆっくり昼ごはんもいただきました。帰りのバスは混雑を心配して早めに並んだのですが(最終的に10人ほど)、バスは行きより小さい25人乗りくらいのが2台でやって来て、結局全員1台目に乗り切れました。帰りも有明山神社で降りる人が結構いました。
そうそう忘れ物があったようで穂高駅で運転手さんがわざわざ降りて駅券売機に並んだお客さんに聞いて廻っていましたが、名乗り出る人はいなかったので有明山神社で降りた人の物でしょうか。灰色のレインウェアのカバーかグラナイトギアの防水ケースみたいなのでした。
15時過ぎに穂高駅に到着して、ちょっと悩んで徒歩30分くらいの位置にある大王わさび農場に行くことに決めました。有明荘で記念に買った手拭いもまだ生乾きでしたし。17時閉園なので歩いて往復しても17時44分の電車がちょうどいいです。あとで周遊バスもあることに気づきましたが。昨日も感じましたが、穂高温泉郷とか駅前とか人家や商店はあるエリアに集中していて、その間は田畑が広がる、というのがこの辺りの風景のようです。私の住む阪神エリアにも田畑はそれなりにありますがスケールが違いますね。
大王わさび農場は涼しげでいいところでした。あいにく食堂やカフェは大方が終わっていて、お土産物屋と売切れ間際の屋台とフードコートがあるきり。他に出張販売中の名産品売り場で林檎ジュースを購入しました。長野は林檎も特産なんですよね。あと湧水百選に認定されている安曇野わさび田湧水群の水が贅沢にもかけ流しになっていたので空になった魔法瓶に詰めさせてもらいました。ひんやりして美味しかったです。
総じて天候はじめ偶然の判断など幸運に恵まれてほとんど心残りのない大満足の山行でした。特に槍ヶ岳はじめ、小槍、大キレット、北鎌尾根などかねて名前だけ耳にしていたスポットの数々を実見できたのは感激。これだけ初回が楽しいと次回以降のハードルが上がってしまうなと少し心配に。強いて挙げるならライチョウにはまた会えなかったことと(頂上直下でゴジュウカラ?イワヒバリ?っぽいのと遭遇しましたが)、富士山を見逃したことくらい。富士見ベンチ他から見えたそうです(名前から言ってそりゃそうですね。迂闊でした)。あとはピストンでやや単調だったことでしょうか。なるべく登頂を急いで合戦小屋のスイカを下りに廻したのは正解だったとは思いますが。次は分県登山ガイドにあるコースの東沢乗越周回でもいいですね。
さて、来週最後の1回分の18きっぷをどこで使うか考えないと。
〇今日のヤマスタチェックポイント
燕岳(おすすめ二百名山<北アルプス11座>、北アルプスベーシック)
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